国内で唯一幻の品種を養豚している牧場 ふくどめ小牧場/ 鹿児島県鹿屋市

国内にはここにしかないとも言われる希少な品種を扱う養豚から、
本場ドイツで修業した職人によるこだわりの食肉加工、
そして食卓に届ける販売までを一貫して手掛けるふくどめ小牧場。

家族で営む小さな牧場だからこそ生み出せる「幸せ」を追求しています。

目次

幻の豚「サドルバック」「幸福豚」

鹿児島県大隅半島の中心にある鹿屋市は北部には高隈山系が連なり、西側は錦江湾が広がる。年間の平均気温17℃という温暖な気候と豊かな自然を活かして農業・畜産が盛んなこの地に、家族で営むふくどめ小牧場はある。

鹿児島で豚といえば黒豚を連想する人が多いだろうが、実はそれだけではない。ふくどめ小牧場では「サドルバック」という希少な品種を飼育している。サドルバックはイギリス発祥の品種で、脂身が多いのが特徴。ヨーロッパでは「幻の豚」と呼ばれ、日本で飼育しているのは唯一ここだけだ。通常の豚の場合は6か月ほどで出荷されるが、ふくどめ小牧場のサドルバックは8か月とゆっくり時間をかけて育てられている。そうすることでこの品種本来の魅力がしっかり引き立つのだそうだ。また、こだわりの餌や新鮮な地下水を与えながら、清潔な環境下でのびのびと育てられている。このようにじっくりと丁寧に時間をかけることで人肌の温度でもとろける脂身の柔らかさと旨みが生み出される。また、サドルバックと白豚を かけ合わせた「幸福豚」という品種も飼育している。幸福豚もサドルバックのような上質な脂身とやわらかい赤身をあわせもち、ここでしか飼育していない品種だ。

ふくどめ小牧場のこだわり

ふくどめ小牧場は他の牧場とは異なり、飼育から加工、販売までを1カ所で、一貫して手掛けている。というのも「自分たちで大切に育てた豚を、自分たちでお客様に届けたい」また「まっすぐ、丁寧に、手間ひまをかけて」という想いが根底にあるからだ。だからこそ飼育頭数は自分たちの目が届く範囲内にとどめておき、一頭一頭に愛情を注いで育てている。

おいしさを際立たせる「マイスター」

販売までを一貫して行っているふくどめ小牧場だが、おいしさを決める要素として「加工」も重要になる。国家資格「マイスター」を取得している福留洋一さんは21歳からドイツにわたり、10年間でヨーロッパ各地の加工技術を習得した。マイスターとはドイツの国家資格で、その道を極めた人に与えられるものである。ハムやソーセージの加工を担当している洋一さんのこだわりは、作るものに合わせてスパイスを独自にブレンドし、専用のミックス香辛料で仕上げていることだ。香辛料を1つ1つミル挽きで潰して混ぜ合わせ、入っているものをきちんと把握して作るという製法は、素材のおいしさを最大限に引き出すことにもつながっている。

「脂の旨味はしっかり感じますが、サッと溶けてさっぱりとしていますね。このレバーパテもおいしいですね」と中田も感動するほどだった。小さな牧場だからこそ、できることがある。福留家は規模を大きくする考えはないとのこと。「飼育から販売まで一貫して行っていると豚の命のありがたさが実感できます」と洋一さんは話している。放牧されている豚たちもどこか幸せな表情に見えた。

ふくどめ小牧場 福留洋一さん(左)、福留俊明さん

ドイツの伝統技術と「命を預かる責任を持ち、脂も皮も骨も捨てることなく1頭まるごと使い切る」姿勢を大切に、素材を100%生かすことを優先した加工・製造を行っています。丁寧でシンプルなおいしさが生きた、自慢のお肉です。

ACCESS

ふくどめ小牧場
〒893-0044 鹿児島県鹿屋市獅子目町81−1
TEL 0994-48-2324
URL https://fukudomesmallfarm.com/
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