目次
「一山境内地」と称される高野山
紀伊半島の北部、紀伊山地に位置する高野山。古くから霊験あらたかな山として祀られてきた地だ。その高野山を弘法大師・空海が真言密教の根本道場とし、開創したのは816年のこと。その総本山が、「金剛峯寺(こんごうぶじ)」である。
現在ではひとつの寺の名称だが、元来は総本山金剛峯寺といえば、高野山全体のことを指した。高野山は「一山境内地」と称されるのは、高野山全体がひとつの寺、高野山のいたるところが境内とされるからである。
空海の眠る金剛峰寺
今回中田が足を運んだのは、金剛峰寺の「金堂」と「奥之院」。そして「高野山霊宝館」。「金堂」は金剛峰寺の本堂で、大伽藍(だいがらん)の中にそびえ立つお堂。高野山の重要行事のほとんどはこの金堂にて執り行われる。
「奥之院」は、金堂とともに高野山の信仰の中心を担う場所。こちらは空海が入定(にゅうじょう)し即身成仏を遂げた御廟で、つまり空海の眠る聖地だ。入り口の一の橋から御廟までの約2キロの道のりは、樹齢1000年を超える杉木立に囲まれ、20万を超える諸大名の墓石が並んでいる。
「高野山霊宝館」は数々の文化財が国を超えた宝物として収蔵されている。その存在はまさに歴史の語り部といえる。
空海が開いた寺で、日本の仏教史を塗り替えた空海を偲ぶ。そんな静かな心で坐禅を組んだ中田であった。
熊野信仰の源流を辿る「熊野三山」/和歌山県 – NIHONMONO
深い自然の中に見出した信仰、神々が隠れ籠もる聖域とされてきた熊野。自然崇拝に根ざした神道と、のちに伝わった仏教が共存し、様々な信仰形態を育んだ神仏の霊場である。…