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色褪せず、虫がつかない泥を入れて漉く和紙――、それが名塩(なじお)雁皮(がんぴ)紙。泥が混ざっているため丈夫で、年月を経ても色褪せず、虫がつかない。 |
名塩の土と水で作りあげる谷野武信さんは、2002(平成14)年に人間国宝に指定された人物。かつては紙漉きの里として知られ、「名塩千軒」と言われたこの地方だが、いまやその伝統を受け継ぐのはたった2軒のみ。もう1軒は箔打ち紙のみの生産なので、すべての種類の名塩雁皮紙を製作しているのは、谷野さんの製紙所のみである。 名塩では、かなり固い岩盤の層から4種類の色の独特の泥が採れる。泥を採取したら、木綿の袋に入れて泥をこす。 |
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熟練の技を必要とする泥を混ぜるのは、日本でもここだけという珍しい製法だ。中田も紙漉きに挑戦させていただいたが、泥を混ぜて漉くのはかなり難しい。熟練の技が必要なのだ。 名塩雁皮紙は、ローマ法王にも献上されたことがあるという、日本が誇る和紙。それは、名塩独特の泥と水、そして人の知恵があってこそ生まれたものだ。名塩雁皮紙には、自然と暮らしが渾然一体となって伝統を育んできた手触りを感じることができる。 |
ACCESS
- 谷徳製紙所
- 兵庫県西宮市名塩2-2-23
- URL https://www.najiowashi.com/