「斎王」の暮らしを味わえる宿
斎王とは、天皇の代わりに伊勢神宮の天照大神に仕え、大玉串(榊の枝に紙垂をつけたもの)を捧げる祭祀を執り行なった女性のことで、飛鳥・奈良時代から鎌倉時代までの約660年の長きにわたり存在していたと言われている。
年に3度の天照大神へのお詣りのために、天照大神から約10キロほど離れた現在の三重県多気郡明和町あたりにあったとされる斎宮で生活をしていた斎王の生活は、お詣り以外は貝合わせや歌詠み、船遊びをするなど、市民の生活に比べて、それは大変優雅なものだったという。
そんな斎宮を再現し、まるで斎王になった気分を味わえるのが、三重県で中田が宿泊した「斎王の宮」だ。
ゆったりと贅沢な時間を過ごす
館内に一歩足を踏み入れると、斎王の時代を彷彿とさせる回廊や斎王群行の壁画、四季をテーマにした4種類のフロアがあり、まるで当時にタイムスリップしたよう。
さらに斎王として身も心も満たす工夫が至るところに。宿で寛ぐための必需品・浴衣を自分の好みで色柄を選ぶことが出来る。気持ちの落ち着くようにと考え抜かれた全客室には、天蓋付きのベットと信楽焼の露天風呂、女性に人気の高い「デタイユ・ラ・メゾン」シリーズをベーシックアメニティとして完備されるなど、まさに「斎王」気分を味わうことが出来るのだ。
鎌倉時代から800年弱して甦った斎宮「斎王の宮」。当時の斎王は、自らの役目を果たすため、愛しい人と引き裂かれたり、自分の夢をあきらめるなど、必ずしも斎宮に暮らすことが幸せだったとは限らない。しかし、「斎王の宮」では日常生活の役目など忘れて、一人の女性として贅沢な時間を過ごしてもらいたい。