<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>食器 - NIHONMONO</title>
	<atom:link href="https://nihonmono.jp/tag/%e9%a3%9f%e5%99%a8/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>https://nihonmono.jp</link>
	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
	<lastBuildDate>Wed, 01 Oct 2025 04:00:21 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>
	hourly	</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>
	1	</sy:updateFrequency>
	<generator>https://wordpress.org/?v=6.8.5</generator>

<image>
	<url>https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/06/cropped-favicon-32x32.png</url>
	<title>食器 - NIHONMONO</title>
	<link>https://nihonmono.jp</link>
	<width>32</width>
	<height>32</height>
</image> 
	<item>
		<title>日常目線のガラス作家、Bamboo Glass･三浦侑子さん／岡山県苫田郡</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/53301/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/53301/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 29 Sep 2025 10:05:15 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<category><![CDATA[グラス]]></category>
		<category><![CDATA[吹きガラス]]></category>
		<category><![CDATA[食卓に馴染むガラス]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://nihonmono.jp/?p=53301</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/IMG_4197.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>吹きガラスの味のある美しさに魅了され、伝統の技法で毎日の食卓にのぼる器を作るガラス作家・三浦侑子さん。使い勝手を考えた器は手にすると安定感があり、食卓で凛とした佇まいを見せる。和食や洋食といった料理のジャンルや場面にかか [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53301/">日常目線のガラス作家、Bamboo Glass･三浦侑子さん／岡山県苫田郡</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/IMG_4197.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>吹きガラスの味のある美しさに魅了され、伝統の技法で毎日の食卓にのぼる器を作るガラス作家・三浦侑子さん。使い勝手を考えた器は手にすると安定感があり、食卓で凛とした佇まいを見せる。和食や洋食といった料理のジャンルや場面にかかわらず、“日々使える器”をコンセプトに、暮らしに溶け込むガラス作品を作っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">自然豊かな岡山県北の地に移住</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0825.jpg" alt="" class="wp-image-53309" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0825.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0825-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0825-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>吹きガラスの作家、三浦侑子さんの工房『Bamboo Glass』は、岡山県苫田郡（とまだぐん）鏡野町の静かな山間の地にある。岡山市内からクルマで約1時間半、鳥取県境まで15分ほどの距離。近くには岡山県美作地方を代表する奥津温泉や名勝地の奥津渓があり、四季を通じて豊かな自然に恵まれるエリアだ。三浦さんはこの地で2014年、工房を始動させた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">毎日の食卓にのぼる器を制作</h3>



<p>三浦さんが作る器は、無色クリアや淡いグレーのかかったコップやワイングラス、お皿、ボウルなど。「吹きガラスは2000年以上の歴史がある技法です。私は昔の人が使っていた器のフォルムにとても惹かれるので、その歴史をしっかりと勉強して、現代の人にとっての使いやすさを考えながら自分らしいデザインに挑戦しています」</p>



<h3 class="wp-block-heading">大学在学中、吹きガラスと出合う</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0813.jpg" alt="" class="wp-image-53310" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0813.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0813-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0813-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>三浦さんは大阪府生まれ。京都造形芸術大学在学中に陶芸や木工など様々な工芸にふれ、そのなかでもっとも惹かれたのがガラス工芸だった。さらに追求したくなり、京都市にあった工房「Glass Studio Aaty」の教室で吹きガラスの経験を積み重ねた。数あるガラス成形の技法から「吹きガラス」を選んだのは、じっとしているのが得意ではないから、と笑う。</p>



<p>だからこそ、体を動かしながら作る吹きガラスは性に合ったのだろう。実際にやってみると、そればかりでなく溶けたガラスの動きが面白く「吹きガラスについてもっと知りたい」「やわらかい状態のガラスを扱いたい」と考えるようになっていった。</p>



<p>吹きガラスは、高温溶融したガラスを「吹き竿」となる鉄管に巻き取り、空気を吹き込んで風船のように膨らませて成形する。型にはめ込んで成形するよりも薄いガラスを作ることが可能で、その技法は古代ローマ時代からほとんど変わっていないといわれる。</p>



<p>ガラスを仕事にするために勉強を続けようと、大学卒業後は富山ガラス造形研究所造形科に進んだ。2年間、ガラスの基礎となる理論、技法や必要なデッサンから、作家として独立するノウハウまで学んだのち、静岡県の『磐田市新造形創造館』でガラス工房のスタッフとして5年間勤務。同じスタッフとして働いていた夫の和さんが岡山県苫田郡鏡野町の『妖精の森ガラス美術館』に就職したことを機に、この地に移り住んだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">同じことを繰り返しても、同じものはできない</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1076.jpg" alt="" class="wp-image-53311" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1076.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1076-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1076-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在は住まいの一角に工房を構え、ひとりで制作している。工房には作る器のサイズに合わせて自作した2つの炉が並ぶ。作業用の炉の温度は約1000℃。ガラスを溶かして貯めておく炉の作業中の温度は約1180℃。こちらはガラスの気泡などを除去するため24時間稼働させ、翌朝すぐに作業できる状態にしている。ふたつの炉が発する熱に包まれながら、コップであれば朝から晩まで20〜30個を作り続ける。「同じことをひたすら毎日、繰り返しても飽きない。それが不思議です。同じものを作っているつもりなのに出来上がったものは一つひとつがどこか違う。だからでしょうか」</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1074.jpg" alt="" class="wp-image-53312" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1074.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1074-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1074-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>古いガラスを見て学び、自身の創作では洗いやすい形状や簡単には割れない厚みなどを工夫して現在のスタイルにたどり着いた。色合いは汚れのつきにくい無色クリアが中心で、ほかに古いグラスの持つ雰囲気を出そうと、ガラスに鉄や銅を微量、混ぜ合わせてグレーがかった色味の器も作っている。いずれも食卓で主張せず、馴染みやすい色合いだ。</p>



<p>好きなグラスのひとつに、20世紀のフランスの大衆食堂で使われていた脚付きのグラスがある。いわゆる「ビストログラス」と呼ばれるもので、ある程度大雑把に扱える丈夫なグラスだ。「このグラスのように手に取りやすく、素朴な日常性のあるものを作りたい」と話す。</p>



<p>創作を始めた当初は自分の作品を知ってもらうため、全国のクラフトフェアに出展した。長野県松本市の「クラフトフェアまつもと」や、静岡県静岡市の「ARTS&amp;CRAFT　静岡手創り市」、岡山県倉敷市の「フィールドオブクラフト倉敷」などでお客さんと話をして自分の作る器への反応を知った。陶磁器と並んでも干渉せず、洋食にも和食にも使えるガラス器は意外と少ないことを知り、「食卓に馴染むガラス」というテーマが確固としたものとなった。口コミで取引先は徐々に増えていった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">仕事と暮らしがつながる環境</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0889.jpg" alt="" class="wp-image-53313" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0889.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0889-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A0889-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>三浦さんは、古書市などで集めた古いガラス器に関する書物を夜な夜な眺め、制作のモチベーションにしている。「例えば16世紀のベネチアングラスなど、写真であってもずっと見ていると当時の職人が頑張って作ってきたんだなって感動するんです。道具の跡など作業の痕跡を見つけたりしながら、どんなふうに作っていたかを自分なりに考えてみるのが楽しくて」</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1063.jpg" alt="" class="wp-image-53314" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1063.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1063-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/09/2A3A1063-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>山のふもとで気兼ねなく、のびのびと仕事ができる現在の環境は、仕事と日常がうまくつながっているという。例えば朝、家の周囲の落ち葉を掃き集めることも仕事に向かうまでの大切なリフレッシュ法のひとつ。自然を感じながらさっぱりとした気分で工房に入ることができる。「これから先も今の生活を続けたいです。機織りをして生活をつないできた女性のように、山の中でコツコツと毎日、作っているイメージなんです。仕事は生活の一部ですから」と笑う。</p>



<p>最近になって7月半ばから8月の気温の高い時期は炉の火を落とし、今までは持てなかった自由な時間を使って博物館でガラス器を見たり、ガラスの資料を集める時間にあてたいと考えている。資料を見ているだけではわからないこともあるはずと考える。</p>



<p>この地に移住して以降は子育てに専念し、アルバイトをしていた時期があった。それでも頭のどこかでいつも「また吹きガラスの制作をやる」と考えていた。自身の創作意欲を疑ったことがない点に三浦さんの強さが現れる。日々の生活からインスピレーションを見つけ出し、創作に向かえることが三浦さんにとって何よりの喜びなのだ。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53301/">日常目線のガラス作家、Bamboo Glass･三浦侑子さん／岡山県苫田郡</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/53301/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>大量生産の産地で「作家」として生きる。越前漆器の塗師・中野知昭さん</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/38790/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/38790/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 26 Sep 2023 01:00:24 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[河和田塗り]]></category>
		<category><![CDATA[漆器]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<category><![CDATA[器]]></category>
		<category><![CDATA[福井県]]></category>
		<category><![CDATA[塗師]]></category>
		<category><![CDATA[日本工芸]]></category>
		<category><![CDATA[工芸家]]></category>
		<category><![CDATA[越前漆器]]></category>
		<category><![CDATA[福井]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://nihonmono.jp/?p=38790</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7427-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>塗師・中野知昭さんは、福井県鯖江市にて「河和田塗り（越前漆器）」の制作を行う作家です。熟練の技と経験から生み出される中野さんの作品は、漆ならではの温かく優しげな質感とふっくらした手触りが特長。どこから見ても美しい一生物の [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/38790/">大量生産の産地で「作家」として生きる。越前漆器の塗師・中野知昭さん</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7427-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-center"><strong>塗師・中野知昭さんは、福井県鯖江市にて「河和田塗り（越前漆器）」の制作を行う作家です。<br>熟練の技と経験から生み出される中野さんの作品は、<br>漆ならではの温かく優しげな質感とふっくらした手触りが特長。<br>どこから見ても美しい一生物の器が、生活に優しく寄り添います。</strong></p>







<p>中野知昭さんは、福井県鯖江市の河和田地区で同地の伝統工芸である「越前漆器」を制作している。越前漆器はホテルやレストランなどで使われる業務用漆器の分野で圧倒的なシェアを誇っているため、旅先や外食した先で手にしたことがある人も多いのではないだろうか。そんな大量生産に優れた越前漆器を作品の域にまで昇華させ、数を絞ってでも手塗りを徹底。マスプロダクツではなく、高付加価値の漆器に仕上げ、作家として生きる道を選んだ。</p>







<h2 class="wp-block-heading">福井県で現代の暮らしに合う漆器</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7316-1024x694.jpg" alt="" class="wp-image-38796" width="825" height="550"/></figure></div>






<p>中野さんの工房は、県道18号線･通称<strong>「うるしの里通り」</strong>からすぐ近くにある。この通りの名称の由来は、通り沿いに漆器の絵付け体験などができる<strong>「うるしの里会館」</strong>があり、周辺には古くから漆器の工房や職人の家屋が数多く建ち並んでいるから。</p>







<h3 class="wp-block-heading">漆器作りのすべてに関わる</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7412-1024x742.jpg" alt="" class="wp-image-38799" width="825" height="550"/></figure></div>






<p>漆器作りには、大きく分けて「木地作り」、「下地塗り」、「中塗り･上塗り」などの工程があり、各工程を請け負う職人が異なる分業制が一般的。しかし中野さんは、<strong>自らデザイン画を書いて木地職人に発注し、下地塗りから仕上げの上塗りまですべて自分で行う。</strong>木地を発注してから完成品の漆器として出荷するまでには、なんと１年もかかるという。顧客からの注文に応じて、それぞれが専門的に仕事をこなす中で、一貫して自分の手で作品を作り上げる中野さんは、稀有な存在だ。</p>







<h3 class="wp-block-heading">全国のギャラリーから注目を集める</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/de6e25618cce23a0aa871c10df13c7cf-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-38802" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/de6e25618cce23a0aa871c10df13c7cf-1024x683.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/de6e25618cce23a0aa871c10df13c7cf-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/de6e25618cce23a0aa871c10df13c7cf-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/de6e25618cce23a0aa871c10df13c7cf.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>中野さんの作品はシンプルながらも漆ならではの気品があり、美しい。その評判は日本中に轟き、展示会は年間で10を超えるようになった。今や中野さんは、<strong>全国のギャラリーなどから熱い注目を集める気鋭の漆器作家だ。</strong></p>







<h3 class="wp-block-heading">仕上げの美しさで魅了する</h3>



<p>中野さんが制作する漆器の中でも特に人気が高いのが、<strong>華美な装飾を廃した椀</strong>。冠婚葬祭やハレの日だけでなく日常の食卓で使いやすいデザインや、美しいフォルムの中に温かみを感じる質感が、モダンな感性を持つ消費者から支持されている。その独特の質感を生み出しているのが<strong>「真塗り」という仕上げ。</strong>真塗りは、上塗りの最後に磨きをかけずそのまま仕上げるため、熟練した塗りの技術が求められる。中野さんは、「越前漆器は上塗りが得意」と言われるほど、職人たちの上塗りの技術が総じて高い同エリアにて、27年間、塗りの技術を磨き続けてきた。</p>







<h3 class="wp-block-heading">上塗り用の漆も手仕事にこだわる</h3>



<p>漆器の上塗りには<strong>「上塗用の漆」</strong>が使われる。上塗漆を作る作業は「手黒目（てくろめ）」と呼ばれ、昔は産地でよく行われていた。しかし、手作りの「上塗漆」は4～5年寝かせる必要があるなど時間も手間もかかる。そのため、時代と共に既製品を購入する職人がほとんどになっていたが、中野さんは<strong> “手仕事こそ、漆器の価値を高める”</strong>と考え、2004年から年に一度のペースで生漆（きうるし）を日光に当てて水分を蒸発させ、上塗り用の漆を作る、手黒目を行っている。</p>







<h2 class="wp-block-heading">作家として生きるために</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7339-1024x731.jpg" alt="" class="wp-image-38805" width="825" height="550"/></figure></div>






<p>鯖江市で生まれ育った中野さんは高専を卒業後、土木設計の仕事に就いたのだが、越前漆器の上塗り師として産地の仕事を請け負う父が病に倒れ、それを機に父の仕事を手伝うことになった。幸いなことに父はその後、病から回復し、塗りの技術を父から学ぶことができた。</p>



<p>その基礎が今に生きているんだという。「当時はお陰様で仕事も忙しくて、色々なものを塗らせてもらいました。この産地の上塗り師は、<strong>丸いものを塗る丸物師と四角いものを塗る角物師</strong>とに分かれます。父の工房は丸物が得意でしたが角物を扱うこともあり、両方の幅広い技術が身に付きました」。</p>







<h3 class="wp-block-heading">産地の仕事に感じた違和感</h3>



<p>父の工房で修業を積んでいた中野さんは、樹脂の器に漆を塗ったり、化学塗料で下地をしたものに上塗りをしたりする仕事に疑問を抱くようになる。「漆器と呼ばれるものの中にはスプレーガンで塗料を吹き付けるものもありますが、私はあくまで手塗りでしか出せない美しい仕上げにこだわりたかった」。中野さんは仕事と並行して自分自身の作品を作り始める。その作品をコンテストに出品したところ、<strong>「酒の器展」大賞、「椀One大賞」優秀賞、「越前漆器展覧会」福井県知事賞</strong>など権威ある賞を次々と受賞。作家として才能が開花していることは誰の目から見ても明らかだった。</p>







<h3 class="wp-block-heading">憧れの作家の存在</h3>



<p>父のほかにも中野さんに大きな影響を与えた人物がいる。中野さんと同じく福井を拠点に漆器作家として活動していた山本英明さんだ。山本さんは、今でこそよく耳にするようになった<strong> “普段使いの漆器” </strong>という言葉が広まるきっかけをつくったと言われる人。自分で考えた木地に下地をしっかりと塗り、無地のお椀や重箱に仕上げる山本さんのスタイルに中野さんは強く惹かれたという。山本さんが「手黒目の漆」を作っているのを見て、中野さんも同じく作り始めた。山本さんはすでに亡くなってしまったが、その作品づくりのスピリッツは、現在でも中野さんの心に深く刻まれている。</p>







<h3 class="wp-block-heading">営業や展示会で人脈を増やす</h3>



<p>中野さんは山本さんの死後、同氏に倣って自分自身の仕事を楽しむために、作家として生きていく道を選んだ。その当時、「家庭画報」や「婦人画報」といった女性誌から人気ギャラリーの情報を集め、作品を大きなリュックに詰め込み、そのギャラリーをめがけて営業に回ったりもした。その成果もあってか、長野県松本市で開催されている全国でも最大規模の工芸展示会<strong>「クラフトフェアまつもと」</strong>に出展。そこに集まる器屋やギャラリーとのつながりを広げていった。</p>







<h3 class="wp-block-heading">自分の工房を構えて独立</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7376-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-38808" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7376-1024x683.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7376-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7376-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/1C1A7376.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>営業まわりやイベントへの出展を続ける中で、少しずつギャラリーから個展やグループ展への誘いが増え、作家として食べていける目処がたってきた。そこで<strong>2014年に現在の場所に小さな展示室を備えた工房を構えて独立。</strong>父の仕事は兄が継承した。</p>



<p>中野さんの個展やグループ展は年を追うごとに回数を増やし、2019年には年に10回を数えるまでになっていた。現在は、一度の個展で2〜300の漆器を用意する。</p>







<h3 class="wp-block-heading">パートナーの大きな支え</h3>



<p>中野さんは個展に合わせて常に1、2点の新作を発表する。期間中はギャラリーになるべく在廊するようにして来場者にその魅力を直接語り伝えることでファンを増やしている。最近ではギャラリーの要望に応えて、漆器では珍しいオーバル皿やスプーンなども制作。<strong>妻の柳子さんが個展やグループ展の準備、事務作業などをサポートし</strong>てくれることも創作活動の大きな助けとなっている。</p>







<h3 class="wp-block-heading">ただ良いものを作り続ける</h3>



<p>「最初に出会う漆器の良し悪しで、その人が漆器を長く使うようになるかどうかが決まるからこそ、良いものを作り続けたいんです」と話す中野さん。</p>



<p><strong>個展では、過去に購入してもらった漆器を持ち込んでもらえれば、それの塗り直しも行なっている。</strong>丁寧に使い込まれた器が自分のもとに戻ってくることは中野さんにとって最上の喜びだという。「漆器は洗う度にきちんと拭くと美しいツヤが出てきます。それを見るのが一番うれしい。毎日使ってもらってきれいに育ったな、と感じる」と顔をほころばせる。</p>



<p>中野さんが心血を注ぐ漆器は、<strong>使った人の生活を反映し、その人ならではの個性が生まれる。</strong>やがて、使う人の暮らしになくてはならない存在となり、その食卓、ひいては生活までも豊かにしてくれることだろう。</p>






<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/07/cc774ec255a82feda573df88bfe42da2.jpg" alt="" class="wp-image-47747" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/07/cc774ec255a82feda573df88bfe42da2.jpg 960w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/07/cc774ec255a82feda573df88bfe42da2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/07/cc774ec255a82feda573df88bfe42da2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">塗師　中野知昭さん</figcaption></figure></div>


<p>漆器というと扱いが難しいと思われがちですが、毎日の生活で気軽にお使いいただけるよう、手間暇をかけ、丈夫で実用性の高い漆器を制作しております。手入れも簡単で、万が一に傷んだ際は修理が出来るのも、漆器の利点です。末長く使える漆器を、ぜひ日常に取り入れてみてください。</p>



<p><br></p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/38790/">大量生産の産地で「作家」として生きる。越前漆器の塗師・中野知昭さん</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/38790/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>使い手の生活に寄り添い永く愛される工芸品を。陶芸家･大澤哲哉さん</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/38698/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/38698/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 21 Sep 2023 01:00:35 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸家]]></category>
		<category><![CDATA[工芸]]></category>
		<category><![CDATA[アンティーク]]></category>
		<category><![CDATA[愛知県]]></category>
		<category><![CDATA[日本六古窯]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸]]></category>
		<category><![CDATA[工芸家]]></category>
		<category><![CDATA[常滑焼]]></category>
		<category><![CDATA[愛知]]></category>
		<category><![CDATA[陶器]]></category>
		<category><![CDATA[愛知県常滑市]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<category><![CDATA[器]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://nihonmono.jp/?p=38698</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_13_54-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「日本六古窯」の1つにも数えられる常滑焼の産地、愛知県常滑市。陶芸家・大澤哲哉さんはこの地に拠点を構え、普段使いの食器や道具を作っています。ヤスリによる磨きの技術と常滑独自の釉薬で表現するかすれた風合いと上品な輝きは、ま [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/38698/">使い手の生活に寄り添い永く愛される工芸品を。陶芸家･大澤哲哉さん</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_13_54-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-center"><strong>「日本六古窯」の1つにも数えられる常滑焼の産地、愛知県常滑市。<br>陶芸家・大澤哲哉さんはこの地に拠点を構え、普段使いの食器や道具を作っています。<br>ヤスリによる磨きの技術と常滑独自の釉薬で表現するかすれた風合いと上品な輝きは、<br>まるで上質なアンティーク品のよう。陶芸の道を一筋に歩み続けて辿り着いた、<br>大澤さんならではのオリジナリティーです。</strong></p>







<p>愛知県常滑市は焼き物の一大産地だ。常滑の陶土は「お茶の味をまろやかにする」と言われ、この地で作られる急須は今でも広く愛されている。陶芸家･大澤哲哉さんは、常滑独自の釉薬「チャラ」を使い、かすれたような風合いが特徴の食器などを作っている。彼のものづくりは、常滑だからこそ実現したものだった。</p>







<h2 class="wp-block-heading">焼き物の町・愛知県常滑に息づく道具作りのスピリット</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_36-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38703" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_36-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_36-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_36-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_36.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>愛知県知多半島の西海岸に位置する常滑市は「日本六古窯」のひとつとされる焼き物の産地で、その歴史は平安時代末期までさかのぼる。皿や食器から、貯蔵用の大きな甕（かめ）や壺まで、人々の日常に寄り添った焼き物が生産されてきた。常滑で活動している陶芸家・大澤哲哉さんのアトリエを訪ねると、その裏庭には焼き損なわれた大きな甕が無数に横たわり、重なり合っていた。大澤さんが常滑に腰を据えるずっと前からこの地に置かれてきたものだ。積み上げられた甕を眺めながら、「大きさが半端じゃないんですよ」と話す大澤さん。「作った人の痕跡が町のそこら中にある。常滑が持っているパワーをありありと感じるんですよね」。</p>







<h3 class="wp-block-heading">多治見から常滑へ、大澤さんの旅路</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/oozawa_27-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-48898" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/oozawa_27-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/oozawa_27-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/oozawa_27-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/oozawa_27.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>大澤さんは、美濃焼の主産地として知られる岐阜県多治見市の出身だ。「多治見の小学校には絶対に窯があって、授業の時間に粘土を触るんです。これがおもしろくて」と話すように、子どものころから陶芸を身近に感じていた大澤さん。中学卒業時は迷わず陶芸家への道を選んだ。「なにか楽しいことをやって生きていきたかった。音楽か美術か。なかでも、具体性のある焼き物にしようと思ったのがきっかけです」。その後は高校、大学で陶芸をみっちり学び、後に師匠となる吉川正道氏に導かれて常滑にやってきた。</p>



<p>なぜ、同じ焼き物の産地である地元･多治見に帰らなかったのか？ 大澤さんは「多治見のすごさやおもしろさは、今になったらわかるんですけどね。当時は『焼き物しかなくてつまらない』って思っちゃって。多治見から出たかったんです」と話す。</p>







<h3 class="wp-block-heading">常滑の土が急須に最適な理由</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_26-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38709" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_26-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_26-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_26-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_26.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>焼き物の産地として長い歴史を持つ常滑。中でも、常滑焼の代表と言われるのが急須だ。作られるようになったのは江戸時代後期になってからで、ここ200年くらいの出来事だ。鉄分を多く含み、焼き締まりがいい常滑の土「朱泥」は急須作りに最適だった。さらに、酸化鉄がお茶に含まれるタンニンに反応して味をまろやかにする効果があることから、茶人に好まれてきたという。そして、茶葉の蒸らしや温度保持に必要な蓋の密閉性を実現した職人たちの技術の高さも支持されてきた理由のひとつだ。</p>



<p>大澤さんの作る急須をよく見てみると、赤色の土がところどころ剥がれ、黒い土が覗いている。これは黒い素地の上に茶色の化粧土を塗り、さらにその上から赤い化粧土を塗って、3層にしてから土を粗く削り落として風合いを作っているのだという。漆の根来塗をイメージするとわかりやすいかもひしれない。「現代工芸作家さんから受けた影響と、常滑急須のクオリティーを自分の中で成立させたかった」と言う大澤さん。その手仕事をひもといていく。</p>







<h2 class="wp-block-heading">オリジナリティーにたどり着くまで</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image.png" alt="" class="wp-image-38711" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image.png 940w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-300x200.png 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-768x512.png 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>素地の上に違う色の化粧土を重ねていくつかの層を作り、釉薬をかけて焼成した器をヤスリで磨くことで、下層の化粧度を露出させる。そうして作られる大澤さんの作品の最大の特徴が、かすれたような質感だ。その色合いや凹凸は唯一無二のものだ。大澤さんは自身の作品について「古いお家にあるものや、お寺にある仏像の質感を自分の中でイメージしています」と話す。一方で「どうしたらシンプルな器の形だけで作品として成立するのか、どうしたら自分の質感を作れるのか、ものすごく悩みました」と、この作風に至るまでの苦労も吐露した。</p>







<h3 class="wp-block-heading">茶人が愛する、急須の「照り」をかなえる釉薬</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-1.png" alt="" class="wp-image-38712" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-1.png 940w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-1-300x200.png 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-1-768x512.png 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>その苦悩の中で出会ったのが、急須作りに欠かせない常滑独特の釉薬「チャラ」だった。チャラとはガラス質の釉薬とは違い、焼成されると土の質感を保ちながら漆のような光沢を放つ釉薬で、急須に高級感を与える「照り」を求めた常滑の人々が古くから親しんできたものだ。「ガラス質の釉薬だと光りすぎる。でも土のままだと粉っぽすぎる。そこでチャラを使ってみたら、信じられないくらい質感が落ちついたんです」。</p>



<p>大澤さんは現在、黒、白、赤を表現する3種類のチャラを使い分けて作品作りを行っている。常滑で作陶を続けたからこそ出会ったチャラ。その絶妙な光沢と漆のような質感が、大澤さんの作品のオリジナリティーとなっているのだ。</p>







<h3 class="wp-block-heading">同じく陶芸家の妻・増田光さんの存在</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-2.png" alt="" class="wp-image-38715" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-2.png 940w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-2-300x200.png 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-2-768x512.png 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>皿やマグカップなどが整列するアトリエの中で、異質な存在感を放っていたのが、クマのオブジェ。このクマのオブジェは、大澤さんの妻で陶芸家の増田光さんからの影響を大きく受けている。増田さんはクマなどの動物やこけし、だるまなどをモチーフにした自由で柔らかい雰囲気の陶芸作品を制作し、東京･六本木ヒルズA/Dギャラリーで個展を開くほどの人気作家だ。</p>



<p>もともと「形を制御しながら作ってしまう」コンプレックスがあった大澤さんは、増田さんが自由な造形を作り出す様子に憧れを抱くようになった。そんななか、ろくろの回転に土を抑え込むのではなくて、もっと自由に作れるものを求めて作り出したものが、このクマのオブジェだ。よく見ると、一つひとつ微妙に形が違っている。大澤さんの求めた「自由」への理想が体現されているのかもしれない。「ゆくゆくはサイズ違いで揃えても楽しめるものにしたい」と大澤さんは声を弾ませる。</p>







<h2 class="wp-block-heading">道具は、人が使うものだから</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_28-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38718" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_28-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_28-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_28-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_28.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p> 「道具の歴史っていいなって思うんです。道具は、作る人と使う人のリレーションの中でさらにいいものができてくるから」と、大澤さんは語る。例えばこのコーヒードリッパーは、大澤さんが愛知県内でコーヒーショップを営む知人のために制作したもの。大澤さんは「どんなコーヒーの道具を使いたいのか」とヒアリングを重ね、溝の数や深さを細かく調節していった。</p>



<p>大澤さんは「急須もそうですが、実際に使う方からご意見をいただけるのがやっぱり一番うれしいんです。意見をもとにブラッシュアップしていくのがおもしろい」と話す。このコーヒードリッパーは都内のカフェオーナーの手にもわたり、その感想を聞いては改良を加えているそうだ。作る人と使う人のリレーション。大澤さんの作る道具は、使う人との関わり合いの中で進化し続けていく。</p>







<h3 class="wp-block-heading">師匠の背中を追って世界に挑む</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-3.png" alt="" class="wp-image-38721" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-3.png 940w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-3-300x200.png 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/image-3-768x512.png 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>大学在学中から陶芸家・古川正道氏の元で修行を積んだ大澤さん。ニューヨークやロンドン、パリなど国外でも精力的に活動してきた古川氏の影響を受け、今後は海外市場への進出を視野に入れているそうだ。「現地に行って、現地の方とお話をして、新しい人と出会って…。刺激を受けながら、また自分の場所に戻ってきて、新しい夢を描くのが理想」と声を弾ませる。もともと「販売や営業が得意ではない」と言う大澤さんはクラフトマーケットや陶器市に出展することでギャラリーとつながり、販路を拡大してきた。現在はInstagramを活用して、国内外のギャラリーとコンタクトをとっているという。2023年11月にはオーストラリアで増田さんと夫婦そろっての個展を開催予定だ。「国内はもちろん大事だけど、自分の作品と一緒に海外に出かけていく機会をもっと増やしたいです」と、夢を語った。</p>







<h3 class="wp-block-heading">人が使う“道具”を作り続けてきた常滑だから</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_5-1-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38724" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_5-1-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_5-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_5-1-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_5-1.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure></div>






<p>大澤さんの手仕事は、つねにその道具を使う人を意識している。「自分が作った作品が、新しいきっかけをくれる。今とはもっと違うものを作って、その作った作品と使う人の間にどんな出会いや刺激があるのかを想像するのが楽しいんです」。長きにわたって道具を生産してきた常滑だからこそ磨かれた感性に、常滑だからこそ出会えたチャラが加わって完成した大澤さんの作る作品には、常滑のすべてが乗せられている。</p>






<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_4-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38706" width="825" height="550" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_4-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_4-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/09/oozawa_4.jpg 1280w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">陶芸家　大澤哲哉さん</figcaption></figure></div>


<p>器は使い込むうちに、水分や油分を吸収しながら変化していきます。「汚れ」と取ればネガティブですが、器の経年変化の中に美しさを見出せる日本人独特の感性に支えられて成立しているのが陶器であると考えています。普段からたくさん使っていただけると嬉しいです。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/38698/">使い手の生活に寄り添い永く愛される工芸品を。陶芸家･大澤哲哉さん</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/38698/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「土がなりたい姿」を具現化する器づくり。愛知県で独学から陶芸の道を進む、井上茂さん</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/38433/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/38433/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 31 Aug 2023 01:00:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[工芸家]]></category>
		<category><![CDATA[愛知]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸]]></category>
		<category><![CDATA[陶器]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<category><![CDATA[器]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸家]]></category>
		<category><![CDATA[工芸]]></category>
		<category><![CDATA[愛知県]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://nihonmono.jp/?p=38433</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/149_kao_P6A7190-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>その土地ならではの土の味わいを大切にしたいと、掘り出したそのままの「原土」のみを原料に、土の優しさあふれる器を作る陶芸家・井上茂さん。豊かな表情と個性を魅せる機能的な器は、日常生活で活躍する暮らしの器として、使う人たちの [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/38433/">「土がなりたい姿」を具現化する器づくり。愛知県で独学から陶芸の道を進む、井上茂さん</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/149_kao_P6A7190-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-center"><strong>その土地ならではの土の味わいを大切にしたいと、掘り出したそのままの「原土」のみを原料に、<br>土の優しさあふれる器を作る陶芸家・井上茂さん。<br>豊かな表情と個性を魅せる機能的な器は、日常生活で活躍する暮らしの器として、<br>使う人たちの食卓を支えるパートナーとなってくれます。</strong></p>







<p>愛知県中部の自宅で工房を構える井上茂さんは、精製された陶土を使用せず、砂などが混ざった原土を使い、土の優しさにあふれた器を作る陶芸家。陶芸家の先生に師事せず、独学で作陶をはじめ、土や釉薬、焼き方などすべて自身で探りながら器づくりをしている。そんな井上さんは自身の作陶に対し<strong>「土がなりたい姿を形にしているんだ」</strong>と話す。なかなかに奥深いその言葉の真意を探る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">普段使いの器が作りたくて、独学でスタート</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7132-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38443" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7132-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7132-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7132-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7132.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>愛知県で陶磁器といえば、常滑と瀬戸の地名が挙げられる。そのひとつ「常滑焼」は愛知県南部の知多半島を中心に作られている焼き物で、日本六古窯のひとつに数えられる。そんな地域でごく普通の会社勤めをしていた井上さんが作陶に目覚めたのは、当時、興味本位で陶芸体験教室へ参加した時のこと。その場で体験した作陶の楽しさにハマり、すぐさま独学で陶芸についての勉強をはじめた。とはいえ、周囲にも陶芸に知見のある知り合いがいるわけでもなく、自身で試行錯誤しながら「作りたい器を作るには、どうすればいいか」を考えざるを得なかった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">会社勤めをしつつ、常滑で焼成の手伝いからスタート</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7204-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38448" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7204-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7204-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7204-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7204.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p><strong>陶芸をやりはじめた当初、井上さんは会社勤めを辞める気は毛頭なかった</strong>という。「陶芸作品は作ったって売れるとは限らないということは理解していたし、付け焼き刃で通用するほど甘い世界ではないと思っていた」とアマチュア時代を振り返る。</p>



<p>そのため、仕事の傍ら、休みを利用して今は無き常滑の「共栄窯」の陶芸教室で年に二回ほど焼成の手伝いをするかわりに、趣味で作り貯めた作品をまとめて窯の中に入れてもらい、焼いてもらっていたという。共栄窯は明治・大正・昭和の三時代に、大小さまざまな土管を中心に製作していた窯元だ。</p>



<p>そんな中、出来上がった器の写真をSNSに投稿すると、フォロワーが徐々に増加。<strong>「アマチュアだけど、何か変わった器を作っている人がいる」</strong>という噂が広がっていった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">陶芸の楽しさに魅了され、作陶の道に</h3>



<p>独学で作陶を研究する中で、平安時代から鎌倉時代中期に作られた<strong>「古常滑」</strong>の自然釉や灰釉に特に魅力を感じたという井上さん。どういった焼き方をすれば狙い通りにできるのか、古い文献を読み漁ったり、古い陶片を見て土の種類や焼き方、釉薬を推定したりと、調べては試す、を繰り返し、陶芸にのめり込んでいった。</p>



<p>相変わらず会社員をしながら休日や空いた時間で作陶していた井上さんのもとに、フォロワーが増加し続けていたSNSを通じて展示会のリクエストが舞い込む。そこで焼成で世話になっていた共栄窯にて、初めての作陶展を開催してみたところ、作品を求める人が波のように押し寄せたという。SNSでの投稿がこのタイミングで活きた形だ。</p>



<p>その後、反響を耳にした名古屋のギャラリーからも声が掛かり、個展を行ったところ、メディアで告知されたこともあってか来場者が殺到。結果として勤務先にも知られることとなり、それをきっかけに陶芸の道を歩む選択をした。</p>



<h3 class="wp-block-heading">独学で突き詰めたからこそ身になる</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7107-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38453" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7107-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7107-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7107-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7107.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>これまで歩んできた道を振り返り、<strong>「教わらなかったことが、逆によかった」</strong>と話す井上さん。<strong>美術系学校などで学べば陶芸の基本技術はすぐに知ることはできるが、今ある“陶芸の常識”に囚われてしまう可能性もある。</strong>「興味があることは、とことん突き詰める性格」と自身が話すように焼きものに関しては何事も調べ、実証し、知識を積み重ねてきた。今では土を見れば自分が求める作品に適しているかどうか、釉薬の組み合わせでどんな色が出るのかまで予想できるようになってきたという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">普段使いしてほしいから、機能性にもこだわる</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7165-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38456" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7165-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7165-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7165-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7165.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>井上さんの器は、時に砂が混じっていることもあり、<strong>土のごつごつとした質感</strong>が特徴的だ。しかし、手に取ってみると、見た目からは想像できない軽さに驚く。「軽いことは、日常的に使ってもらうためのこだわりのひとつ。砂の粒より薄くろくろで挽くことはできませんが、<strong>穴が開かないギリギリのところまで薄くして、子どもでも手に持ちやすいサイズ、軽さに仕上げています。</strong>ごはん茶碗が重いと疲れちゃうでしょう。その分、作るときに失敗することも多いんですけどね」と井上さんは笑う。さらに器の重心が低くなるように成形することで、使う際の安定感も確保。特別な時に気遣いながら使うのではなく、<strong>毎日の食事の際に自然と手が伸びる、</strong>そんな光景を浮かべながら作陶している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">原土のおもしろさ、味わい深さ</h3>



<p>市販されている陶土は誰でも扱いやすいという長所があるが、井上さんは陶土を使ったことがなく、<strong>原土だけ</strong>を使っている。山から採掘したままの状態の原土は不純物が多く、うまく成形できなかったり、焼成中に割れてしまったりと、<strong>何かと手がかかる“問題児”。</strong>だが、不純物があるがゆえに一つひとつの器に個性が生まれ、味わい深い魅力を生み出すという。 「原土は無理ができません。変わった形のものを作ると割れてしまうし、コシがないのでろくろで挽きにくいんです。逆に言えば、ろくろで保持できる形こそが、<strong>土がなりたい姿</strong>なんじゃないか、使う人にとっても自然で使いやすい器の形なんじゃないかと考えています」と井上さん。普段使いされる器づくりを目指す井上さんにとって、原土の短所は成型時のガイドラインにもなっているようだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「思ったもの、以上のものができあがる」灰釉のロマン</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7094-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38459" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7094-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7094-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7094-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7094.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>井上さんは、釉薬にも偶然が生み出すおもしろさを見出している。「市販の陶土や釉薬を使えば、マンガン釉なら黒色、コバルト釉なら青色と、どこの窯場で焼いても同じ色になるんです。それがおもしろくなくて。草木の灰を溶媒とした灰釉を使うと、灰の中に含まれる微量の金属が反応を起こし、何百個焼いたうち、ひとつかふたつだけ思ってもみなかった器ができることがあって、それにロマンを感じます。狙ったものができるのが楽しいという人もいますが、僕は狙った以上のものができたときが快感ですね」。窯を開けた時にどんなものができているんだろうというワクワク感が、もっといいものを作ろうとする原動力になっているのだそう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">表情が1点ずつ違うから、迷う楽しみが生まれる</h3>



<p>井上さんの器は、全国で20店舗以上のショップやギャラリーで取り扱われている。作陶の合間にギャラリーへ顔を出した際、<strong>お客さんが器選びに迷う姿を見るのがうれしい</strong>という。「僕の器は一点一点違うので迷われるんですね。大量生産の商品だったら、上から取って終わりでしょ。<strong>表情が違う器は、それぞれに良さがあって、使い手との相性がある。</strong>僕がつくる前にイメージしていた器ではないかもしれないけど、その器をものすごく気に入ってくれるお客さんがいることもある。迷いながら選ぶって楽しい時間。そういう時間を提供できるっていうのがうれしい」と井上さん。</p>



<p>ちなみに、井上さんは<strong>自身の作った器に銘を彫らない</strong>。その理由は「器は僕のものではなく、買ってくれたお客さんのものだから」なんだとか。</p>



<p>陶器に限らず、良い手仕事をしたものは末永く使えるし、使っていくうちに色の変化も見られ、大切に扱えば唯一無二の存在になる。一つひとつの器を<strong>単なる「モノ」ではなく、「使う人のパートナー」のように扱う</strong>井上さんが作るからこそ、そこに、人間らしさや温もりがにじみ出ているのかもしれない。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本が好きだからこそ、日本文化の良さを広めたい</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7173-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-38462" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7173-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7173-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7173-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/08/P6A7173.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>日本人の食生活はずいぶんと欧米化しているが、それでも飯椀や和食器は現在でも食卓の主役として活躍している。海外でも注目度を高め、それに伴い海外での受注展示会も予定されているが、それも日本の良さを少しでも広めたいと思ってのことだ。それと同時に「これはもう二度と作れないだろう」と思える“至高の器”を作り、世界中の人たちに見てもらうことを目指している。井上さんは、<strong>日本の土を使って日本で伝わってきた陶芸を突き詰める</strong>ことにこだわるが、その理由は日本人が<strong>自身の国の文化を日常的に誇り、日本人でよかったと思える瞬間を生み出したいから</strong>なんだとか。日本文化の良さを世界中に広めるための、井上さんの挑戦は続く。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="683" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/149_kao_P6A7190-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-48817" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/149_kao_P6A7190-1024x683.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/149_kao_P6A7190-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/149_kao_P6A7190-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/08/149_kao_P6A7190.jpg 1200w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">陶芸家　井上茂さん</figcaption></figure></div>


<p>原土のみを長く扱ってきたことで、今では土を見れば自分が求める作品への適性や釉薬でどのような表現ができるのかがわかるようになってきました。「土がなりたい姿」を感じ取りながら成型し、伝統的な和食器のよさを感じられる昔ながらの手法で表現した唯一無二の器を、暮らしのパートナーとして迎えていただけたら幸いです。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/38433/">「土がなりたい姿」を具現化する器づくり。愛知県で独学から陶芸の道を進む、井上茂さん</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/38433/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>日々の食卓をそっと引き立てる、素朴で温かみのある「城 進」の器</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/36538/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/36538/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 26 Apr 2023 01:00:35 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<category><![CDATA[器]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸家]]></category>
		<category><![CDATA[三重県]]></category>
		<category><![CDATA[三重]]></category>
		<category><![CDATA[伊賀市]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://nihonmono.jp/?p=36538</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8825-1-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>焼き物の里である三重県伊賀市の丸柱で、自作の窯による作陶を行う陶芸家の城　進さん。アフリカの泥染にインスパイアされた鉄絵をはじめ、灰釉粉引や焼き締めなど多彩な技法を駆使した普段使いの器を主に制作。作家の個性が光る土の趣豊 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/36538/">日々の食卓をそっと引き立てる、素朴で温かみのある「城 進」の器</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8825-1-1-1024x819.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p class="has-text-align-center"><strong>焼き物の里である三重県伊賀市の丸柱で、自作の窯による作陶を行う陶芸家の城　進さん。<br>アフリカの泥染にインスパイアされた鉄絵をはじめ、灰釉粉引や焼き締めなど多彩な技法を駆使した普段使いの器を主に制作。<br>作家の個性が光る土の趣豊かな器はとても使いやすく、食卓に温もりを添えてくれます。</strong></p>







<p>どっしりとした温かみのあるフォルムに、多国籍ムードが漂う柄と渋みのある色合いが特徴的な陶芸作家･城進さんの器。彼の代名詞ともいえる「鉄絵」シリーズは、それ単体では個性的で主張が強い印象なのだが、料理を盛り付けると不思議となじみ、食卓にすっととけ込むのが魅力だ。和、洋、中どんな料理も受けとめるようなその包容力は、料理愛好家たちから熱い支持を受けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本の産地を巡る旅から世界へ</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8822-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36554" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8822-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8822-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8822-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8822.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>大阪府出身の城さん。幼いころから物づくりに興味があり、大学は京都精華大学へ進学した。大学では陶芸を専攻し、卒業後は、すぐにクラフト作家のもとに弟子入りしたのだが、まもなく日本中の窯元を巡る旅に出てしまう。</p>



<p>旅では、有田、信楽、常滑、笠間など、焼き物の名産地を巡った。しかし、旅の途中で「色々あって面白いけれど、もっと違ったものも見てみたい」と感じ、24歳のときに、海外へ飛び出した。</p>



<p>「気づけば、大阪から上海行きのフェリーに乗っていましたね。」</p>



<p>好奇心と行動力のかたまりのような城さん。陶芸で生きていこうと決めてはいたものの、修行するより、まずは世界を見て知見を広げることを優先した。上海、北京、チベット、ネパール、インド、パキスタン、タイ、ベトナム、シンガポール、韓国、イラン、トルコ、エジプト、イスラエル、ケニア、エチオピア。出国と帰国を繰り返し、約2年半の間に、50近い国々を周ったという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">現地の暮らしを肌で感じたことが今に生きる</h3>



<p>日本国内で窯元を巡った時とは異なり、世界各地の旅はクラフト以外にも城さんの感性を刺激した。その国、そこにある町や村では、いったいどんな暮らしをしているのか？ 食べ物や服、文化や伝統など、興味は尽きることがなかった。</p>



<p>それゆえ、言葉が通じない国でも城さんは臆することなく、地元の人の輪の中に入りコミュニケーションを取っていった。現地の店や市場で見かけた壺や瓶、食器が気になれば、どこで作られているのかを調べて足を運び、頼み込んで仕事を手伝わせてもらうこともあったという。</p>



<p>「陶芸を学んでいたとはいえ、それまで自分が学んだ程度の技術は通用しませんでしたね。どこでもできると思っていましたが、現実は甘くなかった。ろくろの回転が反対だったり、斜めに回すところもあったりして。まだまだ知らないことだらけだと実感しました」</p>



<p>現地の人と交流を重ねながら、その土地の暮らしを体感して生活に密着した現地の工芸品に触れたことは城さんにとって大きな財産となった。</p>



<p>その時代、風土にあった暮らしのなかで使える物を作りたい。そう思えたのは世界各地を周った経験からだと城さんは話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">焼き物の里・三重県伊賀市に拠点を構える</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8849-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36555" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8849-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8849-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8849-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8849.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>帰国後は三重県伊賀市に拠点を置いた城さん。伊賀といえば真っ先に忍者を思い浮かべる人が多いかもしれないが、伊賀焼の産地としても有名だ。</p>



<p>三重県の北西部に位置する伊賀市周辺は、かつて琵琶湖の底だったといわれ、古琵琶湖層から良質な陶土がとれる。また、薪窯に使う薪に最適な赤松の森林も多く、焼き物に欠かせない資源が豊富なことから焼き物の文化が発展していったといわれている。</p>



<p>城さんの工房がある丸柱（まるばしら）地域は、30軒ほどの窯元が軒を連ねる焼き物の里だ。200年近い歴史を誇る窯元もあり、現在でも、あちらこちらから窯の煙が立ち上っている。作陶するにはとてもいい環境で、城さんのように移住してくる陶芸家も多いという。 「三重県の海側に位置する四日市市も焼き物が盛んで、萬古焼（ばんこやき）が有名です。さらに近くには滋賀県の信楽焼もあります。いい土があって、まわりは窯元ばかりなので、遠慮なく薪窯が使えるのもいいですね。『ようがんばってるな』と声をかけてくれるのが励みになります」と、うれしそうに話す。</p>



<h2 class="wp-block-heading">西アフリカの泥染めに魅せられ、焼き物に昇華</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8840-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36558" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8840-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8840-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8840-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8840.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>世界各地で目にしたものを取り入れ、作陶をしようと目論んでいた城さんだったが、完成した作品は、なんだか思っていたものとちがった。</p>



<p>「世界で見てきたものを真似してみたが、何かがちがう。今さら現地で感じた魅力を自分のモノにする技術もないし、どうしたらいいのかわからなかったですね」</p>



<p>そこで一旦、日本の伝統的な焼き物を作ることにした城さん。そこで身につけたのは柔らかい白色が特徴の“粉引”や力強い褐色の“アメ釉”など、現在の城さんの作風につながるものばかり。</p>



<p>そんな最中、美濃焼のひとつである黄瀬戸（きせと）の釉薬が、西アフリカ･マリ共和国で見た泥染めの色合いに似ているように感じた。</p>



<p>そのリファレンスは、世界を旅するなかで城さんの心に強烈な印象を残した「ボゴラン」と呼ばれる泥染めの布。ボゴランはマリ共和国の伝統工芸品で、樹木の葉で黄色く染めた上から泥で柄を描いたもの。城さんは、お守りとしての意味を持つそれに底知れないパワーを感じたという。その力強い幾何学的な模様に惹かれ「この泥染めの雰囲気を焼き物で出せないか」と考えていた城さんは、すぐに試作を重ねた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">素朴ながらエネルギーを感じる「鉄絵」</h2>



<p>思い立ったらすぐ行動に移すのが、城さんの良いところ。茶色の布に黒で描かれたボゴランを表現したいと、さまざまな模様を試してみた。「これは和食で使うには料理と喧嘩してしまう柄だな」とか「これだと少し模様がうるさいな」とか。色々と模索して、ようやくたどり着いたのが杉綾（すぎあや）紋。世界ではヘリンボーンと呼ばれる模様だ。</p>



<p>「この模様も最初は主張が強いかなと思っていたのですが、いざ使ってみると料理が映えて、食事と馴染むんです」</p>



<p>泥染めの力強さ、風合いを表現するために技法にもこだわった。最初は弁柄（べんがら）という酸化鉄を主成分とした染料を使う“鉄絵”にしたかったのだが、筆だと線が整いすぎてしまい、染物独特の滲みが表現できなかった。</p>



<p>そのため、ここでも試行錯誤を繰り返し、釘で表面を削って線を描いて、そこに弁柄を塗る象嵌（ぞうがん）という技法に行きついた。</p>



<p>「釘で線を引く前に撥水剤をかけています。器の表面を釘で削ることで、そこだけ撥水しなくなるんです。そこに弁柄を塗って、素焼きをすると撥水剤が飛ぶので全体に黄瀬戸釉をかけて焼きあげます。弁柄と黄瀬戸釉が反応して、この独特なにじみ、色合いができました。赤土を使っているのも泥染めに近い雰囲気になった要因だと思います」</p>



<p>持ち前の好奇心と探求心が実を結び、オリジナルの鉄絵シリーズが完成。これが城さんの代表作となっていく。存在感がありながらも、素朴で日常になじむ器たち。マグカップや角皿、茶碗など日々の暮らしに寄り添った城さんの器を支持するファンは多い。</p>



<h2 class="wp-block-heading">三重県といえば土鍋。土の特性を生かした調理道具</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8804-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36561" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8804-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8804-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8804-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8804.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>城さんの器はどんな料理にも合うが、なかでも火を使った熱々な料理との相性は抜群だ。土鍋やグラタン皿など耐熱の器は非常に人気が高い。<br></p>



<p>じつは、三重県は土鍋の産地としても有名であり、四日市の萬古焼は土鍋の生産量が日本一を誇り、国内生産の約8割を占める。</p>



<p>伊賀焼もそうだが、耐火度が高く、蓄熱性、耐熱性に優れていて、古くから急須や鍋に用いられてきたこの地域の焼き物。このあたりでとれる土の特性を存分に生かしたのが土鍋なのだから、熱い料理との相性は、三重県の歴史そのものと言えるのではないだろうか。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生活で使うものがベース</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8787-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36564" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8787-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8787-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8787-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/290A8787.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>世界を旅して周った20代の頃からずっと変わらないのは、その土地の暮らしに合った物づくりをするという考え方。特別なものではなく、日々の生活で使うものを作っていきたいという思いが根底にある。</p>



<p>代表的な鉄絵シリーズだけでなく、粉引、アメ釉、焼き締めなど、さまざまな技法を使って、今 の暮らしに合うもの、ずっと使い続けられるスタンダードを生み出していきたいと城さんは話す。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/6129fb48ea85df72a1081aca245fab28-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36567" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/6129fb48ea85df72a1081aca245fab28-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/6129fb48ea85df72a1081aca245fab28-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/6129fb48ea85df72a1081aca245fab28-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/6129fb48ea85df72a1081aca245fab28.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>「土鍋もそうですが、使い方はその人次第。グラタン皿でひとりすき焼きをしているという方もいました。マグカップに花を飾ってもいいし、花入れにカトラリーを入れてもいい。その人の暮らし、生活に合わせて使ってくれたらうれしいですね」<br></p>



<p>日常使いのできる器が並ぶ棚に、ひと際目を引くユニークなものを見つけた。陶器の地球儀だ。実用性は低いが、黄色がかったアンティーク調の色合いの球体に世界地図が浮き上がって見え、インテリアとして評判が良かったという。</p>



<p>「泥染めもそうですが、見て触れて自分がいいなと思ったものを自分らしい表現で作るのが楽しいんです。最近では韓国で見た高麗青磁（こうらいせいじ）に施された模様を浮き上がらせて彫る“陽刻”（ようこく）という技法に刺激を受けて食器作りを始めたのですが、まだ自分のモノにはなっていなくて。だけど作ってみたいと思っていた地球儀がそれにピタッとはまったんです。たまにはこういうのも面白いでしょ」</p>



<h2 class="wp-block-heading">自分が好きなものを発信</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/FC52F157-0564-4FC8-B399-431AAF63280A-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-36568" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/FC52F157-0564-4FC8-B399-431AAF63280A-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/FC52F157-0564-4FC8-B399-431AAF63280A-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/FC52F157-0564-4FC8-B399-431AAF63280A-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/04/FC52F157-0564-4FC8-B399-431AAF63280A.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure></div>


<p>泥染めにインスピレーションを受けて生み出した鉄絵シリーズを発表してから約20年。杉綾紋だけでなく螺旋を描いたものなど柄のバリエーションも増えた。土の風合いをダイレクトに感じられる焼き締め、白磁や粉引などの白い器も人気が高い。</p>



<p>「粉引というと白化粧と思われがちですが、黄色や緑っぽいものもあるんですよ。土によっても表情が変わります」</p>



<p>国内外で見て触れたものに刺激を受けながら、新しい作品作りへの情熱も冷めることがない。</p>



<p>「人と会っておいしい食事と酒を楽しみながら話をするのは刺激があっていいですね。すぐに作品に直結するわけではないけれど、ふとしたときにアイデアとしてわいてくることも。これからも旅のエッセンスを加えながら、自分が好きと思えるものを作っていきたいですね」</p>



<p>普段使いしてほしいから、自分が使ってみて良いと感じたものだけを勧めたいという城さん。だからこそ、その作品には細部まで使いやすさや手入れのしやすさが感じられるのだろう。城さんの器は気取らない普段着のようでありながら、料理を余所行のような華やかさに変える不思議な力があるように感じる。たとえば、トースト1枚であっても、城さんの器に乗せれば優雅な朝食タイムになってしまう。そんな魅力的な器をぜひ手にとってみてほしい。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" width="480" height="320" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/06/74_kao-1.jpeg" alt="" class="wp-image-46040" style="width:825px;height:550px" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/06/74_kao-1.jpeg 480w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/06/74_kao-1-300x200.jpeg 300w" sizes="(max-width: 480px) 100vw, 480px" /><figcaption class="wp-element-caption">陶芸家 城 進さん</figcaption></figure></div>


<p>今の生活に馴染む。和にも洋にも合う。どこにでもありそうでどこにもない。そして、ちょっとアクセントになる。そんな日常に使える器を作りたいという思いで、日々作陶しております。私の器によって、食卓を囲むひと時が「ちょっといい時間」になれば嬉しいです。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/36538/">日々の食卓をそっと引き立てる、素朴で温かみのある「城 進」の器</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/36538/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>使い続けてより美しくなる、雪国から生まれる富井貴志の木の食器／新潟県長岡市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/33159/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/33159/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 04 Oct 2022 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<category><![CDATA[器]]></category>
		<category><![CDATA[うつわ]]></category>
		<category><![CDATA[新潟県]]></category>
		<category><![CDATA[長岡市]]></category>
		<category><![CDATA[ものづくり]]></category>
		<category><![CDATA[木の器]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://nihonmono.jp/?p=33159</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/10/main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>～雪国新潟で生まれる木工〜 天然林が豊富で冬は雪深い新潟県中南部、長岡市の小国町。四季を通じて景観は美しいが、春先まで雪に埋もれ、せっせと除雪をしなければ生活ができないこの土地に、木工作家・富井貴志さんのアトリエがある。 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/33159/">使い続けてより美しくなる、雪国から生まれる富井貴志の木の食器／新潟県長岡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/10/main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">～雪国新潟で生まれる木工〜</h2>



<p>天然林が豊富で冬は雪深い新潟県中南部、長岡市の小国町。四季を通じて景観は美しいが、春先まで雪に埋もれ、せっせと除雪をしなければ生活ができないこの土地に、木工作家・富井貴志さんのアトリエがある。</p>



<p>富井さんは幼少期を同じ新潟県の小千谷市で過ごし、高専在学時にアメリカ・オレゴン州の高校に留学した経験を持つ。その自然豊かな大地で、木とともにある暮らしに触れた。日本国内の大学に進学し、大学院で表面物理の研究に勤しんだのち、一転、木の魅力に誘われるように木工の世界に転身。</p>



<p>木工職人を養成する岐阜県の工房で木工の基本技術を学び、2008年に京都で独立した。そして2015年に、この雪深い町に根を下ろした。故郷の新潟に帰ってきた理由はシンプルだ。「雪があるところで作品をつくりたいから。」 </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2022/10/kiji2.jpg" alt="" class="wp-image-31998"/></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">〜作品のルーツを紐解く～</h2>



<p>富井さんの作品は主に皿や重箱など、日常で使う食器が中心だ。親しみやすく優しい木の表情、気品のある繊細な佇まいにファンも多い。器をつくる理由もまた、シンプルだ。</p>



<p>富井さんは昔から食べることが好きだった。学生時代の一人暮らしをきっかけに料理にはまり、そこから玄人向けの料理道具を集め出した。そのうち料理を盛る器にもこだわりだし、作家ものの焼物の収集もはじめた。北欧らしい滑らかな表面の器も好きだし、土もののずっしりとしたものも好きだと話す。木の作品も昔から好きだったとはにかむ富井さんは真の器好きなのだろう。</p>



<p>ものづくりを志して、その趣味が自然と器づくりにつながったという富井さん。作品づくりのベースとなるコンセプトは、「使い続けることで美しくなるもの」そして「自分が使いたいものをつくること」だ。「僕は、器を使う人がそれを使い続けることで、『素材』『作家』『使う人』の3つの要素がそれぞれ近づいてく、そしてそれがぎゅっと凝縮されてひとつになっていく、そこに理想の関係があって、それが『美』だと思うんです。」と話す。手を動かすときに意識するのは、日々使うことで変化する「美しい経年変化」だという。 </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/10/kiji3.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">～使うごとに味になる。日常に溶け込む木の器～ </h2>



<p>作品の中で特に人気があるのは平皿だ。使いやすく、食材を盛りやすい。今は栗の木をよく使用し、木地と漆塗りの調和が美しい器をつくっている。実際に生活の中で使用することを考えると、平凡な木の方が使い込んだときに味が出てきて趣を感じさせる。そんな栗の木の中庸な感じが気に入っているのだそうだ。確かに栗の木は森の虫たちにも人気らしい。虫食い部分がよくあるそうで、それも一つの味として作品に生かすのだそうだ。</p>



<p>一方、表面に漆がほどこされた器には変化しづらいという特徴がある。また色をつけて楽しめ、食卓のアクセントにもなる。「木というのは、それ自体がすごく美しいんです。もちろん色漆の器で色遊びを楽しんでもらうのもいい。どんどん使って、表面にいっぱい傷がついてこそ、さらに美しさを発揮する。そういう木の器の魅力を伝えていきたい。」 </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2022/10/kiji4.jpg" alt="" class="wp-image-32000"/></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">～効率よりも美しさを極めたい～</h2>



<p>富井さんの工房は一見家具を作る工房のような佇まいだ。木工の基礎を学んだ時の名残だと富井さんは微笑む。そしてどんな作品も丁寧に手作業でつくられる。機械を使って一度にたくさんの商品をつくるのではなく、身体を動かしながらコツコツと作品づくりに没頭し、それによって生まれるものを大切にしている。それが富井さんのやり方だ。「効率のいいやり方を採用すれば早く綺麗に仕上がるかもしれないけれど、せっかくこういう仕事をしているのに、効率や綺麗さを求めるのか、と思うんです。時間がかかっても、つくる楽しさとか幸福を求められるのであれば、僕はそっちの方をとる。」 </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2022/10/kiji5.jpg" alt="" class="wp-image-32000"/></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">～理論が導く美しさが生む個性～</h2>



<p>富井さんの作品づくりには、独特の世界観がある。大学院時代は物質の表面を研究する物理系の人間だった。当時顕微鏡で覗いたミクロの世界の美しさは、言葉にできないものがあった。アトリエで彫刻刀を使い、重箱の細かな模様を一日中彫り進めながら、そんなミクロの世界、原子の配列、多様性、さまざまな思想的な世界に思いを馳せることもある。おそらくその世界に没入していく過程において、作家性と呼ばれる、人を惹きつける「個性」が作品に宿るのではないだろうか。</p>



<p>愛着をもって使い込んだときにより美しくなるものづくりを目指す富井さん。木の触り心地、暮らしに寄り添う慎しさ、繊細でやさしげな佇まい。豊かな自然環境と独特の思索の世界から生まれる作品の素晴らしさを、ぜひ一度手に取って感じてもらいたい。 </p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/33159/">使い続けてより美しくなる、雪国から生まれる富井貴志の木の食器／新潟県長岡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/33159/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>心が動く器を創造するセラミックアーティスト·桑田卓郎さん／岐阜県多治見市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/31445/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/31445/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 16 Feb 2022 04:35:33 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[器]]></category>
		<category><![CDATA[うつわ]]></category>
		<category><![CDATA[作品]]></category>
		<category><![CDATA[アート]]></category>
		<category><![CDATA[アーティスト]]></category>
		<category><![CDATA[岐阜県]]></category>
		<category><![CDATA[多治見市]]></category>
		<category><![CDATA[セラミック]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://nihonmono.jp/?p=31445</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/main-4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>世界で活躍するセラミックアーティスト “工芸”か“アート”か。作品をどちらのマーケットで売り出すのかは、陶芸家が自立していくために避けては通れない問題だ。乱暴に分類すると、前者では使う事が前提とされた実用性が評価の対象に [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/31445/">心が動く器を創造するセラミックアーティスト·桑田卓郎さん／岐阜県多治見市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/main-4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">世界で活躍するセラミックアーティスト</h2>



<p>“工芸”か“アート”か。作品をどちらのマーケットで売り出すのかは、陶芸家が自立していくために避けては通れない問題だ。乱暴に分類すると、前者では使う事が前提とされた実用性が評価の対象になりがちで、後者では独創性や作品、作家本人の持つ世界観など、これまでになかった目新しさを求められることが多い。それらを両立するのは陶芸家にとっては、なかなかの難題である。岐阜県多治見市にアトリエを構える<a href="https://kosakukanechika.com/artist/takuro_kuwata/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">桑田卓郎</a>さんは、アートの世界でも独特な立ち位置にいるアーティストだ。<br><span class="swl-marker mark_yellow">「梅華皮（かいらぎ）」や「石爆（いしはぜ）」といった古典的な作品でよく目にする伝統的な技法を用いながら、陶芸の枠に囚われない造形やビビッドな色彩を積極的に取り入れた作品は世界各国のアートフェアでも評価が高い。</span>また、ロエベやトッズとのコラボレーションのみならず、トレーディングミュージアム・コム デ ギャルソンでのインスタレーションを実現するなど、ファッション業界からも注目を集めている。<br><span class="swl-marker mark_yellow">現在の作風に至ったきっかけの一つは、人間国宝の陶芸家 荒川豊蔵さんによる志野（しの）焼の展示を見たことだった。</span>「ある作品の水差しに釉薬が剥がれている箇所があって、意図的かは分からなかったけど、それがかっこよかったんです。これを僕なりに解釈した、現代の志野をやろうと思いました」と当時は今の作風からは想像もできないような、白磁などのシンプルな作品を作っていた桑田さんはそう振り返る。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="640" height="426" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji1-3.jpg" alt="" class="wp-image-31447" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji1-3.jpg 640w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji1-3-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" /></figure></div>

<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="640" height="426" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji2-3.jpg" alt="" class="wp-image-31448" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji2-3.jpg 640w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji2-3-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">工芸ではなくアートの世界へ</h2>



<p>また、本来は計量すべき顔料を目分量で調合した結果、思いもよらずポップな色ができたことにも心を揺さぶられた。窯を開けた時のワクワク感を意図的に作りあげようと、再現性のある色彩表現に没頭する。そうして自分の心の声に従うまま、作品を作り続けた結果、日本の現代アートを世界に発信するギャラリストとしてその名を知られる、小山登美夫ギャラリーから声を掛けられたこともあり、アートの世界に身を置くようになった。<br>しかしその後、<span class="swl-marker mark_yellow">桑田さんは“自由”であることの難しさに直面する。ギャラリーからは、とにかく新しく面白い表現を求められたのだ。工芸の世界で型破りとされた作品も、制約の無い自由な場所では同様に評価されない。現実を知ったことで、実用性の概念からさらに遠く離れ、形や色も過激になっていった。</span><br>つまり、桑田さんの作品は他者とのコミュニケーションを丁寧に紐解き、新しい価値観を取り入れることで進化を遂げている。それまで自分にはなかった視座を得れば、そこから見えた新しい世界を自分の中に取り込んでいく。自分自身は変わらないが、さまざまな刺激を制作過程の変数として取り入れることで、結果新しいものを生み出しているのだ。それが工芸の世界だけでなく現代美術でも認められ、更にはロエベやコム デ ギャルソンなどファッション業界の最先端にもその存在を知られるようになり、活躍の幅を広げ続けている。</p>



<p>「これまで知らなかった世界の人たちと繋がる事で、自分が想像もできなかった作品を生み出せる。そんなサイクルに身を置いていたい」と語る彼は、驚きに満ちた作品をこれからも作り続けていくのだろう。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="640" height="426" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji3-3.jpg" alt="" class="wp-image-31449" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji3-3.jpg 640w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji3-3-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" /></figure></div>

<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="640" height="426" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji4-3.jpg" alt="" class="wp-image-31450" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji4-3.jpg 640w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/02/kiji4-3-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" /></figure></div><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/31445/">心が動く器を創造するセラミックアーティスト·桑田卓郎さん／岐阜県多治見市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/31445/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>こだわりと柔軟性の共生「須田菁華窯」４代目須田菁華さん／石川県加賀市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/30264/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/30264/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 09 Aug 2021 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[うつわ]]></category>
		<category><![CDATA[工芸品]]></category>
		<category><![CDATA[石川県]]></category>
		<category><![CDATA[伝統工芸品]]></category>
		<category><![CDATA[加賀市]]></category>
		<category><![CDATA[山代温泉]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸]]></category>
		<category><![CDATA[須田菁華窯]]></category>
		<category><![CDATA[九谷焼]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<category><![CDATA[器]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://nihonmono.jp/?p=30264</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/main-2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>九谷焼の「須田菁華窯」 九谷焼は江戸時代前期1655年頃、大聖寺初代藩主で茶人でもあった前田利治が領内の九谷（現在の加賀市山中温泉九谷町）の鉱山で磁器の原料となる陶石が発見されたことに着目。藩の命により、有田で陶技を学ん [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/30264/">こだわりと柔軟性の共生「須田菁華窯」４代目須田菁華さん／石川県加賀市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/main-2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">九谷焼の「須田菁華窯」</h2>



<p>九谷焼は江戸時代前期1655年頃、大聖寺初代藩主で茶人でもあった前田利治が領内の九谷（現在の加賀市山中温泉九谷町）の鉱山で磁器の原料となる陶石が発見されたことに着目。藩の命により、<span class="swl-marker mark_yellow">有田で陶技を学んだ後藤才治郎が陶石の産地となった九谷村で開窯したことから「九谷焼」と呼ばれることとなった。</span><br>しかし、それから数十年後の1700年代の初頭、生産が終了してしまうが、その当時の記録はなく、現在もその原因は謎として残されている。この間に焼かれたものは、のちに、古九谷（こくたに）と呼ばれ、緑の色絵の具を印象的に配色して絵付けされたスタイルの「青手」や、「九谷五彩」と呼ばれる、緑・黄・紫・紺青・赤の色絵の具を自在に活用した絵付け技法「色絵（五彩手）」とともに、現代に名作として残されている。<br>それから約100年。江戸時代後期に金沢や小松、発祥の地大聖寺藩内の九谷や山代などで、磁器生産が再開された。<br>加賀市にある<a href="https://www.tabimati.net/souvenir/detail_142.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">須田菁華窯</a>は、初代・須田菁華（すだせいか）が1891年に築いた九谷焼の名窯。1915年にはあの北大路魯山人も訪れ、初代菁華から陶芸の手ほどきを受け、作陶の魅力を開眼させたきっかけになったといわれている。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="420" height="280" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0916.jpg" alt="" class="wp-image-30267" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0916.jpg 420w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0916-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 420px) 100vw, 420px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">伝統技術を守るために新しい技術を導入する</h2>



<p>山代温泉のなかにある歴史を感じさせる店先には、美しくもどこか素朴さの残る器が並んでいた。<br>「よく見てください。<span class="swl-marker mark_yellow">同じように見える皿でもひとつずつ違うんです。少しゆがんでいたり、にじみがあったり、指のあとがのこっていたり。完璧につくられたものよりも、むしろ贅沢だと思いませんか。ひとつひとつにちがう味わいを持った器を日々使うのも気持ちいいものですよ</span>」（四代目・須田菁華さん）<br>1981年に、須田菁華を受け継いだ四代目は、初代の作陶の技術をいまも守り続けている。</p>



<p>「いまはろくろといえば電動が一般的ですが、うちはいまでも“蹴ろくろ”を使っています。焼くのは全部登り窯。蹴ろくろは、明治時代のものをそのまま使っています。これを使うと器の線がやわらかくなるんですよ」（須田菁華さん）<br>「陶器だといまでも登り窯を使っているところがたまにありますが、磁器で登り窯というのは初めて聞きました。」（中田）「まあ、安定感はありませんよね(笑)。でも焼き物に失敗はないんです。ゆがみやにじみを失敗だという人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。つくり手は少し技術をおぼえると、上手に見せたがります。でも上手く見せようと、機械でつくったような器になったら嘘っぽい。そういうものより、人間の手でつくられた器のほうが料理も美味しく感じられるんですよ」</p>



<p>長いときは数日間にわたって薪を焚き続ける登り窯は、その煙が周辺環境に与える影響も大きい。須田菁華窯の店の近くにある登り窯は建屋で覆われ、外観からはそうと思えないつくりになっている。周辺には温泉旅館が立ち並んでいるが……。<span class="swl-marker mark_yellow">「うちでは年4回窯焼きをしますが、煙突に特別な機械を入れて、煙をガスで焼き煙が出ないようにしているんです」昔ながらの作陶技術を守るために、時代にあわせて新しい無煙の技術を導入する。このこだわりと柔軟性のバランスこそが100年以上続く名窯の伝統を紡いできたのだろう。</span>「ゆがんでもにじんでも失敗ではない、完璧に作られたものよりもむしろ贅沢」その全てが作品の味であり、個性なのだという4代目の言葉がなぜか心に響いた。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="420" height="280" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0915.jpg" alt="" class="wp-image-30268" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0915.jpg 420w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0915-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 420px) 100vw, 420px" /></figure></div>

<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="420" height="280" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0878.jpg" alt="" class="wp-image-30269" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0878.jpg 420w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2021/08/10312020_tabi_0878-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 420px) 100vw, 420px" /></figure></div><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/30264/">こだわりと柔軟性の共生「須田菁華窯」４代目須田菁華さん／石川県加賀市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/30264/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>手づくりの和食器が紡ぐストーリー 陶芸家·橋本忍さん／北海道札幌市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/22544/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/22544/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 05 Jul 2016 14:26:43 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[工芸品]]></category>
		<category><![CDATA[アート]]></category>
		<category><![CDATA[北海道]]></category>
		<category><![CDATA[札幌市]]></category>
		<category><![CDATA[和食器]]></category>
		<category><![CDATA[手づくり]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸]]></category>
		<category><![CDATA[金継ぎ]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸家橋本忍]]></category>
		<category><![CDATA[橋本忍]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<guid isPermaLink="false">http://nihonmono.jp/?p=22544</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/top_hashimoto.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>現代的な手づくりの和食器 札幌を拠点に活動する陶芸家の橋本忍さん。和食器や茶器を手づくりし、国内外で販売、年に数回は海外でも個展を開催している。陶芸に魅せられ、独自で札幌の狸小路でギャラリーをオープン。四苦八苦しながらこ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/22544/">手づくりの和食器が紡ぐストーリー 陶芸家·橋本忍さん／北海道札幌市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/top_hashimoto.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">現代的な手づくりの和食器</h2>



<p>札幌を拠点に活動する陶芸家の<a href="https://hashimotoshinobu.com/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">橋本忍</a>さん。和食器や茶器を手づくりし、国内外で販売、年に数回は海外でも個展を開催している。陶芸に魅せられ、独自で札幌の狸小路でギャラリーをオープン。四苦八苦しながらここまでやってきた。<span class="swl-marker mark_yellow">「誰にも教わっていないから自由な作風」と語る作品は、現代的で味のある佇まい。</span>実際に手に取ってみると、「全体的にしゅっとして、余分なものが削ぎ落とされている。強さを感じる」と中田。作品の中に作り手が投影されているようだと話した。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/1_hashimoto.jpg" alt="" class="wp-image-22778" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/1_hashimoto.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/1_hashimoto-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">食器は“直して使う”から物語が始まる</h2>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">橋本さんの作品づくりで特筆すべきは、壊れた食器を直して使うことを大事にしている点だ。自身の作品は無料で修理を受けている。</span>「直して使うのはすごいこと。作り手としてはこれ以上に嬉しいことはない。そこからまた新しいストーリーが始まっていく」と橋本さん。「普通は壊れてしまったら捨てる。これは貫入（陶磁器の釉薬(うわぐすり)の部分にでる小さいひび模様）からの文化かもしれない。相当時間もかかるし、手間もかかる」と中田も感心する。修理は場合によっては土を盛り替えて、再度焼く工程を経なければならない。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/2_hashimoto.jpg" alt="" class="wp-image-22779" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/2_hashimoto.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/2_hashimoto-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<h3 class="wp-block-heading">現代和食器の文化を海外でも披露</h3>



<p>修理には金継ぎという方法もある。橋本さんはしていないが、橋本さんの直して使うスタンスに感化され、顧客の方で金継ぎの技術を習得した方もいるそうだ。<span class="swl-marker mark_yellow">個展では、一度壊してから金継ぎして再生させた作品も発表した。とても好評ですべて売れ切れたという。金継ぎによって価値がさらに高まるということは歴史的にもよくあることだ。</span>こういった橋本さん独自の表現は海外でも好評で、最後はロンドンや台湾での個展にも話が及んだ。個人で活動する限りは障壁となるのは言葉の問題だが、「言葉は出来るに越したことはないが、器自体がすべてを語ってくれて、自分のしている仕事は言葉がなくてもいい仕事なのだと思える」と話してくれた。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/3_hashimoto.jpg" alt="" class="wp-image-22780" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/3_hashimoto.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/3_hashimoto-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/22544/">手づくりの和食器が紡ぐストーリー 陶芸家·橋本忍さん／北海道札幌市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/22544/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>漆を使った珍しい食器 陶芸家·西村和さん／北海道札幌市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/22549/</link>
					<comments>https://nihonmono.jp/article/22549/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 05 Jul 2016 14:17:50 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸]]></category>
		<category><![CDATA[札幌市]]></category>
		<category><![CDATA[漆]]></category>
		<category><![CDATA[現代的]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸家 西村和]]></category>
		<category><![CDATA[西村和]]></category>
		<category><![CDATA[食器]]></category>
		<category><![CDATA[器]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸家]]></category>
		<category><![CDATA[うるし]]></category>
		<category><![CDATA[北海道]]></category>
		<guid isPermaLink="false">http://nihonmono.jp/?p=22549</guid>

					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/top_nishimura.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>センスが光る漆の器づくり 札幌を中心に活動する陶芸家の西村和さんは、さまざま素材を組み合わせた象嵌作家として評価を得ている。3年ほど前から漆を使った作品づくりも始めた。漆の面白さを「個人的に釉薬と同じ意識で漆を使っていま [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/22549/">漆を使った珍しい食器 陶芸家·西村和さん／北海道札幌市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/top_nishimura.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">センスが光る漆の器づくり</h2>



<p>札幌を中心に活動する陶芸家の<a href="https://www.nihonkogeikai.or.jp/works/2897/">西村和</a>さんは、さまざま素材を組み合わせた象嵌作家として評価を得ている。3年ほど前から漆を使った作品づくりも始めた。<span class="swl-marker mark_yellow">漆の面白さを「個人的に釉薬と同じ意識で漆を使っています。焼きつけのちょっとした温度変化で色が変わってしまう」と語る。</span>模様は幾何学文様が主で、特に興味が惹かれたものは草木柄も描いている。「アイヌ民族の幾何学文様も本州にはない柄だと思うが、そういう柄なら陶器でも木彫りのように見えるかもしれない」と中田。別の質感に見える素材と模様に話題が膨らんだ。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/1_nishimura1.jpg" alt="" class="wp-image-22796" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/1_nishimura1.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/1_nishimura1-300x199.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">薄くて軽い、シンプルだけれどユニークな茶碗</h2>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">「おばあちゃんの家にあっても現代的なマンションの食卓でも溶け込むものを」というのが食器作りのこだわりだ。</span>「お茶碗は重たいのは嫌いなので、軽くて薄いものを作りたい」と西村さん。「シンプルできれい。どこでも見たことがない」と中田も優美で卓越したセンスを称えた。漆を使った茶碗は食洗機や電子レンジは不可だが、陶器の茶碗とは違って、ぶつかった時にカツカツとした音が出ない。<span class="swl-marker mark_yellow">更に漆の上に錫を蒔いて仕上げると、それは金属のような音がするのだといい、素材から発せられる「音」もまたそれぞれに特徴があって興味深い。</span></p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="360" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/2_nishimura.jpg" alt="" class="wp-image-22790" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/2_nishimura.jpg 360w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/2_nishimura-300x177.jpg 300w" sizes="(max-width: 360px) 100vw, 360px" /></figure></div>


<h3 class="wp-block-heading">丁寧に小皿に文様を刻む</h3>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">直線的な文様でも定規は使わずに描かれる。「曲面に描くので、手で直線をひいたほうがきれいになる」と西村さん。</span>象嵌の皿づくりを実際に体験させてもらうことに。信楽の粘土の小皿に幾何学文様を刻んでいく。「定規を使ってもまっすぐにならない」と言いつつも、集中が途切れることなく、慎重に丁寧に作業を続けた。全工程の中ではマスキングで模様をつけるところが一番の難所だ。「マスキングでは液体ゴムを使います。なぞって細い筆で描きますが、この作業がもっとも大変だ」と教えてくれた。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="360" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/3_nishimura.jpg" alt="" class="wp-image-22791" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/3_nishimura.jpg 360w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2016/07/3_nishimura-300x177.jpg 300w" sizes="(max-width: 360px) 100vw, 360px" /></figure></div><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/22549/">漆を使った珍しい食器 陶芸家·西村和さん／北海道札幌市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://nihonmono.jp/article/22549/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
	</channel>
</rss>
