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一粒づつピンセットを使い収穫するぶどう
ここ「五一わいん」、じつは世界中のワイン通から密かに注目を浴びているワイナリーだ。「五一わいん」の名を世界に知らしめたのは、「貴腐郷」というワイン。このワインが、世界から名品が集まるスロベニア・リュブリアナ国際ワインコンクールで、金賞を受賞したのである。
「貴腐郷」というからには、これも貴腐ワインである。貴腐ワインとは、貴腐菌とよばれるボトリティス・シネレア菌に感染したブドウから作られるワインのこと。ボトリティス・シネレア菌は、ほかの作物の場合には病原菌になってしまうのだが、ブドウだけは別で、この菌に感染したブドウは表皮が溶けて水分が蒸発し、干しブドウのような状態になる。そうなることで糖度が40%以上になるのだ。そのブドウから、まったりと甘い芳醇なワインが造られるのである。ただし、貴腐菌は自然発生のものなので、環境や天候によるところが大きく、管理が非常に難しい。当然、収穫量も少ない。
「五一わいん」では、その少ない貴腐ブドウから厳選した良果を、なんと一粒ずつピンセットで摘み取っているのだという。丁寧に育てられ、手間をかけて醸造された「貴腐郷」。世界に認められた日本が誇る貴腐ワインを、ぜひ堪能してみてほしい。