NIHONMONO「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン

麹歩合の高い麦麹味噌、丸秀醤油

麹歩合の高い麦麹味噌
「丸秀醤油」

大豆と小麦と塩、そして水だけ。創業1901年、佐賀県佐賀市の老舗醤油蔵、丸秀醤油では、最近では珍しくなった天然醸造、2年間熟成させることにこだわっている。

「一般的に販売されている醤油は、乳酸菌や酵母を人為的に加えたり、もろみの温度を管理して強制的に発酵させています。そうすると3〜5ヶ月程度で醤油ができあがるんですが、うちでは蔵に住みついた自然の菌だけを使いますから発酵に2年かかります。昔ながらの造り方ですが、こうして造った天然醸造の醤油はまるでフルーツのような香りになるんです」

ワイングラスに醤油をいれて、その香りを楽しむ。確かにここの醤油の香りは普通の醤油と違い、まろやかでさわやか。その奥にあるコクや旨味も伝わってくる。ちなみに発酵が長ければいいというものではなく、「3年だと香りはさらによくなるんですが、そのぶん旨味がなくなってしまいます」とのこと。素材にもこだわり、大豆は丸大豆のみ。小麦は地元佐賀産のものを使っているそう。

「確かに甘い醤油はおいしいですが、たんぱくな魚の刺身など素材そのものの味を楽しみたいときは、天然発酵の醤油がおすすめです。うちでも地元用に甘い醤油を造っていますが、醤油そのものの風味をこわさないように甘酒を加えるようにしています」

「発酵食品」を摂取することは健康にとてもよいと、テレビ番組や雑誌の特集で紹介される機会が増えている。食べ物を発酵させると保存性が高くなるので、冷蔵庫がない時代から保存食として利用されてきたが、発酵することでアミノ酸や糖類が発生し、食べ物本来の旨味を引き出し料理が美味しくなると、数年前には“塩麴レシピ”が流行っていた。さらに、腸が消化する働きを助け、免疫力アップにも効果があることから、健康志向の高い人を中心に発酵をテーマとするレストランの人気なども増えている。

発酵食品というと、醤油や味噌、納豆などを思い浮かべるだろう。チーズや漬物、鰹節も発酵食品だし、日本酒や紅茶、ウーロン茶なども発酵食品、実は、日本人は日常的に沢山の発酵食品を口にしている。身近な食品からこそ、いいものを選びたいと思う人もきっと多いはず。

丸秀では大豆・大麦・赤米・黒米・緑米・はと麦・あわ・ひえといった十種類の国産穀物を使い、それぞれの雑穀自体に麹菌をつけた深みのある味わいの「十穀味噌」や、アレルギーの人向けの商品として「キヌア」を使った醤油や味噌なども製造している。

「5階建ての建物の1階で薪を炊いて、乾燥具合を見ながら1階ずつ上げていき、1ヶ月ほどかけて鰹を燻していきます」(竹内専務)
大きな木樽が並ぶ蔵を見学すると、もろみがふつふつと発酵しながらふくよかな香りを漂わせていた。年季の入ったこの蔵に住む菌と、ひとつひとつの素材にこだわり、その過程や作業を丁寧に行いながら、昔ながらにこだわる職人の技術が極上の醤油を造っているのだ。

ACCESS

蔵元直売所麹庵
佐賀市高木瀬西6-11-9
TEL 0120-32-1141 /