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にほんものストア米マスター秋沢毬衣さんの連載コラムが更新  ~第2回 おかずに合わせてお米を選ぶ時代~

〜 第2回 〜

おかずに合わせてお米を選ぶ時代

こんにちは。米屋の娘6代目の秋沢毬衣です。お米をもっと楽しく、美味しく食べるお手伝いをいたします。そして、自分好みのお米をみつける旅に誘います。

前回は、お米の食感を紐解きました。品種によっても、栽培方法によっても、食感や甘み、香りやのど越しは異なります。今回は、そのお米の個性を活かした、調理法やおかずとの相性をご紹介します。

ハンバーグにあうご飯はありますか?

わたしが、米屋の店頭に立っていると、お客様から、こんなご注文をいただきました。「今日は、子供の試験合格お祝いに、ハンバーグを作ろうと思っているの。ハンバーグにあうお米、ありますか?」と。なんて、素敵なご注文でしょう。米屋の娘としましては、今日のこのお祝いの席を飾る、ハンバーグ用のお米を仕立てねばなりません。

おかずにあわせてお米を選ぶ方法とは

品種によって食感・甘み・香りが異なることを「お米の個性」と呼んでいます。これらをマスターすると、おかずに合わせてお米を選び、ごはんとおかずのマリアージュを楽しむことができます。

もっちり×粒肌しっかり食感
~味付けの濃いおかずにあわせるときに使う~

おかず:洋食(ハンバーグ・カツレツ・ビーフシチュー)、おむすび(昆布・明太子・シーチキンマヨネーズ)
お米:つや姫、にこまる、いちほまれ、新之助

味付けの濃いおかず、例えば洋食でいうハンバーグやビーフシチューなど。ソースが濃い味わいのあるおかずの場合は、しっかりした食感のお米且つ、程よく粘りのあるお米を選びましょう。しっかり食感と粘りあるお米は、咀嚼回数が増え、味の濃いおかずの味の馴染みが良く、口内調味をする際にうま味に変わります。また、おむすびにおいても、昆布や明太子など味の濃い具材を選ぶ時には、冷めてからも程よい粘りがあり、粒感のあるお米は嚙むごとに、具材のうま味を引き立て、お米の相性をお楽しみいただけます。

もっちり×粒肌やわらかめ食感
~素材の味を楽しみたいおかずに使う~

おかず:お刺身(サーモン・マグロ・アジ)/炊き込みご飯(甘めの炊き込み)鮭のおむすび
お米:だて正夢、おぼろづき、ミルキークイーン、金色の風

素材のうま味を活かしたい時には、もっちり×やわらかめのお米を選びましょう。例えば、DHA・EPAと言われている魚の油には、もっちりとした食感のお米と咀嚼し合わせると、お米の甘み成分である“でんぷん”と、魚の油由来の旨味との相性良く感じられます。また、炊き込みご飯でも、甘じょっぱく味付けをした油揚げや鶏肉などの具材を合わせる時には、もっちりしたお米がおすすめです。トウモロコシご飯など、甘みある食材との相性が良いです。

粘りあっさり×粒肌しっかり食感
~汁気の多いものとあわせるときに使う~

おかず:丼系(親子丼・牛丼・天丼)、手巻き寿司、お鍋の〆のごはん
お米:青天の霹靂、さがびより、ささ結、元気つくし

前述の通り、しっかりした粒感のお米は、味付けの濃いおかずによく合います。親子丼や牛丼など、ツユをかけて楽しむ調理の場合は、粘りにおいてはあっさりしたお米を選びましょう。また、手巻き寿司についても、寿司酢を合わせた時に、べちゃつかず、ほろりとほぐれ、そして具材を受け止められるしっかり食感のお米が良く合います。

粘りあっさり×粒肌やわらかめ食感
~お米の味を活かしたいときに使う~

おかず:お茶漬け、おかゆ
お米:きぬむすめ、ななつぼし、あきたこまち、たかたのゆめ、銀河のしずく

極めてあっさりとした食感のお米は、お米のテクスチャーとしては、繊細な印象を受けるかと思います。お茶漬けやおかゆなど、お米の味わいがベースとなる調理法の場合は、あっさりとした食感で粒肌やわらかめのお米を選ぶと、少ない咀嚼でお米の甘みがひきだされ、うま味を感じる事ができます。お米の味わいを楽しむお料理にお使いください。