個性豊かな商品が人気のブルージュプリュス
日本各地の美味しいものと出会うことも旅の醍醐味のひとつ。岩手の旅で訪れた「ブルージュプリュス」は、パンをはじめケーキ、プリン、チョコレートなどを生産・販売している。岩手県花巻市に本店を構え、盛岡市内に津志田店、上ノ橋店、川徳店を展開する地元でも人気のお店だ。
ブルージュプリュスの看板商品のひとつ、誰もがほっぺたが落ちそうになると評判のスイーツが「バウムクーヘン」。これまでにもいくつもの種類を作っているため、“バウムクーヘン工房”と名乗っているほど。
「イギリス海岸 ハードバウム」は、外側のカリっとした食感と内側のふわふわした食感が絶妙なハーモニーのバウムクーヘン。契約栽培している岩手二戸市産の貴重な品種『陸羽132号』の米粉と地元産の卵がこの美味しさの秘密だ。もうひとつ「やわらかバウム」はしっとりとした深い味わいが特徴。素材を使い分け、個性豊かなバウムクーヘンを生み出している。
バウムクーヘンや生クリームあんぱんが人気
現在、オーナーパティシエとして腕を振るう高橋大さんは東京で修行し家業の製菓店を継いだ。地元に戻ったとき、美味しい素材の多さに驚いたという。
「岩手には小さいながらもこだわった生産者がたくさんいます。岩手県北部の奥中山高山近郊で育った牛のお乳から作る生クリームは、脂肪分が高くコクがあるのにしつこさがなく風味が良い。今では、生クリームあんぱんやケーキ、プリンなど商品全般に使用しています」(高橋大さん)
その生クリームをたっぷり味わうことができるのが、「岩手まるごとクリームあんぱん」。国産小麦の生産量が少なくなっているなかで、パン生地には岩手県産の小麦粉を使用し、小豆も岩手県産、生クリームは先ほどの高橋さん自慢の逸品、まさに岩手県の素材がつまったクリームあんぱんに仕上げているのだ。
また生クリームは購入時に充填し、できる限り生の風味を味わうことができるように工夫しているという。
日常にある“贅沢”
「岩手産の素材を使うことで、美味しさはもちろん、鮮度もよく安心な食材を使ってパンやケーキを作ることができるのはとても贅沢なことだと思います」そう高橋さんは話す。
その言葉のとおり、素材の生産者からパンやスイーツに仕上がるまでに携わる人の顔が見えることが、ブルージュプリュスの大きな魅力かもしれない。
「生産者さんは採算度外視というくらいこだわっています。その生産者さんにその人にしか作れないような素材を作ってもらい。そして、もっと新たな商品を開発していきたいです」。ここでは紹介しきれないほど種類の豊富なパンやスイーツの数々は、高橋さんや多くの生産者さんのこだわりが光る逸品。岩手を訪れる際には一度は味わってみたい“岩手の味”なのだ。