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繊細なラインを実現する家具職人
マルニの家具といえば、カリモクと並ぶ憧れの高級家具。その本社は広島市にある。
2009年には新進気鋭のデザインオフィス「nendo」(ネンド)とのコラボレーションで、脚の太さがたった15ミリしかない木製のイス「cord-chair」を制作したことで話題になった。
脚の太さが15ミリ、ということからも分かるように、cord-chairは従来の木製イスの常識を超えたイス。この脚は、9ミリの太さのステンレスを、厚さ3ミリの木で包み込むことででき上がる。厚さ3ミリの木の部材は、あまりの薄さに量産用の工作機では対応できないため、すべて職人の手によって削り出され、木目も揃うように丁寧に貼り合わされている。繊細で硬質なフォルムと木の持つ温もりや柔らかさが見事にマッチした、まったく新しいデザイン。1928年から木製イスをつくり続けてきたマルニの技術が、史上最細の木製イスを可能にしたといえる。
ほかにも、「±0」(プラスマイナスゼロ)の深澤直人さんとのコラボレーションで生まれた「マルニコレクション」など、時代にマッチしながらも長く使い続けることができる家具を世に送り出している。