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木造では日本一の幅を誇る木曽の大橋
奈良井宿を歩いていくと見えてきたのは、総檜造りの木曽の大橋。緑豊かな一帯に檜の大橋がかかり、橋を渡れば広大な芝生公園が拡がる。木造の橋として日本一幅の広い6.5mを誇り、樹齢300年を超す木曽檜が贅沢に使用されている。この橋を手掛けた大工の棟梁の寺澤貢さん(生田木材技建株式会社)が笑顔で出迎えてくれた。
職人技が集結した木曽の大橋
寺澤さんは、「使用しているのは檜だけだが、出来上がった時に受けた30tの荷重を加える耐久性テストでは、下がったのはわずか7mmだった」と教えてくれた。そしてそれはすぐに元に戻ったそうだ。それを聞き、檜の持つ力強さを実感した様子の中田。橋を下から見てみると、檜の板一枚一枚が精巧に重なりあい、橋のアーチを作っていた。「これぞ職人技というつくり」と中田はしばしの間、見入っていた。「中ほどに自分の名前がある」と寺澤さん。中央部を見上げると、墨で証のように職人たちの名前が刻まれていた。