美しき志摩半島は英虞湾を臨む、大人の隠れ家「汀渚 ばさら邸」

美しき志摩半島は英虞湾を臨む、大人の隠れ家「汀渚 ばさら邸」

三重県志摩市、志摩半島の南部に位置する英虞湾(あごわん)。リアス式海岸として有名なこの湾に面した高台に立つ「汀渚 (ていしょ)ばさら邸」は、英虞湾を一望できるロケーションに、誰もが息を呑んでしまうほど特別な景観を味わえる宿だ。近くには、全国的にも珍しい四角い灯台として知られる安乗埼(あのりさき)灯台や横山展望台などがあるように、この場所からの見晴らしの良さは折り紙付き。志摩の国漁業組合の安乗漁港を中心に水揚げされることから「あのりふぐ」と呼ばれる「天然トラフグ」や全国でも7割近い生産量を誇るあおさなど、海の恵みも豊か。大人のための隠れ家として多くの宿泊者をもてなしている。



英虞湾を見下ろす高台に常に進化し続ける旅館


2007年、「水際」の意を持つ「汀渚(ていしょ)」と「自由気まま」の意を持つ「ばさら」を掛け合わせて、伊勢志摩の地に誕生した「汀渚ばさら邸」。大人のための隠れ家というコンセプトを掲げ、2019年にはミシュランの4つ星を獲得した。この宿が大切にしているのは「常若(とこわか)」の精神。時代を越えても変わらない心と、常に変わり続けるものの両方を大切にすることで常に新しく、居心地のよい空間をつくり続けている。


全室露天風呂付「はなれ」でより特別な時間を

5,000坪の広大な敷地に、たった20室。ばさら邸の客室は「本館」「別邸 海里のはなれ」「漣(さざなみ)のはなれ」の大きく3つから構成されている。それぞれに趣を異にする部屋が用意されているが、自然の中にいるような感覚を味わえるのは、全部屋に共通。

本館客室は全部で15部屋。どの部屋も畳のリビングが設えられており、その広さは50〜110㎡を誇る。


自然と温泉に癒される自由気ままなひとときを

「本館」の中で最もグレードの高い客室「杜の棟」では、専用テラスと庭が付く広々とした空間となっており、この棟限定で炭酸風呂も楽しめる。炭酸風呂は、血流量を増加させることで、体の代謝が活発になり、肩こりや腰痛が和らぐ効果があると言われている。弱酸性でさら湯の3倍の保湿力があり、肌がサラサラになるという美容効果も嬉しい。


開放的な空間でくつろぎを追求して

「別邸 海里のはなれ」はヴィラタイプで3室用意されている。天井が高いのが特徴で、テラスを含めると100㎡以上の広さだ。全室、英虞湾の景色を臨むことができるが、その中でも「月の冠」は別邸唯一のメゾネットタイプの造りとなっており、2階部分にある露天風呂から英虞湾を一望できる印象的な客室となっている。


大自然の邸宅で過ごす自分時間

ばさら邸の中でも最もハイグレードなのが展望風呂付きの「漣のはなれ」。客室の中でも一番海に近い場所に佇んでいる。ビューバスや、リビングの大きな窓から英虞湾を眺めていると、まるで自然の中にいるかのような感覚になる。開放的な空間で、志摩の自然を五感で感じ、まったりと上質な時を過ごしてみてはいかがだろうか。泊まるたびに新しい魅力を発見できる、そんな宿だからこそ、自分だけの邸宅を探して何度も足を運ぶリピーターも少なくない。



海や港町をモチーフにした家具が揃う宿泊者専用ラウンジ

「漣のはなれ」の1階にある漣ラウンジ。2021年に新たに設けられたそのラウンジは、宿泊者であれば誰もが利用できる。設置された家具は、1967年から「海上に合う家具」をコンセプトに、椅子や、ソファ、テーブルといった商品を生み出し続けている船舶家具メーカー「川端装飾」によって手掛けられたもの。船舶用の椅子作りから始まり、現在も、製材から納品まで自社で行う一貫した製造体制で「タフで優しく美しい」品質を守り抜いている。職人の「手仕事」を大切にしており、手触りや使いやすさ、座り心地を職人の手で確かめながら作り上げた。

「ぼそ組み」という釘やねじを使わず、木と木をつなぎ合わせる技法に創業時からこだわっている。この技法を使うことで、頑丈でねじれに強く、足が細く繊細なデザインも丈夫に作り上げることができる。海や港町をモチーフに生み出されたデザイン、海上という特殊環境に適した機能を備えているからこそ、伊勢志摩という海辺の空間を、より心地良くしてくれている。


「ばさら」に、の思いを叶えた建築

「自然の心地よさを感じながら、なんとなくおしゃれに着飾って利用したくなるような露天風呂付客室を持つ宿を創りたい」というオーナーの思いを形にしたのが、東海地方を拠点に創業60年を越える「石井建築事務所」。創業以来、企画から設計、管理に至るまで全国各地の旅館建築をトータルで手掛けてきた。その土地の魅力を最大限に引き出すことで、旧来の旅館のスタイルにとらわれることなく、自由な発想で宿泊者自身も、思うままに振る舞える“ばさら”な宿という空間が出来上がった。なかでも英虞湾の眺望を窓越しから眺めることができるプレミアムスイート別邸「漣のはなれ」は、三重県内の地域社会の発展に寄与したとして、第40回(2021年)の三重県建築賞作品にも入選している。建物に込められた思いを知ることで、更に心地よさを感じながら、その空間を味わうことができる。


伊勢志摩賢島温泉を源泉とするテーマの異なる4つの貸切温泉で、特別なひとときを

ばさら邸には、全客室に備わった露天風呂とは別に4つの貸切露天風呂が用意されており、それぞれの風呂にテーマがある。この宿の温泉はすべて自社源泉の伊勢志摩賢島温泉。泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物冷鉱泉で保湿や保温効果が期待できる。


100㎡の開放的な空間から英虞湾を一望することができる「天の鏡」、マイクロバブルでシルクのような肌触りを楽しめる「くゆりのびり」、京都東山の高円寺の茶室をイメージして作られた「傘亭」は2人用サウナも備えられている。そして、伊勢神宮がテーマの神秘的な「月の宮」は、白い壁と白い玉砂利を敷き詰めた中央に、黒く丸い浴槽が設えられている。個性豊かな貸切温泉も、この宿ならではの楽しみ方だろう。


伊勢志摩の地のものと頂く、格別にうまい酒

旅の楽しみといえば、やっぱり食事。食事の楽しみ方は老若男女それぞれだが“大人”という視点で考えれば、その時間をより格別なひとときにしてくれるのが地酒の存在ではないだろうか。中庭が望める個室ダイニング「さかなへん」では、提供される料理に合わせて日本酒のペアリングを提案。

三重の気候は稲作に適しており、酒造好適米の「山田錦」をはじめ「五百万石」や「伊勢錦」 など高品質な酒米が作られている。また、三重県は雨の多い地方でもある。大地を潤す雨は豊かな水源となり、山々から流れる清冽な伏流水は、味まろやかな酒へと変わっていくから、どの地酒も秀逸だ。「さかなへん」で料理と酒のペアリングを楽しみながら、とっておきの味をみつけてみては如何か。



非日常的な“ばさら”な時間を味わいつくす



宿を訪れた瞬間から始まる自分だけの特別な時間。もちろん、絶景の英虞湾を眺めながら客室でゆったりと過ごすもよし、貸切風呂で上質な癒しを求めるもよし、美しい庭の散策もおすすめだ。それ以外にも、スパや宿泊者専用のラウンジなど、日常から離れたからこそ生み出される“ばさら”な時間を楽しめるコンテンツが揃う。


三重を満喫できる多彩な観光名所

宿での時間を満喫した後は、近隣に足を伸ばしてみるのも面白い。真珠のモデル工場見学も含め1時間弱とコンパクトに体験できる「賢島エスパーニャクルーズ」。どの時間帯に訪れても異なる景色が楽しめる「横山展望台」や全国的にも珍しい四角い灯台として知られる的矢湾を臨む安乗埼灯台などの海を眺めるのもおすすめの土地。まるでスペインな空間を1日かけて楽しめる「志摩スペイン村」、伊勢志摩の観光としては外せない「伊勢神宮」など、伊勢志摩を存分に味わって、ばさらな休日を締めくくりたい。


旅は、誰と訪れるか、いつ訪れるかも大事な要素だが、それだけではない。宿自体が常に変化し続けている、そんな「汀渚 ばさら邸」を一度の滞在で堪能しきるのは難しいかもしれない。来るたびに新鮮な気持ちになる、そんな常若の宿だからこそ、行くたびに新たな感覚を五感で堪能できるのも旅にとっての重要なパーツとなり得るのかもしれない。


ACCESS

汀渚 ばさら邸
三重志摩市阿児町鵜方3618-74
TEL 0599-46-1189
URL https://www.basaratei.com/