海に浮かぶ美しい神社の大鳥居「厳島神社」/広島県廿日市市

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鳥居の重みだけで立つ大鳥居

厳島神社といえば、海のなかにそびえ立つ朱色の大鳥居。この印象的なたたずまいをテレビや写真などで見たことがある人も多いはず。大鳥居の大きさは、奈良の大仏とほぼ同じ高さの16m。重量は約60トンもあり、どうやって海中に立っているのかが気になるところだ。じつはこの大鳥居、柱が海底に埋められているわけではない。地盤に松材の杭を打って強化し、鳥居の上のほうにある箱型の島木に石を詰めて加重して、鳥居の重みだけで立っているのだという。こんなワザを考え付いた先人の知恵と工夫に、ただ感服するのみだ。

世界遺産に登録された厳島神社

厳島神社は平清盛とゆかりの深い神社だ。創建は、清盛が生きた平安末期から大分遡る推古元年(593)年だが、厳島神社を崇敬する清盛の援助で、廻廊で結ばれた海上社殿が1168年に造営されたという。
干潮時には大鳥居まで歩いていけるが、潮が満ちると社殿や廻廊はあたかも海に浮かんでいるように見える。まるで海を敷地とするようなこの発想は、島全体がご神体と考えられていたためらしい。
前面には瀬戸内海、後ろには神が降臨すると考えられた弥山が控え、自然への信仰と建築の美しさが調和した素晴らしい景観をつくり出している。日本の文化を伝える優れた建築であることや、島全体が文化的景観を成している点が高く評価され、1996年にユネスコの世界遺産にも登録された。

ACCESS

厳島神社
広島県廿日市市宮島町1−1
URL http://www.itsukushimajinja.jp/
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