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浅間山の大噴火の姿が残る。
昔からの言い伝えによれば、浅間山には鬼が棲むという。その鬼が怒ると、浅間山が噴火する。天明3年・1783年に起きた大噴火では、多くの死者を出した。その噴火跡が、ここ鬼押出し園にある、隆々と大地を覆う溶岩だといわれている。
鬼押出し園(おにおしだしえん)には、噴火によって降ってきた岩と、流れ出した溶岩が、そのままの形で残っている。その姿は、一見寒々しい。
しかし、また違う側面から見ると浅間山の優美な姿とあいまって、自然の力強さと美しさを感じさせてくれる。中田が訪れたとき突然雨が降ってきたのだが、それもまた煙ったような光景になって印象的だった。
自然の猛威を後世に伝える場所。
ここには、噴火災害で亡くなられた方の供養ということもあり、上野寛永寺の別院として浅間山観音堂がある。この地で起こった自然の猛威を後生に伝える場所だ。
そのお堂がある高台から園内を見下ろす。中田いわく、アフリカの景色のよう。まるで日本ではないような不思議な光景が広がっていた。
園内には四季折々の花々の群生地があり、目を楽しませてくれる。溶岩のなかに咲く花々もまた、自然のたくましさを教えてくれるのだ。