寒さに耐えて甘くなる「白神ねぎ 福司貴徳」

寒さに耐えて甘くなる
「白神ねぎ 福司貴徳」

世界遺産の麓で栽培されるねぎ

1993年にユネスコ世界遺産に登録された白神山地。青森県の南西部から秋田県の北西部にかけて広がっている山岳地帯だ。人の影響を受けていない現世的なブナ天然りんが世界最大級の規模で分布していると評価されて、世界遺産に登録された。
その世界遺産の麓、能代市を中心に作られる野菜がある。現在「白神ブランド」として認知も広まり、人気を集めている。キャベツ、みょうが、山うどなどさまざまな白神ブランドがあるが、今回取材をさせていただいのは「ねぎ」。人気とともに品質も上がり、2012年に「白神ねぎ」として商標登録された。

甘味の強い白神ねぎ

お話を伺ったのは、2013年に開催された第135回秋田県種苗交換会「ねぎ」部門において、農林水産大臣賞を受賞した福司貴徳さん。3年前に帰郷して農業に携わるようになった。そして何と農業を始めて2年目の昨年、種苗交換会しかも初出品で最高賞を受賞するという快挙を成し遂げた。
その白神ねぎ。見た目はやや太めで、口に入れるとろけてしまいそうなほどの柔らかさ。ただし、かんでみると、シャキシャキとしたねぎならではの歯ごたえも楽しめる。そして何より「甘味が強い」のが最大の特徴だ。「寒い地域なので身が引き締まっているから甘いんです」と福司さんは話してくれた。

おいしいねぎの見分け方

ねぎというとまっすぐに伸びた姿が頭に浮かぶ。「規格から外れると安くなってしまうんです。そういうものは直売所に出すしかない」と福司さん。すかさず中田が「味には関係があるんですか?」と聞くと、「実際のところ、味は変わらないんですけどね」と福司さんは笑っていた。

さらにいいねぎの選び方を聞いてみると、3つのポイントを教えてくれた。白い部分が長いもの、葉の部分が青々としているもの、全体的に照りがあるもの。これがおいしいねぎを見分けるポイントだそうだ。

ねぎ栽培で重要なことは、土づくりだと福司さんは話す。肥料の量と土をかけるタイミングを見誤らずにしてあげることがポイントなのだという。その土づくりの努力と、能代の自然が甘味の強い白神ねぎを作るのだ。

ACCESS

農業 福司貴徳
秋田県能代市