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毎年同じ味にはならない —— そこが難しくもあり楽しい
「桃をもぐのなんて、初めてだよ」「中田さん、山梨出身なのに?」まるで桃狩りのような和やかな雰囲気。こだわり屋の中田は、すぐに真剣な顔になって「おいしい桃の見分け方は?」と農園主の石原松実さんに聞く。
「玉が大きいもの。皮がピンと張ってるものかな。太陽にあたっていればいるほどおいしい。でも実際のところ、立ち木の果物だから、どれがおいしいかわからないんだよね。雨量によっても甘さが違ってくるから、毎年毎年おいしいものっていうわけにもいかない。それが難しいんだよね」
そう言って頭をかいていた石原さんだが、桃の特産地・笛吹市一宮町でも、石原農園「ともちゃんちの桃」は、大変人気が高いという。甘くて、色がきれい、そして丸々と大きな桃は、贈答用にも喜ばれ全国から注文がひきもきらない。
さっそくもいだ桃を水で洗って、がぶり。新鮮な桃は、皮のままでも食べられる。
「甘い。けど、甘ったるいというのとは全然違う」と中田。まるりと、一個完食させていただいた。
嬉しいのはリピーターから届く「“今年”の感想」
「毎年味が違うのが難しい」という石原さんだが、リピーターが多いのもここの農園の特徴のひとつ。「いろいろね、今年は去年よりおいしかったとか、逆に去年の方が甘かったとか、書いて送ってくださる人もいるんです。それがすごくうれしいですよね」
そういって、また石原さんは頭をかいていた。
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