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	<title>ワイン - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>ワイン - NIHONMONO</title>
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		<title>目指すのは瀬戸内の風土と空気を感じさせるワイン。「大三島みんなのワイナリー」／愛媛県今治市</title>
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		<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 10:51:13 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[伊東豊雄]]></category>
		<category><![CDATA[ドメーヌ]]></category>
		<category><![CDATA[ワイナリー]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_055.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>愛媛県の大三島に単身移住し、自らぶどうを栽培してワイン造りを行なっている「大三島みんなのワイナリー」の川田佑輔さん。北から南まで全国のワイナリーを巡ってワインの勉強をしてきた川田さんが大三島で造りたいのは、島の魅力を表現 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_055.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>愛媛県の大三島に単身移住し、自らぶどうを栽培してワイン造りを行なっている「大三島みんなのワイナリー」の川田佑輔さん。北から南まで全国のワイナリーを巡ってワインの勉強をしてきた川田さんが大三島で造りたいのは、島の魅力を表現する味わいのワインだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>​​</strong>ワイン産地としてのポテンシャルを感じて大三島に移住</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_001.jpg" alt="" class="wp-image-54342" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_001.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_001-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_001-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ワイン造りに興味があって日本ワインの一大産地である山梨県の大学に進学し、在学中に全国の著名なワイナリーを回って研修を重ねてきたという川田さん。大学卒業間際に建築家の伊東豊雄氏が立ち上げた「大三島を元気にするプロジェクト」に関わる機会があったことがきっかけとなり、大三島でのワイン造りに関心を持ったそう。</p>



<p>伊東氏は国内外で数多くの建築賞を受賞し、世界的な評価を受ける一方で、建築の枠を超えて地域再生にも積極的に取り組んできた人物。島の風景や資源を生かし、新たな産業や人の流れを生み出そうとするその構想が、川田さんの心を動かした。</p>



<p>ワイン造りをする上で良質なぶどうが採れるということは必要不可欠な条件だ。川田さんは大三島の気候が日本一のワイン産地である山梨県勝沼とよく似ていることに気が付き、この土地なら良いぶどうができるに違いないと、伊東氏らとワイン造りに取り組むことを決意したという。</p>



<p>「瀬戸内の風景は本当に素晴らしい。僕が生まれ育った静岡にも良く似ていて、海が近くて気持ちが良くて、住んでいる人もやさしい。ここでぶどうを育ててワインを造ってみたいと思ったんです」。川田さんは2015年に単身で大三島に移住してきて、島の課題にもなっていた耕作放棄地を借りて苗木を植え、ぶどうの栽培を開始した。</p>



<h2 class="wp-block-heading">試行錯誤の連続は困難でもあるが面白くもある</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_009-1.jpg" alt="" class="wp-image-54335" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_009-1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_009-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_009-1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ワインへの造詣は深くとも、ぶどう栽培は川田さんにとって初挑戦。まずは土地を詳しく知る地元の農家さんに情報をもらって、ぶどう栽培に適した良質な畑を選ぶところから始まった。「大三島の土質は花崗岩が風化してできた真砂土で、水はけが良くてぶどう栽培には適しています。しかし一方で水持ちが悪いという面もあるのでそこは考えなきゃいけない。土中の微生物を活性化させるために堆肥を入れるとか、地元の農家さんにもいろいろ教えてもらいながらやっています」という川田さん。肥料も地元のものにこだわっているのは、土地の味わいを大切にしたいという思いがあるからこそ。ぶどう棚に使う資材も地元の造船所に協力してもらって手作りするなど、この土地にこだわったぶどう栽培を大切にしている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_008.jpg" alt="" class="wp-image-54336" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_008.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_008-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_008-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>栽培するぶどうの品種は人気の高いシャルドネを始め、日本で最初に開発されたマスカットベリーA、瀬戸内に気候が似ているスペインやポルトガルの海に近い場所を原産地とするアルバリーニョなど、さまざまな品種のぶどうが栽培されている。「シャルドネを選んだのは日本全国で栽培されているので、土地の個性がわかりやすいのかなと思って。甲州も有名な品種ですが、名前に縛られてしまう気がして今のところ作っていません。病気に強くて収量のあるもの、島に合う品種を探して色々試していますけど、答えが出るまでにはかなり時間がかかりますね」という。栽培方法も品種選びも常に試行錯誤の繰り返しだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">海辺の小さな醸造所から生まれる島育ちのワインたち</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_029-1.jpg" alt="" class="wp-image-54338" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_029-1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_029-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_029-1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2015年に植えたぶどうの苗木は2016年に初めての実を付けたが、残念なことに全てイノシシに食べられてしまい、翌2017年が待望の初収穫となる。収穫したぶどうは県外のワイナリーで醸造してもらい、記念すべき大三島初のワインが誕生した。さらに2019年には昔の小学校を改装した宿泊施設「大三島憩の家」の敷地内に醸造所を開設。名実ともに100％大三島産のワイン造りが可能になった。</p>



<p>設計上さまざまな制限があるなかで、醸造所には川田さんが今まで学んできたことを注ぎ込み、できる限りのこだわりを実現した。高低差を利用してタンクや熟成容器に原材料を移動させるグラビティ・フローシステムもそのひとつだ。ポンプを使うより負担が少ないため、ぶどう本来の味を引き出せるのだという。タンクもホーロー、樹脂、コンクリートなど、それぞれメリット・デメリットを吟味した上で、最終的にスロベニア製のオーダーステンレスタンクを採用した。フレンチオークの樽も5年物と3年物を導入。新しい樽は木の香りが強く出る一方、使い込むほどに香味は穏やかになり、ワインとの調和が深まっていく。年数ごとの個性を見極めながら使い分けるのも、川田さんのこだわりのひとつだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">まずはより多くの人に受け入れてもらえるワインを</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_027.jpg" alt="" class="wp-image-54339" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_027.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_027-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_027-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>川田さんが目指しているのは“日本らしい”ワインだ。「欧米の基準に並ぶことを目指すよりも、日本で育てられたぶどうで、日本の風土の中から生まれる味わいを大切にしたい。そこから生まれる“日本らしいワイン”にも、確かな価値があると思っています。かつては“水のようだ”とも言われた軽やかさは、裏を返せば、どんな料理にも寄り添える柔らかさでもある。肩肘張らず、食卓の中で生きる。それが、日本らしいワインなのではと感じています。」と話す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ぶどうとワインと共にある大三島での心地よい暮らし</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_035.jpg" alt="" class="wp-image-54340" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_035.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_035-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_035-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>川田さんが大三島に移住してきて10年。ぶどう栽培やワイン造りにおける変化も大きいが、川田さん自身にとってもいろいろなことがめまぐるしく変わった10年間だったという。</p>



<p>「単身で大三島に来ていたのが、奥さんと出会って結婚して子どもが生まれた。ぶどうの栽培とワイン造りに来ていたのが “ここで暮らす”に生きる意味が変わった10年でした。インフラ面などで不便を感じることは少しあっても、毎日が充実していて、心から大三島での生活に満足しています」という。</p>



<p>現在の島民は約5,000人。もともとの住民は減少傾向にある一方で、島外からの移住者は増えてきているという。移住の理由は人それぞれだが、瀬戸内海に住みたい、地域おこし協力隊のようにこの島で何かしてみたい、旅で来て気に入ったのでここに住みたい、というものが多いという。移住しなくとも、住所や仕事を残したままで2拠点生活をしている人もいて、そのうち島を出ていく人の数と移住してくる人の数が逆転するんじゃないだろうか？と川田さんは笑いながら言う。</p>



<h2 class="wp-block-heading">​​瀬戸内海の小さな島から発信するドメーヌワイン</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_038.jpg" alt="" class="wp-image-54341" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_038.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_038-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/04/O_038-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>たくさんの魅力がある大三島ではあるものの、一方で問題もある。近年の温暖化による気候への対応は深刻な課題だ。特に2024年の夏は命に関わるほどの猛暑で、人間もぶどうも乗り切るための苦労を余儀なくされたという。</p>



<p>さらに川田さん曰く、ぶどうもワインも品質・技術ともにまだまだ満足できるレベルには達していないという。「“大三島の味”というものをまだ自分の中に確立できていないんです。なのでまずはそれをはっきりさせたい。目指すのは大三島の空気感を表現したワイン。親しみがあって味わい深く、大三島の海や風を感じられるようなワインを目指したいんです」と話す。</p>



<p>納得できる味わいのワインを造ること、そしてワインを飲む習慣のない島の人たちに自分たちのワインを飲んでもらえるようになること。その上で、日本ワインコンクールで賞を取ることが当面の大きな目標であり、その先には海外コンクールへ挑戦してみたい。川田さんの夢は広がっていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/54325/">目指すのは瀬戸内の風土と空気を感じさせるワイン。「大三島みんなのワイナリー」／愛媛県今治市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>耕作放棄地からテロワールを感じるワインを生み出す「domaine tetta」／岡山県新見市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 31 May 2025 03:23:43 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ワイナリー]]></category>
		<category><![CDATA[ワイン]]></category>
		<category><![CDATA[哲多]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2023_Chardonnay_2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「マスカット･オブ･アレキサンドリア」や「ピオーネ」をはじめ生食用ブドウの産地である岡山県。県の北西部に位置する新見市（にいみし）も、古くからブドウ栽培が盛んなエリアであった。その地で、生食用ではなく、ワイン用ブドウの栽 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2023_Chardonnay_2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「マスカット･オブ･アレキサンドリア」や「ピオーネ」をはじめ生食用ブドウの産地である岡山県。県の北西部に位置する新見市（にいみし）も、古くからブドウ栽培が盛んなエリアであった。その地で、生食用ではなく、ワイン用ブドウの栽培にいち早く着手し、ワイン醸造を手がける「domaine tetta」。代表の高橋竜太さんに話を聞いた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">異業種からワインの道へ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1227.jpg" alt="" class="wp-image-52827" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1227.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1227-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1227-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>新見市で生まれ育ち、家業である建設業を営んでいた、高橋竜太さん。</p>



<p>転機となったのは2005年、新見市哲多地区で耕作放棄地となったかつてのブドウ畑を目にしたことだった。その土地の前の生産者は、真面目なスタッフとともに、堅実にブドウ栽培に取り組み、とてもおいしいブドウを作っていた。「それなのに、なぜこうなってしまったのか。よいブドウが育つ畑なのにもったいない…」。</p>



<p>地元の美しい景色として慣れ親しんできたブドウ畑が荒れ果ててしまったことを憂う思い、そしておいしいブドウを育むこの土地を地元の資源としてもう一度生かしたいとの願いから、高橋さんの新たな挑戦がスタートした。土地について調べるなかで、足元に広がるのがフランスのワイン銘醸地であるシャンパーニュ地方やシャブリ地方と同じ、ワイン造りに適した石灰岩土壌であることを知る。「ワイン用のブドウ栽培であれば、地域の資源であるこの土地を生かした再生がかなうはずだ」と、2009年、耕作放棄地再生を目的に「tetta株式会社」を設立。思いをともにする仲間を得て、2010年にはワイン用ブドウの栽培に着手した。</p>



<p>ブドウ栽培はもちろん、農業の経験もゼロ。ワインについての知識もゼロ。「まったくのど素人。無謀でしたよね、今考えると」と、笑いながら当時を振り返る。</p>



<p>創業から数年は、ブドウ栽培のみを手がけ、醸造は山梨県のワイナリーへ委託。夕方まで収穫したブドウをトラックに積み、高橋さん自らが夜通し運転してワイナリーへ持ち込んでいたという。</p>



<p>そうして出来上がったワインには、この土地を預かるという思いから地名である「哲多」＝「tetta」と名付けた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">人々が訪れたくなるワイナリーを</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1235.jpg" alt="" class="wp-image-52828" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1235.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1235-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1235-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2016年には自社醸造をスタート。創業当初からの念願であった、ブドウ栽培から醸造、瓶詰めまでを自社で行なうドメーヌ化を果たす。</p>



<p>ワイナリーを造るにあたって高橋さんが胸に抱いたのは「ワインを生み出す環境や造り手も見てほしい。そのためには、人が足を運びたくなるような建物でなければ」という強い想い。</p>



<p>この想いで誕生したのが、ブドウ畑が広がる山の中に突如現れる、コンクリートのスタイリッシュなワイナリー「domaine tetta」だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「ここでワインが生まれる」ことを実感できる場所に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1229.jpg" alt="" class="wp-image-52829" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1229.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1229-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1229-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ワインの試飲＆販売を行うカフェからは、ガラス越しに醸造場を、テラスに出ればブドウ畑を一望できる。ここでワインが生まれているということを実感できる場所となっている。</p>



<p>ワイナリーのオープン日のことを、高橋さんはこう振り返る。「山のふもとの集落に住むおじいちゃんが、坂道を歩いてワインを買いに来てくれて。地元の人に地元で作ったワインを飲んでもらえることが、本当にうれしかった。やっとここまできた」と。</p>



<p>現在は、国内外からこのワイナリーを目指して、ワイン好きはもちろんのこと、ワインを勉強したいという若者も多く訪れるようになった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ブドウの力でワインに仕上げていく。</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/IMG_4019.jpg" alt="" class="wp-image-52830" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/IMG_4019.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/IMG_4019-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/IMG_4019-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>晴天率が高いことから、「晴れの国おかやま」と呼ばれる岡山県。十分な日照時間があるだけではなく、新見市は400mと標高が高く、気温の寒暖差も大きいため、甘みや色づきがよくなるなど、ブドウ栽培に適した条件がそろっている。</p>



<p>加えて、「domaine tetta」では、ブドウ棚の上にビニールカバーを施し、ブドウが直接雨に当たらないようにレインカットした栽培方法により、雨から守ることでなるべく病気を減らし、農薬も減らすよう努力している。そうして、ゆっくりブドウの熟度を上げていく。</p>



<p>ワイン醸造においては、野生酵母を用い、補糖･補酸はしない。酸化防止剤の添加も必要なときに最小限だけ。人工的なものを入れず、「ブドウの力でワインに仕上げていく」ことが、ワイン造りのコンセプトだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">目指すのは、哲多ならではの味</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1445.jpg" alt="" class="wp-image-52831" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1445.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1445-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1445-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>次なるステップは、「tetta」＝「哲多」というこの土地を、ワインでどう表現していくか。土地の利点を生かして日本ならではの品種を栽培し、「哲多」ならではの味わいのワインを作っていきたいと考えている。</p>



<p>ブドウについては、生食用や試験栽培も含め、現在22品種を栽培。代表的な品種は、シャルドネとピノノワール。近年は、ブドウの木が年数を経てきたことに伴い、この土地が持つミネラル感が出てきたと感じるまでに。珍しいところでいえば、生食用の赤ブドウ･安芸クイーンを用いたワインも。トロピカルな味わいで、海外の人からの支持も高いという。</p>



<p>2021年からは、酒類の研究･調査などを行う独立行政法人「酒類総合研究所」と協力して、tettaの栽培醸造の工程内での研究も行ない、酵母がワインにもたらす作用についても知見を深めている。</p>



<p>ドメーヌ化して、9シーズン。やっとここ数年で、「この品種は勝負できる」という手ごたえを得て、品種を絞りこんでいこうとしているところだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">もう二度とブドウ畑を耕作放棄地に戻さないために</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1437.jpg" alt="" class="wp-image-52832" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1437.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1437-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/2A3A1437-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>耕作放棄地を再生したい、という思いからスタートした、「domaine tetta」。</p>



<p>創業から約15年。高橋さんは自身の経験から、ワインは単なる飲み物ではなく、さまざまな縁をつなぐツールであることを実感している。そして世界へつながるポテンシャルを秘めていることも。現に「tetta」のワインは、現在、北米やヨーロッパでも流通している。さらに「domaine tetta」に続くように、新見市内には2社のワイナリーが誕生している。</p>



<p>そんな現状を踏まえ今後の展望について尋ねると、「一番の目標は、この地でブドウを栽培し続け、ワインを造り続けること」と、実にシンプルな答えが返ってきた。それにより、地元に雇用を生み出し、この事業を次の世代へとつないでいくことこそ大切だと考えている。この事業の根幹が「耕作放棄地の再生」であることからいっさいぶれない。そのうえで、ブドウが持つ力を引き出し、テロワールが感じられるワインを生み出していく。終わりのない「domaine tetta」の挑戦は続く。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52826/">耕作放棄地からテロワールを感じるワインを生み出す「domaine tetta」／岡山県新見市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>栽培家と醸造家、ふたりのスペシャリストが創り出すワイン「Kisvin Winery」／山梨県甲州市</title>
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		<pubDate>Tue, 28 May 2024 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fc19425fefc988b1697c92cd0b4c90d4-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>山梨県甲州市塩山（えんざん）の「Kisvin Winery（キスヴィンワイナリー）」は、ブドウ栽培家の荻原康弘さんと若手醸造家の斎藤まゆさんが2013年から醸造を開始した新進気鋭のワイナリーだ。栽培と醸造のエキスパートが [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fc19425fefc988b1697c92cd0b4c90d4-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p><strong>山梨県甲州市塩山</strong>（えんざん）の「<strong><a href="http://www.kisvin.co.jp" title="">Kisvin Winery（キスヴィンワイナリー）</a></strong>」は、ブドウ栽培家の荻原康弘さんと若手醸造家の斎藤まゆさんが2013年から醸造を開始した新進気鋭のワイナリーだ。栽培と醸造のエキスパートが、お互いの個性を認め合い、技術を高め合い、たどり着いたKisvinのワインとは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ブドウへの惜しみない愛を込めて</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export6-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-43032" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export6-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export6-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export6-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export6.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>「Kisvin」とは「ブドウにキスを」の意味。「Kisvin Winery」の名称には、キスしたくなるほどブドウのことが大好きだという荻原さんと斎藤さんのワインへの想いが表れている。20年以上ブドウ栽培に携わる荻原さんとカリフォルニアやブルゴーニュでワイン造りを学んできた醸造家の斎藤さんがタッグを組み、ワイナリーを建設してから10年、ブドウのクオリティがワインの味に直結すると考えるふたりは、植物生理、最新の栽培管理技術などを活用し、手間を惜しまず、高品質なブドウ栽培に取り組んでいる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">時代を見据えながら進化し続ける姿勢</h3>



<p>山梨県で代々続くブドウ農家に生まれた荻原さんは、2001年に家業を継ぎ、生食用から醸造用へと改植を進める中で、2005年に醸造用ブドウの勉強会グループ「Team Kisvin」を立ち上げ、ワイン用ブドウの栽培と規模拡大に着手。甲府市のシャトー酒折ワイナリー株式会社にブドウを販売したところ、その品質の高さが認められ、専用タンクで醸造することに。そして、「Team Kisvin」によって「Kisvin Koshu 2008」がリリースされた。</p>



<p>その後、2009年に農業生産法人株式会社Kisvinを設立、畑の規模を拡大してブドウの生産量を増やしてシャトー酒折ワイナリーでの醸造を続けながら、2013年に自社の醸造施設を設けてワイン醸造を開始した。</p>



<p>「時代とともに栽培の理論は変わっていく。何も考えずに昔からやってきた方法をそのまま続けるのは進化していないことになる」と語る荻原さん。時には自分のやっていることを否定し、気候の変化にも臨機応変に対応しながら、長年の経験の積み重ねの中で現在の栽培法にたどり着いた。そんな荻原さんが大切にしているブドウ畑は、隅から隅まで管理が行き届き、ブドウが整然と並んでいるのが印象的だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">光合成を最優先に畑を徹底管理する</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export9-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-43033" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export9-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export9-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export9-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/export9.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>栽培面積は約5ha。垣根栽培だと地面に近い葉や果実には朝露がついて多湿状態になるため、棚栽培を選んだという荻原さんは「ブドウの樹と果実の健全性」を最も重視している。そのために、病害虫から守ることはもちろん、光合成に適した環境づくりに注力している。光合成が促進される適正気温は20〜25度で、光合成は日の出前から始まり、光合成量が最も増える時間は午前9時前後だという。その際、日光が強く当たりすぎると温度が急上昇して蒸散が活発になるため、強すぎる光はかえって光合成の速度や効率を低下させてしまう。棚栽培では上部の葉には直射日光が当たるが、下部の葉や果実には光合成に適したやわらかい光が当たり、適度な温度帯で保護されるという。</p>



<p>草生栽培でほぼ無肥料で圃場を管理する荻原さんは、植物の生命を尊重したいと、時には樹齢20年のカベルネ･ソーヴィニヨンにシャルドネを接ぎ木するという斬新なアイディアを実践。ブドウの樹と真摯に向き合うからこそ「剪定がその年のブドウの収量や味を決定づける。だから剪定が一番面白い」と笑顔で語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ブドウをピュアに感じられる美しいワインを</h3>



<p>アロマティックなブドウが好きだという荻原さんが選んだのは、甲州、シャルドネ、ピノ･ノワール、シラー、ヴァオニエなど。理想は「美しいワイン」。一口飲めばブドウそのものを鮮明に想像できるようなクリアなワインだ。その上で、世界に認められるワインを造りたいーだからこそ「新しいことをやるのではなく、今畑でやらなければならないことを一つひとつ丁寧に確実に行うことが必要」と考えている荻原さん。「まだ自分の中で100点満点に作業をできていない。いかに100点に近づけていけるかが課題」と厳しい表情を見せる。最終的にワインになった時に天候や異常気象のせいにすることのないよう「栽培担当として良いワインになるようなブドウをしっかり作り込んでいくだけ」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">果実の色と熟度にこだわった「エメラルド甲州」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/a788995fd4976480b4944231e106bb30.jpg" alt="" class="wp-image-43034" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/a788995fd4976480b4944231e106bb30.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/a788995fd4976480b4944231e106bb30-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/a788995fd4976480b4944231e106bb30-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>学生時代に旅をする中でワインに出会った斎藤さんは、フランス･コルシカ島で畑と醸造所を所有し、ブドウの栽培から醸造･熟成･瓶詰めまでを自ら行う生産者のもとでブドウの収穫を経験し「自分の中の何か根源的な部分に触れるものがあった」と振り返る。植物を育て、実ったブドウからワインを造り、客人をもてなすーなんて素敵な職業だろう！と直感し「生まれ育った日本で、世界に誇れるワインを作りたい」という想いが芽生えた。</p>



<p>日本で優れたワインを作るためには、飛躍的に成長を遂げている産地で勉強し、その成長の秘訣を掴むことが大切だと考えた斎藤さん。当時、カリフォルニアワインは「新世界」と呼ばれる新しいワイン造りの代表格であり、その価値も急激に上昇している状況だった。なぜそれが可能になったのか、日本に必要な視点とは、日本に足りないものは何かーそれを解き明かすために海外へ向かった。</p>



<p>斎藤さんが書いたワイン醸造のブログ記事を偶然目にした荻原さんは、2009年にカリフォルニア州立大学のワイン醸造学科に在籍していた斎藤さんを現地まで赴いてスカウトしたそう。斎藤さんは成績が優秀だったことから、同大学のワイナリーの醸造アシスタントに抜擢され、 現地の学生に指導をしたことも。その後、フランスのブルゴーニュでさらに醸造経験を積み、甲州市塩山に醸造所が完成した2013年、帰国し醸造責任者に就いた。</p>



<p>醸造家として栽培にも携わる斎藤さんが特に気を配るのが甲州だ。熟していくと紫色になり、その過程で苦味が出てしまうため、「酸がきれいで苦味が抑えられたパワフルだけれど繊細さもある甲州」を目指して試行錯誤してきた。その結果、行き着いたのがブドウ1房ごとに傘をかける方法だ。自社開発したシルバーの傘は日光を遮るため、甲州が緑色のまま成熟していくという。熟度は高いが美しいエメラルドグリーンを保った甲州を「エメラルド甲州」と表現する斎藤さん。徹底的に品質にこだわったブドウは、ワインの美しい色や繊細な味わいに明確に現れるという。</p>



<p>収穫シーズンが近づくと、果実の色や酸、種の熟し方などをこまめにチェックして収穫のタイミングを見極める。特にブドウの熟度を見極めるために種の色や状態の観察は重要だ。そして、樽香をあまりつけたくなければステンレスタンクを使用、しっかり熟成期間をとれるポテンシャルの高いブドウは樽熟成と、収穫したブドウの品質を見て醸造方法を決める。「それぞれの品種に対して定まったレシピがあるわけではないので、収穫したブドウに対して最善を尽くすために自分が何をやるべきかをしっかり考えることが大切」。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fcfbf6d34b8de1be39e18349f1ce150f.jpg" alt="" class="wp-image-43035" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fcfbf6d34b8de1be39e18349f1ce150f.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fcfbf6d34b8de1be39e18349f1ce150f-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fcfbf6d34b8de1be39e18349f1ce150f-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>斎藤さんが心掛けているのは「澱（おり）を有効に使う」こと。澱とはワインの成分が沈殿物として現れたもので、斎藤さんは発酵が終わっても澱引きをせず、そのまま残して熟成させておくシュール･リー製法を採用。澱引きをするとクリアなワインに仕上がるが、あえて果汁をきれいにしすぎず、澱そのものの美味しさを生かし、多めに残した澱を巧みに使う。澱をどの程度生かしてワインの厚みを出していくかを細かくチェックし「滑らかさを重視しつつ、微細な美味しさを感じられたり、何かちょっと考えさせるものがあるワインが理想」と語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「塩山」の名を世界に轟かせるために</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/4e3f381c2435490d00dc27b8cbbe4b7e.jpg" alt="" class="wp-image-43036" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/4e3f381c2435490d00dc27b8cbbe4b7e.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/4e3f381c2435490d00dc27b8cbbe4b7e-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/4e3f381c2435490d00dc27b8cbbe4b7e-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>特に最高品質の果実だけを厳選して造る「<strong>シャルドネ･レゼルヴ</strong>」は、艶やかなゴールデンイエローのワインで、洗練された酸と華やかさが共存する。斎藤さん自身も「最高級」と自信を覗かせる特別な銘柄は、長期熟成して楽しむのもいいだろう。「世界中に『<strong>塩山</strong>』の地名が知られるような輝きのあるワインを造りたい」と目を輝かせる斎藤さんだが、醸造責任者としての重積を担うがゆえ、毎日畑に出てブドウに手をかけ、醸造所ではしっかりとワインの出来をチェックしていかなければならない。「その時間を確保するために、ワイナリーとしてどういうチームをつくっていくかが重要だし、醸造家として芸術に触れて感性を磨くことも必要」と、日々弛まぬ努力を続ける。時代の変化を敏感にキャッチしながら、自分が好きなワインと世の中に求められているワインの姿をきちんと理解し「そのバランスをとりながら理想のワインを完成させるのが私の仕事」ときっぱり。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ワイン造りと専門家の育成に情熱を注ぐ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fa851a1d24ee4dd3444594a9c12b49d2.jpg" alt="" class="wp-image-43037" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fa851a1d24ee4dd3444594a9c12b49d2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fa851a1d24ee4dd3444594a9c12b49d2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fa851a1d24ee4dd3444594a9c12b49d2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>今、ストレスを抱えていたり、余裕がなくて生きていくのが大変な時代の中、ほんの少しワインを飲むだけで、喜びや癒しのひとときをもたらしてくれるーそうワインの魅力を語る斎藤さん。作り手にとっても魅力的だというワイン、斎藤さんはそれを「人と人をつないでくれるもの」と表現する。「憧れの人に会えたり、ビジネスのきっかけを与えてくれたり、自分の世界観を広げてくれた。ワインは私をまだ見たことのない新しい世界に連れて行ってくれる」。</p>



<p>しかし、自身のワイン造りについては「まだまだ道半ば」と厳しい評価。だからこそ「生きている間に自分がやりたい仕事ができるかわからない。次世代につないでいくような仕事をしなければならない」と、後進の育成にも努める。醸造家として大成してから弟子を育て始めるのは遅いと捉え、自分が成長しながら、同時に次の世代を育てていかなければならないと考える斎藤さんは「将来への希望があるからこそこの仕事が面白い。後継者に託すために畑ももっと改良して栽培しやすくして渡してあげたい」と微笑む。</p>



<p>隣で頷く荻原さんも「自分たちがトレンドを作り、この会社の中で若者に技術を継承していく。きっと将来新しいアイディアや私たちには思いつかなかったような技術が生まれてくるはずだから」と力強く語る。</p>



<p>荻原さんと斎藤さんの強烈な個性と才能がぶつかり合い、混醸されて独創性あふれるワインを生み出しているKisvin Winery。マスター･オブ･ワインなど5つのタイトルを保有し、世界最優秀と称されたソムリエの故･ジェラール･バッセ氏は、2017年にワイナリーを訪れて「キスヴィン ピノ･ノワール」を味わい絶賛したという。バッセ氏が「才能豊かな醸造家が造ったワインはユニークでセンセーショナル」と高く評価したように、この先もふたりのワインは世界に驚きと感動を与えていくのだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/43030/">栽培家と醸造家、ふたりのスペシャリストが創り出すワイン「Kisvin Winery」／山梨県甲州市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>山梨の固有品種「甲州」を大切に、伝統と革新のワイン造りを「ルミエールワイナリー」 ／山梨県笛吹市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 07 May 2024 01:03:52 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fc19425fefc988b1697c92cd0b4c90d4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>西洋文化が日本に流入してきた明治時代、降矢醸造所の創設以降、山梨県生まれの品種「甲州」に重きを置きながら日本を代表する銘柄を世に送り出してきた株式会社ルミエール(以下ルミエールワイナリー)。日本ならではの甲州オレンジワイ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42724/">山梨の固有品種「甲州」を大切に、伝統と革新のワイン造りを「ルミエールワイナリー」 ／山梨県笛吹市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fc19425fefc988b1697c92cd0b4c90d4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>西洋文化が日本に流入してきた明治時代、<strong>降矢醸造所</strong>の創設以降、<strong>山梨県生まれの品種「甲州」</strong>に重きを置きながら日本を代表する銘柄を世に送り出してきた<strong><a href="https://www.lumiere.jp/" title="">株式会社ルミエール</a></strong>(以下ルミエールワイナリー)。日本ならではの<strong>甲州オレンジワインやスパークリングワイン</strong>の開発に注力しながら、山梨の<strong>ワイン産業</strong>の発展に尽力してきた<strong>木田茂樹社長</strong>が考える今後のビジョンとは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">明治創業の宮内庁御用達ワイナリー</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/e206c2a8c44d64206c31dec5d74ee63d.jpg" alt="" class="wp-image-42726" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/e206c2a8c44d64206c31dec5d74ee63d.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/e206c2a8c44d64206c31dec5d74ee63d-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/e206c2a8c44d64206c31dec5d74ee63d-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本でワイン産業が始まったのは、幕末から明治期にかけての激動の時代。1859年の横浜港開港とともに多くの欧米人が渡来し、日本人は初めてワインを目にすることに。明治政府はワイン造りを重要な産業と位置付け、日本各地で一斉にワイナリーが造られた頃、<strong>日本ワイン発祥の地</strong>とされる<strong>山梨県甲府市</strong>では、1874（明治7）年に日本初の国産ワインが醸造されたと伝えられている。</p>



<p>急速な近代化とワインブームの大きな流れの中、ルミエールワイナリーは1885（明治18）年に降矢醸造所として創業1943年に<strong>株式会社甲州園</strong>に改名、1967年にモンドセレクション国際ワインコンクールで金賞を受賞したことで世界的に認知されるようになり、1992年にワインブランド「ルミエール」を社名にした。</p>



<p>大正時代には<strong>宮内庁御用達</strong>になり、歴史と伝統を誇る格調高いワイン造りが現代に脈々と受け継がれている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">山梨県にとって特別な品種「甲州」のワイン</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280.jpg" alt="" class="wp-image-42727" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2005年の創業120周年の節目に社長に就任したのが木田茂樹氏。2004年から<strong>山梨県ワイン酒造協同組合</strong>の理事を歴任し、2005年には<strong>スロベニア国際ワインコンペティション</strong>の審査員を務めている。「山梨の最大の強みは甲州の存在。日本初のワインの地理的表示『GI 山梨』が認定された2013年以降、甲州ワインが世界的に認知され、海外のワイン好きが甲州を求めて日本を訪れる」と語る。繊細な味わいでバランスが良い甲州は料理に合わせやすく、特に和食とのマリアージュは最高だと海外から称賛されているという。</p>



<p>「甲州園」と名付けられたほど甲州の生産量が多く、現在も甲州ワインに最も注力しており、柑橘系の香りが楽しめる「<strong>甲州シュールリー</strong>」、しっかりと樽熟成させた芳醇でボリューム感のある「光 甲州」、果実香とまろやかな酸が楽しめる豊かな味わいに仕上がったオレンジワイン「プレステージクラス オランジェ」と、個性的なラインアップが揃う。木田社長は「特に皮ごと仕込むオレンジワインに最適な品種」と甲州のポテンシャルの高さを絶賛する。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/aa28ff0bc1bbf4a69b2eff3981228d52.jpg" alt="" class="wp-image-42728" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/aa28ff0bc1bbf4a69b2eff3981228d52.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/aa28ff0bc1bbf4a69b2eff3981228d52-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/aa28ff0bc1bbf4a69b2eff3981228d52-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>瓶内2次発酵後に1年以上瓶熟成を行うスパークリングシリーズもバリエーションが豊富で、<strong>「スパークリング甲州」「バリック甲州＆シャルドネ」「トラディショナル スパークリング KAKITSUBATA」「スパークリング オランジェ」</strong>と、甲州だけでも3種類があり、すっきりとした辛口のスパークリングは、しっかりとした厚みがありながら和食に合わせやすい。甲州を使ったオレンジワインのスパークリングは珍しく、「甲州はもともと柑橘系の香りがあるから爽やかさが醸し出せる。欧州系品種に比べると糖度が2～3度低いが、樹上完熟させてから収穫するとしっかりと味わいののったスパークリングになる」と語る。　</p>



<p>甲州以外にも<strong>シャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン</strong>、スペインの品種・<strong>テンプラニーリョ</strong>など10品種以上を栽培しており、温暖化に合わせてスペインやイタリアなどのいろいろな品種の試験栽培に積極的に取り組む。その中でも<strong>ミルズ</strong>という希少品種は、甘口ながらライチのような香りが特長のアロマティックなワインに仕上がるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">オーガニックの精神でブドウを栽培</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c.jpg" alt="" class="wp-image-42729" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在4haの自社圃場をもち、<strong>不耕起</strong>かつ<strong>草生栽培</strong>、<strong>減農薬</strong>で<strong>自然農法</strong>に近い栽培方法を取り入れている。基本的にはなるべく肥料を与えずに栽培しており、<strong>ブドウの搾りかす</strong>を一年かけて堆肥にして土に戻す<strong>循環型農業</strong>に取り組む。「手を加えすぎたり余計なことはしない。むやみに糖度を上げようとしなくても、この自然環境でできあがったブドウで造られたワインこそ日本人の身体と食事に合うと考えている」。「栽培から醸造まで若いメンバーが中心で、みんなで造り上げているのがルミエールらしさ。スタッフの優しさがワインの味わいにしっかり表れていると思う」</p>



<h3 class="wp-block-heading">時代を超えて受け継がれる古来の設備と製法</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/df38ff9527f28131ca598b9bf8b37407.jpg" alt="" class="wp-image-42730" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/df38ff9527f28131ca598b9bf8b37407.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/df38ff9527f28131ca598b9bf8b37407-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/df38ff9527f28131ca598b9bf8b37407-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>明治時代から歴史を紡いできたルミエールワイナリーには、ワイン醸造で使われた貴重な歴史遺産が残る。<strong>国の登録有形文化財指定</strong>の「<strong>石蔵発酵槽</strong>」は、1901（明治34）年、扇状地の傾斜を利用して構築された石造りの発酵タンクだ。ステンレスタンクがない時代に大量にワインを醸造するのに欠かせない設備だった。2018年には<strong>日本遺産「葡萄畑が織りなす風景～山梨県峡東地域～</strong>」の構成文化財にも指定され、現在もこの伝統ある石蔵発酵槽を使ってマスカット・ベリーAを醸造し「<strong>石蔵和飲</strong>」として販売。ブドウの収穫作業から仕込みまで行う「<strong>石蔵和飲仕込み体験イベント</strong>」も開催している。</p>



<p>古樽が並ぶ石造りの<strong>地下セラー</strong>も長年使われているもので、季節を問わず平均19度と発酵に適した温度に保たれ、地熱の特性が生かされている。秋の醸造シーズンの樽からは絶えず発酵音が聴こえ、その息づかいからブドウの生命力が感じられる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">県内ワイナリーのまとめ役として</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/58962da82424952fcb209dd1a4b81dde.jpg" alt="" class="wp-image-42731" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/58962da82424952fcb209dd1a4b81dde.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/58962da82424952fcb209dd1a4b81dde-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/58962da82424952fcb209dd1a4b81dde-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在、山梨県ワイン酒造組合の副会長としてマーケティングに力を入れている木田社長は「日本ワインが世界から脚光を浴びているのは間違いない。特に山梨は組合がしっかりと技術指導を行い、全体のレベルが底上げされている」と語る。県内には個性のある魅力的なワイナリーが90社以上存在し、その中でも大手企業が栽培や醸造において研究・分析したデータを相互に共有できているのも山梨の強みだという。「いろいろなワイナリーのデータが集積していると、それだけ経験値が何倍にもなる。ライバルでありながら技術的な情報共有ができるのは山梨のワイナリーの長所」と語る。</p>



<p>しかし、果樹の一大産地ならではの課題もある。甲州は奈良時代から存在する山梨生まれの品種で、気候の変動にも強いと言われているが、木田社長は生産農家の減少によって甲州がなくなってしまうことを危惧する。「販売価格が高いことから、甲州からシャインマスカットに改植してしまうブドウ生産者も多く、年々醸造用ブドウが減少していて、原料不足が問題になっている。だからこそ、ブドウ生産者が醸造用ブドウを栽培してしっかり収入を得られる仕組みづくりが必要」と言葉に熱がこもる。</p>



<p>経営者という立場からも「山梨のワイナリー全体がどうあるべきかを常に考えている」という。最新の醸造用の機器は海外から手に入りやすくなり、日本のワイナリーの醸造設備はトップレベルまで上がってきているので「あとは栽培における労働の負担をいかに下げて、どのように農業生産性を上げていくかが重要。山梨県ワイン酒造組合全体で気候変動に基づいた品種や栽培地域、そして対策技術などの研究に積極的に取り組んでいくことで、山梨県産ワインのさらなるレベルアップにつながる」と意気込む。</p>



<h2 class="wp-block-heading">山梨県産ワインのさらなる発展のために</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/c828ca074a521c727525881ce61cdca4.jpg" alt="" class="wp-image-42732" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/c828ca074a521c727525881ce61cdca4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/c828ca074a521c727525881ce61cdca4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/c828ca074a521c727525881ce61cdca4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>大消費地である東京に隣接していることも強みと捉え「『スパークリングオランジェ』のような新たな価値を創造し、さらにそのクオリティを上げていき、積極的に情報発信を行う。そして山梨のワイナリーに足を運んでもらえるような努力をしていきたい」と語る。特に山梨県内のワイナリー数の半分以上を占める峡東地域は醸造所同士の距離が近く、ワイナリー巡りがしやすいため「日本を代表するワイン観光地として『<strong>ワインツーリズム</strong>』をもっと定着させてPRしていきたい」。</p>



<p>そのためには交通面での仕組みづくりが課題。バスやタクシーはあるものの限られており、観光シーズン中は不便を強いられることも。日本はもちろん世界中から足を運んでもらえるようなインフラの整備が急務だ。</p>



<p>2009年に山梨県産ワインのブランド化と甲州ワインの市場拡大を目指してスタートした<strong>山梨ワイン海外輸出プロジェクト「Koshu Of Japan（KOJ）」</strong>の委員長も歴任する木田社長は、今後さらに海外への輸出に力を入れていくという。特に近年は東南アジアへの輸出も増えており「発酵調味料を使う国では現地の料理と日本のワインはよく合う」と微笑む。</p>



<p>130年以上の歴史を誇るブドウ畑と伝統製法を受け継ぎながら、革新的なワイン造りにチャレンジし、世界から高く評価される銘柄を生み出してきたルミエールワイナリー。「ルミエール」とはフランス語で「光」の意味。さらに明るくより強く確固たる「光」は日本ワインの未来を輝かせる。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42724/">山梨の固有品種「甲州」を大切に、伝統と革新のワイン造りを「ルミエールワイナリー」 ／山梨県笛吹市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>オープンなファミリーワイナリーを実現した「白百合醸造株式会社」／山梨県甲州市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 11 Apr 2024 01:10:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[甲州ワイン]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/37fd1f92f625ca056c2cedf184b36ce0.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>古くから葡萄酒文化が浸透し、日常生活にワインが根付いていた甲州市勝沼地区で、ブドウ農家が集まり共同醸造からスタートした白百合醸造株式会社。開かれたファミリーワイナリーを築きながら、磨き上げてきたブランド「ロリアンワイン」 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42111/">オープンなファミリーワイナリーを実現した「白百合醸造株式会社」／山梨県甲州市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/37fd1f92f625ca056c2cedf184b36ce0.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>古くから<strong>葡萄酒文化</strong>が浸透し、日常生活にワインが根付いていた<strong>甲州市勝沼地区</strong>で、ブドウ農家が集まり共同醸造からスタートした<a href="https://shirayuriwine.com/" title="">白百合醸造株式会社</a>。開かれたファミリーワイナリーを築きながら、磨き上げてきたブランド「ロリアンワイン」の魅力とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">勝沼に根付く昔ながらの葡萄酒文化</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0a7c1d077115155988f5d291d2e01472.jpg" alt="" class="wp-image-42113" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0a7c1d077115155988f5d291d2e01472.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0a7c1d077115155988f5d291d2e01472-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0a7c1d077115155988f5d291d2e01472-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>明治時代からブドウ農家が多く存在していた山梨県。1876（明治9）年に甲府城跡に<strong>県立勧業試験場</strong>が建設され、翌年には<strong>県立葡萄酒醸造場</strong>が完成、それ以降山梨県は日本のワイン<strong>醸造発祥</strong>の地として国内有数の一大産地へと発展を遂げる。</p>



<p>ほぼ同時期、山梨県東部に位置する<strong>甲州市</strong>では、<strong>大日本山梨葡萄酒会社</strong>の設立をきっかけにワイン造りの機運が高まっていた。特に<strong>勝沼地区</strong>ではブドウの生産農家が集まって次々に組合を設立し、自家用ワインを造るための共同醸造に乗り出す。できあがったワインは「葡萄酒」と呼ばれ、一升瓶で保存し、湯呑みで飲む独特のスタイルが生まれた。冠婚葬祭はもちろん、日常生活の中でも葡萄酒を愛飲し、農家にとって身近な嗜好品として定着したという。自ら葡萄酒を造って楽しむ習慣が本格的なワイン醸造につながり、今では勝沼エリアは30以上の醸造所がひしめくワイナリー集積地になっている。</p>



<p>1938（昭和13）年創業の<strong>白百合醸造株式会社</strong>（以下：白百合醸造）も共同醸造組合が前身のワイナリーだ。初代が近所の栽培農家と<strong>白百合葡萄酒共同醸造組合</strong>を設立し、1952（昭和27）年に法人化され、時を経て1995（平成7）年に3代目の<strong>内田多加夫</strong>さんが社長に就任した。東京農業大学醸造科から大学院へと進学し農芸化学応用微生物学を専攻していた内田さんだが、卒業後2年間は酒類問屋に勤務して流通業に従事し、その後<strong>南フランス・プロヴァンス</strong>のワイン研究所で実践的なワイン造りを学んだ。その時にフランスで目にしたファミリーワイナリーの姿が内田さんの礎となり、家族経営ならではの温かさとおもてなしを大切にしたファミリーワイナリーを日本で実現しようと情熱を注いできた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">東洋の片隅から世界を目指して</h2>



<p>白百合醸造の銘柄「<strong>L’Orient（ロリアン）</strong>」はフランス語で「<strong>東洋</strong>」を意味する。「この日本からヨーロッパ水準の高品質なワインを」という想いから名付けられた。「勝沼のローカルな風土を大切にしながら世界を目指すワイン造り」それがロリアンワインのスピリットだ。</p>



<p>「ここに来て実際にブドウ畑を見てもらい、この風土を肌で感じてもらえたら、きっと私たちのワイン造りを理解してもらえる」ブドウの垣根が一面に広がる畑に立ち、内田さんは穏やかに語る。大切にしているのは「病気がなく健全に育ったブドウ」であること。畝の間隔を広くゆったりと空けることで風通しが良くなり、地面からの湿気や病害虫対策として、ブドウが実る位置を高めに設定している。</p>



<p>手入れが行き届いた畑には、陽が傾き始めると風が出てくるという。甲州市の東側、笹子峠から局地的に吹きつける「<strong>笹子おろし</strong>」という強い風のおかげで空気の流れが良くなり、ブドウが健やかに保たれる。「まさに果樹栽培に最適な場所。私たちのワインにはこの景色や空気感全てがギュッとボトリングされている」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本生まれの土着品種への想い</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b.jpg" alt="" class="wp-image-42114" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><strong>甲州</strong>と<strong>マスカット・ベリーA</strong>をはじめ、<strong>デラウェア、アジロンダック、メルロー、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド</strong>など、欧州系品種の自社栽培にも取り組むが、日本の土着品種である甲州とマスカット・ベリーAに対する内田さんの想い入れは強い。</p>



<p>「畑では一番元気な品種だけど、ワインになると日本人と同様におとなしくて謙虚。奥ゆかしさと品がある大和撫子のよう」と甲州を表現する内田さん。マスカット・ベリーAについても「欧州系品種と違って、まさに健康第一。畑で元気にこぴっと（甲州弁で「しっかりと」の意）成長してくれる」と微笑む。シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンのような華やかさのある品種ではないかもしれないが「品種の良し悪しではなく、それがブドウの個性。その違いが明確にワインに現れるから面白い」と語る。「日本の品種である甲州とマスカット・ベリーAで造ったワインが業界一良いお酒だねと言われるのが今の目標だし、日本で生まれた改良品種が100年後にこの産地に存在し、より華やかで重厚なワインが生まれたらいい」。</p>



<h3 class="wp-block-heading">愛すべき産地を次世代へつないでいく</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693.jpg" alt="" class="wp-image-42115" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>白百合醸造では自社栽培のブドウだけでは生産量が足りないため、原料の約7割を契約農家から仕入れている。「ワイン造りは農家ありき」という内田さんは契約農家と密にコミュニケーションをとり、顔の見える良好な関係を築いている。「周辺の栽培農家を信頼しているからこそワイン造りができる。それが小さなファミリーワイナリーの良さ」。しかし、生産者の高齢化や生食用品種への改植により醸造用ブドウの生産量は減少しており、自社畑を増やして対応しているが「畑の半分でも3分の1でも片隅でもいい、例えブドウの樹1本でもいい、ワイン用品種を失うことのないように栽培を続けてほしい。これまで受け継がれてきた日本の品種をこの地域で守り、後世に残していかなければならない」と切実に訴える。伝統を守り、自分たちの産地を愛し、ブドウを取り巻くこの環境全てを後世へとつないでいくことーフランスで学んできた<strong>テロワール</strong>の精神は、内田さんの中に息づいている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本のワインは大切な日本の文化</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/63911977daa06be05c98a16359b25f6a.jpg" alt="" class="wp-image-42116" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/63911977daa06be05c98a16359b25f6a.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/63911977daa06be05c98a16359b25f6a-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/63911977daa06be05c98a16359b25f6a-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>醸造においては「ブドウのクオリティが高いので、あとは清潔に丁寧に熟成させるだけ」と説明する内田さん。これまで国内外のコンクールで数々の受賞歴があるが、笛吹市一宮町の<strong>中川君春</strong>さんが育てた甲州で醸造した「<strong>L&#8217;Orient 甲州Vigne de Nakagawa 2021</strong>」が2023年5月の<strong>先進7ヵ国会議（G7広島サミット）</strong>で各国の首脳に提供されたことは大きな喜びだった。山梨固有の甲州種を使った銘柄が日本を代表するワインとして紹介されたことは、毎年丹精込めてブドウを栽培している生産者にとって大きな励みになっている。また、和食に合うワインとして提供されたことで、甲州ワインの認知度や注目度が高まっており、「日本ワインは日本の文化として海外に届けていきたい」と内田さんは力強く語る。</p>



<p>ワイン造りに力を入れる傍ら、2004（平成16）年にはイタリアから<strong>蒸留機</strong>を仕入れ、イタリア伝統の<strong>蒸留酒「グラッパ」</strong>の生産・販売を開始。甲州やマスカット・ベリーAの果皮を原料に、<strong>減圧蒸留方式</strong>で製造するため、雑味がなくクリーンでマイルドな口当たりとやわらかな香りが楽しめる。希少な国産グラッパは「<strong>内田葡萄焼酒</strong>」と名付けられ、今ではロリアンワインに並ぶ看板商品となっている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">地域に根ざしたオープンなワイナリー</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/962f3c9ea0588bf71928f7d760c59200.jpg" alt="" class="wp-image-42117" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/962f3c9ea0588bf71928f7d760c59200.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/962f3c9ea0588bf71928f7d760c59200-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/962f3c9ea0588bf71928f7d760c59200-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>多くの人にワイナリーに足を運んでもらい、圃場や醸造所を実際に見て、五感で楽しんでもらうことが重要だと考える内田さんは、山梨県内でいち早く畑や醸造所の見学を可能にし、<strong>農作業体験</strong>を受け入れたり、<strong>スペシャルワインツアー</strong>を開催。<strong>ワインのボトル詰め</strong>や<strong>オリジナルラベル作り</strong>体験も実施し、家族やグループでワインに親しみ、ワイワイ楽しい時間を過ごせるようなオープンなワイナリーとして歴史を刻んできた。</p>



<p>幅広い世代に門戸を広げるのも、国民がもっと日本ワインを愛し、積極的に飲んでほしいと願っているから。そして、ワインが地域文化を築き上げた重要な伝統産業であることを常々実感している内田さんだからこそ、「この郷土に誇りをもつこと。『地産地消』の言葉の通り、日本人にはもっと日本ワインを飲んでほしい」と、その言葉に力がこもる。</p>



<p>高品質なワインを造りながら、地域に愛され育まれてきた葡萄酒文化を受け継いできた白百合醸造。これからもその情熱を絶やすことなく、勝沼という産地を守りながらワインの魅力を伝えるファミリーワイナリーとして挑戦し続ける。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42111/">オープンなファミリーワイナリーを実現した「白百合醸造株式会社」／山梨県甲州市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>フランスの伝統製法を日本で体現する池野美映さん「ドメーヌ ミエ･イケノ」／山梨県北杜市</title>
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		<pubDate>Tue, 09 Jan 2024 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ぶどう]]></category>
		<category><![CDATA[ブドウ畑]]></category>
		<category><![CDATA[山梨県]]></category>
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		<category><![CDATA[甲州ワイン]]></category>
		<category><![CDATA[日本ワイン]]></category>
		<category><![CDATA[ブドウ]]></category>
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		<category><![CDATA[ワイナリー]]></category>
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		<category><![CDATA[ワイン]]></category>
		<category><![CDATA[フランス国家資格ワイン醸造士]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/top.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>豊かな自然環境と日本一の日照時間に恵まれた八ヶ岳南麓。ブドウ栽培に最適な気象条件を求めて続々とワイナリーが増えている山梨県北杜市に、2011年に醸造所「ドメーヌ　ミエ･イケノ」を構えた池野美映さん。思わず深呼吸したくなる [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/top.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>豊かな自然環境と日本一の日照時間に恵まれた<strong>八ヶ岳南麓</strong>。ブドウ栽培に最適な気象条件を求めて続々とワイナリーが増えている<strong>山梨県北杜市</strong>に、2011年に醸造所<strong>「<a href="https://www.mieikeno.com" title="">ドメーヌ　ミエ･イケノ</a>」</strong>を構えた<strong>池野美映</strong>さん。思わず深呼吸したくなるような開放感抜群のロケーションに魅せられた池野さんが造り出すワインとは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">心穏やかにブドウと向き合える場所</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export14-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39814" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export14-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export14-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export14-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export14.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>どこまでも続く澄んだ青空の下、丘一面に広がるブドウ畑には、太陽の光をたっぷり浴びて育ったたくさんのブドウが収穫の時を待つ。大粒で張りがあり、大地の力が漲るかのようなブドウを優しい眼差しで見つめる池野美映さんは「自社畑100％のブドウで高品質なワインを造りたい」と、2007年に<strong>北杜市小淵沢町</strong>の畑に6300本の苗木を植えた。4年後、ブドウの樹にようやく小さな房がつき始めたのを機に、ワイナリー「ドメーヌ　ミエ･イケノ」を建てた。<strong>「ドメーヌ」</strong>とは<strong>フランスのブルゴーニュ地方</strong>で使われている言葉で、ブドウの栽培から醸造、販売までを一貫して行う生産者を指す。</p>



<p>醸造所の目の前には空へと伸びるようなブドウの垣根、その先には南アルプスがそびえる。圃場からは八ヶ岳や秩父連山、富士山、晴れた日には北アルプスまで、ぐるりと360度日本の名峰が望め、時には眼下に雲海が広がることも。「この場所が一番自分にフィットした。心が落ち着くし、ここならブドウを丁寧に扱えると確信した」と池野さんは微笑む。</p>



<p>耕作放棄地を開墾してできた3.6haの畑は、標高約750mで水はけの良い火山灰土壌の傾斜地。国内でトップクラスの晴天率を誇る八ヶ岳南麓のこの地区は、山から吹き抜ける<strong>「八ヶ岳おろし」</strong>のおかげで空気の流れが良く、たっぷりと陽光が降り注ぐ。日照時間が長いためブドウが健全に育ち、雨量が少なくて昼夜の寒暖差が大きいため、果実の味わいが濃厚になり糖度も上がる。全て<strong>垣根仕立て</strong>にするのも「1本の樹に実る房の数が制限されるので、棚栽培より果実の凝縮感が生まれる」という。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export35-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39817" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export35-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export35-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export35-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export35.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>樹が育ちやすいふかふかの<strong>団粒土壌</strong>にするべく、除草剤は使わずに<strong>草生栽培</strong>でこまめな草刈りを行う。もちろん化学肥料も不使用。山梨県馬術競技場をはじめ、乗馬クラブや牧場が点在し<strong>「馬の街」</strong>として知られる小淵沢町。手に入りやすい馬糞を堆肥に利用し、土壌中の微生物がより活発になるよう、秋になれば施肥をする。健やかにのびのびとブドウの樹が根を伸ばせるような環境づくりを心がけている。</p>



<p>栽培しているのは、池野さんが心底惚れ込んでいる<strong>シャルドネ、ピノ･ノワール、メルロー</strong>の３品種のみ。泥のはね返りや湿気から守るために果実の位置を高めに仕立て、腐敗や病気の予防策に手作りの<strong>レインプロテクション</strong>を取り付けた。手作りの雨除けは小さいながらも抜群の効果を発揮している。</p>



<p>収穫前にはこまめに実をチェックし、傷んだ粒は一つひとつ手作業で取り除いて綺麗な果実のみを使用する。「この土地の気候に合わせて、次は何をするべきかをその都度即座に判断して行動していく。毎年その繰り返しです」。常に感覚を研ぎ澄ましてブドウの状態を観察している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ブルゴーニュの伝統製法に忠実に</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export2-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39818" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export2-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export2-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export2.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>もともと雑誌の編集者をしていた池野さんは「私が大好きな自然と人と文化、その3つが合わさったのが自分の中ではワインだった。ワインは国や造り手によってその思想や個性が変わる難しい文化だけど、あえてそこに挑戦したいと思った」と語る。2005年に<strong>フランス国立モンペリエ大学薬学部</strong>を卒業後、日本国内で7人目となる<strong>フランス国家資格ワイン醸造士</strong>を取得し、<strong>ブルゴーニュ</strong>での勤務経験を経て帰国、<strong>株式会社レ･パ･デュ･シャ</strong>を設立した。欧州やアジアの国際ワインコンクールの審査員を務めている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="940" height="627" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/image.png" alt="" class="wp-image-39819" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/image.png 940w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/image-300x200.png 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/image-768x512.png 768w" sizes="(max-width: 940px) 100vw, 940px" /></figure>



<p> </p>



<p>凛とした美しいワインを日本で造り出したいー池野さんが創業当時から抱く揺るぎない想い。創業当時はフランスで当たり前のように使われている醸造器具が国内では手に入りにくく苦労したが、創意工夫でつくり上げた醸造所は、ブルゴーニュで昔から自然に行われてきたワインに負担をかけない<strong>グラビティフローシステム</strong>を採用。機械を使わず重力を利用して果汁を落としていく方法は、ブドウの個性を損なわずに品質を保持しながら醸造できる上、常にブドウを優しく丁寧に扱う池野さんの理念に合致していた。一般的にタンク投入後の作業はポンプを使うことが多いが、池野さんは最後のボトリングまでグラビティフローで行う世界でも稀な方法をとる。</p>



<p>衛生管理を徹底しながら、ブドウ本来のポテンシャルを引き出せるように手を加えるべきタイミングを見極める。「人工的なことをなるべく減らし、ブルゴーニュの古式ゆかしい製法を再現したかった」と語る。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export8-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39822" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export8-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export8-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export8-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export8.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>その製法は3品種ともしっかり樽で寝かせる長期熟成のワイン造り。特にピノ･ノワールとメルローは2～3年は樽熟成を行う。<strong>ブルゴーニュの伝統的な手法</strong>に忠実なのも「伝統は裏切らないから」ときっぱり。脈々と受け継がれてきた伝統製法は大勢の人の手によって築き上げられてきたもの、現代まで続いているのはその伝統が間違っていないからーと池野さんは信じている。「私のやり方は300年前のような古い製法だけれど、全身全霊をかけて受け継がれてきた伝統や先人の知恵を私もつないでいきたい」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">記憶を呼び起こすような寄り添うワインを</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export66-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39825" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export66-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export66-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export66-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export66.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>ワイナリー設立当初は「凛とした優雅なワイン」を目指していたという池野さん。しかし長年ワイン造りに携わる中で、価値観や向き合い方が変化してきた今は「身体にそっと寄り添って馴染んでいくような、1日の最後に飲んだ時、ふッと力が抜けてリラックスしたり安心できるようなワインになれば」と話す。</p>



<p>醸造家･池野美映が前面に出るのではなく、「ワインが自然に語りかけてくれたらいい」と願う。その年の天候や自然環境がギュッとボトリングされて、その年を想起させるような味わいに仕上がる。「このワインをきっかけにその年にあったことを大切な人と語り合えたり、思い出の1ページにブックマークができるようなワインになれたら素敵ですね」。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ナイトハーベストから生まれた「月香」</h3>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39826" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export15.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>今はしっかりと隅々まで手をかけられるようにこの一枚の畑を大切に管理したいという池野さん。時にはヘッドライトを付けて深夜にシャルドネを収穫する「ナイトハーベスト」を実施することも。ブドウは日光に当たると糖度や酸度が落ちてしまうため、夜間の気温が低い時間帯に収穫することで糖や酸、香りを保持できる。</p>



<p>真夜中に収穫したシャルドネを使った銘柄<strong>「月香」</strong>は、凝縮されたフレッシュな香りと透明感のある酸が持ち味のふくよかなワインに。一方、昼間に収穫したシャルドネはより厚みのあるリッチで優雅な味わいに仕上がり、収穫時間の違いはワインの味に明確に表れるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">誰もが笑顔になれる憩いの場に</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export47-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39827" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export47-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export47-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export47-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/01/export47.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p> </p>



<p>ブドウを植樹し始めてからの16年を振り返り「とても楽しかった」と笑顔を見せる池野さん。海外からのオファーに応えようと、今年はニューヨークと香港への出荷を開始、ミシュランの星付きレストランへのオンリストも始まった。精力的にワイン造りに取り組み、無我夢中で目の前の課題を乗り越えてきた池野さんは「これまでストイックにやってきたから、これから年齢を重ねるにつれてもっと大勢の人と楽しく過ごせる場を構築して、みんなが笑顔になれるような環境をつくっていきたい」とこの先を見据える。</p>



<p>ワインは造り手の状態によって味が大きく変化するという。ワイン<strong>「Mie Ikeno」</strong>には、八ヶ岳南麓の清々しい空気感とどこまでも穏やかな池野さんの人柄が表れている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/39807/">フランスの伝統製法を日本で体現する池野美映さん「ドメーヌ ミエ･イケノ」／山梨県北杜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>日本ワインの発展に貢献した平山繁之さんが新たな歴史を紡ぐ場所「98WINEs」／山梨県甲州市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 18 Dec 2023 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export1-1-1024x683-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>大小様々な個性派ワイナリーがひしめく山梨県甲州市。その数は45軒にも及ぶ。甲府盆地の東部に位置する甲州市の中でも北部の塩山福生里（えんざんふくおり）には、急勾配の山間地にぶどう畑が広がり、富士山を望む眺望抜群のワイナリー [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export1-1-1024x683-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>大小様々な個性派ワイナリーがひしめく<strong>山梨県甲州市</strong>。その数は45軒にも及ぶ。甲府盆地の東部に位置する甲州市の中でも北部の<strong>塩山福生里（えんざんふくおり）</strong>には、急勾配の山間地にぶどう畑が広がり、富士山を望む眺望抜群のワイナリーが建つ。<strong>日本ワイン</strong>誕生の地･山梨で、<strong>醸造家の平山繁之</strong>さんの個性が突出する斬新なワインに出会った。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本ワインの進化とともに</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export5-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39680" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export5-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export5-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export5-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export5.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>神奈川県横浜市出身の平山さんが山梨にやってきたのは25歳の時。大手酒造メーカーの勝沼工場に赴任したことでワインの世界に足を踏み入れ「こんなにおもしろい世界はないと思った」と当時を振り返る。30歳でフランスのブルゴーニュに留学し、小さなワイナリーの営みを間近で見た平山さんが抱いたのは、「自分のワイナリーを持ってワイン造りをしたい。そして世界に通用する日本ワインを造る」という壮大な夢。当時はワイン醸造の免許の新規申請ができず、実現不可能な時代だったものの、ワインへの熱い想いと飽くなき探究心が平山さんを突き動かし、山梨県内のワイナリーで長年醸造責任者を務めた。</p>



<p>シャルドネやメルローなどヨーロッパ系品種を栽培し、ワイン先進地の技術をひたすら追い続けてきたが、「模倣するだけでは日本はワインの産地にならない」と思い始めた1980年代後半、長野県産メルローのワインが国際ワインコンクールで大金賞に輝いたのを機に、日本ワインが大きな進化を遂げて世界のコンクールで脚光を浴びていく時代に突入する。日本が産地として世界に認められるようになるのと同時に、平山さんは改めて<strong>土着品種</strong>に目を向けた。国内で受け継がれてきた品種に無限の可能性を見い出し「この地に根づいた品種、菌、温度、風など、この風土こそがワインを生み出す」と考え、甲州市の自然環境や大地を活かしたワイン造りへとシフトしていく。</p>



<p>そして、60歳という節目を迎えてそれまでのキャリアから解放された時、ワイン業界に貢献したいとコンサルタント事業を立ち上げた平山さんは、酒造免許申請の緩和や共同設立者の協力もあり、30代の時に抱いた夢の実現へと動き出す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">日本固有の品種に着目</h3>



<p>2018年6月に構えたワイナリー<strong>「98WINEs」</strong>には、それまでに培われた知識と技術、経験に裏打ちされた独自のセオリー、その全てを落とし込んだ。標高650mの土地の気候や自然条件に適合した品種を植える「適地適作」の概念から、選んだのは新潟県原産の<strong>「マスカット･ベーリーA」</strong>と山梨県固有品種<strong>「甲州」</strong>の2種類のみ。特に甲州は「とてもアロマティックなブドウで酸の豊かさが魅力。後味に残る苦みがキレの良いワインを造る」と高く評価する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ブドウ本来の力を発揮させる工程</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export20-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39683" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export20-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export20-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export20-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export20.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>収穫してきた山積みのマスカット･ベーリーAは、茎の部分である「梗（こう）」を取り除く「除梗（じょこう）」という工程を行わない。そのまま樽に入れて足で踏み潰して全房発酵させるのだ。なんとも原始的な方法に驚くが、「全房仕込みをすることにより、マスカット･ベーリーA特有のイチゴのフレーバーが経験的に削減されると思っているから」という平山さん。潰したブドウは桶に移して日中は屋外で1日3回程度かき混ぜながら日光に当て、夜間は蔵の中で静かに眠らせる。果汁があふれ炭酸ガスが発生しているブドウは、まるで生きているかのような息づかいが感じられる。この作業を3週間繰り返してから樽で熟成させるのだ。<br>もちろん甲州も除梗せず房ごと潰し、果汁を絞ってそのままタンクに入れる。梗がフィルターの役割をするので、圧搾時の果汁の清澄度が高くなる。「果汁の発酵時における甲州由来の香気成分が豊かにできる」と平山さんは語る。固形物を沈殿させてそのまま発酵させた後、濾過せずに上澄みだけをダイレクトに瓶に詰める。</p>



<p>また、ロゼワインは赤ワイン用品種だけで造られるのが一般的だが、マスカット･ベーリーAから醸造した赤ワインに甲州ブドウを足して、再度発酵させる<strong>「二段仕込み」</strong>の手順を踏む。収穫時期の異なる2品種を使った<strong>「混醸法」</strong>は、まさにこの場所だからこそ実現できた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">自然に寄り添い大地の声を聴くワイン造り</h2>



<p>余計な工程を削ぎ落として、ごくシンプルな醸造方法を突き詰めた平山さん。果実やワインにストレスをかけないようにと、機械ではなく自然の高低差による重力を活かした<strong>グラビティ･フロー</strong>を採用し、ブドウの繊細な個性を損なうことなく優しく丁寧に扱う。安全面や衛生面での管理を徹底しつつ、化学的なものは極力排除して自然の流れに任せている。</p>



<p>時には発酵過程で少し温度変化を加えたり、絞る量を微調整するものの「その年の温度や気象によって味が変化してもワインは許される」ときっぱり。クリアで繊細さを感じられるワインには、優しくも潔い平山さんの人柄が表れているのだろう。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export25-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39686" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export25-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export25-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export25-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export25.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>「98WINEs」では、日常の食卓に寄り添うシリーズ<strong>「霜（SOU）」</strong>、長期熟成によって華やかさと長い余韻を楽しめる<strong>「穀（KOKU）」</strong>、そして「甲州とマスカット･ベーリーAという品種の面白さにチャレンジした」という<strong>「芒（NOGI）」</strong>のラインアップを用意。<strong>「芒（NOGI）」</strong>は同社の個性が最も表現されたシリーズで、特にロゼはマスカット･ベーリーAのチャーミングな香りを引き出したワインに仕上がっている。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="683" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/017-231128-_I2A0521-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-39687" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/017-231128-_I2A0521-1024x683.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/017-231128-_I2A0521-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/017-231128-_I2A0521-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/017-231128-_I2A0521.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>醸造所の隣にはワインの試飲や販売を行う店舗「木の棟」があり、ここをハブとしてこの地を訪れるたくさんの人と交流したいと考えている平山さん。今年、ワイン観光に取り組む世界最高のワイナリーを選ぶ<strong>「ワールズ･ベスト･ヴィンヤード2023」</strong>にも選ばれた。この「98WINEs」こそ醸造家としての集大成かと思いきや、「私たちだけじゃ100になれない。いろいろな人に支えられ、コラボレーションして、100になって、200、いや300を目指したい」と微笑む。国産ワインの歴史とともに人生を歩み、日本ワイン界を牽引してきたにも関わらずどこまでも謙虚な平山さんだが、その目はすでに次の時代を見据えている。ワイン造りを次世代に託すことを視野に入れながら、土着品種が生み出すワインの新たな可能性を追求している。</p>



<h3 class="wp-block-heading">作り手の技術が生み出す個性派ビール</h3>



<p>ワインと同じくらいビールが大好きだと明言する平山さんは、2022年にブルワリー<strong>「98BEERs」</strong>を福生里集落の最奥の地にオープンした。「ビールは技術の酒だからこそ、日本人の性に合っている」と、保育園の保養所だった建物をリノベーションして、1階にクラフトビールの醸造所、2階に宿泊施設<strong>「Stay366」</strong>を設けた。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export42-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39690" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export42-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export42-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export42-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export42.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>ビールの醸造に関しては、ブルワーの<strong>宮嵜尚文</strong>さんに一任。目指したのは「食事に合わせやすいビール」だ。苦みだけでなく、麦の甘みや旨み、酵母といった様々な要素の調和が楽しめる「麦の酒」の良さを全面に打ち出して、ホップを重視するクラフトビールとの差別化を図った。この地域の軟水のおかげで柔らかい口当たりに仕上がるのも特長で、ホップの苦味より全体のスムーズさを考えて造られたまろやかさは秀逸だ。</p>



<p>さらに、ベルギーの伝統的な製法を用いてシャンパンボトルで瓶内2次発酵させたり、地元産の果物や枯露柿（ころがき）、庭で育ったハーブなどの身近な食材を積極的に活用したり、ビール醸造においてもチャレンジ精神旺盛だ。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export47-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-39693" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export47-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export47-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export47-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/12/export47.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>オーソドックスな定番シリーズ<strong>「九八」</strong>をはじめ、梅や柚子などの果実を取り入れたセカンドシリーズの<strong>「叙景」</strong>、長期熟成によって味の深みと重厚さを醸し出したハイクラス<strong>「四方」</strong>とバリエーション豊富で、<strong>山梨県北杜市産小麦「ゆめかおり」</strong>を使ったフルーティーな<strong>「サマーケルシュ」</strong>やハーブや木の実が香る<strong>「ガーデン」</strong>も登場。オリジナルを極めたビールは、それぞれの香りや味わいが新鮮で楽しく、ワインと共にテイスティングすることで味覚の相乗効果もあるという。</p>



<p>「流行りに左右されず、ワイナリーとブルワリーが連携しながら、この場所でしか表現できないものを突き詰めていきたい」と語る平山さん。ワインとビールのコラボレーションにより、その可能性は無限に広がっていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/39670/">日本ワインの発展に貢献した平山繁之さんが新たな歴史を紡ぐ場所「98WINEs」／山梨県甲州市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>土地の歴史や個性を味へと昇華する東北最古のワイナリー「有限会社酒井ワイナリー」/山形県南陽市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 25 Jul 2023 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/top-4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>ワインの製造で100年以上の歴史を持つ「有限会社酒井ワイナリー」。明治期に南陽市赤湯の地でぶどう畑を開墾し醸造を始めて以来、ろ過機を使わないノンフィルター製法や、この土地に存在する自然酵母や微生物を利用した昔ながらのワイ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/top-4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>ワインの製造で100年以上の歴史を持つ「有限会社酒井ワイナリー」。明治期に南陽市赤湯の地でぶどう畑を開墾し醸造を始めて以来、ろ過機を使わないノンフィルター製法や、この土地に存在する自然酵母や微生物を利用した昔ながらのワインづくりをする傍ら、複数種のワインをブレンドした「まぜこぜワイン」など、斬新な取り組みも行っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">酒井ワイナリーのあゆみ</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-001-1024x681.jpg" alt="" class="wp-image-37962" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-001-1024x681.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-001-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-001-768x511.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-001.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>山形県南東部に位置する南陽市は、盆地特有の昼夜の寒暖差や丘陵地の水はけのよさなどから江戸の頃よりぶどう栽培が行われ、特に南陽市赤湯産のデラウェア品種は糖度日本一と言われるほど、品質の良いぶどうが育つことでも知られる。また、赤湯は開湯930年以上の歴史を持つ温泉地としても有名。平安時代後期から現在に至るまで、訪れる多くの人を癒している。<br></p>



<p>そんな南陽市は、小規模なワイナリーが集うワインの生産地でもある。じつに、<strong>山形県内に18か所あるワイナリーのうち6つが南陽市に存在しており、</strong>その中のひとつ、醸造所とショップを併設する<strong>「有限会社酒井ワイナリー」</strong>は100年以上の歴史を持つ老舗のワイナリーだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">すべてはぶどう畑の開墾から始まった</h3>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-037-1024x681.jpg" alt="" class="wp-image-37963" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-037-1024x681.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-037-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-037-768x511.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-037.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>1892年に創業し、<strong>東北最古のワイナリーでもある酒井ワイナリー</strong>。代々酒井家が営んできた醸造会社であるが、ワイン製造のきっかけとなったのは創業以前の1887年。山形県の初代県令が果樹栽培を推進したことにより、酒井家十六代目当主であった酒井弥惣（やそう）氏がぶどう畑を開墾したことに始まる。</p>



<p>ぶどう栽培を始めたころの酒井家は温泉旅館業も営んでおり、宿泊業のかたわら5年の月日をかけてぶどうを育て、1892年からはワインの醸造を開始した。当初は観光客向けの商品が主で、 甘口のポートワインでないと売れなかったという。また、終戦後は日本酒が好んで飲まれ、ワインの販売数は伸び悩んだ。しかしワイナリーの四代目であった酒井又平氏の頃、食卓への洋食の浸透や、いわゆる「イタメシブーム」も手伝って、ついにワインが脚光を浴びることとなる。そして2004年、酒井家二十代目当主であり、現在酒井ワイナリーの代表をつとめる酒井一平さんが東京農業大学で醸造学を修め、山形にUターンをしたタイミングで代替わりをした。</p>



<p>「以前は個人向け販売が9割を占めていたが、現在は個人が3割で酒販店や飲食店が7割。また最近の傾向としてはは輸出が増え、東南アジアや、アメリカ、スウェーデンなどでも流通している」と酒井さん。そんなところからもワインに対する時代の変化を感じ取っているという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">土地に合った自然農法</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-017-1024x681.jpg" alt="" class="wp-image-37966" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-017-1024x681.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-017-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-017-768x511.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-017.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>酒井ワイナリーの自社畑は、現在では赤湯の地に15か所ほど。一番近いもので、ワイナリーから車で5分程度のところにあるという。しかし、酒井さんがUターンをした2004年当時は1か所のみ。それも、立つことが困難なほどの急斜面にあったこともあり、耕作放棄地になっていたのだとか。赤湯のぶどう畑は他も似たような地形のため、<strong>少子高齢化によって畑の維持が困難となり、同じように耕作放棄された土地も出てきていた。</strong></p>



<p>そのような土地を買い取り、自社畑を増やしていった酒井ワイナリーは、今ではさまざまな品種を栽培している。そのラインナップは甲州、デラウェア、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、マルベックなど、昔からある品種から近代になって開発された品種まで幅広い。その理由は、気候変動に耐えられるぶどうを目指して色々な種類を取り入れているから。というのも、近年、山形県では酷暑と言えるほど夏場の気温が上がっており、収穫時期が早まる、畑によってはぶどうの病気が蔓延し全く収穫できないことがあるなど、深刻な問題が出てきているから。</p>



<p>「気候が変われば植生が変わるのは当たり前。気候変動を受け入れたうえで、個性的といえるワインをつくりたい」と、酒井さん。</p>



<p>そんな酒井ワイナリーのユニークな試みは、<strong>現代の技術を以て100年前の農家のやり方を再現すること</strong>。そのひとつが、<strong>自社畑にいる羊</strong>だという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">自社畑に拡がる小さな生態系</h3>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-026-1024x681.jpg" alt="" class="wp-image-37969" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-026-1024x681.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-026-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-026-768x511.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-026.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>2004年に酒井ワイナリーの代表に就いた後、2007年頃から様々な勉強会に出席。それまで自社で使っていた<strong>化学系殺虫剤の使用をやめ、無農薬栽培に切り替えた</strong>。それは、ぶどうが無理せずその土地で生き、無理せずにワインになるという流れを作るため。その一環としてさらに取り入れたのが羊だという。</p>



<p>羊の役割は、<strong>除草と堆肥</strong>。急斜面の自社畑には機械が入れないため、草や絞ったぶどうの滓を食む羊が除草の役割を担っている。加えて、雪解け水が土の中の栄養を流してしまう丘陵地の難点を、羊のフンが堆肥となることで補っている。</p>



<p>雑草やワイナリーから出たぶどうの搾りかすを食べた羊が排出するフンが畑に栄養を与え、ぶどうが育つ。それはまさに、<strong>ぶどう畑とワイナリーをスムーズに結びつける小さな生態サイクル</strong>だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">無濾過へのこだわり</h3>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-028-1024x681.jpg" alt="" class="wp-image-37972" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-028-1024x681.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-028-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-028-768x511.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-028.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>羊以外にも、酒井ワイナリーがこだわっていることがある。それが、<strong>土地に根差した昔ながらの製法を続けている</strong>ということ。<br></p>



<p>例えば道具。赤湯の栗の木で作られた「かい入れ棒」や木製の樽は、昔のものをそのまま使っているという。ずっと使い続けることでその蔵の酵母がつき、ワインに個性を与えるのだとか。また、琺瑯（ほうろう）製のタンクも、味に深みが出るため70年ほど使い続けているそうだ。</p>



<p>また、創業当時から続けているのが<strong>ノンフィルター製法</strong>。フィルター機材を使わず、ワインの澱（おり）が自然にタンク内で沈殿するのを待ち、その後上澄みをすくってさらに沈殿を待つ。これを繰り返し、最後は澱とともに日本酒の一升瓶を使って熟成させる。「タンクで貯蔵するより、一升瓶の方が底面積が広くなるため、澱とワインが触れやすくなる」のが、一升瓶を使う理由だそう。非常に手間がかかるが、澱は発酵を終えた酵母。澱が作り出す旨味はその土地の個性をワインに与えるため、酒井ワイナリーではこの製法をずっと続けている。</p>



<p>加えて、<strong>3年ほど前からは完全に野生酵母だけを使って醸造をしている</strong>という。野生酵母とは、ブドウの皮などに元々付着している自然のもの。いわば、その土地に根差した酵母だ。戦後から酒井さんの父である先代までは乾燥酵母がなかったため、必然的に野生酵母を使ったワインづくりを行っていたものの、酒井さんに代替わりした頃は世の中に普及していた乾燥酵母を使って仕込んでいた。しかし10年以上前、ちょうど無農薬栽培に切り替えた頃と時を同じくして再度野生酵母に戻す取り組みを開始。今では、ワイン造りの原点ともいえる野生酵母のみを使った醸造を行っている。</p>



<p>最新の技術はもちろん優れているが、それだけでは個性が生まれない。昔は自然任せだった手法を現代の技術で再現できるようになったため、それを利用することで良い意味で隙のある、<strong>赤湯という土地ならではの文化や個性がワインに反映される</strong>ようになったという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">赤湯の魅力が詰まった銘柄</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-004-1024x681.jpg" alt="" class="wp-image-37975" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-004-1024x681.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-004-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-004-768x511.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-004.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>様々な品種のぶどうを栽培する酒井ワイナリーは、醸造するワインも多岐にわたる。また、その名称も興味深い。「バーダップワイン（BIRD UP）」は、ワイナリー創業者の酒井弥惣がぶどうを植えた「鳥上坂（とりあげざか）」の地名を英語に訳したもの。「雨狸（あめだぬき）」は「雨霊沢（うるいざわ）」と「狸沢（むじなざわ）」にある自社畑でとれたぶどうを使っていることから名づけられた。土地の名前がついているのは、<strong>どの畑でとれたぶどうを使ったワインなのかという特徴がわかるように</strong>、との思いからだという。</p>



<p>多くの銘柄がある中で最初の1本におすすめと酒井さんが薦めるのは、<strong>「小姫（こひめ）」</strong>。可愛らしいその名前は、地元の農家が使っていたデラウェアの呼称。かつてデラウェアを使ったワインが人気となり農家が潤ったため、姫という呼び名を付けて親しんだのだとか。</p>



<p>また、名前もさることながら製法もユニークなのが「まぜこぜワイン」。品種も収穫年もコントロールせずに樽に入れて熟成させたワインだ。どの品種が何パーセント含まれているかがわからないため、逆に土地が持つ香りが強く出るのだとか。</p>



<p>さらに、赤・白・ロゼに続く4番目のカテゴリーとして近年認知度が高まっているオレンジワインにも挑戦。日本人の口に合い手に入りやすいものの、山形では100年以上甘口ワインでしか使われていなかったデラウェアを用い、辛口に仕上げた。白ワインを赤ワインの製法で作るというオレンジワインには、今までの白ワインでは引き出せなかった魅力があり、これから進化する可能性を感じていると酒井さんは語る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ゆるがない存在を目指して</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="681" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-008-1024x681.jpg" alt="" class="wp-image-37978" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-008-1024x681.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-008-300x199.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-008-768x511.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/07/20230207-3-008.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>赤湯の地で、100年以上にわたってワイン製造に代々従事してきた酒井家。今後目指すのは、<strong>「揺るがない存在になること」</strong>だそう。</p>



<p>自分たちの生きる土地にしがみつき、畑や周辺環境を俯瞰してぶどうの力を借り、ワインを作る。この土地でやり続けることに意味があるため、他の人と比較しても仕方がないと酒井さんは考えている。実際のところ、100年以上続く酒井ワイナリーは、世界大戦すら乗り越えた。そのように、<strong>外の事象に影響されないワイナリーでありたい</strong>という。</p>



<p>個人的には、今やっとスタート地点に立ったと感じているという酒井さん。気候変動という新たな問題への対策、羊以外にもこの地に昔からいたであろう動物を畑で飼うなど、やるべきこと、やりたいことは多くある。そんな中でも、<strong>「これが酒井ワイナリーのワインだ」</strong>という確信は既に持っていると語る。</p>



<p>昔ながらの製法を守りつつ新しい挑戦を続けていく酒井ワイナリーから、目が離せない。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/37958/">土地の歴史や個性を味へと昇華する東北最古のワイナリー「有限会社酒井ワイナリー」/山形県南陽市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>もっと気軽に、ワインを楽しむ。ワイナリー「農楽蔵」のこだわり/北海道函館市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/37491/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 26 Jun 2023 01:00:22 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/top-5.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「曲がって、振って、農を楽しむ野良仕事」「どこにも属さず、自分たちの理想を追い続ける」という“農楽”の哲学のもと、その土地の香りと味を感じるワインにこだわる造り手、佐々木賢さんと佳津子さん夫妻。世界の銘醸地でワインに携わ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/top-5.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「曲がって、振って、農を楽しむ野良仕事」「どこにも属さず、自分たちの理想を追い続ける」という“農楽”の哲学のもと、その土地の香りと味を感じるワインにこだわる造り手、佐々木賢さんと佳津子さん夫妻。世界の銘醸地でワインに携わってきたふたりが、醸造拠点に函館などがある道南地方を選んだ理由とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ワインを究めたブルゴーニュでの学びと出会い</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0412-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37499" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0412-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0412-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0412-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0412.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>北海道の南端にあり、国際貿易の拠点としての役割を担ってきた港町･函館。日本の玄関口として、早くから西洋文化が流入した歴史を持ち、“ハイカラ”な異国情緒を感じさせるモダンな建造物が目を引く。ワイナリー「農楽蔵（のらくら）」は、そんな函館山のふもと、観光の中心エリアである<strong>元町地区</strong>にある。<br></p>



<p>「ワイナリーといえば、ブドウ畑の隣に併設されているイメージが強いようで、市街地にあることに驚かれる方もいるんですよ。<strong>農園は函館市と隣接する北斗市文月地区</strong>にあり、函館市街の夜景が見下ろせる南向きの斜面でブドウを栽培しています」</p>



<p>こう話すのは農楽蔵（のらくら）を営む佐々木賢さん。奥様でワインづくりのパートナーでもある佳津子さんと二人三脚で気候や風土、栽培環境にこだわったワイン造りを志す「<strong>栽培家</strong>」だ。</p>



<p>函館のクラシックな風情に合わせ、和と洋の雰囲気を取り入れた<strong>ワイナリー</strong>は、もともと街の印刷所だった建物をリノベーションしたもの。「街中にワイナリーを設けたのは、たまたま縁あってのことですが、おかげでソムリエさんをはじめ、ワインに携わる方々とお話する機会を持てました。それによって私たちのワイン造りに対する想いを直接お伝えすることができ、結果的によかったかな」と賢さん。</p>



<p>室蘭市で生まれた賢さんは、幼少期から高校まで千葉で過ごした。大学進学を目指すかたわら、以前から好きだったワインのことがずっと気になっていたと話す。</p>



<p>「農業をしながらワインを造って売るという、いわゆる6次産業に興味を惹かれ、大学に行くよりもワインについて考えるほうが面白くなってしまったんです。それでフランスに渡りました」</p>



<p>フランスではブルゴーニュワインの中心地であるボーヌの醸造学校に通ったのち帰国し、山梨、栃木のワイナリーを渡り歩いた。こうしてワインを学ぶうち、農業やブドウ作りは意識して行うのではなく、<strong>生き方の中に溶け込んでいるもの</strong>だと感じた、と賢さん。そこで、感じたものが正しかったのかを確認するため、再度フランスに渡り、オーガニック農法を用いた自然派ワインの作り手であるアルザスのクリスチャン･ビネール、シャンパーニュのレクラパールなど、名だたるワイナリーでさらなる研鑽を積んだ。</p>



<p>のちにパートナーとなる佳津子さんと出会ったのもこの頃。</p>



<p>「ブルゴーニュを訪れる⽇本⼈はいましたが、皆ソムリエやショップで働きたいという人ばかり。造り手を志すのは、私たちだけでした」</p>



<p>埼玉県出身の佳津子さんの実家は兼業農家。自宅でつくったお米や野菜を食べ、梅干や漬物などは手作りのものが並ぶ家庭だったから、佳津子さんにとって発酵食品は身近な存在だった。</p>



<p>成長していくなかで発酵、特に酒に興味を持った佳津子さんは、東京農業大学農学部醸造学科に入学。卒業後は兵庫県のワイナリーで醸造を担うようになる。「お酒が造りたくてワイン業界に入ったのですが、当時の日本はワインについて学べることが少なかったので、海外で勉強して日本に戻って独⽴しようと考えました」と佳津子さん。ブルゴーニュ大学醸造学部で学び、難関資格<strong>フランス国家認定醸造技師（DNO）</strong>を取得するべく、日々勉強に明け暮れた。</p>



<p>そんな中、ワインの造り手として共通項の多い賢さんと出会い、ふたりは同志としてワインについて語りながら、お互いを高め合っていった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ブドウ造りの条件ありきの北海道、道南、そして北斗</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0458-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37502" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0458-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0458-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0458-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0458.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>いつしか自然とパートナーになったふたり。佳津子さんがDNOを取得し、賢さんも<strong>ブルゴーニュ大学認定醸造技師（DTO）</strong>などの資格を得たのち、日本に帰国し、2011年、いよいよ北斗市の<strong>文月ヴィンヤード</strong>の開園にこぎつけた。ふたりの夢をかなえる場所として北斗市を選んだ理由は自分たち好みのワインの原料となるブドウ作りが行える環境だったから。<br></p>



<p>「私たちは『味がのっている』と表現するのですが、<strong>しっかり酸味のあるワイン</strong>が好きですね。言葉で表すのは少し難しいですが、⼝に⼊れてから余韻に至るまでの間も味が出ているワインのことをそう表現しています。ワインが熟していないと中盤の味がぼんやりするんです」</p>



<p>⽇本ワインは、中盤の味が弱い傾向にあるといわれる。そこで選んだのはブルゴーニュ地方原産の白ワイン用ブドウ品種「<strong>シャルドネ</strong>」。よく知られた品種ではあるものの、ブドウそのものが放つ個性、風味が際立っているわけではなく、テロワールや造り手の個性が味に反映され、ある種、捉えどころのないブドウとしても知られている。</p>



<p>「シャルドネが私たちの好みのテイストになるような場所はどこか、という点を重視しました。特に重きを置いたのが有効積算温度です。一般的にはブドウの萌芽から収穫までの期間（北斗市では大体5月から10月頃まで）の中で、下限温度である10℃を超えた日のうち、超えた部分（10℃以上）の数値を足して計算します」</p>



<p>10℃を基準として、低すぎても高すぎてもブドウの品質に影響が出てきてしまうのだという。佐々木さん夫妻が求めるワインの味を実現する有効積算温度はだいたい1200℃で、その条件から絞ると標高が1000mの地点になる。</p>



<p>「山梨のワイナリーでも条件を満たすところはありますが、だったら自分のルーツに近い函館、北斗あたりがいいなと。それからこの辺りはほかより涼しい。寒いところでゆっくり熟すと⾃分の好みの味になると考えました。暑いとブドウの収穫を早める必要がありますから。シャルドネは、ゆっくり熟し、しっかり酸が残ってる状態で、収穫期を迎えないといけないから、涼しい秋の期間もある程度必要です」と賢さん。</p>



<p>石灰岩土壌を好むとも言われるシャルドネ。水はけのよさと豊かなミネラルを有する⽕⼭灰が積もる北斗市の畑は条件に合致している。畑の裏に控える峩朗鉱山（がろうこうざん）の石灰岩も活用し、農楽蔵ならではのテロワールをワインの味に生かすべく、環境を整えたのだという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ラベルに品種をあえて記載しない農楽蔵の哲学</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0496-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37505" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0496-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0496-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0496-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0496.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>自家農園の開園の翌年には函館市に農楽蔵を設立。3年が経った2015年には佐々木さん夫妻が手がけたブドウをまとまった量で収穫できるようになった。しかし、一方で、道南・余市町などの契約農家の高品質なブドウを使ったワインも販売している。<br></p>



<p><strong>「これぞ農楽蔵」の個性が光るノラ・シリーズ、契約農家のブドウを用いた「北海道らしさ」あふれるノラポン・シリーズ、佐々木夫妻の言う「試験ロットのキュヴェ」で自由奔放、好き放題に造るアヴァンギャルドなNora-Ken（のらけん）シリーズ</strong>などが主なラインアップ。畑仕事から醸造まで夫妻だけで行い、「納得いくもの」だけを提供するのがふたりのスタンスでもある。</p>



<p><strong>野生酵母を使い、亜硫酸（酸化防止剤）は用いない</strong>のも農楽蔵のスタイルだ。</p>



<p>「野⽣酵⺟のほうが明らかに<strong>複雑性を持った立体的な味</strong>になる。もちろん意図しない複雑性が出てしまう場合もありますが、味に深みが出るとも言えます。意図しない部分に関しては、私たち造り手が熟成期間でコントロールするのも面白いところです」と賢さん。</p>



<p>また亜硫酸に関しては、あるほうが最初のひとくち目の印象がパチンとくるというから好みの部分もあるとしつつ、亜硫酸を用いたワインのほうが食事の相性、特に魚介類との相性が悪くなるとも語る。函館という魚介の街のワインとして、致命的な欠点となりかねないと考えている。</p>



<p>さらに、<strong>ラベルに品種を載せない</strong>のも農楽蔵流。先入観を持たず、シンプルにワインを楽しんでほしいからだという。「品種は一種の記号だと思っています。もちろん品種ごとの個性はありますが、⼀番⼤事なのは“<strong> ⼟地らしさ</strong>”だから、わざわざ品種は出しません。いかに⼟地らしさを損ねず、瓶に詰めることができるかっていうのは、私たちにとっても⼤事なテーマです」</p>



<h2 class="wp-block-heading">ワインの技術を伝え、6次産業として広めていく</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="682" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0482-1024x682.jpg" alt="" class="wp-image-37506" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0482-1024x682.jpg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0482-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0482-768x512.jpg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2023/06/IMG_0482.jpg 1280w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>街中のワイナリーとして多くの人にワインの魅力を伝えることができたと語る佐々木夫妻。ただ、スペースが限られることで、瓶詰めしてから2、3ヶ月以内に出荷しなければならない苦悩を抱えてきたとも話す。<br></p>



<p>「本当はブドウの好きなように発酵してもらいたいから、やはり瓶詰めして半年ぐらいは最低でも置いておきたいんです。そうするとスペースがない。本来は熟成してこそ出る個性もあると思っています」</p>



<p>日本のワインの造り手を増やすため、技術を広めるための活動にも惜しみなく力を注いでいきたいとも続ける。</p>



<p>「理想を追い続け自分たちの納得いくものを提供するという哲学があるので、うちは数を増やさないんですけど、ワイン造りを志す⼈たちに技術を教え、ワインの数や種類を増やして行けたらなと思っているんです。例えば、10軒のワイナリーが、1種類ずつワインを造って流通するのと、1軒のワイナリーが10種類のワインを造るのは明らかに意味が異なる。前者のほうがより多様性がある」</p>



<p>実際に培った技術や知識を惜しみなく教えているし、そのほうが私は面白いと思うんですよ、と柔和な表情で話す賢さん。ワイナリー予備軍には⼟地も紹介する用意もあるという。</p>



<p>「6次産業って畜産とか農林⽔産に関することだけを意味するけれども、例えば芸術分野と組み合わせた6次産業もあっていいんじゃないかなって思っているんです。ワインとか⾷を⽂化として深いものにしていくには、⾳楽や絵を描く人とジャンルを問わずに関わって行けたら面白いんじゃないかな」</p>



<p>より良いクオリティを求め、ワイナリーの移転計画をすすめている佐々木さん夫妻。新たな移転先には、ブドウ畑とワイナリー、さらにソムリエ･⼤越基裕氏の手がけるオーベルジュも併設される予定となっている。一貫した哲学のもと、ワインを通じて人と人とがつながり、新たな世界を広げていく農楽蔵のつつましやかに、それでいて楽しく過ごすための試みが続いていく。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/37491/">もっと気軽に、ワインを楽しむ。ワイナリー「農楽蔵」のこだわり/北海道函館市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>食べて笑って、思わず「ラララ」と口ずさむ、そんな野菜を届けたい。LaLaLaFarm・服部吉弘さん/北海道ニセコ町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 03 Jan 2023 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ニセコ町]]></category>
		<category><![CDATA[ニセコ]]></category>
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		<category><![CDATA[トマト]]></category>
		<category><![CDATA[微生物]]></category>
		<category><![CDATA[北海道]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/main-14.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「ちょっと他では味わったことのないおいしさ」。とLaLaLaFarm（ラララファーム）の野菜を食べた人は皆、口を揃える。LaLaLaFarmの服部吉弘代表は、趣味のアウトドアで知ったニセコの自然にひかれて単身、未経験の農 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/main-14.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「ちょっと他では味わったことのないおいしさ」。とLaLaLaFarm（ラララファーム）の野菜を食べた人は皆、口を揃える。LaLaLaFarmの服部吉弘代表は、趣味のアウトドアで知ったニセコの自然にひかれて単身、未経験の農業に飛び込んだ。もがき苦しんで出会った「発酵」、そして野菜作りの哲学とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">寒暖差が大きいニセコでは野菜が甘くなる</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2022/12/kiji1-14.jpg" alt="" class="wp-image-31997"/></figure></div>


<p>夏のアクティビティから冬のウインタースポーツまで、多くの観光資源を有する北海道ニセコ町。リゾート地として国内はもちろん、国外の人々をも魅了し続けてきた。東側に国立公園羊蹄山、北側には国定公園ニセコアンヌプリ、南西側は昆布岳と山々に囲まれるいわゆる丘陵盆地であり、春から夏は温暖で過ごしやすい気候を持つものの、冬は季節風の影響で<strong>降雪量は2メートル</strong>に及ぶこともある。</p>



<p>そして町には東西を横切る尻別川をはじめ、数々の清流が注ぐ。多彩な気候と豊かな自然を持つニセコでは、農業も盛んに行われてきた。</p>



<p>盆地特有の気候である昼と夜の寒暖差は、野菜に甘さをもたらしてくれるのだ。この気候を生かして育んだとびっきり甘いトマトを<strong>オーガニック（自然循環栽培）</strong>で育てるのがLaLaLaFarmの服部代表だ。トマト以外にもニンジン、ジャガイモ、タマネギ、大豆など多くの品目を少しずつ育てている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">唯一無二の「高糖度」大玉トマト作り</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji2-14.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p>LaLaLaFarmで作られるトマトは大玉で<strong>オリジナルの品種であるアロイトマト</strong>をメインに中玉、ミニ品種まで含めて8種類にも及ぶ。大玉を中心に他の品種をブレンドしたトマトジュースは<strong>「とにかく甘い」</strong>と多くの人から愛される逸品だ。「ジュースには糖度8～11度のフルーツトマトを使用しています。一般的なトマトの糖度が3～4度だから、3倍の甘さになりますね」と服部代表。</p>



<p>甘いトマトを作る方法としては、水を減らすなどトマトに水分ストレスを与え、果実に水が流入するのを抑える方法が知られる。例えば土壌に塩分を含ませ、浸透圧の関係で水分を吸収しにくくするやり方もその1つだ。ただ、糖の含有量が多くなればなるほど、果実そのものは小さくなってしまう。だから一般的な「甘い」フルーツトマトは中玉やミニ品種が多い。</p>



<p>だからこそ服部代表は、<strong>「大玉で甘い」トマト</strong>にこだわっていると話す。「ミニサイズが甘くて美味しいのは当たり前ですから。<strong>僕にしかできないトマトを作りたかった</strong>」</p>



<p>そこで実が大きいまま、水分を損なわずに「甘い」トマト作りにチャレンジすることを決意した。その際に鍵となったのが土壌の微生物だったという。「トマトと相性のいい<strong>土壌の微生物</strong>、それを増やせば良いと気づいた」</p>



<p>トマトを育てる際、一度育てた土壌は入れ替えるのが一般的だ。つまり、トマトとともに土壌にすみ着いていた微生物がまるまるいなくなってしまうことを意味する。ただ、本来同じ種類の微生物はともに互いを食って循環している。服部さんは、いいトマトができたときの土壌を交換するのに違和感があったのだと話す。</p>



<p>そこで長い時間をかけて行われる土壌の分解サイクルを早めるために、<strong>「発酵」のしくみに着目</strong>した。「トマトだったら一番良いときのトマトを葉っぱも実も根っこも刻んで乾燥させて土とミックスして発酵させます。自然が3年もかけて分解するものが、3週間で終わる」</p>



<p>質のいい「トマト微生物」を増やし、同じ場所に戻せば連作もできることがわかった。甘いトマトを作るための必須条件でもあった水も減らさずに大きくて甘いトマトができることを発見したのである。</p>



<p>豊かな土壌を育み、LaLaLaFarmの甘いトマト作りに欠かせない「発酵」のしくみ。服部さんが「発酵」と出会ったのは、北海道に就農してから今に至るまで、悪戦苦闘を重ねる日々の中であった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">名古屋から単身、就農を志しニセコへ</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji3-14.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p>名古屋出身の服部さんは大学を卒業後、家業である建築業界に足を踏み入れた。多忙な毎日を過ごすうち、本来は何かを「つくる」はずの業界であるはずが、結局はスクラップ・アンド・ビルドに過ぎないのではないか…という迷いが生じはじめていたと話す。30歳直前、もっと健康に自分らしく、そして自然を慈しめるような仕事がしたいという思いが高まった。</p>



<p>そんな折に浮かんだのは、自転車やバイクで旅した美しくて広大な北海道の景色。「まず現場に行ってみよう、見て感じてみよう」と働きながら勉強できる研修先を探しはじめる。観光地として知られるニセコはホテルやレストランも多く、販路も確保できる。そして札幌や新千歳空港から車で2時間とアクセスも良い。「大好きなスノーボードをするために冬にも訪れたことがあり、農業のできない冬は施設の雪かきやスキー場で働けるのではないかとも考えたんです」</p>



<p>実際にニセコで2年間の農業研修を経て、小規模での施設（ビニールハウス）栽培が現実に即していると考えた服部さん。たくさん食べられているトマトをメインに育てていこうと定め、トマト栽培の盛んな余市で学ぶことにした。その後、ニセコに戻り<strong>「自分が楽しく、そして食べる人も思わずラララと口ずさむような野菜を作りたい」</strong>との思いから自身の農園をLaLaLaFarmと命名。そして、前職で大事にできなかった自然・環境に優しく、皆に喜んでもらいたいとオーガニックでの栽培に取り組むことも決めた。</p>



<p>さらに農業に就く以前、ニセコに指導に来ていた<strong>木村秋則さんとの出会い</strong>もオーガニックへの興味を深めるきっかけとなる。木村さんは<strong>完全無農薬無肥料の“奇跡のりんご”栽培</strong>で知られ、自然栽培に関心のある人なら誰もが憧れるカリスマ的存在だ。木村さんの教えは厳しく、また同じようなやり方がすべての人に通じるほど農業は甘くはないと身をもって知ることとなった。</p>



<p>けれどその言葉には重みがあり、大いに影響を受けたと代表はいう。「『自然界は人間が肥料をやらなくても耕さなくても、こうやって立派に生きてるじゃない』という木村さんの言葉は今でも心に残っています」</p>



<h2 class="wp-block-heading">酒蔵で発酵を学ぶ日々</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji4-14.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p>それからの道のりは険しかった。収穫量はなかなか増えず、約7年もの間、試行錯誤を続けることになる。農業一本では生活が厳しく、スノーボードのインストラクターを掛け持ちせざるを得ない時期もあったそうだ。</p>



<p>以前から堆肥と発酵のメカニズムに興味を持っていたこともあり、農作業が難しい冬のシーズンに倶知安町にある二世古（ニセコ）酒造で蔵人としての修行をスタート。</p>



<p>「羊蹄山の麓にある酒蔵は、冬は大雪によってかまくら状態になって、じっくり低温発酵が進むんです。二世古酒造では乳酸を加えてアルコール発酵を促す『速醸（そくじょう）』について深い見識を得ることができました。他にも「五人娘」などの無農薬・無化学肥料米を使った自然酒造りで知られる千葉の寺田本家に研修に行かせてもらって、昔ながらの生酛（きもと）仕込みを見せてもらったりしました」</p>



<p>蔵人として経験を積んだ服部さんは、<strong>土着菌</strong>、地元にいる菌を自分の農業に活用できないかと考えるようになった。「例えば味噌は、自らの常在菌が入り、自分の体の外で自分の菌を培養しています。それを畑の土で行うために発酵を利用し、自然の状態を再現するように試みました」と語る。それが先述の質のいい「トマト微生物」を増やす面で大きく生きることになる。</p>



<p>一番良いときのトマトを葉っぱも実も根っこも刻んで乾燥させて土とミックスして発酵させることを2、3年続けた後、ようやく収穫量も増え、トマトの糖度が上がり続ける状態を作り出すことに成功した。北海道で農業に就いて11年、服部さんの土作りがようやく実を結んだ瞬間でもあった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">発酵技術を生かしたワイン作りにトライ</h3>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji5-14.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p>LaLaLaFarmではトマトや関連商品のほかにも、<strong>食用ホオズキ</strong>や<strong>マイクロきゅうり</strong>、<strong>エシャロット</strong>などのユニークな野菜も出荷している。またこだわりの<strong>「発酵ジンジャー」</strong>は、生姜の砂糖漬けで、発酵させたもの。発酵しない一般的なジンジャーエールにはない、独特の風味や香りが「味わい深い」と人気を呼んでいる。培った発酵技術を生かし、麹で作る味噌や甘酒の販売も手がけ、道の駅や道内や東京のレストラン、また通販などで販売。また麹で作るラー油などユニークな商品展開が光る。</p>



<p>発酵というシステムに魅了された服部さんの次なる興味はブドウに向かう。「お酒は得意ではなかったのですが、ブドウを発酵させたいという思いからワインを毎日飲むようになりました」とほほ笑む。ニセコの気候や土壌に適したオリジナルのワインを作りたいと話す。</p>



<p>「ニセコに向いているのはスパークリングだと思っています。品種はシャルドネとピノノワールを育てていて、今年3年目の収穫ができるんです。まだ1,000本しか植えていないですが、火山灰質の土壌にも手を加えて、トマトのメソッドが生きるかどうか挑戦したいと考えています」</p>



<h2 class="wp-block-heading">自然の恵みで皆を幸せに</h2>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji6-12.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p> </p>



<p>ニセコで就農して17年、家族もできた。大切に考えるのは、農業を通じてできた縁と自分の作るもので皆が幸せに、笑顔になってくれること。「ブドウでワインを作ったら、今度はワイナリーもやってみたい。ゆくゆくは宿としてお客さんや皆が集い、発酵の素晴らしさを知る場所を設けたい」と語る。</p>



<p>「自分が農業をやってみて感じるのは、自然って循環しているということ。発酵だってその1つ」。ニセコの豊かな自然は厳しくもあるが、優しくもある。「冬は雪が土を守ってくれるし、ベーコンを仕込んだり、野菜や魚を乾燥させて保存食を作ったりもできます。夏はいうまでもなく食べ物がおいしい」</p>



<p>発酵という自然の恵みを活かし、唯一無二の野菜を作り上げるLaLaLaFarmの次なる舞台はワイン造り。服部さんの新たな挑戦は始まったばかりだ。  </p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/34314/">食べて笑って、思わず「ラララ」と口ずさむ、そんな野菜を届けたい。LaLaLaFarm・服部吉弘さん/北海道ニセコ町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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