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着物の必需品「根付」
着物には、巾着や印籠など、普段持ち歩く「提げ物」(さげもの)を入れておくポケットがない。そんなときの必需品が根付だ。根付は、提げ物の紐にとりつけて、帯に挟み、するりと落ちてしまうのを防ぐ留め具のこと。
いま、財布などにチェーンをつけ、ズボンにくくりつけておく人を見かけるが、それを想像してもらえば、そう遠くはない。昔の人はオシャレのため、根付や提げ物にさまざまな趣向をこらした。現代でも根付のコレクターは海外にもたくさんいる。
伊勢根付が爆発的な人気を博したのは、お伊勢参りが盛んになった江戸時代のこと。伊勢詣のみやげものとして、買って帰る人が急増したのだという。だから、当時人気のあったデザインは「かえる(帰る)」だったという話もあるぐらいだ。
根付彫刻に挑戦する
今回、中田がお邪魔したのは、国際根付彫刻会の会長を務めている根付作家・中川忠峰さん。中川さんは、1993年にオープンした伊勢根付彫刻館の館長も務め、伝統を後世に残そうという活動も行っている。
その作品に魅せられ、中田も彫刻にチャレンジさせてもらった。……のだが、しばらく作業を続けていると手が痛くなり、中川さんに揉んでもらうという一幕も。
最後に中田から、「現代的なデザインはあるんですか?」との質問が。
「そう。これからはそういう形も考えていきたいんだ。だから携帯電話にも付けられるような、小さなものも作ったりしている。」と話してくれた中川さんは、挑戦者の顔だった。
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