![]() |
茨城は、栗の産地としては生産量・栽培面積ともに全国1位。その茨城県東茨城郡茨城町下飯沼の名物「飯沼栗」を手にした中田が驚きの声を上げた。
「あれ? 栗ってこんなに大きかったっけ」 驚くのも無理はない。県央部に位置する茨城町下飯沼地区で生産されている「飯沼栗」は、大きいものは直径4センチ以上。ふっくらまんまるに育った栗は、中身がみっしり詰まっているため重さも見た目以上だ。 |
「飯沼栗」とは品種名ではなく、下飯沼栗生産販売組合による特別な栽培・出荷方法を施した栗に付いたブランド名。
栗は世界中に100種類以上があるというが、飯沼栗は「石鎚」という品種にこだわり、50年かけて磨かれた栽培技術によって生まれたもので、他産地との差別化を図るため、高品質な栗を作って他産地の出荷のピーク 時期からずらして出荷を始めたというのが始まりだ。 2017年には、特別な生産方法や25年以上継続した地域の農林水産物をブランドとして国が保護する「地理的表示保護制度(GI)」に栗として日本で初めて認定された。 |
![]() |
![]() |
「この栗は大きく育つとイガを割ってぽろりと落ちてくる。だから収穫はイガから栗を取り出す作業がなく、落ちているのを拾うだけで1個を拾うのは楽なんですよ。拾う量は組合全体で50トン近くありますけど(笑)」(東ヶ崎さん)
この地域でいちばんポピュラーかつ美味しく食べる方法だというゆで栗をいただく。湯気をあげるほくほくの ひと粒をナイフで割って、スプーンで中身をくりぬい て食べる。甘さはしっかりとあるが、雑味がない。まるでマロンのスイーツを食べているような感覚だ。 「イタリアにいたころもよく栗を食べていましたけど、こんなに大きくなかったし、味ももっと大雑把だった記憶があります」(中田) |
「飯沼栗」の出荷時期は、本来の栗の最盛期である9月・10月を過ぎた10月下旬から11月中旬。理由は収穫した栗を後水洗い洗浄し、1回目の選果をおこない、オガ粉をまぶした状態で最低2週間以上、20日程度を目安に全量冷温貯蔵するから。こうすることで乾燥や腐敗を防止し品質低下を防ぎながら、糖度が2倍近く高くなる。その後、冷蔵庫から出しオガ粉を落としながら適度に乾燥させ2回目の選果を行ったあと、集荷場に持ち寄り馬毛ブラシで磨き上げ、他の組合員による3回目の選別選果と独自の出荷規格による等級階別を経て出荷する。
「天候にも左右されますし、毎年大きな栗を育てるのは簡単ではありません。でもやればやっただけ自分たちに返ってくる。いずれは海外に出荷したいとも考えていますが、まずは国内ナンバー1のクオリティを維持して、飯沼栗の名前をどんどん知ってもらいたいと思っています」(東ヶ崎さん) |
![]() |
ACCESS
- 下飯沼栗生産販売組合
- 茨城県東茨城郡茨城町下飯沼1077
- TEL 029-292-8561 ※出荷時期のみ対応
- URL http://www.iinumakuri.com/