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真竹の産地に続く竹細工
大分は真竹の生産量が日本一。その竹を使い、国の伝統工芸品に指定されている別府竹細工は、室町時代に行商用の籠を作って売り出したのが始まりとされている。江戸時代に入り、別府温泉の名が全国的で有名になったことから、湯治客が滞在中に使用する飯籠、米あげ笊(ザル)といった竹製の生活用品が売られるようになった。また、竹製品は湯治客の土産品としても好評で、需要の増加と共に竹細工市場は拡大し、別府の地場産業として定着していった。この竹細工の技術は伝統工芸師を中心に伝承され、近年は、消費者の需要にこたえたデザイン開発にも力を入れている。
竹細工グループ「Vannier(ヴァニエ)」とは
そんな大分に新しく女性の職人グループが誕生したということで、訪れてみた。グループ名は「Vannier(ヴァニエ)」、フランス語で「かご職人」という意味だ。「女性だからこそ気付くことや、感じることもある」という想いで、女性ならではの感性を生かしてしなやかで柔らか味のあるフォルムの作品を生み出している。メンバーは現在7人で、県内各地で創作を続けながら、定期的に勉強会をひらき、新しい作品や技術・意見を交換したり、刺激を与え合ったりしている。
お邪魔したのはVannierの代表を務める森脇けい子さんの工房、「竹の工房ろくり」。手ほどきを受けながら竹を編んでみた。