どこか懐かしい日本家屋
冬には一面の銀世界となる南魚沼市の田園。そこに茅葺き屋根のどっしりとした、建物がある。明治3年に建てられた田舎造りの建物だ。この風景のなかで育ったわけでもないのに、なぜか懐かしくなる、そんな気持ちにさせてくれる風景。
太い柱に存在感のある梁、細工の施された欄間など、いかにも時代を感じさせる内装で、古きよき日本を感じさせてくれる。敷地内には樹齢1500年とも言われる欅の大木が佇み、この場所に訪れる人々を静かに見守ってきた。そんな雰囲気のなかでいただく四季折々の食材を使った料理は、味もさることながら、ホッと心に温かいものを運んでくれる。
四季の食材を使ったぜいたく
当日、中田の前に出されたメニューは、じゅんさいゼリー寄せから始まり、菊のおひたし、分葱とみょうがのぬた、自然薯のり巻き、岩魚のいろり焼き…と書ききれないほどのごちそう。素朴でしっかりと食材の味を噛み締めることのできる逸品がずらりと並んだ。なかでも中田のお気に入りは、ご飯。
「たぶんお米自体も美味しいんだと思う、すごくふっくらと炊けていて美味しい!炊き方かな。」と、パクパクとご飯を口に運び、誰よりも早くおかわりをしていた。
「春には山菜、夏には自家栽培の無農薬野菜を中心に、季節の食材をつかうように心がけている」というのは、女将の南雲直子さん。ちなみに「家庭でもマネできる、おいしくご飯をたく秘訣は?」という質問には「手早く研ぐこと。浸水を十分にすること。おいしい水で炊くこと。蒸らす時間も大事ですね」とのアドバイス。ぜひマネをしてみてください。
欅苑は、お食事をいただくだけでなく、宿泊も可能だ。春夏秋冬、それぞれの景色を楽しみながら四季折々の食材と、新潟ならではのお酒をいただく。ゆっくりと寝て起きた朝には、魚沼のおいしいご飯で朝食を。贅沢な時間が堪能できることだろう。