ワインをぐびぐび? こんな豚、他にはいない
牧場主の晦日正一さんに連れられて、豚舎へ。
「おお、本当だ、ぐんぐん飲む」中田が何に驚いているかというと、豚がワインを飲む姿。しかも、一升瓶からじかに飲んでいる。
晦日さんの育てる「ワイントン」は、ワインを飲んで育つ豚だ。そのため、臭みのない、旨みがぎゅっと凝縮された肉になるのだそうだ。
「養豚の大ベテランである晦日さんだが、豚を飼いだしたのは、もともと生産していたトマトの堆肥を作るためだった。飼ううちに食肉用の豚にも興味を持ち、品種などさまざまなことを勉強し、数も増やしていった。そして、いまでは「ワイントン」を育てる唯一の養豚家として有名となった。
行き着いたのは、ごく軽い白ワイン。臭みがスッと消えた
「ワイントンにはどんなワインをあげているんですか?」との中田の質問に、晦日さんは「飲んでみな」と言って、さっとボトルとグラスを出してくれた。
小ぶりのボトルの白ワイン。
「どう? 軽いだろ? 最初はさ、いいものを作るにはいいものをあげなくちゃいけないって思って、上等なワインをあげてたんだよ。でも、ダメ。いいワインは濃すぎて匂いが強すぎて肉にも残っちゃったんだよ」試行錯誤を重ねたが、うまく行かなかったのだとか。
「それでさ、最後にこの軽いワインをあげてダメだったら、もうやめようかなって思ってたんだよね」
なんと、それが的中。肉の臭みがきれいになくなったという。
ワイントンは現在全国でも大人気で、料理店などで引っ張りだこ。
中田をはじめスタッフ一同で焼いたワイントンを試食させていただいたところ、「うまい、うまい」と箸が進み、お皿はすぐにからっぽになってしまった。