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大和茶の産地で、茶畑の再生に挑む
「健一自然農園」で働く伊川健一さんと羽間一登さんは、以前、中田が三重県を訪れた際に「赤目自然農塾」で偶然出会った2人。2人はここに、自然農を学びに来ていた。伊川さんは、奈良で放棄された茶畑を、自然に近い形で再生させようと取り組んでいる。それに興味を持ち、羽間さんは勤務していた会社を辞めて、共同で作業をするようになったという。
奈良北東部、大和高原に位置する健一自然農園は、2005年に奈良市に編入されたが、以前は都祁(つげ)と呼ばれ、大和茶の栽培の盛んな土地であった。標高が400m~500mと高く、冬には雪が降り積もり、「大和の北海道」などとも呼ばれるほど冷涼な土地。昼と夜の寒暖差も激しく、茶の栽培にはうってつけの気候なのである。
余計な手を入れない
その土地にあり、打ち捨てられた茶畑を自然の力で再生させようという試み。2人の努力は成果が実り、現在では畑を数カ所持てるまでになり、毎年たくさん収穫できるようになった。
信条は「余計な手は一切入れない」ということ。茶を覆ってしまうほどに伸びた草だけは刈るというが、それ以外はほとんど自然の力のみで栽培しているのだという。
奈良は茶の収穫量が全国で6位だ。仏教などとのかかわりで古くから茶にしたしんできた街でもある。そんな奈良で、2人の若者が自然の力を借りて、茶畑の再生に成功している。
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