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	<title>岩手県 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>岩手県 - NIHONMONO</title>
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		<title>すべて高糖度･蜜入り。選び抜かれた特別なりんご「冬恋」／岩手県盛岡市</title>
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		<pubDate>Wed, 14 Jan 2026 06:20:39 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[岩手県オリジナル品種]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_083_8533.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「冬恋（ふゆこい）」は、岩手県で生まれたりんご品種「はるか」のうち、糖度や蜜入りなどの高い基準を満たした実だけが選ばれる、特別なりんごのブランド。冬のはじまりの短い期間にだけ味わうことができる、その濃厚な甘さとシャキッと [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_083_8533.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「冬恋（ふゆこい）」は、岩手県で生まれたりんご品種「はるか」のうち、糖度や蜜入りなどの高い基準を満たした実だけが選ばれる、特別なりんごのブランド。冬のはじまりの短い期間にだけ味わうことができる、その濃厚な甘さとシャキッとした食感は、まさにプレミアムな美味しさだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「オリジナル品種」も多彩なりんご産地･岩手</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_103_8583.jpg" alt="" class="wp-image-53862" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_103_8583.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_103_8583-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_103_8583-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県は、青森県、長野県に続く全国第３位のりんご産地。寒暖差の大きい気候や豊かな土壌といった自然条件を生かし、内陸部を中心に高品質なりんごが栽培されている。</p>



<p>日本に初めて西洋りんごの苗木が輸入されたのは、開国間もない1871年。その翌年には岩手県で西洋りんごの栽培が始まり、全国的にも早い時期からりんごづくりに取り組んできた。生産性だけでなく品質の向上や品種改良にも力を入れ、生産者やJA･自治体･研究機関などが連携し、果皮が濃い紅色で甘みが強い「紅いわて」や、ジューシーで大玉の「大夢（おおゆめ）」など、数々の「岩手県オリジナル品種」も生み出している。そのひとつが「冬恋」のベースとなる品種「はるか」だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">岩手生まれのりんご品種「はるか」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_057_8464.jpg" alt="" class="wp-image-53863" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_057_8464.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_057_8464-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_057_8464-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>はるかは、1976年に岩手大学農学部の園地で誕生し、2002年に品種登録･市場デビューしたりんご品種。その品種名は、生みの親である横田清名誉教授（故人）の孫の名前から付けられた。果皮が黄色の晩生品種で、たっぷり入った蜜と濃厚な甘み、シャキッとみずみずしい歯応えが魅力だ。その反面、実が小さめであることや、果皮が変色しザラザラになる「サビ」が発生しやすいという性質を持つことから、デビュー当初は「見た目が悪い」と人気が出ず、栽培に取り組む生産者もほとんどいなかったという。</p>



<p>だが一方で、はるかのポテンシャルに可能性を見出す人たちもいた。2006年、県内各地の生産者有志が集まり、果樹栽培の関係機関と「岩手はるか研究会（現･岩手冬恋研究会）」を設立。「はるかを岩手のブランドりんごに育てよう」と、品質の向上や栽培方法の確立に向け取り組みを始めた。</p>



<p>その初期メンバーのひとりが、盛岡市にある「下久保農園」の熊谷峰男さんだ。20年以上にわたってはるかの品質向上や栽培方法の確立に尽力し、2024年度まで「岩手冬恋研究会」の会長も務めていた熊谷さんは「外観は良くないけれど、はるかの蜜入りの良さ、糖度の高さは大きな魅力。なんとか生かしたいと思いました」と、研究会を立ち上げたきっかけを振り返る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「袋かけ」で、弱点を克服</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_089_8610.jpg" alt="" class="wp-image-53864" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_089_8610.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_089_8610-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_089_8610-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>広い岩手県の各地域でりんご栽培を営む「岩手はるか研究会」のメンバーは、各々の畑の一角ではるかを育て、情報交換や議論を重ねながらさまざまな栽培方法を検証していた。ある年、メンバーのひとりが、隣の木と間違えて、はるかに『袋かけ』をしたところ、サビのないきれいな黄色の果実が育ったという。</p>



<p>「袋かけ」とは、摘果（果実の間引き）後のりんごに袋をかける栽培方法。病気や日焼けを防ぎ、収穫後も鮮度や品質を保ち、長期間保存できる「貯蔵性」を向上させるほか、収穫直前に袋を外し日光に当てることで着色が促進し、ムラなく鮮やかに色づく効果が期待できる。</p>



<p>「これはいけるぞ」と手応えを感じた熊谷さんたちは、はるかの栽培を「無袋」から袋かけに変更。その結果、サビやキズの発生が大幅に減少した。</p>



<p>だが一方で、袋かけをしたりんごは、日光をたくさん浴びて育つ無袋に比べて糖度が低くなる。それを克服しようと、素材や仕様の違う袋を何種類も試したり、樹上の実を限りなく減らして1つの実に養分を集中させるなど試行錯誤を重ねた。数年にわたる取り組みにより、本来の食味を損なわず、実も大きく育てることに成功。今では専用の袋を使って袋かけを行い、樹上で完熟させてから収穫するなど、高品質なはるかの栽培技術は確立されつつある。</p>



<p>「とはいえ、りんごづくりは１年に１回。20年はるかを育てても、まだ20回しか収穫を経験できていないんです。もっと適した袋があるかも、他にもいい方法があるかも、と研究に終わりはありません」と熊谷さん。こうしたたゆまぬ努力の積み重ねが、はるかの品質と評価を着実に高めている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">選び抜かれたりんごだけが「冬恋」になれる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="562" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/main.jpg" alt="" class="wp-image-53865" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/main.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/main-300x204.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/main-768x523.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /><figcaption class="wp-element-caption">※「冬恋」はＪＡ全農いわての登録商標です</figcaption></figure>



<p>こうして育てられた岩手産の「はるか」のうち、糖度や蜜入り･見た目などの基準を満たしたものだけに与えられるのが、「冬恋」という称号だ。<br><br>「冬恋」は、JA全農いわてが扱うブランドりんご。収穫したはるかを、光センサー選果機を用いて1個ずつ計測し「糖度15度以上」「蜜入り」「外観に優れるもの」ものを選別。こうして選ばれたものが「冬恋」として出荷される。また、さらに基準を高くした「糖度16度以上･蜜入り」「サビ･キズがない」ものは「プレミアム冬恋」となる。</p>



<p>出荷時期は11月下旬〜12月。岩手県で生産されるりんごの中で最も遅い冬直前に収穫されることや、糖度の高さが甘い恋をイメージさせることから名付けられた「冬恋」は、年々認知度が上がり贈答用として人気。百貨店や高級青果店でも扱われるという。</p>



<p>「はるかはもともと糖度が高く、蜜が入りやすい品種で、うちで育てているはるかの糖度は、平均で18度ぐらい。20度を超えるものもざらにあります」と熊谷さん。一般的なりんごの糖度は13度前後。そう考えると、冬恋に選ばれなかったはるかも十分に甘い。</p>



<p>「じゃあ冬恋は何が特別なのかというと、見た目の美しさ。自家消費用ならサビの入った無袋のはるかでもよく、むしろこっちのほうが美味しいんじゃないかと思うけど、人にあげるならやっぱり、見た目がきれいなものがいいから」</p>



<p>はるかの果皮はとてもデリケートで、袋をかけて外部の刺激から守り、気を配りながら大切に育てても、サビやキズがついてしまうこともある。冬恋のキズひとつない滑らかな質感は、生産者の丁寧な仕事がつくりだす結晶なのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">手間をかけ、価値を高める</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_107_8640.jpg" alt="" class="wp-image-53866" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_107_8640.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_107_8640-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_107_8640-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>りんごを大きく質の良いものに育てるには、幼い果実を間引く「摘果作業」が欠かせない。りんごは、葉で光合成し果実に栄養を送り込むため、葉と果実の数のバランスが重要だ。通常は、１つの実に対し葉が40〜50枚つく割合になるよう間引くことが多いが、はるかはなんと、１つの実に葉が100枚。樹上の果実の数を大幅に減らすことで、果実に養分をたっぷり行き渡らせ、甘く、大きく育てるのだという。</p>



<p>そうして「少数精鋭」で育てられるはるかは、作付け規模もまだ小さく、生産量が限られるため、店頭に出回ることがなかなかない。そこから選び抜かれる「冬恋」「プレミアム冬恋」はなおのこと、希少な存在だ。「その希少性を価値にして、少しでも生産者に利益として還元できるようにしたい」と熊谷さん。研究会を立ち上げたのも「頑張っていいものをつくり、きちんと評価されて利益になる」という仕組みを作りたいという思いがあったからだと話す。</p>



<h3 class="wp-block-heading">岩手のりんごの魅力を伝える存在に</h3>



<p>熊谷さんは「岩手冬恋研究会」の会長として、県内外のイベントや市場に出向き販促活動も行っている。「ここ数年で、ようやくはるかや冬恋にファンがついてきたと実感できるようになりました。この取り組みに賛同してくれる生産者も増え、研究会の会員数も伸びています。この流れにのって、さらに仲間を増やしたい」と語る。</p>



<p>はるかは岩手で誕生した品種だが、栽培地に規制があるわけではなく、現在は県外でも栽培されている。しかし、「冬恋」というブランドを名乗れるのは岩手産のはるかだけ。「全国的には、りんごといえば青森や長野のイメージがあると思いますが『岩手にもこんなにいいりんごがある』というのを広く伝えていきたい。冬恋とはるかは、その大きなアピールポイントになると思っています」と熊谷さんは期待を込める。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「いいものづくり」には、限界がない</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_071_8506.jpg" alt="" class="wp-image-53867" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_071_8506.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_071_8506-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_071_8506-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手山を望む丘陵地に広がる「下久保農園」のりんご畑。標高はおよそ360mで、岩手のりんご畑としては高い場所にある。平地に比べ気温が低いため、40年前にこの農地を取得したときは実が大きくならず苦労したそうだ。しかし、温暖化に伴い徐々に気温が上昇。「今は、標高が低いほかの畑より、いいりんごが育つようになった。標高が高い分昼夜の寒暖差も大きいので、キリッと身が締まったりんごができる」と熊谷さんは話す。</p>



<p>とはいえ、温暖化は深刻な問題だ。りんごは冷涼な気候を好み、気温が高いと着色不良や日焼け、食味の低下などさまざまな障害を引き起こす。また、蜜が入りにくくなる傾向もあり、「蜜入り」をアピールポイントにしているはるかや冬恋にとっては、ブランド価値を揺るがしかねない。</p>



<p>また、資材の高騰や人件費の増大も大きな負担となっている。機械化が進む米などの作物に対し、りんご栽培はほとんどが手作業。特に袋かけや収穫は、果実の繊細な取り扱いが求められるため、一つひとつ手で行う。「機械化ができれば、息子と２人で回せるかもしれないけど、そうはいかない。だから人を雇わないといけないし、手間をかけるほど人件費がかさみます」と熊谷さん。温暖化や近年続く異常気象、生産コストの増大など、りんごづくりを取り巻く環境は年々厳しさを増している。</p>



<p>「もうヘロヘロですよ。首の皮1枚つながってなんとか続けているようなもの」。そう言って苦笑いするが「時代や環境の変化に巻き込まれながらも、ここまで続けてこれたのは幸せなこと」と話す熊谷さん。「自分で工夫したり、試行錯誤できるこの仕事は楽しい。自分にはまだまだ知らないことがあって、まだやれることがあると思うんです。いいものをつくるのには、限界がないから」と、りんごづくりに向けるまなざしは熱いままだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">りんごの木を切らずに済むように</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_063_8480.jpg" alt="" class="wp-image-53868" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_063_8480.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_063_8480-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2026/01/kumagai_063_8480-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「りんごづくりを辞めようと、木を切ってしまうのは簡単。でも、それまで手をかけてきた長い年月が一瞬で失われ、取り戻したいと思ったら同じだけの時間がかかります。だからできるだけ続けたい。今育てているりんごの木を切らなくて済むように」</p>



<p>その想いは、父とともにこの農園を運営する息子の勝彦さんも同じだ。「このまま温暖化が進むと、りんごだけに頼っていられないときが来るのかなというのもあり、別の畑ではりんご以外の作物もつくったりしています。ただ、りんごづくりは辞めたくないと思いますね。大変なんだけど、やっぱり楽しいから」</p>



<p>「りんごづくりは楽しい」と口を揃える熊谷さん親子。さまざまな課題や苦労を抱えながらも「よりいいものを」と真摯に向き合うその姿勢が、はるか、そして冬恋の特別な味わいを支えている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53855/">すべて高糖度･蜜入り。選び抜かれた特別なりんご「冬恋」／岩手県盛岡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>「恋し浜ホタテ」に、海の男のロマンをみる。漁師･佐々木淳さん／岩手県大船渡市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 27 Nov 2025 04:14:58 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[恋し浜ホタテ]]></category>
		<category><![CDATA[小石浜]]></category>
		<category><![CDATA[耳吊式]]></category>
		<category><![CDATA[漁業]]></category>
		<category><![CDATA[養殖]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-48.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「恋し浜ホタテ」。なんて素敵なネーミングだろう。ホタテの産地･岩手県沿岸部の中でも、大船渡市三陸町綾里（りょうり）･小石浜（こいしはま）漁港の「恋し浜ホタテ」は、ブランドホタテとして名高い。生産者で岩手県漁業士会の会長で [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-48.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>「恋し浜ホタテ」。なんて素敵なネーミングだろう。ホタテの産地･岩手県沿岸部の中でも、大船渡市三陸町綾里（りょうり）･小石浜（こいしはま）漁港の「恋し浜ホタテ」は、ブランドホタテとして名高い。生産者で岩手県漁業士会の会長でもある佐々木淳（じゅん）さんは、震災を乗り越え、質の良いホタテを作り続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「小石浜ホタテ」の産地、大船渡市小石浜とは</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-6.jpg" alt="" class="wp-image-53522" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-6.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-6-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-6-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>三陸沖は、北からの親潮と南からの黒潮がぶつかる潮目があり、世界でも有数の漁場として知られている。青森県、岩手県、宮城県の３県にまたがる三陸の中でも、岩手県の沿岸はいくつもの湾が連なり、ノコギリの歯のような地形をしたリアス海岸が特徴的だ。</p>



<p>岩手県沿岸南部に位置する大船渡市は、吉浜湾、越喜来（おきらい）湾、綾里（りょうり）湾、大船渡湾と、いくつもの湾があり、古くからさまざまな漁業が営まれてきた。波の穏やかな湾では、ワカメやホタテ、ホヤなどの養殖業が盛んに行われている。</p>



<p>大船渡市三陸町綾里の小石浜（こいしはま）は、特にホタテの養殖に力を入れてきた。小石浜の漁師で、岩手県漁業士会の会長･佐々木淳（じゅん）さんは、父の代から漁師を受け継ぎ、この地でホタテの養殖を営んでいる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「恋し浜ホタテ」とは</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-36.jpg" alt="" class="wp-image-53523" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-36.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-36-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-36-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県産のホタテはかねてより、中央の市場でも評判がよく、1985年ごろには築地市場で日本一の卸値をつけたことがあるほどだ。</p>



<p>佐々木さんは2008年、小石浜青年部を立ち上げた。それまで、小石浜の漁師たちは、ホタテを市場に出荷していたが、それでは浜の名前が表に出ない。そこで綾里漁協組合を通じて、自分たちが育てたホタテを一般の消費者に直送できるように販路を開拓。そのホタテを「恋し浜ホタテ」とブランディングした。「小石浜」の読みを「恋し浜」ともじったネーミング。なんとも響きが良い。</p>



<p>漁港の近くには三陸鉄道が走る。2009年には駅名も「恋し浜」に変更。今では恋愛のパワースポットになり、駅の待合室にはホタテの貝殻に願いごとを書いた絵馬が飾られている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">良質なプランクトンがホタテを育む</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-39.jpg" alt="" class="wp-image-53524" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-39.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-39-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-39-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>越喜来湾の景色を見渡すと、広葉樹が多いことがわかる。広葉樹は秋になると落葉し、腐葉土になる。この腐葉土の養分を含んだ海水は、海の生物の栄養になるのだという。一方、親潮と黒潮がぶつかる三陸沖では、植物プランクトンが生まれ、その植物プランクトンを餌にする動物プランクトンが集まるという。</p>



<p>沖からのプランクトンと山からの養分を含む大船渡の内湾は、ホタテにとってとてもいい環境だ。小石浜では、こだわりを持って育てたホタテの中でも一定の基準をクリアしたものだけが「恋し浜ホタテ」として、販売されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">大船渡で生まれた耳吊り式の養殖</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-25.jpg" alt="" class="wp-image-53525" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-25.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-25-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-25-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ホタテの養殖は、4月から6月に北の海から親潮に乗って流れてくるホタテの幼生（ラーバ）を採取することから始まる。5月に採苗したラーバは9月には1㎝ほどの大きさになり、ひとつのかごに50個のホタテの稚貝を入れたものを20段作る。ホタテが育つにつれ、かごの中のホタテが密になってくるので数をへらし、12月には25個に、2月は10個と減らしていき、約1年かけて直径８㎝のホタテに育てる。</p>



<p>直径８㎝に育ったホタテは、貝殻に穴を開け、ロープに吊るして養殖する。この養殖の方法を「耳吊り式」という。現在は、青森から宮城まで実施されている養殖方法だが、実は、大船渡で考案された養殖方法である。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-41.jpg" alt="" class="wp-image-53526" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-41.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-41-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-41-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「耳吊式」が確立したのは1960年ごろ。入り組んだ湾と水深が深い大船渡で効率良くホタテを育てるために考案され、現在に至る。大船渡には北海道のような遠浅の砂浜がほとんどないため海底で育てる「地まき式」の養殖ではたくさん収穫することができない。そのため、水中に吊るしたロープにホタテを吊り、深さを活かしてできるだけ多くのホタテを養殖しようと考案された。海底にホタテがつかないため、貝の中に砂が入らないという特長もある。</p>



<p>大船渡の湾内の水深は約40m。その地形を活かし、ホタテの養殖は盛んに行われるようになった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">質の良いホタテのため、手間を惜しまない</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-35.jpg" alt="" class="wp-image-53527" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-35.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-35-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-35-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ロープに吊るしたホタテは、湾内で約1年かけて大きく育つ。幼生から数えると約2年で出荷される。恋し浜ホタテは、漁場が限られているので、一枚一枚のホタテの質の良さで勝負する。</p>



<p>佐々木さんは、質の良いホタテを育てるために、貝と貝の間隔をあけ、1年間に2回以上貝殻の掃除をしている。貝殻には、海藻やフジツボなどが付着する。これらを定期的に除去しないと、ホタテが餌にしている栄養を海藻やフジツボに取られてしまう。それだけでなく、付着物のぶんロープが重くなり下がってしまう。</p>



<p>ただでさえ、ホタテが大きく成長すると、ロープが下がってくる。このロープの高さを調節するのも漁師の仕事だ。「ホタテはロープでつられているので、餌が豊富にある深さに吊って置くために、一年中高さの上げ下げをしています」と話す佐々木さん。太陽の光が届くかどうか、潮の流れが早いかどうか、長年の経験からロープの上げ下げをおこなっているのだ。佐々木さんは、貝殻の掃除や、ロープの調整など、こだわりを持ってホタテを育てている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">震災を乗り越えて</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="683" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/image-13-1024x683.jpeg" alt="" class="wp-image-53517" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/image-13-1024x683.jpeg 1024w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/image-13-300x200.jpeg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/image-13-768x512.jpeg 768w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/image-13-1536x1024.jpeg 1536w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/image-13.jpeg 1600w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<p>綾里漁協で直販する「恋し浜ホタテ」は、ブランディングに成功。肉厚の貝柱、甘みがあってそのまま食べてもおいしいと評判になり、注文数も増えていった。しかし、2011年3月。東日本大震災が発生。小石浜にも津波が押し寄せた。</p>



<p>「東日本大震災の時は海にいました。初めて海ごと揺れるというのを経験して、これはただ事ではないぞと思い、浜に帰ったら大変なことになっていました」と佐々木さん。震災後はすぐに漁を始められる状況ではなかった。漁港は地盤沈下、荷捌き（にさばき）所も流失していた。</p>



<p>被災してすぐ、恋し浜ホタテを通じて知り合った人たちから応援の声が寄せられた。支援に駆けつけてくれる人もいた。そんな中、被災した漁港を支援してくれる海外のボランティア団体が現れ、佐々木さんは漁港の現状や復興のために何が必要かなどの交渉を行った。「恋し浜ホタテ」をブランド化した持ち前の機動力と、社交的な性格を活かし、海外の要人にも臆することなく、対話したことが功を奏した。</p>



<p>海外からの支援のおかげで2014年には地盤沈下した漁港が整備され、小石浜に荷捌き所が完成。沿岸の中でも復興のスピードは早いほうだった。漁港や荷捌き所の復興とともに養殖を進めていたホタテも出荷の時を迎え、2014年、荷捌き所でホタテの貝殻の掃除や、仕分けをして、質の良いホタテを出荷できるようになった。</p>



<p>支援団体から「恋し浜ホタテを知らなかったらここに来ることもなかったかもしれない」と言われたという。佐々木さんは「（恋し浜ホタテを）始めた当初は『何やろうとしてるんだ』と言われたこともあったけど、やっていて良かったと思う」と話し、支援や人のつながりに感謝する。</p>



<h3 class="wp-block-heading">妻のイザベルさんと海へ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-43.jpg" alt="" class="wp-image-53528" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-43.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-43-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-43-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>佐々木さんは、妻のイザベルさんと震災後に知り合った。フランスの内陸出身のイザベルさんは、子どもの頃から空手の稽古をしており、日本の文化に興味を抱いて育った。日本の大学を卒業し就職したイザベルさんは震災後、大船渡にボランティアとして何度も足を運んだ。当時東京で仕事をしていたイザベルさんだったが、大船渡は第二の故郷のような存在となっていった。</p>



<p>震災後、通訳として、佐々木さんの取材に同行したこともあったという。2020年には佐々木さんと結婚。現在は、観光ガイドや通訳をしながら、佐々木さんと一緒に海へ漕ぎ出し漁師をしている。</p>



<p>「フランスでは、魚介類はあまり食べない方でしたが、ホタテは好きでした。でも、恋し浜ホタテを食べたらびっくり（笑）『なんて美味しいの？』って思いました」と陽気に笑う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">海は大船渡とヨーロッパをつなぐ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-16.jpg" alt="" class="wp-image-53529" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-16.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-16-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-16-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>フランスではホタテのことを「コキーユ･サンジャック」と呼ぶ。これは「ヨーロッパホタテ」と言い、厳密には日本のホタテとは種が違う。だが、フランスから遠く離れた日本の三陸沖では時折、採苗器の中にコキーユ･サンジャックが入っていることもあるという。日本のホタテより、少し貝殻がふっくらした形でボッティチェッリの絵画「ヴィーナスの誕生」で描かれている貝がそれである。</p>



<p>つまり、海はつながっている。そう考えると「恋し浜ホタテ」のストーリーに海の男のロマンを感じる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">これからも質の良い「恋し浜ホタテ」を届ける</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-27.jpg" alt="" class="wp-image-53530" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-27.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-27-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/11/iwate-gyogyoushikai-27-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>地球温暖化は海にも多大な影響を及ぼしている。親潮（寒流）と黒潮（暖流）がぶつかる場所が、北上しているのだ。暖流の勢力が強く、本来なら茨城沖で取れるはずの伊勢海老の漁場も北上しているという。</p>



<p>ホタテは寒い環境を好む。水温が5℃を下回ると冬眠するホタテは冬眠後、水温が上がったときに栄養を摂って大きくなる性質がある。近年は、温暖化で水温が5℃を下回ることがなくなってきた。冬の海水温が下がらないため、ホタテは冬眠の機会を失ってしまう。夏の疲れが癒えぬまま、次の夏がやってくるようなものだ。中には、大きく育たないまま死んでしまうものもある。</p>



<p>漁師の仕事は自然が相手だ。環境の変化によって次の年がどうなるかわからない。それでも「俺たちはホタテを諦めない」と話す佐々木さん。「恋し浜ホタテ」の質を守り続けたいと力を込める。たとえ海が変わったとしても、漁師としての矜持を持ち、海で生きる。腕組みして海を見つめる佐々木さんの横顔に使命を背負う者の覚悟を感じた。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53511/">「恋し浜ホタテ」に、海の男のロマンをみる。漁師･佐々木淳さん／岩手県大船渡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>身が大きく風味の良い「3年物」の殻付き真牡蠣で日本一の評価を獲得「マルテン水産」／岩手県陸前高田市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 31 Oct 2025 02:11:10 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[三陸]]></category>
		<category><![CDATA[真牡蠣]]></category>
		<category><![CDATA[3年物]]></category>
		<category><![CDATA[初競り日本一]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9161.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>真牡蠣の産地といえば広島県や宮城県が有名だが、東京・豊洲市場では岩手県陸前高田市のマルテン水産の殻付き真牡蠣が、2017年から連続で初競り日本一を獲得しているという。同社の真牡蠣は3年かけて育てる「3年物」で、その大きさ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53469/">身が大きく風味の良い「3年物」の殻付き真牡蠣で日本一の評価を獲得「マルテン水産」／岩手県陸前高田市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9161.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>真牡蠣の産地といえば広島県や宮城県が有名だが、東京・豊洲市場では岩手県陸前高田市のマルテン水産の殻付き真牡蠣が、2017年から連続で初競り日本一を獲得しているという。同社の真牡蠣は3年かけて育てる「3年物」で、その大きさや風味の良さが高く評価されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">栄養豊富・水質良好の広田湾で育つ</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9124.jpg" alt="" class="wp-image-53477" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9124.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9124-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9124-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>暖流と寒流がぶつかって多くの魚が集まることから、世界三大漁場のひとつとされる三陸海岸。マルテン水産のある陸前高田市の広田湾もその一角にあり、周囲の山々の落ち葉に含まれる植物プランクトンが伏流水や気仙川を通じて海に流れ込み、豊かな漁場となっている。しかも周囲には工業地帯が無く、都会とは違って生活排水量が少ないため、水質は良好。さらに、内湾で波が穏やかなので、昔からワカメやホタテ、真牡蠣などの養殖が盛んに行われている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">養殖筏には地元の気仙杉を利用</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9149.jpg" alt="" class="wp-image-53478" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9149.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9149-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9149-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本で多く流通している牡蠣は、主に真牡蠣と岩牡蠣の2種だ。前者は冬が旬で、ほとんどが養殖もの。それに対し後者は夏が旬で、養殖もののほか天然ものもあり、日本海側が主な産地になっている。</p>



<p>真牡蠣の養殖法にはいくつかあるが、マルテン水産では、“種”と呼ぶ牡蠣の幼生、つまり赤ちゃんを付けた貝殻をロープにくくりつけ、海上に浮かぶ筏（いかだ）に吊るす「筏式」で養殖している。牡蠣の種は宮城県から購入。種を海中で採取するためには遠浅の環境が必要で、県内では難しく、宮城県がその条件に適っているからだ。また、筏の材料には地元の気仙杉を使用。周辺の山に生育していたものを利用したのが始まりで、使ってみると丈夫だったことから現在も利用が続いている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「3年物」の大きさ＆身入りと風味の良さが高評価の秘密</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9158.jpg" alt="" class="wp-image-53479" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9158.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9158-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9158-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一般的に真牡蠣の生産者は1〜2年育てて出荷するケースがほとんどだが、マルテン水産では3年かけて育てた「3年物」を出荷している。もともと他産地同様「1〜2年物」を市場に出荷していたが、昭和末期に佐々木さんの父親や同世代の生産者たちが、3年かけて大きく育て差別化・ブランド化を図ることに。現在広田湾の真牡蠣生産者は10人だが、そのうち佐々木さんを含めた4人がそれを継承しているのだ。佐々木さんが出荷する3年物の殻付きの牡蠣はSMLの3サイズがあり、Lサイズは大人の男性の手のひらからはみ出す大きさ。しかも中の身も大きく味も良いことから、豊洲市場の初競りで2017年から連続して日本一を獲得している。また、直売先の飲食店からも評判で、年々注文が増えている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">リスクがあっても「3年物」を手掛けたい</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9162.jpg" alt="" class="wp-image-53481" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9162.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9162-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9162-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ただ、3年物を手掛けるにはリスクもある。海中で育てる期間が長くなるので、その間に時化で筏やロープから落下する確率が高くなるのだ。しかもそうしたリスクを抱えながら育てても、市場価格は2年物とほとんど変わらない。それでも佐々木さんが3年物にこだわって養殖しているのは、親世代の想いと努力を無駄にしたくないのと、繰り返し注文してくれる飲食店の要望に応えたいからだという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">身入りを良くするための工夫</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9150.jpg" alt="" class="wp-image-53480" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9150.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9150-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9150-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>前述のとおり、佐々木さんの3年物の殻付き牡蠣が高く評価されているのは、殻だけでなく身も大きく、味が良いからだ。その秘密は、出荷直前に牡蠣を1個ずつロープから外してネットに入れ、海中に沈める作業にある。日々海水温が下がるなか1か月間育てることで、身が大きく白くなり、引き締まるという。</p>



<p>「出荷できるサイズの殻付き牡蠣をさらに1か月間育てるので、手間もコストもかかるのですが、一目見て大きさがわかるむき身と違って殻付き牡蠣の身は殻の中で大きく育っているかどうかわからず、『当たり外れ』があります。例えば飲食店の方が来店客に殻を開けて提供したときに身が小さいと恥をかかせることになってしまいますが、逆に大きいと飲食店から信用を得られ、次の受注につながる。ですからできるだけ『外れ』がないよう、『出荷前の仕上げ』としてこの作業を行っているんです」と佐々木さん。実は、広島県など西日本ではキログラム単位で出荷するので重さで身の大きさを想定できるが、陸前高田市など宮城県より北の地域では個数単位で出荷するため身の大きさを想定できず、身が小さい「外れ」が紛れ込む可能性がある。その確率をできるだけ低くすることが、顧客からの信用獲得につながるのだ。</p>



<p>身を大きく育てるための工夫はほかにもある。稚貝のときの「間引き作業」と、夏に船上で75℃の湯に30秒ほどくぐらせる「温湯処理」だ。間引くことで、残った牡蠣は海中の栄養をたっぷり摂取することができるし、温湯処理によって殻に付いたワカメやフジツボなどの付着物を取り除くこともできる。これによって、殻に付着したワカメやフジツボが、牡蠣の成長に必要な海中の栄養を奪ってしまうのを防ぐのだ。</p>



<p>ちなみに牡蠣は殻が厚く密閉度が高いので、前述の温度・時間なら湯にくぐらせても生き続けるという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">生食のほかに「蒸し牡蠣」もおすすめ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9157.jpg" alt="" class="wp-image-53482" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9157.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9157-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9157-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>佐々木さんの真牡蠣は、風味の面でも評価が高い。一般的に三陸産の牡蠣は西日本産や北海道産の牡蠣よりも塩分濃度が高く、噛むほどに甘みが感じられる。佐々木さんの真牡蠣もそのとおりで、さらに身が引き締まっているために生で食べるとサクサクした食感が楽しめる。一方で佐々木さんは、「子どもなど牡蠣を食べ慣れない人なら、蒸して食べるのがおすすめ」ともアドバイスする。磯の風味がやわらかくなるうえ甘みが増すそうだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">直売で、付加価値と値段のアップを図る</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9165.jpg" alt="" class="wp-image-53483" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9165.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9165-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9165-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>マルテン水産では飲食店のほか、個人への直売にも力を入れている。前述のとおり市場では3年物の価格は2年物とほとんど変わらないため、直売することで3年物の付加価値と値段のアップを図っているのだ。「牡蠣は殻を開けるまで生きているので、店や家に届いた殻付き牡蠣はまだ生きている状態で新鮮。その最高な状態の牡蠣を味わってほしい」と佐々木さん。殻付き牡蠣の扱いに慣れていない人が殻を開けるのは難しいが、直売の際には、希望者に有料の「牡蠣オープナー（専用ナイフ）」を付けて発送しているので、それを使えば、直前まで生きていた牡蠣の身ならではのミルキーな味やサクサクした食感を体験できる。</p>



<p>同社を含め陸前高田市の牡蠣の生産者は、夏のウニ漁や冬のアワビ漁などをやらず、牡蠣専業が多いという。それだけ、一年中「いかに良質の牡蠣を育てるか」について考え、生産に力を入れているといえる。実は同市産の真牡蠣のむき身も、豊洲市場で日本一の単価で取り引きされているそうで、その背景にはそうした生産者の努力があることが想像できる。陸前高田市産の真牡蠣のブランド力は、ますます大きくなるに違いない。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53469/">身が大きく風味の良い「3年物」の殻付き真牡蠣で日本一の評価を獲得「マルテン水産」／岩手県陸前高田市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>陸上養殖でつくる、肉厚･やわらか･肝までおいしい「三陸翡翠あわび」。元正榮北日本三陸水産／岩手県大船渡市</title>
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		<pubDate>Fri, 24 Oct 2025 03:51:34 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[養殖]]></category>
		<category><![CDATA[三陸翡翠あわび]]></category>
		<category><![CDATA[三陸地方]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9122.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>高級貝として知られるアワビ。その漁獲量日本一を誇る岩手県で、40年以上前から陸上養殖に取り組んでいるのが、元正榮（げんしょうえい）北日本水産だ。水やエサなどを独自に工夫して育てたアワビに「三陸翡翠（さんりくひすい）あわび [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9122.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>高級貝として知られるアワビ。その漁獲量日本一を誇る岩手県で、40年以上前から陸上養殖に取り組んでいるのが、元正榮（げんしょうえい）北日本水産だ。水やエサなどを独自に工夫して育てたアワビに「三陸翡翠（さんりくひすい）あわび」と名付け、ブランド化。「肉厚･やわらか･肝までおいしい」点が特徴で、料理人や消費者から好評を博している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">天然も乾燥品も。岩手はアワビの名産地</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9084.jpg" alt="" class="wp-image-53415" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9084.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9084-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9084-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>アワビは巻貝の一種で、世界では約70種、日本では主にエゾアワビ、クロアワビ、メガイアワビ、マダカアワビの4種が分布しているといわれる。4種のうちもっとも漁獲量が多いのが、北海道や東北地方（三陸）に生息するエゾアワビ。コリコリした食感が特徴で、特に生食向きだ。</p>



<p>エゾアワビの産地である岩手県は、天然アワビの漁獲量日本一を誇る。アワビは海水温が低いと成長が遅いのだが、岩手県の三陸地方には暖流である親潮が流れ込むためアワビの成長が促されること、アワビのエサである昆布やワカメなどの海藻が豊富なこと、漁期は11～12月の2か月に限定して資源を保護していること、などが背景にあるようだ。ちなみに県内の大船渡市三陸町吉浜では江戸時代から、獲ったアワビを干して「吉浜乾鮑（きっぴんかんぽう）」として中国に輸出していた。明治時代になると製法が改良されたこともあり、中国では世界一の品質として評価されていたという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">陸上養殖で、天然に負けない品質のアワビを育てる</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9087.jpg" alt="" class="wp-image-53416" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9087.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9087-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9087-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>このように昔からアワビの産地として名をはせていた大船渡市で、アワビの陸上養殖に取り組んでいるのが、1982年創業の元正榮北日本水産だ。もともと地元の漁師だった古川勝弘さんが、年々天然アワビの漁獲量が減っていることに危機感を抱き、陸上養殖に挑戦したのが始まりだという。養殖法は試行錯誤で、前年と同じようにやっても同じように成長しないなど苦労は多かったとか。さらに、ようやく養殖法を確立しても、ブランド化や天然ものとの差別化が難しく、思うように売れなかった。転機は、東北6県と新潟県の企業を支援する民間団体のサポートを受けたこと。「三陸翡翠あわび」と名付け、専用サイトを立ち上げて会員向け販売を実施したところ、「肉厚･やわらか･肝までおいしい」と評判に。2011年の東日本大震災からの復活を経て、現在事業は息子で代表取締役社長の季宏さんと、孫で取締役営業部長の翔太さんに引き継がれ、年間120〜130万個を生産する。ちなみにこの生産量は、陸上養殖のものとしては国内トップクラスだという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">やわらかく、肝までおいしい理由</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9101.jpg" alt="" class="wp-image-53417" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9101.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9101-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9101-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>アワビの養殖方法は、海上の生け簀などで育てる「海面養殖」と、陸上の施設で育てる「陸上養殖」の2通りがある。前者は設備費などのコストが安く技術面でも取り組みやすいため、日本では主流なのだが、台風などの天災や盗難のリスクがある。それに対し後者は、設備等のコストがかかるが、水質やエサなど生育環境を管理でき、一年中安定して生産することが可能だ。「特にエサの履歴がわかるという点は、消費者の方に安心していただけるはず」と翔太さんは陸上養殖のメリットを説明する。</p>



<p>同社の陸上養殖のポイントのひとつが、「地下浸透海水」で育てている点だ。これは海底の砂地層を通過してくる海水のことで、砂地層が「ろ過装置」の役割を果たすため海水は浄化される。同社ではこれをポンプでくみ上げ、さらにろ過して、養殖用の水槽に24時間365日かけ流しているので、水槽には常に新しい水が入ってきて清潔。アワビはエサを食べるときに砂や汚れなどを取り込み、それらは肝に蓄積されていくのだが、同社の水槽の水は砂などを含まずきれいなため、三陸翡翠あわびは「肝までおいしい」というわけだ。</p>



<p>また、アワビは流れのある海中で育つと運動量が多くなり、筋肉が発達して身が硬くなるのだが、水槽内では運動量が少ないので、身は硬くならないとのこと。三陸翡翠あわびが「天然ものよりもやわらかい」と評される理由はここにある。</p>



<h3 class="wp-block-heading">海藻の色素で、殻が美しい翡翠色に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9109.jpg" alt="" class="wp-image-53418" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9109.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9109-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9109-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2つめのポイントはエサだ。同社では、昆布を中心とした海藻のほか、国産昆布の粉末や白身魚の粉末などでつくるペレット状の人工飼料も与えている。というのも、現在日本で出回っているアワビの多くが韓国産であることに対し、国産と名乗る以上、生産量優先ではなく品質の高さにこだわるべきと考えた元正榮北日本水産。エサの質がアワビの質に直結するのではと、抗生物質などを加えていない完全無添加のエサを徹底。これにより、肉厚で、雑味のないおいしいアワビが誕生した。ちなみに、名前の由来である美しい翡翠色の殻は、ふんだんに与えられている昆布の色素によるもの。さまざまな海藻を食べていて殻に緑色が出にくい天然ものと明らかに異なり、「これは美しく見栄えが良いと、個人のお客様からは喜ばれています」と翔太さんは胸を張る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">自社で交配･孵化させて一貫生産</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9105.jpg" alt="" class="wp-image-53419" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9105.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9105-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9105-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>アワビの稚貝から育てる養殖業者が多いなかで、自社で交配･孵化させて一貫生産している点も、同社ならではだろう。孵化して7ミリの稚貝になるまでは、海藻の付いた「波板」を入れた容器内で育て、その後は水槽飼育に切り替え、前述の人工飼料を与える。個体差はあるものの、だいたい1年で3〜4センチ、2年で5〜6センチ、3年で7〜8センチ、4年で9センチに成長する。ちなみに天然アワビは成貝食用サイズである7センチになるまで5年かかるが、同社では3年と、成長のスピードが速い。その大きな理由は、成長が速いアワビを選んで交配させているから。親に似て生まれてくるアワビも成長が速いため、成長ホルモンなどを与えていないにも関わらず、速く成長するという。さらに同社では、自社で孵化させた幼生200万個のうち半量を地元の漁師に販売。漁師はこれを海に放流し、成長したものを採ることになるため、資源保全につながっている。</p>



<p>同社の主力は7～8センチの3年物だが、別のサイズを求めるお客もいるため、希望のサイズを希望する個数だけ販売している。「アワビの生産者はキロ単位で出荷するのが一般的なので、お客様からは『使いやすい』と好評です」と翔太さん。9割は生の状態で飲食店やホテルなどに、残りは「スチーム冷凍品」に加工して主に個人客に出荷しているそうだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">山林火災の被害に負けず、復活を目指して歩む</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9082.jpg" alt="" class="wp-image-53420" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9082.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9082-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hy9082-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ここ数年の地球温暖化による海水温の上昇で、海水内の雑菌が増殖しやすくなっていることから、同社では今後、雑菌によるアワビの病気を防ぐために、殺菌装置の導入や、「閉鎖循環式陸上養殖」への切り替えを検討している。「閉鎖循環式陸上養殖」は、人工海水を水槽内で循環させて飼育する方法で、5年前から大手ゼネコンと業務提携して研究開発中とのこと。この方法では、雑菌を含む海水を使わずに済むうえ、「かけ流し」により水槽内の水を海へ排出することがなくなるので環境にもやさしいという。</p>



<p>そんな新しい試みが計画されていた矢先の今年3月、大船渡市の山林火災により、同社の設備の一部が焼失し、水槽内の約250万個のアワビが全滅した。損害額は約5億円。新しい設備をととのえて養殖を再開しても、わずかに残った幼貝を出荷可能のサイズにまで育てるには3年かかり、その間の収入はない。それでも季宏さんも翔太さんも、従業員のため、お客のため、地域のためにあきらめず、クラウドファンディングにも挑戦し、再建に向かって歩き出している。再び三陸翡翠あわびが市場に出回る日がくることを信じ、待ち続けたい。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53407/">陸上養殖でつくる、肉厚･やわらか･肝までおいしい「三陸翡翠あわび」。元正榮北日本三陸水産／岩手県大船渡市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>硬さと精煉度と見た目の３拍子が揃う、「火持ちが良い」木炭を目指して。「北部産業」一條幸子さん／岩手県洋野町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 14 Oct 2025 11:51:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[岩手木炭]]></category>
		<category><![CDATA[なら炭]]></category>
		<category><![CDATA[たたら製鉄]]></category>
		<category><![CDATA[岩手県木炭品評会]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-27.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>木炭生産量日本一を誇る岩手県。その岩手県内で生産量の約4分の1を占めるのが、県北の洋野町産だ。その洋野町で長年製炭業を営む北部産業には、岩手県木炭品評会で受賞経験を持つ炭焼き職人・一條幸子さんがいる。 製鉄との関わりで発 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-27.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>木炭生産量日本一を誇る岩手県。その岩手県内で生産量の約4分の1を占めるのが、県北の洋野町産だ。その洋野町で長年製炭業を営む北部産業には、岩手県木炭品評会で受賞経験を持つ炭焼き職人・一條幸子さんがいる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">製鉄との関わりで発展した洋野町の製炭</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-4.jpg" alt="" class="wp-image-53383" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>洋野町で木炭生産が盛んな理由のひとつが、木炭の材料である広葉樹が多く自生していること。しかも、広葉樹の生えている山がなだらかなので、切って運び出しやすいのだという。</p>



<p>もうひとつの理由が、製鉄との関わりだ。洋野町大野地区は藩政時代、「たたら製鉄」による製鉄業で栄えていた。「たたら製鉄」とは、砂鉄と木炭を粘土製の炉に入れ、空気を送り込みながら燃焼させて「鉄」を作り出す、日本の伝統的な製鉄法のこと。砂鉄が燃焼によって酸化鉄になり、さらに木炭の成分である炭素と結びついて還元されて「鉄」に変わるため、製鉄に木炭は不可欠だったのだ。</p>



<p>明治時代になると西洋式高炉による製鉄が始まり、たたら製鉄は衰退するが、代わりに一般家庭用の燃料として木炭の需要が高まったことから、大野地区では木炭生産が継続された。また、岩手県の他の地域でも農閑期などに木炭を作る農家が多かったこと、東北線が開通して東京の市場へ出荷しやすくなったこと、県が生産を推奨したことなどにより、県全体の生産量は次第に増加。こうして1912年には「木炭生産量日本一」になった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">原料は樹齢20～30年のナラ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-76.jpg" alt="" class="wp-image-53384" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-76.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-76-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-76-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>木炭とは、木材を酸素が無い状態で加熱し、酸素や水素、不純物などを取り除き炭素だけを残して炭化させたもので、800℃以上で炭化させる白炭と、400～700℃前後で炭化させる黒炭の2種類に分けられる。白炭の代表は、主にウバメガシから作られる「備長炭」。一方、岩手で作られているものは黒炭で、原料の木材は県内に多く自生しているナラだ。樹齢20〜30年のものを使うが、それは、「完成する木炭の太さから逆算すると直径20㎝のものが適している」ことが理由のひとつらしい。</p>



<p>「うちのお客様は炉端焼き店や焼き鳥店など飲食店の方が多いため、火持ちの良さが求められる。硬くて密度の高いナラは木炭にすると火持ちが良いので、その点も原料としてナラを使う理由です」と説明するのは、洋野町にある北部産業の代表取締役・佐々木彬さん。同社は1952年創業の「ささき木材店」が前身で、その数年後から製炭業を始めた。現在は16基の窯で、地理的表示（GI）保護制度の登録商品である「岩手木炭」、なら炭、粉炭、木酢液などを生産している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「良い木炭」とは「火持ちが良い」こと</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-1.jpg" alt="" class="wp-image-53385" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>一條幸子さんが同社で木炭作りを始めたのは3年前。それまでは完成した木炭を切り揃えたり袋や箱に詰める作業を担当していたが、木炭作りの工程に興味を持ち、「見聞きするだけではなく、自分でやってみたい」と思い、始めたという。</p>



<p>木炭作りは、先輩職人から教わった。まず、ナラの原木を規格の長さ・太さにし、窯の中に立てて入口に火を着け、4日間乾燥させる。その後、窯の入口をふさぎ、通風口と開煙口を動かしながら窯の中の酸素の量を調節して炭化させていく。完全に炭化させたら、すべての口をふさいで酸素を遮断し、消化。1週間ほど冷ましたら完成だ。着火してから消化するまでの期間は、原木の乾燥状態や気候などによって変わるものの、約2〜3週間。つまり完成まで3〜4週間もかかる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">目指すは「硬い」「重い」「製煉度が低い」木炭</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-32.jpg" alt="" class="wp-image-53386" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-32.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-32-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-32-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「窯の中を酸欠状態にするために、原木をまっすぐに隙間なく並べるのが大変。でも一番気を遣うのは、窯の入口をふさいだあと、通風口や開煙口を動かしながら炭化させる作業ですね」と一條さん。というのも、ここで木炭の良し悪しが決まるからだ。一條さんにとって良い木炭とは「硬くて重い」、つまり「密度の高い」もので、それが「火持ちが良い木炭」の条件でもあるという。燃焼（炭化）スピードが早いと密度の低い、スカスカの木炭になってしまうので、開煙口の温度を測りながら炭化スピードを調整するそうだ。</p>



<p>特に、岩手県木炭品評会では「精煉度」が評価基準のひとつになるため、「消化前に開煙口を大きく開け、窯の中の温度を高くして炭化を高める『精煉』の作業は重要」と話す。「精煉度」とは炭の電気抵抗の数値で、低いほど不純物が少なく炭素の純度（炭化）が高い、つまり「上質の炭」とされる。地理的表示（GI）保護制度の登録が認められた「岩手木炭」は、この精煉度が8％以下と決められているので、品評会でもこの数値が基準となるというわけだ。ちなみに、完成した木炭の下部は精煉度が高いため、「岩手木炭」の場合は切り落とされて出荷されるが、北部産業では下部を切り落とさずに自社の基準で検査し、「なら炭」として出荷するという。</p>



<p>「炭焼き職人の先輩方は、『炭化の状態や精煉をかけるタイミングは煙やにおいでわかる』と言いますが、私はまだその域には達していないのでわかりません。ですからいまは、開煙口の温度が320℃になったら精煉をかけています。でもいつかはわかるようになりたい。そのためにも毎日が勉強で、だからこそ日々面白いんです」と一條さんは笑顔を見せる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「見た目」も、品評会での評価の対象に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-72.jpg" alt="" class="wp-image-53387" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-72.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-72-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-72-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>こうした木炭作りの作業を毎回繰り返すなかで、一條さんは「うまくできた」と思う木炭を見つけ、品評会への出品用として取っておくという。前述の「硬くて重い」「精煉度」に加え、「見た目」も「良い炭」の条件と考えることから、樹皮がきれいに残っているものを選ぶ。その結果、岩手県木炭品評会令和4年度大会では、黒炭切炭の部で農林水産大臣賞を、黒炭長炭の部で林野庁長官賞を受賞。切炭は長さが約6.5㎝、長炭は約30㎝のもので、どちらの賞も最高賞である。</p>



<h2 class="wp-block-heading">木炭作りの技や文化を絶やしたくない</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-37.jpg" alt="" class="wp-image-53388" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-37.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-37-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/10/hokubu-sangyo-37-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>佐々木さんによると、いま国内では木炭の需要が多く、同社の生産が追い付かない状況だという。コロナ禍ではキャンプ用として、その後は焼き鳥店など飲食店用として注文が増えている一方、生産者の高齢化が進んでいるため、製炭会社として全国的にも規模が大きい同社に注文が集中しているからだ。</p>



<p>「そのような状況でも、常に安定した品質の木炭を作るよう心がけています。それと、どんな注文にも応えたい。例えばお客様の中には、うちの商品の『岩手木炭』や『なら炭』とは品質が異なる、『やわらかくて砕けやすい木炭』がほしいという人もあるので、窯の中を探して納品することもあります」と佐々木さんは胸を張る。<br>一方、一條さんは「木炭を作ると、香炉や火鉢用の灰、煙を冷やしてできる『木酢液』も得られ、無駄がない。そんな木炭作りの技や文化を絶やしたくないので、10年、いや20年は続けたい」と意欲を燃やす。「良い木炭」を作ることだけを心がけ、日々、一つひとつの作業に集中する──。そんな一條さんの姿は、木炭作りを目指す次世代の若者の登場に、きっとつながることだろう。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53375/">硬さと精煉度と見た目の３拍子が揃う、「火持ちが良い」木炭を目指して。「北部産業」一條幸子さん／岩手県洋野町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 16 Aug 2025 03:19:10 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ノンホモ]]></category>
		<category><![CDATA[低温殺菌牛乳]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[ジャージー牛]]></category>
		<category><![CDATA[乳牛]]></category>
		<category><![CDATA[山地酪農]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9033.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>北上山系の広大な山地で、ジャージー牛主体の放牧酪農をしている「なかほら牧場」。野草を食べながらのびのびと過ごす健康な牛の生乳を、自社のミルクプラントで「低温殺菌･ノンホモ」に仕上げた牛乳は、「コクはあるのに後味がすっきり [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53128/">ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9033.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>北上山系の広大な山地で、ジャージー牛主体の放牧酪農をしている「なかほら牧場」。野草を食べながらのびのびと過ごす健康な牛の生乳を、自社のミルクプラントで「低温殺菌･ノンホモ」に仕上げた牛乳は、「コクはあるのに後味がすっきりしている」と県内外で評価されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">故郷で山地酪農を目指す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031.jpg" alt="" class="wp-image-53129" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9031-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県の県土の約6割を占め、中央部から周辺部に向けてなだらかな勾配の山地が広がる北上山系。その標高700〜850メートルの窪地に、なかほら牧場はある。面積は、東京ドーム約25個分の、およそ120ヘクタール。ここで子牛も含め110頭の乳牛を放牧している。</p>



<p>なかほら牧場は、1984年に岩手県出身の中洞正（なかほらただし）さんが岩泉町有芸地区に入植して始めた牧場だ。中洞さんは東京農業大学在学中に、植物生態学者の猶原恭爾（なおばらきょうじ）博士が提唱した酪農スタイル「山地（やまち）酪農」を知り、衝撃を受ける。現在日本の多くの酪農家は、牛乳を大量に安価に提供するために、牛を放牧せず、牛舎につないで栄養価の高い外国産穀物飼料を食べさせている。それに対して「山地酪農」は、山に野シバを植え、草食動物である牛を放牧して草を食べさせることで、日本の国土の約7割を占める山を酪農に有効利用し緑の草地に変える、というものだった。しかも、「放牧」と聞くと平らで広い草地が必要と思いがちだが、牛は好物の草さえあれば傾斜地でも難なく歩くという。「これなら急傾斜地が多い岩手の山林でも酪農ができる」と考えた中洞さんは、卒業後に帰郷し、「北上山系総合開発事業」により売り出されていた現在の牧場を購入。この事業は県内8地区17市町村に酪農を誘致する事業で、牧場は、50ヘクタールの土地のほかにさまざまな設備や牛舎、住居なども付いた「建て売り牧場」だった。設備のなかには糞尿処理機など、牛の糞尿が放牧地の肥やしとなる山地酪農では不要なものも含まれており、多額の借金を抱えるものだったが、「故郷で放牧酪農を実践する」という夢のために決断したという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ジャージー牛を選んだ理由</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035.jpg" alt="" class="wp-image-53130" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9035-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>入植した中洞さんは、まず木を伐採して、牛たちが逃げないように牧場の周囲に柵を打ち、11頭の乳牛を放牧した。牛たちは歩き回って下草や木の葉などを食べるので、食べ尽くされて土壌がむき出しになる。そこに日が当たり牛たちの糞尿が肥料となって、やがて野シバなど在来の野草が生えるように。この作業を少しずつ繰り返すことで野草が生えた放牧地を拡大し、乳牛の頭数を増やしていった。ちなみに猶原博士は、牛が十分に食べられる量且つ、過食により野草が消滅しないちょうどいいバランスとして、「放牧地1ヘクタールあたりの牛の頭数を成牛に換算して1.5頭まで」としており、なかほら牧場でも、それに準じた規模で放牧を行っている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生乳本来の風味を生かしたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051.jpg" alt="" class="wp-image-53131" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9051-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>なかほら牧場の牛たちは、通年昼夜問わず放牧されている。牛舎に入るのは、一日2回の搾乳時のみ。搾乳時には、国産のビートかすと大豆かす、小麦を混ぜた「おやつ」が与えられるが、それ以外は、春から秋までは放牧地内のノシバや野草を、放牧地が雪で覆われる冬は、自社採草地の無農薬牧草を発酵させた「サイレージ」や国産の干し草を食べながら、広大な放牧地でのびのびと過ごす。交配も出産も自然のまま。出産後も2か月までは母乳哺育なので、母牛･子牛ともにストレスがかからない。心身ともに健康そのものだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「63℃で30分間」の低温殺菌</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057.jpg" alt="" class="wp-image-53132" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9057-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>なかほら牧場ではそんな健康な牛たちの生乳を、自社のミルクプラントで牛乳に加工し、販売している。中洞さんは入植してから7年間は生乳を農協に出荷していたのだが、1987年に生乳の取引基準が「脂肪分（生乳に含まれる脂肪分の割合）3.5％以上」に変更になり、基準に満たない生乳の買取価格が半額程度となった。なかほら牧場の生乳は放牧で運動量が多いため、乳脂肪分が高くなかったが、水分量の多い青草を食べる春から秋にかけては乳脂肪分がさらに低くなる。そのため中洞さんは「この基準では経営が成り立たない」と危機感を感じ、自分のブランドを立ち上げることを決意。銀行から融資を受けてミルクプラントを建設し、牛乳の製造を始めた。ちなみに同牧場ではその後、ジャージー牛の比率を増やして生乳の脂肪分を高め、現在は夏が3.6〜3.8％、冬は4.3〜4.5％である。</p>



<p>同牧場の牛乳は、コクがあるのに後味がすっきりしている点が特徴だ。それをつくりだしているのが、「63度Cで30分間」の低温殺菌をしていること。「殺菌温度や時間によって、タンパク質が変化して生乳本来の味ではなくなる。そこで試行錯誤してたどり着いたのが、法律上ギリギリの『63度Cで30分間』だったんです」と説明するのは、中洞さんに代わり2021年から牧場長を務める牧原亨さんだ。牧原さんによると、日にちが経つと牛乳に「熟成した風味」が加わるそうで、顧客の中には購入した当日と1週間後の味の変化を楽しむ人もいるという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">瓶の上部の「生クリーム」も楽しんで</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061.jpg" alt="" class="wp-image-53133" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9061-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>もうひとつ、なかほら牧場の牛乳の特徴が、ノンホモジナイズ牛乳（ノンホモ牛乳）であることだ。「ホモジナイズ」とは牛乳に含まれている脂肪球を小さくつぶす工程のこと。大手乳業の大量流通品は120℃2秒などの高温殺菌工程における焦げつきを避けるため、殺菌の前にその脂肪球をつぶしておく必要があるのだ。しかし一方で、脂肪球を砕くため生乳本来の風味が失われるというデメリットがあることから、なかほら牧場では「生乳に近い味を楽しんでもらいたい」と「ノンホモ」を選択しているという。「うちの牛乳の味が濃厚といわれるのはそれもあるのです。また、日にちが経つと脂肪分が瓶の上部に浮いてきますが、これは生クリームですのでそのまま食べてもおいしいですし、パンにのせて食べるというお客様もいらっしゃいます」と牧原さんは胸を張る。</p>



<h2 class="wp-block-heading">次世代に引き継げる「安定経営」を目標に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059.jpg" alt="" class="wp-image-53134" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9059-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在なかほら牧場のミルクプラントでは、牛乳のほかにアイスクリームやヨーグルト、バター、プリンなどの加工品も製造している。販売先は岩手県を越え、関東や関西、四国、九州まで拡大してきたが、それでも経営は厳しい。</p>



<h3 class="wp-block-heading">商品の価値を理解してもらうことが重要</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060.jpg" alt="" class="wp-image-53135" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/08/hy9060-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>牧原さんの実家は、隣りの田野畑村で600頭の牛を牛舎で飼育する酪農家だったが、その後廃業となり、牧原さんは13年前になかほら牧場にやってきた。そして「こういうやり方で牛を飼いたい」と感じるようになったという。「でも、現在のように年一億円以上の赤字経営ではダメ。家族で食べていくことができて、次世代の若者に引き継げるような経営体にしないと」と明言する。</p>



<p>経営を安定させるために牧原さんは、消費者に商品の価値を理解してもらい売り上げを増やすことが必要だと考えている。「例えば、うちの牛乳の瓶の上部に浮いてくるのが脂肪分だと知らないお客様もいます。うちの牛乳の値段は一般的なものの5倍以上ですから、その理由、つまり放牧酪農でエサは草主体で、低温殺菌でノンホモである、ということを理解してもらわないと買ってもらえない。逆に理解してもらえば、購入につながるはずです」と牧原さん。若いスタッフや研修生とともに知恵を出し合い、「牛のため、山のため、乳製品を飼ってくれる生活者の健康のため」をモットーに、牧場の発展を目指す。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/53128/">ジャージー牛を放牧し、「低温殺菌･ノンホモ」の牛乳を全国にお届け。なかほら牧場／岩手県岩泉町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>温泉湧き出る自然環境が育む「食鳥の女王」。「石黒農場」のほろほろ鳥／岩手県花巻市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 03 Jul 2025 10:48:17 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ゴ・エ・ミヨ]]></category>
		<category><![CDATA[畜産]]></category>
		<category><![CDATA[テロワール賞]]></category>
		<category><![CDATA[ほろほろ鳥]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_121_8795.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>フランス料理では「パンダード」と呼ばれ、その上品で繊細な味わいから「食鳥（食用として飼育される鳥類）の女王」と称される「ほろほろ鳥（ちょう）」。温泉地としても有名な岩手県花巻市の「石黒農場」では、豊かな自然環境を生かし、 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_121_8795.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>フランス料理では「パンダード」と呼ばれ、その上品で繊細な味わいから「食鳥（食用として飼育される鳥類）の女王」と称される「ほろほろ鳥（ちょう）」。温泉地としても有名な岩手県花巻市の「石黒農場」では、豊かな自然環境を生かし、およそ50年前からほろほろ鳥を飼育。その肉は、国内の名だたるレストランで提供されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">山あいの温泉地にある、国内唯一のほろほろ鳥専門農場</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="538" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_115_8698.jpg" alt="" class="wp-image-52949" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_115_8698.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_115_8698-300x196.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_115_8698-768x501.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県花巻市の中心部から北西へおよそ10km。奥羽山脈の渓谷沿いに開けた「花巻温泉郷」を抜け、さらに奥に進んだ山間に、ほろほろ鳥の専門農場「石黒農場」はある。現・代表取締役である石黒幸一郎さんの祖父・鋭一郎さんが、戦後この地に入植し農地を開拓したのがはじまりで、やがて東京で親族が営む飲食店を卸先に、鶏を飼育するようになった。<br><br>ほろほろ鳥を扱い始めたのは、およそ50年前。親族の飲食店が岩手県盛岡市に支店を出すことになり「岩手らしい名物をつくろう」となったことがきっかけだった。最初に候補に上がったのは、岩手の県鳥・キジを使った料理。二代目となる鋭一郎さんの息子・晋治郎さんが早速キジの飼育を試みるも、繁殖させるのが難しく、また「県の鳥」を食べることへの反対の声も大きかったことから断念。そんなとき、人づてに「フランスでは、同じキジ科の『ほろほろ鳥』が食用とされている」と聞き、埼玉県の動物園から雄と雌を譲り受け、飼育を始めた。1973年のことだった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">アフリカ原産のほろほろ鳥を、雪国岩手で育てる</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_116_8706.jpg" alt="" class="wp-image-52950" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_116_8706.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_116_8706-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_116_8706-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ほろほろ鳥は、アフリカを原産とするキジ科の鳥。ほぼ改良されておらず原種に近いが、クセや臭みがなく、柔らかくジューシーで上品な味わいが特徴だ。ヨーロッパ、特にフランスでは高級レストランから一般家庭まで幅広く親しまれている食材で「食鳥の女王」とも称されている。日本には、江戸時代にオランダ船によって持ち込まれ、そのときの名称「ポルポラート」がほろほろ鳥の語源、という説が有力だ。<br><br>石黒農場がほろほろ鳥の飼育を始めた頃、日本で食用として飼育されている例はなく、手探り状態でのスタートだった。とりあえずと農場にある既存の鶏舎で飼い始めたが、神経質なほろほろ鳥は、金網越しのキツネの姿やちょっとした物音でもパニック状態になり、1カ所に集まって圧迫され死んでしまうものもいた。また、アフリカ原産のため寒さに弱く、暖を取るために重なり合って圧死することあった。「この雪深い山の中で、ほろほろ鳥を育てることはできるのだろうか」。迷いと不安を抱えながら、晋治郎さんの試行錯誤は数年にわたり続いた。<br><br></p>



<h3 class="wp-block-heading">温泉地の自然環境を活かした「床暖房鶏舎」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_110_8654.jpg" alt="" class="wp-image-52951" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_110_8654.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_110_8654-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_110_8654-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><br>「ほろほろ鳥を寒さから守るには」。この難題を解決するヒントは、ごく身近にあった。敷地内に湧き出ている温泉だ。<br><br>晋治郎さんはある日、自宅に引いた「源泉かけ流し風呂」に浸かりながら「この温泉を鶏舎の暖房に使うのはどうか」と思いついた。試行錯誤の末、温泉水を鶏舎の床下に巡らせたパイプに通すことで「燃料費のかからない床暖房」を実現。また、広々とした屋内鶏舎に建て替え、自由に動き回れる「平飼い」にすることで、ストレスなく過ごせるようにした。<br><br>こうして晋治郎さんは安定生産できる飼育技術を確立。その後のバブル景気も追い風となり、ほろほろ鳥は目新しい高級食材として注目され、親族の飲食店をはじめ首都圏のホテルなどから次々注文が入るようになった。<br><br></p>



<h2 class="wp-block-heading">「国産」ならではの美味しさを。三代目の挑戦</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_114_8665.jpg" alt="" class="wp-image-52952" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_114_8665.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_114_8665-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_114_8665-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>石黒農場の三代目として生まれ育った幸一郎さんは、高校卒業後、すぐに家業は継がずスキーインストラクターになった。その後世界的スキーヤー・三浦雄一郎さんのチームに加わり世界中を遠征。岩手に戻り家業を継いだのは、30歳を目前にした1990年代半ば。その頃石黒農場は、バブル崩壊の煽りを受け、主要取引先だった親戚の店やホテルからの発注が激減していた。<br><br>「新しい売り先を見つけなければ」と、幸一郎さんは月に数度上京し、ほろほろ鳥の肉の入ったクーラーボックスを持ってフレンチやイタリアンの店を訪ね回った。門前払いをされることも少なくなかったが、本場志向の店やフランス帰りのシェフが「ほろほろ鳥にも国産があるのか」と興味を持ってくれた。<br></p>



<p>「閉店後にもう一度来い、と言われて夜遅くに再訪すると、シェフ仲間にも声をかけて集めてくれていたこともありました」と懐かしむ幸一郎さん。当時修業の身だった若手も今やトップクラスのシェフとなり、ほろほろ鳥を使ってくれている。「あのときから続いているご縁が今も大きな支えになっています」と微笑む。</p>



<h3 class="wp-block-heading">畜産業が自給率を下げている</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_126_8821.jpg" alt="" class="wp-image-52953" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_126_8821.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_126_8821-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_126_8821-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>石黒農場のほろほろ鳥は、抗生物質不使用の配合飼料とコメを食べて育つ。そのためか臭みや雑味がなく、脂身がさっぱりしているのが特徴だ。「皮をパリッと焼くとせんべいの香りがする、と言う人もいます」と幸一郎さんは笑う。</p>



<p>飼育を始めた当初は、一般的な養鶏用配合飼料のみで育てていたが、2003年頃から現在のスタイルに。きっかけは「畜産が国内の食料自給率を下げている」という言葉だった。</p>



<p>「東京農業大学の先生に言われたんです。畜産業は輸入飼料に依存している。だから飼育すればするほど自給率が下がるんだ、って。自分としては畜産をやることで自給率アップに貢献していると思っていたから、ショックでした」</p>



<p>ちょうどその頃、岩手県では主食用米の生産を制限する「減反政策」が行われていた。石黒農場の田んぼもその対象になっていたが、「少しでも自給率を上げたい」と考えた幸一郎さんは飼料用米に転作。エサとして与えるだけでなく、籾殻や稲わらを糞に混ぜ肥料にするなど、循環型農業にも取り組み始めた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「国産」ならではの安心と美味しさを</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_147_8923.jpg" alt="" class="wp-image-52954" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_147_8923.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_147_8923-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_147_8923-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>石黒農場がほろほろ鳥を飼育し始めてから半世紀以上が経った。今は国内のほかでもほろほろ鳥を扱うところが出てきたが、「専門農場」を謳っているのはここだけだ。</p>



<p><br>現在は年間約4万羽を出荷。鶏肉ではもも肉の人気が高く、むね肉は需要が少ないとされるが、石黒農場のほろほろ鳥にはどの部位も満遍なく注文が寄せられるという。特にむね肉は評判が高く、ジューシーで柔らかく淡白なその味わいを「白身魚のよう」と評するシェフもいる。</p>



<p>「たくさんのプロの方々に『美味しい』と使っていただけるのは、生産者として本当に励みになります。特に、フランス人シェフに認めてもらったときは感慨深かった」と幸一郎さん。その言葉通り、ほろほろ鳥の本場・フランスに本店を持つレストランからの引き合いも多い。50年以上三つ星を保持し続けるフレンチの名店「トロワグロ」が日本から撤退するときには「最後のディナーメニューに石黒農場のほろほろ鳥を使いたい」と声がかかり、店にも招待されたという。</p>



<p>さらに2025年、フランスで発行されている世界的グルメガイドブック「ゴ・エ・ミヨ」日本版で、地域に根差した食材づくりを讃える「テロワール賞」を受賞。温泉熱を利用して飼育し、鶏糞で飼料米を栽培するなどの循環型農業を実践し、高品質の食肉を提供していることが評価された。</p>



<h3 class="wp-block-heading">持続可能な「オール国産飼料」を目指して</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_149_8917.jpg" alt="" class="wp-image-52955" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_149_8917.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_149_8917-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_149_8917-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本では前例のなかった「食用としてのほろほろ鳥飼育」を確立し、その希少性と質の良さで名だたるシェフの信頼を集める石黒農場。だが決して順風満帆なわけではない。2023年には委託先の孵化場で鳥インフルエンザが発生し、雛が全羽殺処分に。生産体制を再構築し、出荷できるようになるまで１年かかった。</p>



<p>しかしそのピンチを救うかのように、長男の鋭太郎さんが東京の大学を卒業し、家業を継ぐために戻ってきた。今は長女も手伝ってくれている。幸一郎さんは「それまでは家族バラバラだったけど」と冗談めかしつつ、頼もしい子どもたちの姿に目を細める。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_133_8866.jpg" alt="" class="wp-image-52956" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_133_8866.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_133_8866-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/ishiguro_133_8866-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>そんな幸一郎さんには「オール国産飼料でほろほろ鳥を育てたい」という目標がある。つまり「自給率100%」の実現だ。令和5年度の統計によると、国内の飼料自給率は約27%。その大半は牛が食べる牧草や稲わらといった「粗飼料」で、穀類やトウモロコシなどの「濃厚飼料」だけ見るとわずか13%に過ぎない。石黒農場でも多くを輸入飼料に頼っているのが現状だ。<br><br>それでも「農地はたくさんあるし、この周辺で飼料用トウモロコシを作り始めた人もいる。決して不可能ではない」と、幸一郎さんは前を向く。すぐに実現するのは難しくても、試行錯誤しながら一歩ずつ。石黒農場の歴史はそうして紡がれてきた。「よりよいものをつくるために、できることはまだまだある。やるだけやって、あとは息子たちに託そう」と笑う父の言葉を、鋭太郎さんが頷きながら聞いている。石黒農場とほろほろ鳥の物語は、これからも続く。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52948/">温泉湧き出る自然環境が育む「食鳥の女王」。「石黒農場」のほろほろ鳥／岩手県花巻市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>実入りの良いおいしい天然ウニと「再生養殖ウニ」を、北三陸から世界へ。北三陸ファクトリー／岩手県洋野町</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/52914/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 30 Jun 2025 01:51:19 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[洋野うに牧場の四年うに®]]></category>
		<category><![CDATA[ウニバター]]></category>
		<category><![CDATA[塩ウニ]]></category>
		<category><![CDATA[再生養殖]]></category>
		<category><![CDATA[キタムラサキウニ]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8959.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>ウニの水揚げ量が全国2位の岩手県。そのなかでトップの水揚げ量を誇る産地が、洋野町種市（ひろのちょうたねいち）だ。この町でウニの加工販売を手掛ける「北三陸ファクトリー」は、町内産の天然ウニのブランド化を進める一方、「磯焼け [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52914/">実入りの良いおいしい天然ウニと「再生養殖ウニ」を、北三陸から世界へ。北三陸ファクトリー／岩手県洋野町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8959.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>ウニの水揚げ量が全国2位の岩手県。そのなかでトップの水揚げ量を誇る産地が、洋野町種市（ひろのちょうたねいち）だ。この町でウニの加工販売を手掛ける「北三陸ファクトリー」は、町内産の天然ウニのブランド化を進める一方、「磯焼け」の影響で身入りが悪くなったウニの「再生養殖」にも取り組んでいる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">外海に面し、天然の魚介類が豊富</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8976.jpg" alt="" class="wp-image-52915" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8976.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8976-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8976-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県沿岸の最北端に位置する洋野町は、三陸海岸では珍しく、湾のない、外海に面した町だ。荒海にさらされるため養殖業には不向きである一方、親潮と黒潮の影響を直接受けることから天然のホヤやアワビ、ウニなどが豊富に獲れる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">もう一度、水産業で活気あふれる町に</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8961.jpg" alt="" class="wp-image-52916" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8961.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8961-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8961-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「北三陸ファクトリー」の代表取締役CEO・下苧坪之典さんは、洋野町種市で代々水産業を営む家に生まれ育った。小学生の頃、海に潜ると昆布が森のように茂り、それをエサとするウニが辺り一面にいたことを覚えている。それほど水産資源が豊富で、町にも活気があったという。しかし、1990年代になると水産物原料供給の不安定さと、日本国内の水産物の消費の低迷などにより、地域の水産業が衰退し、父親の会社も傾く。当時中学生だったが「もう水産業では生活できない」と感じ、大学を卒業して自動車販売会社の営業マンになった。</p>



<p>転職も経験しながら、東京、仙台、盛岡などで働いていた下苧坪さんだったが、父親の病気をきっかけに2009年に帰郷。故郷で暮らすうちに海が豊かで町が賑わっていた頃を思い出し、「あの頃のように水産業で活気にあふれていた町を、自分の手でもう一度つくりたい」と、2010年に水産加工販売の「ひろの屋」を創業した。その後、ブランド「北三陸ファクトリー」を立ち上げ、それを法人化したのが2018年だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「洋野町産ウニ」の価値を高めたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8984.jpg" alt="" class="wp-image-52917" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8984.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8984-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8984-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>事業の核として下苧坪さんが着目したのが、ウニだった。洋野町産のウニの種類はキタムラサキウニ。春から夏にかけて収穫され、水揚げ量が多いだけでなく、味も良い。しかし市場では他産地のものと一緒に「三陸産」として流通していることから、なんとか「洋野町産」のブランドを確立し、価値を高めたいと考えたのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">4年目の天然ウニを「うに牧場」で水揚げ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8968.jpg" alt="" class="wp-image-52918" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8968.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8968-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8968-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>じつは洋野町のウニのおいしさには、独自の理由がある。約60年前に海岸に人工的に造られた178本の「増殖溝」だ。「増殖溝」とは、昆布などの海藻が安定的に流れ込むように岩盤に掘った溝のこと、洋野町の海は遠浅で、干潮時には海水が干上がり海藻が枯れてしまうことから、地元の漁協が、海藻が生い茂る「藻場」として増殖溝を造ったという。おかげで干潮時でも、ウニは増殖溝で天然の海藻を食べることが可能に。下苧坪さん曰く「ウニの味はエサで決まり、天然の昆布が一番」であるため、洋野町のウニは濃厚な旨みを持つようになるのである。</p>



<p>とはいえ、洋野町の海に生息するウニがすべて増殖溝に入るとは限らず、また、一度にたくさんのウニが増殖溝に入ると海藻の取り合いになる。そこで洋野町の漁師は長年積み重ねてきた経験と知恵を駆使し、ウニの生育を管理し、もっともおいしい「4年」で出荷できる仕組みをつくった。</p>



<p>具体的には、種市漁港のそばにある県営の「うに栽培漁業センター」で稚ウニを孵化させ１年間育てたあと、外洋に2年間放流し、その後、増殖溝に移して１年間育てて出荷するというもの。出荷前の1年間、増殖溝に繁茂する天然の昆布などを安定的に食べさせることで、旨みが強く身入りの良いウニに仕上げるというわけだ。下苧坪さんはさらに、この増殖溝を「うに牧場®」、出荷するむき身の生ウニを「洋野うに牧場の四年うに®」と名付けてブランド化。殻付きの生ウニとともに4月末から8月中旬頃にかけて販売しており、飲食店を中心に高い評価を得ている。ちなみに一般的なウニの養殖法は陸上または海面の施設で専用のエサを与えて育てるものだが、「四年うに」の場合、人により放流されたり移されたりするものの海の中で海藻だけを食べて育つので、「養殖もの」ではなく「天然もの」として流通する。</p>



<h3 class="wp-block-heading">独自のエサを与え、痩せたウニを「再生養殖」</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8960.jpg" alt="" class="wp-image-52919" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8960.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8960-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8960-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>もうひとつ、洋野町産天然ウニのブランド化とともに下苧坪さんが取り組んだのが、磯焼けの影響で身がほとんど詰まっていないウニの「再生養殖」である。</p>



<p>海底に海藻が生えておらず砂漠のような状態の「磯焼け」と、それによる水産物の水揚げ量の減少は、洋野町も含め日本各地で問題になっており、その大きな原因のひとつが、海藻を食べるウニの過剰増殖といわれる。繁殖力が強いウニは海藻を食べ尽くし、しかも雑食性なので海藻が無くなっても生き続けるという。そのうえ、海水温が上がると動きがより活発になることから、昨今の地球温暖化にともなう海水温の上昇によってどんどん増殖しているのだ。そこで、磯焼けを食い止めるためにはウニの採捕が必要なのだが、磯焼けの海域で生き続けているウニには身がほとんど入っていないので商品価値がなく、廃棄料を払って廃棄せざるを得ず、一方で商品として出荷できるウニの水揚げ量は減るばかり。どうしたらよいものか……と漁師から相談を受けた下苧坪さんは、痩せたウニに人工のエサを与え、おいしい身が詰まったウニに「再生」させようと決意。以前からウニの養殖技術を研究している北海道大学水産学部浦和寛准教授に教えを請い、エサと海面養殖法の研究開発に取り組んだ。</p>



<p>「開発は想像以上に大変でした。身はぎっしり詰まってきれいな色なのですが、肝心の味がおいしくなくて」と下苧坪さん。それでも試行錯誤の結果、8年目にようやく、天然ウニに近い食味の身が詰まったウニの「再生養殖」に成功した。具体的には、ウニを入れて管理する専用のかごと、天然の海藻の搾りかすを混ぜたエサを開発したのだ。このウニは「はぐくむうに」と名付けられ、味や身入りの良さのほか、一年中出荷が可能である点でも注目を浴びている。</p>



<p>その後下苧坪さんは、このウニの再生養殖システムで世界の海の磯焼けを改善し、同社のミッション「北三陸から、世界の海を豊かにする」を達成したいと、2023年にオーストラリアに現地法人を設立。日豪の二拠点生活で、養殖に取り組んでいる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「EU HACCP」の認定を受け、ヨーロッパ輸出を目指す</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8973.jpg" alt="" class="wp-image-52920" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8973.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8973-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/07/hy8973-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>しかし残念ながら、過剰増殖したウニを完全に駆除し、海を海藻が生い茂る状態に戻すには時間がかかる。実際、前述のとおり磯焼けによってウニの水揚げ量は年々減少しており、2024年は6割減だったという。さらに、海水温の上昇が続くために海面養殖のウニの量も不安定になってきている。</p>



<p>そこで下苧坪さんが進めているのが、町内での陸上養殖施設の整備だ。前浜沖から引いた新鮮な海水を陸上の生け簀に引いてかけ流しにしながら温度管理し、その中で身入りの悪いウニを再生養殖するものである。現在同社で取り扱うウニの多くは天然だが、施設操業後は養殖のほうが多くなると見込まれることから、養殖ウニの食味が天然ウニによりいっそう近くなるよう、エサのブラッシュアップも目指す。</p>



<p>また、海外のマーケットにも目を向ける。同社は「塩ウニ」や「ウニバター」などの加工品を多く手掛けており、2024年12月には本社工場が、ウニでは日本初の「EU HACCP」の認定を受けた。これを機に、加工品や冷凍の養殖ウニなどのヨーロッパへの輸出を見据える。下苧坪さんによると、ウニの国内マーケットは海外産の日本参入により、価格競争が年々厳しくなっているそうで、事業存続のためには世界レベルで自社商品を高く評価してもらうことが不可欠。幸いにも海外でウニの人気は高まっているので、まずはヨーロッパで洋野のウニのブランドを確立したいと考えている。そしてそれが、いつの日か洋野町の再生につながると信じ、下苧坪さんは今日も世界各地を飛び回る。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52914/">実入りの良いおいしい天然ウニと「再生養殖ウニ」を、北三陸から世界へ。北三陸ファクトリー／岩手県洋野町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>三陸のポテンシャルを物語る新鮮な「泳ぐホタテ」を届けたい。／岩手県釜石市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 25 May 2025 04:24:17 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[泳ぐホタテ]]></category>
		<category><![CDATA[与助]]></category>
		<category><![CDATA[buyer’s room 2023]]></category>
		<category><![CDATA[中小企業庁長官賞]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>世界でも有数の漁場･三陸。いくつもの湾が複雑に入り組んだリアス海岸で知られる岩手県沿岸部では、ホタテの養殖が盛んに行われている。釜石市平田（へいた）の「ヤマキイチ商店」は、箱の中から音がするほど新鮮な「泳ぐホタテ」を販売 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52794/">三陸のポテンシャルを物語る新鮮な「泳ぐホタテ」を届けたい。／岩手県釜石市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>世界でも有数の漁場･三陸。いくつもの湾が複雑に入り組んだリアス海岸で知られる岩手県沿岸部では、ホタテの養殖が盛んに行われている。釜石市平田（へいた）の「ヤマキイチ商店」は、箱の中から音がするほど新鮮な「泳ぐホタテ」を販売。質の良いホタテを届け、三陸の価値を高めている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">三陸の海の幸が豊富な「鉄と魚のまち」釜石</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-3.jpg" alt="" class="wp-image-52795" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-3.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-3-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-3-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手県の沿岸南部にある釜石市は、東は太平洋に面し、三陸漁場の豊かな水産資源がある街だ。近代製鉄発祥の地でもあり「鉄と魚のまち」として栄えてきた。</p>



<p>その釜石市平田漁港のほど近くに「ヤマキイチ商店」はある。創業は1989年。専務の君ケ洞剛一（きみがほらたけいち）さんの父で社長の幸輝（ゆきてる）さんが、三陸の海の幸を販売しようと立ち上げた。当初はワカメを主に販売していたが、ある時、漁協から「販路が確立できずにホタテが余っているので売ってほしい」と言われたのをきっかけに、ホタテの販売を始めた。<br><br>「三陸の価値あるホタテを新鮮なまま届けたい」という思いから試行錯誤して生まれたのが生きたまま届く「泳ぐホタテ」だ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">高値で取引される岩手県産のホタテ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-48.jpg" alt="" class="wp-image-52796" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-48.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-48-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-48-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>リアス海岸の入り組んだ地形からなる湾は、波が穏やかで養殖には最適だ。そのため三陸ではワカメやホタテ、カキなどの養殖が盛んに行われている。</p>



<p>ワカメの生産量は全国2位、牡蠣は全国5位を誇っているが、上記の中で唯一、ホタテは、北は北海道から南は宮城まで広く養殖されており、岩手県産ホタテのシェアはたったの1パーセント。生産量では圧倒的に少ない。<br>「生産量では北海道にはかないませんが、岩手のホタテは質で勝負。北海道が大手の寿司チェーンならば、岩手はレストランといったように、役割が違うと思っています」そう話す剛一さん。</p>



<p>市場取引で高値がつくのは岩手のホタテだという。生産量こそ少ないが、市場でも質の良さが高く評価されているのだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">産地によって違う養殖</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-52.jpg" alt="" class="wp-image-52797" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-52.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-52-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-52-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>北海道産のホタテは稚貝を海に放ち海底で天然に近い状態で育てる「地まき式」という養殖で育てる地域が多い。一方、三陸の岩手では、貝殻に穴を開け、ロープで吊るして養殖する「耳吊り式」が主流。育て方が違う。</p>



<p>「地まき式」は、稚貝を海に放ち、海の底を泳ぎ回って育つ。「地まき式」が海底の「面」を使って育てるのに対し、三陸岩手の「耳吊り式」は、内湾の水深がある地形、つまり「深さ」を利用し、水中を浮遊する状態で育てる。「耳吊り式」で育ったホタテは、海底の砂に触れないので、砂を吐かせる必要がない。これは「耳吊り式」の利点でもある。</p>



<p>また、「耳吊り式」は、ロープで吊っているので漁師が管理しやすい。数よりも大きさと質にこだわる三陸岩手のホタテ。貝殻にフジツボや海藻などの付着物がつくと生育に影響が出るため、貝殻の掃除をしたり、ロープの上げ下げをして海水の流れの良い水深に調節するのも漁師のこだわりだ。</p>



<p>大きいホタテを育てるには適度な間隔を開けて育てるのも重要。ホタテの間を海水が良く流れることで栄養が行き届くため、成長して密にならないよう、予測しながら間隔あけて吊るす。これには、ロープ一本あたりが重くなりすぎないようにという狙いもある。ロープが重くなり、フロート（浮き）が下がると海底に届いてしまうこともある。せっかく水中に浮遊させているのに海底で砂を吸ってしまっては元も子もない。耳吊りの間隔、貝殻の掃除、フロートの管理。これらは、三陸岩手のホタテ漁師のこだわりでもある。</p>



<p>北海道のホタテは3〜5年で出荷するのに対し、岩手のホタテは2年で同じ大きさに育ち出荷することができる。それは、親潮と黒潮が混ざり合う三陸漁場の賜物でもあり、山から流れ出す腐葉土の養分による山の恩恵でもある。大きさは同じでも北海道のホタテは貝殻が厚い、一方、岩手のホタテは大きさは同じでも貝殻が薄い。それでいて貝柱などの身の部分が大きい。</p>



<p>岩手のホタテは貝殻が薄く身が大きく歩留まりが良い。生きたままの状態で届けるヤマキイチ商店の「泳ぐホタテ」は鮮度も良いことから都内の飲食店からの信頼も厚い。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「泳ぐホタテ」とは</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-94.jpg" alt="" class="wp-image-52798" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-94.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-94-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-94-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><a href=""></a>ヤマキイチ商店の「泳ぐホタテ」は、受け取った人は「水の中でホタテが泳いでいる」「貝がパタパタと開いたり閉じたりしている」と驚くという。殻を剥く時には指を挟まれないように注意しなければならないほどだ。そのため「泳ぐホタテ」には剥きヘラと説明書がついてくる。</p>



<p>大きさは11㎝以上のものから選んで注文できる。一番大きいものだと15㎝以上にもなる「幻のホタテ」もある。その大きさもさることながら、泳ぐホタテの貝柱は厚みがありシャキッとしている。</p>



<p>ホタテの貝柱は、貝を開け閉めするための筋肉でもある。そのため、泳ぐほど元気なホタテは貝柱もシャキッとしているのだ。実際に貝殻を剥いてみると、ビクンビクンと躍動するホタテを見ることができるだろう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">肉厚の貝柱、貝ひもの旨さ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-92.jpg" alt="" class="wp-image-52799" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-92.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-92-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-92-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ヤマキイチ商店では、大きさ、味、鮮度すべてにおいて満足してもらえるものを目利きし、高品質のホタテを届けている。</p>



<p>そのため、スーパーで買ったホタテしか食べたことがない人は、食感や濃厚な味に驚くという。中には「貝ひもがこんなに美味しいんですね」と言う人もいるとか。<br>「ホタテというとどうしても貝柱ばかりが味の評価になりますが、うちのホタテは貝ひもも甘くて美味しい。季節によっては、卵巣も味わえます。丁寧に仕事をしていれば、評価してもらえる。そう思っています」と剛一さんは言う。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ホタテの産地での当たり前は「特別なこと」だった</h3>



<p>ホタテの販売を始めた当時、剛一さんの父･幸輝さんは、市場調査のため築地に足を運んだ。そこで「活ホタテ」と名付けて販売されているホタテを見て愕然とした。幸輝さんが釜石で見てきた活き活きしたホタテとは全く別物の弱ったホタテだったのだ。</p>



<p>「朝、水揚げされたばかりの新鮮なホタテを見て育ってきたので、私たちはそれが当たり前だと思っていました。でも、三陸のホタテの当たり前は他所では『特別なもの』だったのです」と当時を振り返る。三陸のホタテは「価値があるもの」だということに気づいた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">三陸の価値あるホタテを新鮮なまま届けたい</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-91.jpg" alt="" class="wp-image-52800" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-91.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-91-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-91-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>社長は、新鮮なままホタテを届けるために、輸送や発送方法を試行錯誤した。はじめは、水揚げされたばかりのホタテをトラックに積んで運んだが、中には納品する前に死んでしまうものもあった。新鮮なはずなのに、である。そして、鮮度の良さを保つためには、できるだけホタテが生きている時と同じ環境を作ってあげることが重要だと気づいた。</p>



<p>「ホタテは、水揚げされてからが勝負。一枚一枚掃除をして、選別して、生簀でストレスがない状態を作り出します。水揚げされた直後、ホタテは興奮状態なので、必ず1日以上は生簀の中で休ませ、ホタテが海の中で過ごしている時とできるだけ同じ状態を作り出し、リラックスさせ、それから発送します」と剛一さん。　鮮度を追求してたどり着いたのが生きたままで届ける「泳ぐホタテ」だ。</p>



<p>その方法は企業秘密だが、ポイントは「ホタテの気持ちになって考える」ことだという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">東日本大震災を乗り越えて</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-63.jpg" alt="" class="wp-image-52801" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-63.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-63-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-63-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「泳ぐホタテ」はその品質の良さから全国に口コミで広まっていった。そんな矢先の2011年3月。東日本大震災による津波が発生。ヤマキイチ商店は、事務所と生簀を流失した。</p>



<p>懇意にしているホタテ漁師は生産を続けていた。ヤマキイチ商店も生簀がなくても生活のために、商売することはできたが、剛一さんは「自社の使命は三陸のうまいホタテを届けること。復興支援として買ってもらうのは違う」と、3万人の顧客に手紙を送り生簀を再建するまで「泳ぐホタテ」の発送を止めた。</p>



<p>2012年7月、生簀を再建し「泳ぐホタテ」は復活。全国から激励と感謝の手紙が届いた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">感謝の思いを伝え、産地の魅力を伝えたい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-25.jpg" alt="" class="wp-image-52802" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-25.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-25-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-25-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2020年には、直売所を兼ね備えた食事処「与助」をオープン。ここは三陸の海を間近にしながら「泳ぐホタテ」を味わえる場所だ。</p>



<p>良いホタテを届けてきたからこそ「震災後も顧客が離れることなく待っていてくれた。その感謝の思いを伝えたい。そして、産地の景色や人の魅力を伝えたい」そんな剛一さんの思いが込められている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">三陸の価値を高め、三陸とともに歩む</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-12.jpg" alt="" class="wp-image-52803" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-12.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-12-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-12-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>食事処「与助」の壁には、ヤマキイチ商店の歴史と、震災後全国から届いた激励の手紙や、泳ぐホタテに寄せられたメッセージなどが貼られている。<br>ヤマキイチ商店の歴史は、宮古･釜石･大船渡のホタテ漁師との歴史でもある。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「泳ぐホタテの貝柱」が中小企業庁長官賞を受賞</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-17.jpg" alt="" class="wp-image-52804" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-17.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-17-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-17-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2023年には「泳ぐホタテの貝柱」が「buyer’s room 2023」において中小企業庁長官賞を受賞した。</p>



<p>「泳ぐホタテの貝柱」は、ホタテを剥いてすぐ、貝柱のみ急速冷凍した商品。貝柱の大きさ、濃厚な味、ぷりっとした食感。最高の品質を桐箱に入れて届ける。この商品に使用している45gサイズの貝柱がとれるのは全体のうちわずか15%。希少性も高い。</p>



<h3 class="wp-block-heading">厳しい状況でも信念を貫く</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-39.jpg" alt="" class="wp-image-52805" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-39.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-39-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yamakiichi-39-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>近年は、温暖化の影響で夏の海水温が上昇。ホタテが生息するのにちょうどいい水温だった海の環境は大きく変わってしまった。これにより、ホタテの中には夏を越えられずに、水揚げ前に死んでしまう個体もあり、養殖産業は厳しい状況に立たされていると言わざるを得ない。そんな状況だからこそ、ヤマキイチ商店では、地元の生産者がこだわりを持って育てた良質なホタテを高値で買い取り、地域の産業を盛り立てている。</p>



<p>「父の代から浜でいちばん高い値をつけて買い取る努力を続けてきました。漁師の収入の確保も大事ですが、それだけでは未来永劫続かない。やりがいやプライドを醸成していくことも大事だと考えています」と話す剛一さん。ときには、自分が育てたホタテのおいしさを改めて感じてもらうため、漁師を連れ、ホタテを卸している飲食店に赴くこともあった。現在は、食事処「与助」がその一役を担う。この店で「泳ぐホタテ」を味わった人たちがそのおいしさや感動を伝え、広めることで、漁師のやりがいへと繋げているのだ。</p>



<p>「生産量が減っても、私たちは一枚一枚、丁寧に売り続けます。『泳ぐホタテ』は、三陸の魅力そのもの。だからこそ本当に良いものだけを届けていきたい」。</p>



<p>そんな強い信念のもと、世に送り出される「泳ぐホタテ」。そのおいしさには漁師の飽くなき“こだわり”と、三陸のホタテ産業の発展を願うヤマキイチ商店の気持ちが詰まっている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52794/">三陸のポテンシャルを物語る新鮮な「泳ぐホタテ」を届けたい。／岩手県釜石市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>高品質の木炭作りと後進育成に励む「谷地林業」谷地司さん／岩手県久慈市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 17 May 2025 06:13:04 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[製炭技士]]></category>
		<category><![CDATA[チャコールマイスター]]></category>
		<category><![CDATA[キャンプ]]></category>
		<category><![CDATA[アウトドア]]></category>
		<category><![CDATA[岩手木炭]]></category>
		<category><![CDATA[木炭]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-34.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>岩手県の木炭の生産量は日本一で、国産の約3割を占める。その生産者として、また品評会の審査員や、25人しかいない県認定の製炭技士（チャコールマイスター）として岩手の製炭業を支えているのが、谷地林業の窯長･谷地司さんだ。後進 [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52779/">高品質の木炭作りと後進育成に励む「谷地林業」谷地司さん／岩手県久慈市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-34.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>岩手県の木炭の生産量は日本一で、国産の約3割を占める。その生産者として、また品評会の審査員や、25人しかいない県認定の製炭技士（チャコールマイスター）として岩手の製炭業を支えているのが、谷地林業の窯長･谷地司さんだ。後進を指導しながら、「着火しやすく火持ちする」木炭作りに励んでいる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">質も量も一級品の「岩手木炭」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-31.jpg" alt="" class="wp-image-52780" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-31.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-31-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-31-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>木炭とは、酸素が無い、または、少ない状態で木材を加熱し、酸素や水素、不純物などを取り除いて炭素だけを残したもの。燃やしても煙やにおいがほとんどでないという特長があり、昔から燃料として使われてきた。岩手の木炭の歴史は、平泉遺跡群発掘調査などにより1100年前後までさかのぼるといわれている。それ以降も豊富な山林資源を利用して作られ、1891年には東北線の開通を機に東京市場に向けて生産量･出荷量が増加。1905年には大凶作の救済対策として県が木炭生産を奨励し技術を導入したことから、1912年には「木炭生産量日本一」の地位が確立された。さらにその後、高品質のものを安定して供給するため、岩手県木炭協会の主導で窯や技術の研究が行われ、現在の「岩手大量窯」が出来上がった。これらの取り組みから2018年には「地理的表示（GI）保護制度」の登録が認められた。これにより「岩手木炭」の名称が保護され、県内の窯と木材を使い、精煉度8％以下のものだけが「岩手木炭」として出荷されている。ちなみに精煉度とは炭の電気抵抗の数値で、低いほど炭素の純度が高い、つまり良質の炭とされる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">飲食店やキャンプで人気</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-16.jpg" alt="" class="wp-image-52781" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-16.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-16-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-16-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>木材を使った木炭は主に、800℃以上で炭化させる白炭と、400〜700℃前後で炭化させる黒炭に分けられる。前者は着火しにくいものの火持ちが良く火力調整しやすい点が特徴で、飲食店で使われる「備長炭」はその代表格だ。一方の後者は着火しやすく火力が強く、岩手木炭はこちらに含まれる。本州一の面積を誇り、その約77％が森林という岩手では、主に樹齢20〜25年のナラを使って作られる。ナラが豊富に生育していること、他の木材と比較して硬いので、火持ちが良い木炭になる点が理由のようだ。</p>



<p>黒炭のなかでも岩手木炭は、着火しやすい、火持ちが良い、煙やにおいが出にくく弾けにくいなど、利点が多い。着火しやすいのは、樹皮が付いているから。これは岩手木炭の大きな特徴で、備長炭を使う飲食店が着火剤代わりに使うこともあるという。また、手作業で原木を切ることで樹皮がはがれるのを防ぐ点もポイント。はがれると空気が入り、弾けやすい木炭になるからだ。さらに、仕上げとして高温で燃焼する「精煉」の作業をしっかり行うことで、煙やにおい、「はぜ（弾け）」の原因となる不純物を燃やす。このとき重要なのが、最高で約800度にまで燃焼して「炭化度」を上げること。これにより、煙やにおいが出にくく弾けにくい木炭ができあがる。</p>



<p>そんな岩手木炭はキャンプ用、バーベキュー用としても人気が高く、特にキャンプでは、火持ちが良いことから持参する量が少なくて済むので重宝されているという。一方で、生産量の多さは前述のとおりで、その背景にあるのが、岩手県木炭協会が開発した「岩手大量窯」だ。火を回しやすくして一度に良質の木炭を大量に作ることができるよう、高さや形が工夫されている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">内閣総理大臣賞受賞の製炭の技とは</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-60.jpg" alt="" class="wp-image-52782" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-60.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-60-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-60-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>岩手木炭の生産は県北部が中心で、その代表が久慈市山形町だ。同町は面積の約80％が山林。冬は寒く雪が多いことから農閑期が長く、その間に製炭で稼ぐ農家が多いこと、また、炭窯に適した土が豊富なことが、製炭が盛んな理由と考えられている。</p>



<p>この地で1916年に創業した谷地林業も、創業当時から地元の木材を使って木炭を作っている。三代目窯長の谷地司さんは岩手県木炭品評会で何度も受賞経験があるほか、2018年度農林水産祭天皇杯で木炭では史上初の内閣総理大臣賞を受賞した腕前だ。</p>



<p>「木炭づくりは20年やっていますが、いつも『備長炭に近い黒炭を作りたい』と思ってきました」と谷地さん。前述のとおり、白炭の備長炭は黒炭に比べて火持ちが良い。そこで、黒炭の「着火の良さ」「火力の強さ」はそのままに、備長炭により近い火力と火持ちの良さを特徴とする炭を目指しているという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「前焚き」でゆっくり乾燥させるのがポイント</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-28.jpg" alt="" class="wp-image-52783" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-28.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-28-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-28-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>谷地林業では県内の他の製炭業者同様、規格の長さ･太さに切り割りしたナラの原木を窯に入れ、前焚きして乾燥させたあと着火し、窯内の酸素の量を調節しながら炭化させて炭を作る。各工程の日数は、だいたいの目処はあるものの、原木の乾燥具合や製造時の気温･湿度･燃焼状態などによって調整が必要だ。そのタイミングの見極めが大事で、生産者の経験や勘に頼る部分が大きい。そしてそれが完成する木炭の質を左右する。</p>



<p>工程のなかで谷地さんがもっとも重要視しているのが、「前焚き」だ。これは、窯の入り口付近で薪を燃やして窯の温度を上げ、ナラを乾燥させる作業。このときナラの水分が一気に外に逃げないようゆっくり薪を燃やすことがポイントで、これによって密度が高く、硬く縮みの少ない木炭に仕上がり、火持ちが良く崩れにくいものになるという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">それぞれのクセを理解して複数の窯を使いこなす</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-12.jpg" alt="" class="wp-image-52784" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-12.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-12-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-12-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>谷地さんはほかに、窯でのナラの立て方や積み方、消火のタイミングなども独自に工夫。その結果が、品評会等での受賞につながっている。岩手県木炭品評会に関しては受賞回数が多いことから、やがて出品する側から審査する側にまわり、2018年には岩手県製炭技士（チャコールマイスター）に認定された。</p>



<p>チャコールマイスターには、製炭だけでなく窯造りの技術も求められる。「窯って同じように作っても、それぞれにクセがあるんですよ。我が社には12基の窯があるので、炭を作るたびにメモをとって作業のしかたや窯選びの参考にしています」と谷地さんは説明する。なかには「品評会用の木炭をつくるときに必ず使う」という窯もあるそうだ。</p>



<p>完成した木炭は規格の長さにカットし、できるだけ隙間ができないよう専用の枠に並べて梱包する。すべて専任のスタッフによる手作業。躊躇無く手早く並べる手際の良さは、熟練の技そのものだ。なお同社では、1袋3kg入りと6kg入りの「岩手切炭」と合わせて、自社独自ブランドである「黒炭（KUROSUMI）」でも木炭を出荷している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">地域の伝統産業である製炭業の未来のために</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-41.jpg" alt="" class="wp-image-52785" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-41.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-41-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-41-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>谷地さんは今、自分の技術や知識を若い人たちに伝えたいと後進の指導に力を入れている。値段の安さから国内で流通している木炭の約8割が輸入品というなかで、岩手木炭の需要は多いのだが、県内の生産者が高齢化などで減少して供給が追いついていないという。そこで若い生産者を育て、生産量アップにつなげたいと考えているのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「燃料用以外の木炭」作りにも取り組む</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-2.jpg" alt="" class="wp-image-52786" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2025/05/yachi-ringyo-2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>また会社としては今後、燃料以外で使う木炭の生産を計画している。木炭には無数の小さな穴があり、それが不純物や有害物質を吸着したり、その中に微生物が棲みつくことから、水や空気の浄化、土壌改良に役立つとされる。また吸着性とともに放出性もあるので、湿度を調節する働きもある。谷地林業ではこうした木炭の効能を利用し、調湿用や脱臭用、農業と連携した土壌改良用の木炭を作り、以前から森林に放置され課題とされてきた枝葉などの「未利用材」の有効活用にもつなげるつもりだ。地域の伝統産業であり、会社として長年携わってきた製炭事業を持続可能なものにするために、谷地さんは今日も「木炭作り」に真摯に向き合う。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/52779/">高品質の木炭作りと後進育成に励む「谷地林業」谷地司さん／岩手県久慈市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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