400年前から熊本に伝わる肥後象嵌日本の工芸技法のひとつである象嵌とは、「象」は象る(かたどる)、「嵌」は嵌める(はめる)と言う意味で、鉄の表面を刃物で象り、純金や純銀などをはめ込む技術である。肥後象嵌は、江戸時代から400年続く熊本県を代表する伝統工芸品。 |
象嵌は、鏨(たがね)で地鉄に布目状の切り込みを入れていく。0.1ミリ幅に3~4回刻みを入れるため、一つひとつの刻みの間隔は0.025~0.03ミリの世界。その幅は都度計るわけではなく、長年の経験で体が覚えていくそうだ。 |
伝統工芸に挑戦し続ける想い肥後象嵌は、もともと銃身や刀のつぼの装飾として作られたのが始まりで、武家文化の精神である派手さを抑えた奥ゆかしい美を感じる作風が特徴。そして、現在は銃や刀の代わりに文房具や装飾品に多く用いられている。しかし、長い伝統が息づく肥後象嵌もその継承者は今ではおよそ10人前後しかいない。 |
ACCESS
- 白木光虎
- 熊本県熊本市西区河内町岳1844-241