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目指すのは、伝統を汲んだ上でのモダンプロダクト
「これが和紙なんですか!?」中田が驚くのも当然。
目の前には、色とりどりの手提げカバンやポーチ、小物入れが並ぶ。壁にはハンチングやベストまでかけられている。手に取ってみると、たしかに紙。何とも不思議な感じがする。
和紙作りを本業とし、和雑貨や和文具などを制作している「株式会社大直」には、「SIWA」というブランドがある。WASIを反対に読んだものなのだが、実は「しわ」という意味もある。和紙の「しわしわ」とした質感、見た目をデザインに反映しているからだ。
だが、気になるのは耐性である。「木材パルプを主な原料として、やぶれない和紙、耐久性の強い和紙を作り出して使用しているので大丈夫なんです」とのこと。なぜこんな試みをしたのかといえば、伝統を汲み、現代へ新しいものとして発信していくという理念があったからと一瀬美教社長は話す。
和紙造りの茶室。古きを訪ねて、新しきを知る
最後に「和紙の茶室」でお茶をいただいた。なんと、床も壁も一面に和紙が張り巡らされている。「ほら、これ全部和紙なんですよ」と一瀬さんも誇らしげ。破れない和紙の特性を生かし、和紙だからこそできた茶室だ。
茶室という「伝統的なもの」を、和紙の新活用という「新しい技術」で作りあげる。古きを訪ねて新しきを知るというのは、まさにこの空間のことかもしれない。
破れない和紙「西ノ内和紙 菊池正気」/茨城県常陸大宮市 – NIHONMONO
水につけても字がにじまない紙。 西ノ内和紙は350年の歴史を持つ、伝統的な和紙。江戸時代には水戸藩の専売品とし