まるでヨーロッパ! 日本では珍しいぶどうの垣根栽培
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120年続く老舗ワイナリー「丸藤ワイナリー」で中田がお話を伺ったのは、代表の大村春夫さんだ。とつとつと静かに話すが、ワインへの熱さはビシバシと伝わってくる。
「フランスから帰ってきたときに、日本のワイン作りは大丈夫かなって思ったんです。海外からいろいろ安くておいしいワインがどんどん入ってくる。ブドウも、ワインを作るブドウ液もどんどん。だからそのなかで、わたしは本当に自分たちでワインを作りたいなと思ったんです」
丸藤ワイナリーで作られるワインは、100%国産のブドウを使っている。ただし、そこにたどり着くまでには、いろいろな試行錯誤があった。「そのときはまだ垣根栽培を試してなかったんですね。日本には合わないかと思って。何といっても雨が多いですからね。でもこうして雨よけを作ってみたり、いろいろ試行錯誤して垣根栽培でシャルドネを作れるようになりました。それでもまだまだ研究の余地はあると思います」
ヨーロッパなどでは、垣根につたをはわせてブドウを栽培する。けれども、雨と湿気の多い日本では、頭上に棚を組んでつたをはわせるのが一般的だ。だが大村さんは、垣根に雨をさえぎる覆いや雨樋のようなものをとりつけて、日本でも垣根栽培ができるようにしたのだ。
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若手ソムリエも勉強に訪れるほどの、熱心なワインづくり
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丸藤ワイナリーといえばワイン通の間でも知られる、歴史と実績を持つワイナリー。こだわりはいろいろある。試飲で中田が反応したワインにも、「それもこだわりのもの。いまの日本白ワインの潮流は、クリーン。でもうちはにごっていてもいいから、味のあるものにしたいと思っているんです」と大村さん。
「僕はしっかりとしたものが好きなので、これはおいしいと思いますね」そう、中田も納得する。
酵母の研究など、科学的な分野の勉強も怠らない。その熱意は全国に知られ、若手ソムリエがワインの勉強にやってくることもあるとか。ワイン一筋、より美味しいワインを見つめているワイナリーだ。
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