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すべての工程を手作業で行う王禄酒造
王禄酒造は、島根の東出雲町に根ざし、酒造りを始めて130年余の蔵。
生産石数わずか600石、杜氏以下5名の蔵人たちにより、全ての工程を手作業でおこなっている。
杜氏の石原丈径氏は、この蔵の跡継ぎ。制御工学を学んだ後にUターンして酒造りを始めた。仕込みや製造過程はもちろんのこと、できてから消費者まで届くまでの鮮度管理方法までこだわっているのが今の王禄酒造の酒だ。
「生きている酒を届ける」と語る杜氏の石原丈径氏は徹底している。
「酒を生かす」そのために酸化を防ぐ瓶詰め、「酒を育てる」そのための熟成期間、さらには管理・販売方法においても信頼できる酒屋にだけ王禄酒造が届けられる。
それらのこだわりの全ては、過去の経験からきているという。酒づくりを始めた当初に、県外での販売を試みたところ失敗に終わった。
一口飲んだ時点で気に入られなければ再びお客さんが戻ることのないことを知っている杜氏だからこそ、「生きた酒」を届けるための、こだわりと情熱が注がれている。