目次
紀州南高梅を作り続けて85年
梅干しでも梅酒でも、最高級品といえば、紀州南高梅。その発祥の地が月向農園のある、みなべ町だ。古くから梅栽培のさかんだったこの地で、明治時代に通常よりも果実の大きな梅が発見され、その結果、南高梅が生まれた。
月向農園は、そのみなべ町で梅だけを作り続けて85年になる。
小高い丘の上にある、およそ2.8ヘクタールの梅畑は、毎年2月ごろになると一面が白い花に覆われる。海を見下ろす花景色と、600本の梅の木が漂わせる芳香は、まさに桃源郷とでもいうような世界。
生態系を守ること
ただし、海を見下ろす丘は、景観のためだけにあるのではない。畑が丘の上にあることで土の水はけがよく、空気も乾燥気味で保たれ、病気の少ない元気な木が育つのだそう。
さらに月向農園では、「生態系を保つことが害虫や病気から木を守る」というポリシーのもと、除草剤も使わない。土と草、虫と梅の木、すべてのバランスがうまく保たれ、少量の農薬を使うだけで、健康な梅が育つという。ここ月向農園では、自然という大きなサイクルのなかで、肉厚で柔らかな南高梅が生み出されている。
南高梅と備長炭のコラボ「中道農園」/和歌山県田辺市 – NIHONMONO
すべて手作りの南高梅 梅が特産の紀州で、みなべ町とともに梅栽培が盛んな田辺市。その様子は「一目10万本、香り千