諏訪地域独特の伝統文化「諏訪大社」木遣り唄/長野県諏訪市

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七年に一度、開かれる諏訪大社の御柱祭

諏訪地方最大の神事、御柱祭(おんばしらさい)。御柱祭は七年に一度開かれ、重さおよそ20トンの巨木を山から里へ曳きだし、諏訪大社の境内に立てる一連の行事だ。この御柱祭で木を曳く際に唄うのが木遣り(きやり)職人と呼ばれる人たち。諏訪大社で下諏訪町木遣保存会会長の小松直人さんが出迎えてくれた。御柱は神様が降りてくる目印とされ、結界の役割を果たすという。「1200年前から猿と虎の年に御柱を山から切って立てる。諏訪地域独特の伝統文化で、御柱は地域の人の生活の節目になっている」と小松さん。次の御柱まで「元気でいよう」「後輩の職人を育てよう」と、それぞれに思いを抱くのだという。

木遣りが皆の心を一つにする

御柱の最初の地点、棚木場に案内してもらう。そこから見える国有林には御柱となる、もみの大木がぎっしりとあるという。1年前に150~200年くらいの御柱を人力で切り倒し、並べておく。棚木場から進んでいくと、天下の木落とし坂がある。御柱祭で木を曳く同中にある、御柱祭最大の見せ場、木落としが行われる場所だ。氏子を乗せた巨木が坂を一気に滑り落ちるさまは圧巻。「坂は35度の傾斜で100メートルある」と小松さん。坂の始まりには観光用の御柱がある。木落としの前には「協力してお願いします」という意味の木遣り唄が唄われる。木遣りの唄は御柱を曳き出すための合図であり、氏子たちの心を一つにする役割がある。天まで届くような甲高い声で皆が一体となる。せっかくの機会ということで中田も掛け声で参加し、木遣りの唄を披露してもらった。

代々受け継がれる木遣りの唄

最後に御柱を祭る諏訪大社下社春宮へ向かう。ここで小松さんの先輩であり、木遣りの名人である顧問の林孝春さんに出会う。ご神木が着いたあとに神様をお帰しする唄を林さんが唄ってくれた。この場所で名人から指導を受けていた小松さん。「かつては止めようと思ったこともあったが、名人のおかげで今がある」と振り返った。木遣りもまた、代々受け継がれてきた伝統。林さんは「先輩たちから伝承していってほしいという思いを受け継いだ。後輩たちが頑張って乗り越えてくれたから、今も木遣りの唄は生きている」と語った。

ACCESS

下諏訪町保存会
長野県 諏訪市中洲宮山 1
URL http://suwataisha.or.jp/akimiya.html
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