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北山文化を代表する松尾大社
春は桜、秋は紅葉――四季折々の美しい姿を見せる京都の嵐山。松尾大社はその南、松尾山を背に悠々とそびえたつ。太古の昔に、この地方に暮らしていた民が、松尾山の神を守護神としてあがめたことがそもそもの起源といわれ、5世紀前後に渡来した秦氏の一族が氏神として祀ったことから信仰が広まっていった。
神社として社殿が創建されたのは701年のこと。平安遷都の後は、「賀茂の厳神、松尾の猛霊」といわれ、皇族からも厚い信仰を得た。現在残っている社殿が建てられたのは室町時代の1397年。
「松尾造り」といわれる特殊な構造の社殿は、重要文化財に指定されており、同じ年に完成した金閣寺とともに、北山文化を代表する建築物のひとつである。
多くの酒造家から信仰を集めるご利益
本殿の裏には「亀の井」といわれる733年に湧き出たという泉がある。
松尾の神の神託で、無病息災、健康長寿にご利益があるとされ、別名「よみがえりの水」ともいわれている。中世以降、この水を求めて多くの酒造家が集まり、「醸造祖紳」としてあがめられたそうだ。現在でも神輿庫の前には、各地の酒造家から奉納された酒樽が、ところ狭しと並べられている。
境内には名作庭家・重森三玲氏の遺作としても名高い、「上古の庭」「曲水の庭」「蓬莱の庭」の三庭もあり、京都嵐山の風情に似合う、美しく荘厳な神社である。
千本鳥居を抜ける、朱の空間 「伏見稲荷大社」/京都府京都市 – NIHONMONO
千本鳥居が彩る稲荷神社の総本宮 「お稲荷さん」といえば、日本でいちばん身近な神社といっても過言ではないかもしれ
平安遷都当時の大内裏を復元「平安神宮」/京都府京都市 – NIHONMONO
復元された建築郡 1895年、平安遷都1100年を記念して開催された「第4回内国勧業博覧会」では、遷都当時の大