炎が作り出す芸術「陶芸家 加藤孝造」/岐阜県多治見市

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美濃地方の陶芸。

岐阜県では平安時代から陶磁器の制作が始まったとされ、その後、鎌倉、室町と時代を経て、美濃焼という技法が形作られていった。
安土桃山時代に「美濃桃山陶」という陶器が焼かれ、全国的に有名となり、現在でも国内に流通する国産陶磁器のシェアにおいて半分以上を占めるという、一大産業である。美濃焼のなかで、有名なのが織部や志野焼といった焼物。
また、武将であり茶人としても有名であった古田織部が作り上げた「織部好み」は有名だ。

「瀬戸黒」という名品。

今回お話を伺った加藤孝造さんは、志野焼の作家としても有名だが、2010年に人間国宝認定を受けた技法は美濃焼の一種で「瀬戸黒」というもの。瀬戸黒とは、桃山時代に生み出された技法で一度廃れてしまったが、人間国宝の故・荒川豊蔵氏によってよみがえり、加藤さんに受け継がれた。
土を窯に入れて焼き、釉薬がちょうど溶けたかな、という頃合いを見計らって、器を取り出して出す色である。
1200度という窯のなかから引き出して急激に冷さないと出ない色。引き出すタイミングを見計らう勘と、炎に対する気迫が必要不可欠な焼き物である。

ひとつの器に多くの可能性が宿る。

加藤さんの作品に見入る、中田。同じ窯で焼かれた、肌も色も違う器を見て、「少しの差で、何故これほど違うのが不思議。」とつぶやくと、「少し時間を作って、作ってみてはいかがですか。」と、加藤さんに作陶を勧めて頂く。
工房では、加藤さんが形作った器に、ひとつ絵を入れさせていただいた。

「火入れのときに、またお待ちしています。」と加藤さん。
「是非宜しくお願いします。」と、中田。
火入れという、まだ見たことも、体験したこともない作業。この作業が、器に多くの可能性を与えるのだ。

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陶芸家 加藤孝造
岐阜県多治見市
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