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自然農という考え方
最近よく耳にする「自然農法」という言葉。その第一人者ともいえる川口由一さんが主宰するのが、ここ「赤目自然農塾」。
現在、自然農法にはまだ厳密な定義がないが、赤目自然農塾では「耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫たちを敵にしない」という考えの元、それを『自然農(しぜんのう)』と呼んでいる。
自然のままの命のサイクルが、最適な作物を育てる――。そのサイクルを守ることで、永続的な農法が可能になるという発想から、作物の生命力と、その土地の気候、土質に応じて、必要最小の手助けをする栽培法を実践している。
川口さんは自身が農薬によって体を壊したことをきっかけに、自然農に切り替えた。自分の命と自然を見つめることによって、導き出した答えの1つが自然農だったというわけだ。
実践の中で技術を身につける
赤目自然農塾はその名のとおり、塾として自然農を学ぶことができる。
しかし、カリキュラムといったものはなく、学びにきた一人ひとりが季節ごとの川口さんの作業を見て、実践のなかで技術を身につけていく。川口さん、塾のスタッフはあくまでも塾生の自立を手助けをする存在だ。
現在では、日本各地から自然農を学びにくるという。海外からも注目を集め、取材を受けることもしばしば。
自然と対峙するのではなく、人間と自然は一体だということを意識する。
川口さんの自然農は、人間の命もそのサイクルの一部だということに、改めて気づかせてくれる。