目次
山を埋め尽くす程の棚田が作り出す丸山千枚田
なだらかな斜面に棚田が広がる、紀和町の丸山地区。
田のひとつひとつが非常に小さいため、1300枚もの田が幾重にも折り重なるようにして山を埋めつくす。「丸山千枚田」と呼ばれるこの風景は、日本の棚田百選にも選ばれるほど美しい。
ここ丸山地区は、山間なので昼夜の気温差が激しく、風通しもいいことから稲作に適した条件がそろっている。
そのため、古くから稲作が盛んであり、1600年ごろにはすでに丸山千枚田には2240枚の田があったという。
全国初の棚田の保存条例
しかし、時代がくだり、昭和の後半になると国の稲作転換政策や町の過疎化などにより、田は530枚にまで減少してしまった。そこで、円山地区の原風景ともよべるこの棚田を保存しようという活動が始まった。
1994年には棚田の保存を定めた、「丸山千枚田条例」も制定された。これは全国でも例を見ないもの。その活動の成果もあって、現在ではピーク時の約半分にまでようやく復活したのだ。
丸山千枚田のお米はすべて手作業
田が小さく機械での作業は困難なため、すべてが手作業。それに斜面の高低差も加わって、かなりの重労働になる。
それでも「おいしい米を作る」という一心のもと、地域一丸となって汗を流している。
現在では、田のオーナー制度も始まった。丸山千枚田が昔の姿にまで復活する日も近いかもしれない。