地産地食プロジェクトから誕生「かまパン&ストア」/徳島県神山町

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パンで地産地消の課題解決

徳島県神山町にある「かまパン」は、人口約5200人の小さな山間の町にあり、地域のパン屋を目指し、神山の人たちに毎日ご飯のように食べられるパンを焼いている。「かまパン」が生まれたきっかけは、神山町の地方創生を考えるために役場と住民が一体となって2015年に行われたワーキンググループ。農業就農者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加、鳥獣害被害の拡大など、神山町が抱える問題を解決していくことを目的に「フードハブ・プロジェクト」がスタートした。

「フードハブ・プロジェクト」は、「地産地食」を合言葉に 、地域の農業を次世代につなぐため“育てる・つくる・食べる・つなぐ”を循環させる。その一環として、農作物を育てるだけでなく、地域で食べるための場所として食堂の「かま屋 」とともにスタートし、パンや食料品 を販売 するのが「かまパン&ストア」 。かまパンの全てのパンに使用されているのは、自家培養発酵種。一般的には「天然酵母」といわれるものですが、かまパンの「種」は工房で育てられているため、神山の空気中に生きる乳酸菌や酵母によってできるこの場所でしか作ることのできないものなのだ。

かまパンの人気は全国へ

かまパンには、オープン以来人気の、ちょっと酸っぱくてもちもちの「いつもの食パン」と、ジャージー牛乳をたっぷり使った耳まで柔らかくてふわふわの「超やわ食パン」の2種類の食パンがあり、 定番の「いつもの食パン」の特徴はもっちり、ずっしりしている こと。もっちりしているのは生地を熱湯で練るから、ずっしりしているのは普通の食パンよりも生地の量が多いからだそう。自家培養発酵種の発酵 状態や乳酸菌や酢酸菌が活発になるとパンが酸性 に傾くため、ちょっと「すっぱい」ときもあるのだとか。他にも地元の野菜を使ったパンなど、毎日約20種類のパンが販売されている。そのほかにも、自社の「つなぐ農園」や地元の農業生産グループの農家さんが育てた野菜、徳島県内から四国まで範囲を広げて厳選 された無添加の食品を販売している。

2020年11月には、全国各地のつくり手と食べ手が集い、地元で愛されている無添加食材などを集めた、かまパン&フレンズ<ナチュラル物産展>が東京・銀座にオープン。新たに「友産友食」をコンセプトとして、ご当地食品や調味料、産直野菜や果実、全国各地の小さなパン屋さんのパンや焼き菓子、産直コンボサンドイッチやデリ、ご当地無添加ソフトクリームなど、「なるべく無添加」の食品を集めて販売。

「かまパン&ストア」のオンラインショップでは、食パン2種類の食べ比べセットやおまかせパンセットをはじめ、「かまパン&ストア」や「かまパン&フレンズ」で扱う商品など、全国のいいものを販売している。

ACCESS

「かまパン&ストア」
〒771-3311 徳島県名西郡神山町神領字北190-1
TEL 088-676-1077
URL https://foodhub.shop-pro.jp/
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