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自ら育てた米を使用する一貫造り
大阪府の北端、能勢町。いまだ棚田が残る田園風景のなかに建つ酒蔵がある。
それが、「秋鹿酒造」である。
ここにあるのは蔵だけではない。じつは、周囲の田んぼも含めて秋鹿酒造なのだ。
なんと、秋鹿酒蔵では、酒を醸す米を蔵元みずから作っている。しかも少肥料、低農薬で体にいい米を栽培するというこだわりぶり。現在は、100%の米を自営田で賄うまでにはいたっていないが、そのほかの米も契約した農家のものだけを使っているという。
一年を通して酒と向き合う
なぜ、蔵元みずからが米を栽培しているのか――。その理由は、自分たちの目が行き届いた酒造りに取り組みたいという思いがあったから。酒を造る米にまで目配りしたいという、こだわりのなせる業なのだ。秋鹿酒蔵では、それを「一貫造り」と表現している。
秋鹿酒造で造られる酒は、すべて、醸造用アルコールを一切使用しない純米酒だ。こだわり抜いた米で、自然の力を活かして酒を造る。そのため、味わいがしっかりして、酸の効いたキレのいい酒ができる。できあがった酒は、店頭販売を重視するという、これまた自分たちの目の届く範囲でしか販売しない。
春から夏にかけては田植え、秋には実った米を刈り入れる。そして冬にはその米を使って酒を造る。そうして秋鹿酒造は一年中、酒と向き合っているのだ。
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