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金沢の伝統野菜を「加賀れんこんの 蓮だより」

金沢の伝統野菜を「加賀れんこんの 蓮だより」

石川県金沢市では、地元の土壌や環境に合わせて独自に発展してきた伝統野菜を「加賀野菜」というブランド認定をしている。「加賀野菜」の認定を受けている野菜は15品目あるのだが、そのうちのひとつ、加賀蓮根を栽培する「農事組合法人 蓮だより」を訪ねた。

加賀れんこんの特長は、節間が詰まっていて肉厚なこと。もっちりとした粘り気とシャキシャキの食感が食欲を増進させる。すりおろして蒸すと、他のれんこんと比べてもちもち感の差は歴然、古くは加賀藩の前田家がお堀のまわりに観賞用として蓮を植えていたそうだが、その後中国から食用の蓮が持ち込まれ、この地で栽培されるようになったという。

「れんこんは春に植えて8月から収穫が始まります。夏場の新しいれんこんは、梨のような甘みがあります。収穫は冬をまたいで5月まで続きますが、寒くなるにつれて糖分がでんぷんに変わり、粘り気がましていきます。天ぷらやきんぴらなどなんでもおいしく食べることができますが、このあたりではすりおろしてから蒸してあんをかけて食べる『はす蒸し』にすることが多いですね」(川端崇文さん)

川端崇文さんは2006年、28歳で脱サラし就農。農家に弟子入りしてれんこん作りを学んでから独立。現在、金沢市北部の湖南町の計9000坪の畑でれんこんの栽培に取り組んでいる。
「農薬や化学肥料は使わず、土の力でおいしいれんこんを育てたいと思っています」(川端さん)
訪ねたのは、11月初旬。すでに冷たい風が吹き付けている。そんななか川端さんは、水を満々とたたえた畑に入って収穫をする。ホースから噴出する水で土の中に埋もれた長さ1メートル以上あるれんこんを探り出し、折らないように慎重に持ち上げる。勘と手の感触だけが頼りだ。
「収穫の作業は午前2~3時からスタートします。冬場は雪もふりますし、畑が凍りついていることも珍しくありません」(川端さん)

中田英寿も収穫にチャレンジ。水深はひざくらいだが、しゃがみこまないと収穫はできない。泥の中では動きがままならないうえ、土中のれんこんを手探りで掘り出す作業はそう簡単ではない。
「やっと見つけたと思っても、どこが根本なのかわからない。折らないように持ち上げるのもかなり難しいですね」(中田)
川端さんは、薄く切って素揚げした「加賀れんこんちっぷ」や小麦粉や米粉のように使える「加賀れんこんパウダー」など加工品の販売にも力を入れている。
「食べたあとに『なつかしい味がする』といわれるとうれしいですね。寒いなかで土中保存されたれんこんはしっかりとした旨味があるんです」(川端さん)

「加賀れんこんちっぷ」は、東京のアンテナショップや通販サイトでも扱われているが、皮のまま手でスライスしているので、機械で均一にスライスされたものより味わいがあって美味しく、是非試してみて欲しい。

ACCESS

農事組合法人 蓮だより
〒920-3101 石川県金沢市才田町乙183番地2
TEL 080-2958-1190
URL http://doronko-farm.com/