「懐石」の由来には諸説あるが、禅宗の僧が寒さを和らげる為に懐に温めた石(温石:おんじゃく)を入れたことがその原型ともいわれており、「懐に少し入れておく」意から茶会の際に振舞われる料理を「懐石料理」と呼ばれている。語彙の近い「会席料理」は、お酒を楽しむための料理という区別がつけられているのだ。
京都の街中には、京文化を象徴する名所がいくつもあるが、「京南禅寺畔 瓢亭」もその名所のひとつ。約450年前に、旅人が脚を休めるお茶屋として創業したという、南禅寺の参道に面する店先には、今もその風貌を残しており、腰掛けにわらじ、笠、水がめ等が置かれている。