カステラの歴史
子どもから大人まで人気のカステラ。日本に伝えられたのは16世紀中期、ポルトガルの宣教師によって、当時南蛮貿易の窓口となっていた長崎に伝わったと言われる。当初のカステラは卵・小麦粉・砂糖で作ったシンプルなものであり、それぞれを同量混ぜ合わせ、蒸し鍋に入れて上下から焼いていた。ヨーロッパの菓子類としては珍しく乳製品を用いないことから、乳製品を生産、常用しない当時の日本に広がった。その後独自の焼き釜が開発、製法に変化をつけながら日本に合わせた食べ物となり、栄養価の高さから、医学に携わる者たちを中心に全国へ。その後も時代の変遷に従って徐々に変化し、砂糖だけでなく日本人の嗜好に合うよう水あめを用いるなど、日本人の味覚に合うように各地で工夫された。
長崎名物カステラの老舗「和泉屋」
長崎は、カステラが伝来した土地ということもあり、老舗が連なっている。その中のひとつ、和泉屋の特撰五三焼カステラ「舶来の匠」では、長崎カステラ古来の味を極めるために、徹底的に原材料にこだわり素材にもこだわっている。風味や色合いに影響を与える鶏卵は、鶏の飼料から配合を指定した「当社専用卵」、食感を左右する小麦粉には、生地の気泡を優しく包むグルテン形成の少ないものを厳選し、味の決め手となる砂糖には、クセのない上白糖と高級和菓子などに用いる水あめ「餅米飴」を使用。また、「アカシア蜂蜜」を中心に使用することで、砂糖や水あめの上品な甘さを一層引き立てている。
熟練した職人が作り続けるカステラ、伝来の味。ぜひ召しあがれ。