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イ草の栽培を続ける倉敷市周辺は、畳に使われる「イ草」の産地だ。といっても現在は需要が減り、中国産の安い畳にも押され、倉敷では栗坂、亀山、早島町のたった3ヵ所、それもわずか2ヘクタールで栽培されるのみになってしまった。 消え入るほどのこの状況のなかで、それでもイ草栽培を受け継いでいる1人が、栗坂正さんだ。岡山の気候・風土に合い、耐久性と弾力性にすぐれた品種「岡山3号」を減農薬有機肥料栽培で育てている。 |
日本の気候に適したイ草イ草は内部がスポンジ状になっていて、これを「とうしん」という。部屋の湿度が高いときには、この「とうしん」に湿気を蓄え、乾燥しているときには水分を放出してくれる。 |
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生活環境の変化に合わせて倉敷の工芸品には、さまざまな色に染め上げたい草を手織り機で織る「花ござ」がある。現在では「イ草ラグ」という名称も使われているが、繊細な文様が編み込まれたラグは、和室だけでなく洋室にも似合う。日本の住居から畳が姿を消していくなかで、こうしたイ草のラグを生活に取り入れるのも、いいかもしれない。 |
ACCESS
- イ草栽培・加工 栗坂正
- 岡山県倉敷市