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「夜明け前」という銘酒を造る
小野酒造店のある辰野町は、冬の寒さが大変に厳しいところ。だけど、その寒さが、酒造りには最適なのである。小野酒造店の造る酒は、全国新酒鑑評会の金賞の常連として知られる。それに加えて、地酒専門の居酒屋による、地酒ランキングでも常にトップにあげられる。つまり、南部杜氏の造りの伝統を受け継ぎながら醸し出す小野酒造店の酒は、品質の高さはもちろんのこと、飲まれて愛される酒であるということ。
なかでも人気なのが、「夜明け前」という名の酒。これは島崎藤村の小説『夜明け前』から付けられた名前だ。当時の相談役が、島崎藤村氏の長男である島崎楠雄氏から直接いただいたという。
そのときに言われたことが、「この名を使う以上、本物を追求する精神をお忘れなく」ということだった。
もちろん、その精神はいまも息づいている。洗練された旨みを感じさせる「夜明け前」が、多くの人に愛され続けているということが、その証拠である。
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長野県の二大主要都市、長野市と松本市にそれぞれ醸造所を構えていた「大信州酒造」。そのため、エリアに影響されるこ
グローバルな酒造りを目指し、その魅力を世界に発信する「宮坂醸造」/長野県諏訪市 – NIHONMONO
食文化のグローバル化に伴い、日本の食卓はめまぐるしく変化した。日本人の1人当たりの米の年間消費量は、昭和37年