くだもののような甘さを持つ、とれたての生トウモロコシ
「ポキッ」と音を立ててトウモロコシを採り、「食べてみてください」と雨宮さんが差し出してくれた。皮をむくと、そこには真っ白なトウロコシが。
「このまま、生で?」と中田が聞くと、「そうです。そのまま生で」と雨宮さんが答える。ゆでたトウモロコシのように、かぶりつく。「あ、やわらかい。果物みたい……!」食感だけでなく、その甘さにも驚く。
普通、トウモロコシはゆでたり焼いたりして食べるのが一般的だ。だから、そのほうが甘みが出るのかと思うが、雨宮さんは「実は違うんです」という。
「ゆでてしまうとお湯に糖度が逃げてしまうんですよ。だから甘さは落ちる。温かくして食べたいというのであれば、薄皮を残して電子レンジで3分ぐらい温めるというのがいいかもしれませんね。でも、もぎたては、生が一番。糖度が最も高い状態なんですよ」
雨宮さんが育てる「ピュアホワイト」という品種は、主に北海道などで栽培されるが、寒暖差のあるこの土地は糖度を増すには最適の気候なのだそう。
「白さ」の秘密は、十分な畑の広さと気遣いにあった。
中田も驚いたピュアホワイトの白さだが、真っ白に育てるのは大変な苦労があるという。
「畑が一面ピュアホワイトじゃないとダメなんですよね。例えば隣近所で違う品種を作ると、花粉が飛んできてしまって黄色が混じってしまうんですよ。だから本当に真っ白に育てるのは大変なんです」
平均糖度17度というから、糖度だけで比べればメロンとほぼ同じ。
広く取られた土地で丁寧に育てられた甘くて白いピュアホワイト。
その甘さと柔らかさに驚くこと間違ない。