NIHONMONO「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン

ひとが生きる本質的な心地よさと喜びを感じ、接続可能な未来を描く「KURKKU FIELDS」

ひとが生きる本質的な心地よさと喜びを感じ、接続可能な未来を描く「KURKKUFIELDS」

千葉県・木更津市にあるサステナブルファーム&パーク「KURKKU FIELDS/クルックフィールズ」は、約30haという敷地面積をはるかに超えた可能性を感じさせてくれる施設だ。この施設を手掛けたのは、Mr.Childrenプロデュース、自らもBank Bandのメンバーとして活動をする音楽家の小林武史さん。小林さんは2003年に非営利団体「ap bank」を設立し、サステナブルをテーマに自然エネルギーや環境保全活動をしている方々に対する融資や野外音楽イベント「ap bank fes」の開催、アートと音楽・食の総合芸術祭「Reborn-Art Festival」を立ち上げるなど、環境問題や復興支援を積極的に取り組んできたが、「農業」「食」「アート」の3つのコンセプトを軸に、これからの人や社会の豊かさを提案するサステナブルファームとして、2019年にKURKKU FIELDSを誕生させた。

「小林はこの施設をつくるときから、ここに完成はないと言っていました。未来につながる農業、自然と経済の新しい循環をつくるために有機的に成長していく施設にしたいと考えています。東京から1時間ほどで来られますから都心で暮らしている方々に農業や自然について考えるきっかけになればという思いもあります」(KURKKU FIELDSスタッフ・新井洸真さん)

敷地内には、居心地のいいカフェがあり、パンや加工肉、スイーツをあつかうショップがあり、敷地内に草間彌生など国内外の有名現代アーティストの作品が展示してある。それだけでもじゅうぶんに魅力的な施設だ。だがここにはさらに農場があり、ビオトープがあり、鶏舎があり、牛舎があり、さらには太陽光発電システムも整っている。なだからな丘をゆったり散歩していると、牛舎にたどり着いた。ここでは、本州で唯一水牛が飼われている。南イタリアで長年チーズ作りに携わりチーズ職人の竹島英俊さんが水牛の買い付け、飼育から手掛け、本場顔負けのモッツァレラチーズをつくっている。角を生やした水牛は、旅で見てきた肉牛や乳牛よりひとまわり大きい。畜産業独特のにおいもなく、この牛舎が清潔に保たれていることが伝わってくる。水牛を横目に見ながらこの日の朝つくられたばかりのモッツァレラをいただく。水牛1頭あたりの搾乳量はホルスタイン種の1/5とずっと少なく、それだけ希少性が高い。濃厚だが爽やかな味わいとモチモチとフレッシュな食感が格別だ。やはりイタリアで長年生活した中田英寿が思わずうなった。
「うん、おいしい! こんなにおいしいモッツァレラを日本で食べられる日がくるとは思いませんでした」

施設内の「KURKKU FIELDS DINING」では、このモッツァレラはもちろんKURKKU FIELDS内で採れた新鮮な野菜や卵を味わうことができる。
そのほか、ピクニックやマルシェ、ライブイベントなども定期的に楽しめるクリエイティブ・パークや、農場の営みに参加ながら自然との一体感を感じながら朝晩を過ごすことができる“タイニーハウスビレッジ”での宿泊プログラムなどもあり、将来的にはヴィラタイプの宿泊施設などもできる予定だ。

おいしく、たのしく、気持ちよく、サステナブルについて考える。KURKKU FIELDSは、農業を軸として、接続可能な暮らしの豊かさを発信する、新しい未来を提示してくれているような気がした。

ACCESS

KURKKU FIELDS
292-0812 千葉県木更津市矢那2503
TEL 0438-53-8776
URL https://kurkkufields.jp/