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自然の色をより美しく出す着物
大島紬や米沢紬などで有名な、「紬織り」の優れた技術により、国の重要無形文化財保持者の認定を受けている志村ふくみさん。紬織りとは、元来本繭よりも劣るとされる、太くて節の多い玉繭というものからとれた糸を使い、着物を織ることをいう。
本繭からとれる絹糸などとは違い、糸の太さが一定でないため、折りあがった紬は自然と小さなでこぼこができ、独特の風合いをかもし出す。もともとは野良着として織られたものであったが、その飾らない見た目が江戸の洒落人に人気を呼び、通のあいだでは普段着としても重宝された。
月の満ち欠けとともに制作する
志村さんは、染色作家でもある。草木染めを独自の方法で開拓し、その技術は、草木染めを芸術の域にまで高めたといわれるほどだ。
自らの手で染めた糸で紬を織る。志村さんの作品は、自然界から得た色を豊かに使いながらも、紬という素朴な織物にすることで澄み渡った清涼さを感じさせてくれるものばかりだ。1924年生まれ。現在は99歳を超えるが、現役で活躍している。
草木染めは、同じ素材でも季節によって色が変わる、と志村さんはいう。自然とともに生きる姿の一端がここにはある。
職人の技が光る手描き友禅「染工房 高橋徳」/京都府京都市 – NIHONMONO
「技」と「勘」が必要な仕事 明治32年の創業以来、染め工房の「高橋徳」が続けてきたのは「手描友禅染」。読んで字
時代の先を見つめる着物“京友禅”「千總」/京都府京都市 – NIHONMONO
たちまち人気を博した着物“友禅” 「千總(ちそう)」が創業されたのは、いまから450年以上も前の1555年。創