北海道の生乳とイタリアのチーズの出会い
チーズ製造で古い歴史を持つ南イタリアの農場、ファットリア・ビオ。そこでチーズを作っていた職人は「最高のチーズ」を作るという目標を持ち、それに合う牛乳を探していた。そこで出会ったのが、北海道の豊かな大地で育った乳牛が生み出す高品質な牛乳だ。そんなおいしさという共通の目標を求め、異なる国の者が力を合わせてできたのが、ファットリアビオ北海道である。ここでは北海道産の生乳を用いて最高峰のチーズ造りに挑んでいる。日本では珍しいフレッシュなリコッタチーズやカチョカバロ、モッツァレラチーズなどを取り揃える。工場では手造りチーズの工程に興味津々の様子の中田。リコッタチーズをすくう作業も体験させてもらう。イタリアでも味わうことができない、というほどの美味しさで、中田もその“新鮮さ”に感じ入ったようだ。素材が生きたフレッシュな味わいは明らかに大量生産では生まれない味。賞味期限は約1週間と短い。
最高のチーズを作る職人
この最高のチーズはチーズマスターのジョバンニ・グラツィアーノさんが、イタリアの伝統製法を用いて手作りしている。イタリア南西部のカラブリア出身で、チーズ職人だった父を5歳の頃から手伝いながら、家族に代々伝わるチーズ作りの秘伝を学んだ。20歳で、歴史と伝統ある南イタリアの農場「ファットリアビオ」にて、チーズ製造の中心的なメンバーとして働いていた。日本に来てからは「最高のイタリアンチーズとその製法を日本に輸入し、イタリアのフレッシュチーズの文化を日本列島に広めていく」という想いで日々チーズを作っている。
イタリアの技術が作る上品なチーズ
冷凍したものはジューシーな味わいが消えてしまうので、新鮮なイタリアンチーズは飲食店でも大好評だ。リコッタチーズは特にシェフに人気で、前菜やサラダでも使われる。中田も「酒粕を使って、日本酒と合うチーズを造ったらきっと面白い」と絶賛。ちぎったモッツァレラと生クリームをモッツァレラの元でくるんだもちもちとしたブッラータは、「上品な味わい。塩加減で表情がかわる」と中田。焼いて食べても美味しいカチョカバロは、家庭向けに買っていく人も多い。日本の高品質な生乳とイタリアの伝統の技術が、一度食べたら忘れられないチーズを生み出している。