利用者の視点に立つ「長崎県美術館」/長崎県長崎市

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全国の中でも際立った人気の「長崎県美術館」

2005年4月に誕生した長崎県美術館は、ビジネスパーソンに仕事が終わってからも足を運んでもらうため、あえて夜8時閉館にしている。美術愛好家だけでなく、あらゆる人に足を運んでもらい、利用してもらおうという施設のコンセプトで、徹底的に利用者の視点に立ったサービスの提供を心がけている。

美術館棟2F~1Fへ通じる階段には、長崎県産である波佐見焼の陶板を用いた間接照明を設置。陶板の後ろから照明をあてることで、柔和な光が演出されている。また館内にあるカフェでは、ケーキやデザートとともに、公立の美術館では通常ありえない、ビールやワイン、カヴァ(スペインのスパークリングワイン)といったお酒を楽しむことが可能だ。こうした“非常識”さが受けており、年間入場者数が約35万人。全国の都道府県美術館のなかでも際立った人気がうかがい知れる。

目指しているのは「呼吸する美術館」という、未来の美術館のかたち。生き物が呼吸をするように、美術館の外にあるさまざまな情報や刺激を吸い込み、それを新しい形の刺激として再び外へと…。
美術館という存在が、従来の“固体”から“液体”へ変化し、地域とインタラクティブ(双方向)な関係を保ち、意見を吸収しながら、土地の記憶を呼び起こしていく。都市や離島などの地域、アジアやヨーロッパなどの世界、また美術以外のさまざまな分野と自在に連携しながら、美術館という建物の内部にとどまらない、新しいトポス(場)を創り出していく。まさに美術館という枠を超えて、呼吸しながら都市や地域を大きく活性化していく、今までにない視点をもった美術館を目指しているのだ。

ACCESS

長崎県美術館
長崎県長崎市出島町2番1号
URL http://www.nagasaki-museum.jp/
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