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	<title>ものづくり - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>ものづくり - NIHONMONO</title>
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		<title>手彫りで宿す“完全ではない美しさ”。時とともに育つ落合芝地さんの木の盆／滋賀県大津市</title>
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		<pubDate>Wed, 07 Dec 2022 01:00:00 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/main-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>穏やかで優しいたたずまいと、確かな存在感。木工作家・落合芝地（しばじ）さんのつくる木の盆は、そこに置くだけで風景を一変させる力を持つ。全国のギャラリーやセレクトショップからの注文が途切れない、色や形もさまざまな作品が生ま [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/main-1.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>穏やかで優しいたたずまいと、確かな存在感。木工作家・落合芝地（しばじ）さんのつくる木の盆は、そこに置くだけで風景を一変させる力を持つ。全国のギャラリーやセレクトショップからの注文が途切れない、色や形もさまざまな作品が生まれる滋賀県・比良山麓の工房を訪ねた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">滋賀県の森の中の工房で、一つひとつ作品と向き合う</h2>



<p> </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2022/12/kiji1-1.jpg" alt="" class="wp-image-31997"/></figure></div>


<p> </p>



<p>琵琶湖の西側、比良山のふもとに位置する<strong>大津市南小松</strong>。落合さんの工房は、すぐ近くを清流が流れる静かな森の中にある。敷地内には<strong>蒔絵・漆工作家として活躍する妻・やのさちこさん</strong>の工房もあるのだが、周辺にぽつぽつと建つ家の多くは別荘で人の出入りも少なく、作家夫婦が制作に集中するにはもってこいの環境のようだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">移住者の多い大津市北部エリア。ものづくりに従事する人も</h3>



<p>ちなみに、落合さんの工房のある<strong>滋賀県大津市北部</strong>は、比良山や琵琶湖といったスケールの大きな自然が間近にある一方で、<strong>京都にも電車で30分程度</strong>。子育て世代を中心に<strong>県外からの移住者が多い</strong>ことで知られている。また、移住者の中にはものづくりに従事する人もいて、近年ちょっとした注目を集めている地域だ。</p>



<p>一口にものづくりと言っても、たとえば落合さん夫妻のように作家活動をする人のほか、ギャラリーや飲食業を営む人、デザイナーやライターなどのクリエイター、新規就農者など活動内容は幅広い。10年前、京都市出身の落合さんがこの場所を工房に選んだのはたまたまだったと言うが、自然が身近にあって都市部にも出やすいここでの暮らしは、作業中は孤独に陥りがちな作家生活に良い刺激を与えてくれるので、気に入っているという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">弟子入りはせず、我流で確立した木工作家としての作風</h2>



<p> </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji2-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p> </p>



<p>落合さんは、2000年に<strong>京都市伝統産業技術者研修漆工本科</strong>を修了。2001年からは銘木屋の京都市南区にあった<strong>「<a href="http://jurinsha-kyoto.com/" target="_blank" rel="noopener" title="">樹輪舎</a>」が主宰していた木工塾</strong>で木工の基礎を学び、さらにその翌年には、木地師の里として知られる滋賀県永源寺町で<strong>故・小椋宇三男氏に木工ろくろを習いながら</strong>作風の幅を広げていった。</p>



<p>「伝統工芸家の家に生まれたわけではなかったので、知識も道具も持たない状態でこの世界に飛び込みました。また、特定の人のもとに弟子入りをする縁がなかったので、それぞれの場所とたくさんの人から学んだ技術と知識を用いながら、<strong>我流で作風をつくってきた</strong>と言っていいかもしれません」と振り返る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">塗り椀から盆へ。創作の楽しみが広がった</h3>



<p>ちなみに、京都で漆工を学んでいた落合さんは、キャリアをスタートさせたばかりの頃は主に<strong>塗り椀</strong>をつくっていたという。しかし、いつしか自分のつくる椀に「<strong>手詰まり感</strong>」を感じるようになったと話す。</p>



<p>理由は、大きさや形、用途がある程度決まっている椀物は<strong>オリジナルな個性がつけにくかった</strong>からだという。絵付けや塗りを施すことでデザインしていくというよりは、木の個性や質感を生かした表現を追求しようとしていた落合さんは、塗り椀以外の選択肢も探り始める。</p>



<p>そんなとき大きな手がかりとなったのが、樹輪舎で学んだ「<strong>刳物（くりもの）</strong>」という技法だった。無垢の一枚板をノミやカンナで削り出していく刳物の技を使い、落合さんは色や形、大きさ、そして使う木の種類もさまざまな<strong>盆</strong>を生み出していく。</p>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">木の種類やそれぞれの特徴、木取りの仕方など、木の性質や扱い方を知っておくことは大切だが、<strong>木の盆には</strong>それ以外の<strong>決まり事が比較的少なく、自由度が高い</strong>。そこに魅力を見いだし、つくることが以前よりもっと楽しくなったという。</span></p>



<h3 class="wp-block-heading">使う人にとっても“自由”な盆</h3>



<p> </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji3-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p> </p>



<p>落合さんの木の盆は、作者の落合さん自身にとってそうであるように、<span class="swl-marker mark_yellow"><strong>使う側にとってもまた自由度が高く、わくわくするアイテム</strong>である</span>ようだ。</p>



<p>試しにSNSで「＃落合芝地（おちあいしばじ）」と検索すると、和食のコース料理風、おうちごはん風、複数の豆皿に料理を少しずつのせたおもてなし風、小さなサイズの盆にケーキとコーヒーをのせたカフェ風、あるいは食事に使うのではなくお気に入りの器をのせて飾っている人や、花瓶に生けた花を飾るトレーづかいをしている人など、非常に<strong>多岐にわたるシーンで愛用</strong>されていることがわかる。</p>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">特別感を演出でき、おもてなしにも活躍する<strong>折敷（おしき）</strong>にも使えて、自分のための気軽な一人飲みのトレーとしても活躍する。<strong>使い方は手にした人次第</strong>。</span>そんな自由さが<strong>全国にファン</strong>を広げているようだ。  </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji4-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p> </p>



<h3 class="wp-block-heading">デザインのヒントは“古いもの”から</h3>



<p>落合さんの盆は、<strong>土ものの器</strong>や<strong>日本酒の酒器</strong>、和食を盛り付ける<strong>竹かご</strong>など和のものを組み合わせると洗練された雰囲気が加わり、<strong>リネンクロス</strong>や<strong>洋食器</strong>、<strong>ワイングラス</strong>など洋のテイストを組み合わせると、絶妙な落ち着きが加わる。</p>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">そんな汎用性の高い<strong>デザインは「古いもの」から思いつく</strong>ことが多いそうだ。たとえば昔の陶器や古道具、あるいは李朝の陶磁器や工芸品など、木工品以外のものも参考になるという。</span>落合さんの工房から1時間足らずで行ける<strong>京都の骨董市</strong>にもよく足を運んでは、ヒントを見つけに行くそうだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">無垢の一枚板を手技で仕上げる</h2>



<p> </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji5-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p> </p>



<p>落合さんの作品の持ち味は、<strong>丸ノミで手彫りの跡をしっかり残した丁寧な仕上げ</strong>。大きな板を必要なサイズに木取りしたり、荒彫りやアウトラインを形成したりといった作業には機械を用いるが、それ以外は手作業で仕上げていく。わずかなゆらぎを感じさせる、<strong>人の手でしか出せない「完璧ではない美しさ」</strong>が好きだという。</p>



<p>削り方のポイントは「<strong>同じテンションで彫ること</strong>」。<span class="swl-marker mark_yellow">同じリズム、同じ太さ、同じ深さで直線的に彫っていくときれいに仕上がるという。</span>実際に彫るところを見せてもらったが、スッスッと軽やかかつスピーディー。しかし、じつは同じ一枚の板でも硬い部分や柔らかい部分があるため、そのつど力加減を調整しながら彫り進めているそうだ。その作業をひたすら繰り返す。</p>



<p>そう聞くと、単調で根気が求められる作業といった印象を抱いてしまうが、「手は痛くなるけど、不思議と飽きないんです」と落合さんは笑う。彫っていると、木目の模様にだんだんと立体感が出てくるのが面白いのだという。手を動かしながら木と向き合う時間がしんから好きなのが伝わってきた。</p>



<p>そのせいだろうか、落合さんの木の盆を眺め、手に取ったときに感じるのは、心が穏やかさで満たされていく幸福感だ。<strong>端正でありながら、どこか優しくあたたかい</strong>。</p>



<h3 class="wp-block-heading">木の個性と表情を引き出す</h3>



<p>もうひとつ、落合さんの作風において重要なポイントは「<strong>木のそのままの個性を生かす</strong>」ということだ。</p>



<p>落合さんの木の盆には、<strong>クリ</strong>、<strong>サクラ</strong>、<strong>ケヤキ</strong>、<strong>ミズメ</strong>、<strong>キハダ</strong>、<strong>タブ</strong>などいろいろな種類の木が用いられている。その色合いも、深みのある黒、やわらかなベージュ、焦げ茶、赤みのある茶色、黄味の強い黄土色など、じつに多彩だ。<strong>オイル仕上げ</strong>で木の本来の色を生かす場合もあれば、<strong>鉄媒染（てつばいせん）</strong>、<strong>アンモニアスモーク</strong>、<strong>拭漆（ふきうるし）</strong>といった仕上げ方で変化をつけることもある。使用する木の種類との相性を考えながら常に新しい方法を取り入れているそうだ。</p>



<p>しかし、<span class="swl-marker mark_yellow">どのような仕上げを施すにしても、<strong>それぞれの木の個性と表情を引き出す</strong>ことにはこだわっている。</span>そのため、最も多く用いられているのが、木の本来の色が出やすいオイル仕上げ。漆を使うときも木の質感が隠れてしまわないよう、つややかな漆塗りではなく木地に塗った漆を拭き取って仕上げる拭漆を選ぶことが多い。</p>



<h3 class="wp-block-heading">割れや節も木の個性</h3>



<p>また、木の<strong>節</strong>や<strong>割れ目</strong>など木材の欠陥と見なされがちな部分も、落合さんは<strong>作品に生かす</strong>。大きな一枚板を木取りして10枚の板が取れた場合、たいてい2～3枚は節や割れのあるものが混ざっているというが、それらを捨ててしまわず、使いたいという。</p>



<p>木の枝の付け根部分にあたる木の節は、製材をして板になったとき円形の模様になって現れる。節の入った板は木の強度が低下し、見た目も悪くなると敬遠されがちだが、落合さんは味があって面白いと言う。実際、<strong>節の模様の入った盆を気に入って選んでいく人も少なくない</strong>そうだ。</p>



<p><strong>木の割れ目</strong>もしかりで、<strong>作品のアクセントとして生きるデザインに仕上げていく</strong>。汁椀や桶などに比べて、盆は水漏れを気にしなくていいからこそ取り得る手段といえそうだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">量産できないモノの良さ</h2>



<p> </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/12/kiji6-1.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<p> </p>



<p>今や貴重品となった<strong>木材を余すところなく使う</strong>制作のスタイルや、<strong>精緻な手技でこつこつとつくられた生活の道具</strong>の美しさは、<strong>情報とモノにあふれた今の時代だからこそ、多くの人に訴える力</strong>がある。</p>



<p>全国各地で展覧会を行っている落合さんだが、その案内には作品購入時の点数制限をお願いする文言が添えられている。工程のほとんどを手彫りで仕上げるため、量産が難しいのである。</p>



<p>だから、購入する側も一つひとつの個性と向き合いながら、自分にとっての一枚を見きわめる。そのプロセスが愛着を生み、長く大切に使われていくことは想像に難くない。<strong>使い込むうちに色合いに深み</strong>が加わり「<strong>育つ</strong>」楽しさがあるのも天然木ならではだ。</p>



<p>落合さんの手が生み出す、完全ではないけれど確かな美しさの宿った木の盆は、使うたびに幸せな気持ちを生み、<strong>慌ただしい日々の中でのささやかなよりどころ</strong>となるのではないだろうか。技と時間を重ねながら洗練し続けてきた工芸品が、この時代を生きる人たちに何をもたらしてくれるのか、その一つの答えを見た気がした。  </p>


<div class="swell-block-postLink">			<div class="p-blogCard -external" data-type="type3" data-onclick="clickLink">
				<div class="p-blogCard__inner">
					<span class="p-blogCard__caption">NIHONMONO &#8211; 「にほん」の「ほんも&#8230;</span>
					<div class="p-blogCard__thumb c-postThumb"><figure class="c-postThumb__figure"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/08/main-11.jpg" alt="" class="c-postThumb__img u-obf-cover" width="320" height="180"></figure></div>					<div class="p-blogCard__body">
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		<title>使い続けてより美しくなる、雪国から生まれる富井貴志の木の食器／新潟県長岡市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/33159/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 04 Oct 2022 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/10/main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>～雪国新潟で生まれる木工〜 天然林が豊富で冬は雪深い新潟県中南部、長岡市の小国町。四季を通じて景観は美しいが、春先まで雪に埋もれ、せっせと除雪をしなければ生活ができないこの土地に、木工作家・富井貴志さんのアトリエがある。 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/33159/">使い続けてより美しくなる、雪国から生まれる富井貴志の木の食器／新潟県長岡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/10/main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">～雪国新潟で生まれる木工〜</h2>



<p>天然林が豊富で冬は雪深い新潟県中南部、長岡市の小国町。四季を通じて景観は美しいが、春先まで雪に埋もれ、せっせと除雪をしなければ生活ができないこの土地に、木工作家・富井貴志さんのアトリエがある。</p>



<p>富井さんは幼少期を同じ新潟県の小千谷市で過ごし、高専在学時にアメリカ・オレゴン州の高校に留学した経験を持つ。その自然豊かな大地で、木とともにある暮らしに触れた。日本国内の大学に進学し、大学院で表面物理の研究に勤しんだのち、一転、木の魅力に誘われるように木工の世界に転身。</p>



<p>木工職人を養成する岐阜県の工房で木工の基本技術を学び、2008年に京都で独立した。そして2015年に、この雪深い町に根を下ろした。故郷の新潟に帰ってきた理由はシンプルだ。「雪があるところで作品をつくりたいから。」 </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2022/10/kiji2.jpg" alt="" class="wp-image-31998"/></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">〜作品のルーツを紐解く～</h2>



<p>富井さんの作品は主に皿や重箱など、日常で使う食器が中心だ。親しみやすく優しい木の表情、気品のある繊細な佇まいにファンも多い。器をつくる理由もまた、シンプルだ。</p>



<p>富井さんは昔から食べることが好きだった。学生時代の一人暮らしをきっかけに料理にはまり、そこから玄人向けの料理道具を集め出した。そのうち料理を盛る器にもこだわりだし、作家ものの焼物の収集もはじめた。北欧らしい滑らかな表面の器も好きだし、土もののずっしりとしたものも好きだと話す。木の作品も昔から好きだったとはにかむ富井さんは真の器好きなのだろう。</p>



<p>ものづくりを志して、その趣味が自然と器づくりにつながったという富井さん。作品づくりのベースとなるコンセプトは、「使い続けることで美しくなるもの」そして「自分が使いたいものをつくること」だ。「僕は、器を使う人がそれを使い続けることで、『素材』『作家』『使う人』の3つの要素がそれぞれ近づいてく、そしてそれがぎゅっと凝縮されてひとつになっていく、そこに理想の関係があって、それが『美』だと思うんです。」と話す。手を動かすときに意識するのは、日々使うことで変化する「美しい経年変化」だという。 </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2022/10/kiji3.jpg" alt="" class="wp-image-31999"/></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">～使うごとに味になる。日常に溶け込む木の器～ </h2>



<p>作品の中で特に人気があるのは平皿だ。使いやすく、食材を盛りやすい。今は栗の木をよく使用し、木地と漆塗りの調和が美しい器をつくっている。実際に生活の中で使用することを考えると、平凡な木の方が使い込んだときに味が出てきて趣を感じさせる。そんな栗の木の中庸な感じが気に入っているのだそうだ。確かに栗の木は森の虫たちにも人気らしい。虫食い部分がよくあるそうで、それも一つの味として作品に生かすのだそうだ。</p>



<p>一方、表面に漆がほどこされた器には変化しづらいという特徴がある。また色をつけて楽しめ、食卓のアクセントにもなる。「木というのは、それ自体がすごく美しいんです。もちろん色漆の器で色遊びを楽しんでもらうのもいい。どんどん使って、表面にいっぱい傷がついてこそ、さらに美しさを発揮する。そういう木の器の魅力を伝えていきたい。」 </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2022/10/kiji4.jpg" alt="" class="wp-image-32000"/></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">～効率よりも美しさを極めたい～</h2>



<p>富井さんの工房は一見家具を作る工房のような佇まいだ。木工の基礎を学んだ時の名残だと富井さんは微笑む。そしてどんな作品も丁寧に手作業でつくられる。機械を使って一度にたくさんの商品をつくるのではなく、身体を動かしながらコツコツと作品づくりに没頭し、それによって生まれるものを大切にしている。それが富井さんのやり方だ。「効率のいいやり方を採用すれば早く綺麗に仕上がるかもしれないけれど、せっかくこういう仕事をしているのに、効率や綺麗さを求めるのか、と思うんです。時間がかかっても、つくる楽しさとか幸福を求められるのであれば、僕はそっちの方をとる。」 </p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" src="/wp-content/uploads/2022/10/kiji5.jpg" alt="" class="wp-image-32000"/></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">～理論が導く美しさが生む個性～</h2>



<p>富井さんの作品づくりには、独特の世界観がある。大学院時代は物質の表面を研究する物理系の人間だった。当時顕微鏡で覗いたミクロの世界の美しさは、言葉にできないものがあった。アトリエで彫刻刀を使い、重箱の細かな模様を一日中彫り進めながら、そんなミクロの世界、原子の配列、多様性、さまざまな思想的な世界に思いを馳せることもある。おそらくその世界に没入していく過程において、作家性と呼ばれる、人を惹きつける「個性」が作品に宿るのではないだろうか。</p>



<p>愛着をもって使い込んだときにより美しくなるものづくりを目指す富井さん。木の触り心地、暮らしに寄り添う慎しさ、繊細でやさしげな佇まい。豊かな自然環境と独特の思索の世界から生まれる作品の素晴らしさを、ぜひ一度手に取って感じてもらいたい。 </p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/33159/">使い続けてより美しくなる、雪国から生まれる富井貴志の木の食器／新潟県長岡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>世界一薄い絹織物“フェアリー·フェザー”を生み出した「齋栄織物」／福島県川俣町</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/25873/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 16 Jan 2020 08:15:39 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima9main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>イノベーションで川俣シルクの復権へ 長い歴史をもつ絹織物の産地、福島県川俣町（かわまたまち）に今、世界から熱い視線が注がれている。2012年、ものづくり日本大賞で内閣総理大臣賞を受賞した、世界一薄い絹織物「フェアリー・フ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/25873/">世界一薄い絹織物“フェアリー·フェザー”を生み出した「齋栄織物」／福島県川俣町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima9main.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><h2 class="wp-block-heading">イノベーションで川俣シルクの復権へ</h2>



<p><span class="swl-marker mark_yellow">長い歴史をもつ絹織物の産地、福島県川俣町（かわまたまち）に今、世界から熱い視線が注がれている。2012年、ものづくり日本大賞で内閣総理大臣賞を受賞した、世界一薄い絹織物「<a href="https://saiei-orimono.com/feature/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">フェアリー・フェザー</a>」を生み出し、川俣シルクのイノベーションに挑み続ける、<a href="https://saiei-orimono.com/index.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">齋栄織物</a>（さいえいおりもの）</span>を訪ねた。</p>



<p>「東北の絹織物というと、仙台平（せんだいひら）や米沢織（よねざわおり）の名前をよく聞きますが、福島県にも絹織物の産地があるんですね」<br>工場内を歩きながら、作業風景を見学する中田英寿さん。隣では齋栄織物の常務、齋藤栄太（さいとう・えいた）さんが、生糸が非常に高価だった時代に、川俣では少ない糸で高い価値を生み出す「軽目羽二重（かるめはぶたえ）」の技術が発達したと説明する。<br>現在、川俣町の織物会社は約20社。この薄手で上質なシルクの生産を受け継いできた。<br>「欧米の繊維業界では“KAWAMATA”の地名は、軽目羽二重を指す言葉でもあるそうです」<br>祖父の創業した会社に齋藤さんが入社したのは17年前。当時は、会社の業績もどん底だったと振り返る。</p>



<p>「取引先が限られていて、一社依存率が高い状況でした。関係先が業績不振に陥れば共倒れのおそれがある。裾野を広げたくて、展示会や商談会に積極的に参加し、輸出もアメリカだけでなく、ヨーロッパの販路開拓を始めました」<br>並行して、自社の強みとなるフラッグシップ商品の開発にも乗り出した。たどり着いた<span class="swl-marker mark_yellow">コンセプトは「世界一薄くて軽い先染めの絹織物」。川俣シルクの特長を突き詰めると共に、齋栄織物が得意とする、先染め織物の技術を融合したいと考えたからだ。</span></p>


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<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_1.jpg" alt="" class="wp-image-25875" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_1.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_1-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>

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<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_2.jpg" alt="" class="wp-image-25876" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_2.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_2-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">ものづくりへの姿勢</h2>



<p>まずは市場にある最も細い生糸を使用して試作するも、営業先の反応は薄かった。そこで見直したのが原料の生糸。通常、蚕（かいこ）は4回脱皮して繭（まゆ）になるが、3回しか脱皮していない「三眠蚕（さんみんさん）」の糸を用い、髪の毛のおよそ6分の1という極細糸を開発した。ピンと張っていなければ、指先ですくっても感触がないほど繊細。当初は糸切れの連続だったが、試行錯誤しながら織機（おりき）を改良。2年以上を費やして、量産化にこぎつけた。</p>



<p>「フェアリー・フェザー」と名付けられた商品の一般販売がスタートしたのは、東日本大震災からちょうど１年後のことだ。テレビで特集されるや、メールはパンク状態に。電話の問い合わせは、1日でファイル2冊分にもなった。同年、<span class="swl-marker mark_yellow">ものづくり日本大賞やグッドデザイン賞を受賞。ヨーロッパの有名ブランドにも続々採用され、店頭に自社製品が並んだ時は喜びが込み上げたと語る齋藤さん。今後は、家庭で洗えてシワになりにくく、ストレッチ性のあるシルク100％の素材を開発したいと意欲を見せる。</span></p>



<p>そうした新たなものづくりの姿勢を称賛する一方で、和装の文化もぜひ残してもらいたいと中田さんは期待を寄せる。<br>「以前、女性は友禅、男性は袴（はかま）をドレスコードに、イベントを開催したのですが、参加者には非常に好評でした。このイベントへの参加をきっかけに着物をあつらえる方も多く、僕も年に1枚は買うようになりました。ものづくりだけでなく、機会をつくること。産地でもバランスよく取り組んで行くことが今後は、大事なのではないかと思います」</p>


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<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_3.jpg" alt="" class="wp-image-25877" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_3.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_3-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div>

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<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="320" height="213" src="https://swell.nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_4.jpg" alt="" class="wp-image-25878" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_4.jpg 320w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2020/01/fukushima201901_4-300x200.jpg 300w" sizes="(max-width: 320px) 100vw, 320px" /></figure></div><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/25873/">世界一薄い絹織物“フェアリー·フェザー”を生み出した「齋栄織物」／福島県川俣町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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