ブドウ栽培からワイン醸造まで。全てを行う高原ワイナリー。
「山梨県北杜市にあるワイナリー「BEAU PAYSAGE」は、標高は800mほどとかなり高いところにある。ブドウ栽培から醸造まで、すべてこの地で行われている。
「赤ワインに適したブドウ、メルローのためにこの地を選んだんです。雨も少ないですし、気候としては恵まれていると思いました。でもひとつ問題が出たんですね。わたしは化学肥料を一切与えないでブドウを育てているんですが、それだと防げない病気が出てしまったんです。そのため、いまも試行錯誤中です。ピノグリという新しい品種も試しています」
落ち着いた雰囲気でそう話してくれたのは、オーナーの岡本英史さんだ。
機械を使わず、自然の重力にまかせる製法。
BEAU PAYSAGEは珍しい。何が珍しいかというと、すべてが岡本さんのみによって作られるということ。ブドウだけではない。すべての工程が、岡本さんの“手”で行われているのだ。
「収穫したブドウの実をもいで、ここに入れていくんです。そうするとだんだん重さで、下のほうが潰れていくんですね。それが発酵してワインになっていくんです」機械で製造するのではない、“手づくり”でワインを造るワイナリーが日本にあることに、中田も驚いたようだ。
環境の変化を受け入れ、丁寧に取り組む。
試飲させていただくと、「しっかり味が乗っていておいしい」とこれまた感動だったが、ワインは天候に大きく左右される。その気候による変化についてはどう対処しているのだろう。「それもぼくらは受け入れていくことしかできないですから。だからその年のワインを丁寧に造っていくことしかできないと思います」
ありのままを受け入れ、ひとつひとつ取り組んでいくのだと、岡本さんは話してくださった。