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中田英寿 福島を旅する<#05> 来ました、福島。

中田英寿 福島を旅する<#05> 来ました、福島。

DATA
天栄米栽培研究会
福島県天栄村

福島県の中央部、岩瀬郡天栄村(いわせぐん・てんえいむら)。米の産地として知られる場所だ。10年前、米農家の有志が集まり、天栄米栽培研究会を発足。米の味と品質の向上を目指して、特別栽培や有機栽培での米づくりに取り組んできた。米の味を競う「米・食味分析鑑定コンクール国際大会(※)」では、全国で唯一9年連続金賞受賞という記録を誇る。
(※)平成12年より開催されている、米・食味鑑定士協会が主催する新米の食味鑑定コンクール。第10回より国際コンクールとなり、国内外から高い評価を認められている。

天栄米を名乗れる米は、収穫量のわずか2割

初秋、実りの時を迎えた天栄村を、中田英寿さんが訪ねた。天栄米栽培研究会の会長、斑目義雄(まだらめ・よしお)さんの案内で、自慢の田んぼを見学させてもらう。
「これはコシヒカリでしょうか。収穫量はどのぐらいですか?」
このあたりは一反につき8〜10俵が相場と聞き、質問を続ける。
「無農薬栽培だともう少し減りますよね。6俵ぐらいでしょうか」
よくご存知ですねと目を丸くする斑目さんに、中田さんは笑顔を向ける。
「以前からお米が大好きで、今では”きき米”をするほど色々と勉強したんです」
私ら農家よりも、詳しいんじゃないか——。研究会メンバーからの声に、場の空気が一気に和んだ。
天栄米栽培研究会の発足は平成20年。米の流通の自由化がそもそものきっかけだったと斑目さんが明かす。

「米価の下落に危機感を抱いた農家が集まり、生き残りを賭けて、日本一おいしい米を作ろうと考えたのが始まりでした」 以来、試行錯誤しながら特別栽培、有機栽培での米づくりに取り組んできた。なかでも看板米の「漢方環境農法天栄米」は、漢方を有機肥料として用い、雑草対策として紙マルチ田植機を採用。農薬、化学肥料、除草剤は一切使わず、手間をかけて、じっくり栽培していると斑目さんは胸を張る。
「無農薬栽培での米づくりは、かかる手間は倍以上。収穫は6割程度にしかなりません。それでも、食べれば違いは歴然。手をかけるだけの価値はあると思っています」

福島の農家代表として、2年ぶりの金賞へ

一方で、その価値を広く認められるためには、第三者による評価を積み重ねる必要がある。そうした考えから研究会では、世界最大のお米のコンペティション「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」に出品を続けてきた。結果は、9年連続の金賞受賞。この記録こそ、他でもない天栄米が世界一の米と呼ばれる所以でもある。

東日本大震災の後は風評に苦しみ、農業を諦めかけた時もあった。それでも、できる限りの力を尽くそうと、ゼオライトを用いた土の除染や水の浄化に取り組んだ。努力が実を結び、秋に収穫した米は放射性物質、未検出。コンクールでは、連続金賞の記録を伸ばした。

だが、10年連続金賞がかかっていた昨年は、長雨による日照不足が影響。金賞にはわずかに及ばず、特別優秀賞を受賞。
連続記録はついえてしまったが、今年は何としても10回目の金賞を手にしたい。福島県の農産物のイメージアップのためにも——。前を向く天栄村の人々を応援しようと、中田さんもアイデアを絞る。
「10個目の金賞を獲得したら、パッケージも、星を並べたデザインに変更したらどうでしょう」
コンクールの結果が出るのは11月末。運命の日は、刻一刻と近づいている。

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