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	<title>山梨県 - NIHONMONO</title>
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	<description>「にほん」の「ほんもの」を巡る旅マガジン</description>
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	<title>山梨県 - NIHONMONO</title>
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		<title>“使う楽しさ”をデザインするものづくり「アトリエヨクト」／山梨県北杜市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 04 Nov 2024 02:56:31 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[北杜市]]></category>
		<category><![CDATA[モダンデザイン]]></category>
		<category><![CDATA[木工]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>南アルプスと甲斐駒ヶ岳（かいこまがたけ）を水源とする尾白川（おじらがわ）が流れ、四季折々の自然に囲まれる北杜市白州町。工房「アトリエヨクト」をこの地で構えるきっかけとなったのは、デザイナー二人の転機となるスウェーデンでの [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>南アルプスと甲斐駒ヶ岳（かいこまがたけ）を水源とする尾白川（おじらがわ）が流れ、四季折々の自然に囲まれる北杜市白州町。工房「アトリエヨクト」をこの地で構えるきっかけとなったのは、デザイナー二人の転機となるスウェーデンでの生活だった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生活の中で生まれる“プロダクト”</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export3.jpg" alt="" class="wp-image-50129" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export3.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export3-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export3-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>山梨県北杜市白州に構えるアトリエヨクトは、デザインから製作までを手掛ける古川潤（ふるかわじゅん）さんと、WEBやパッケージなどのグラフィックデザインを担当する佐藤柚香（さとうゆか）さんの夫婦二人から成る。インテリア雑貨や家具など製作は多岐に渡り、「ベースは木ですが、それぞれの目的に適した素材を柔軟に用い、室内外の境目なく使えるものを作ることができればと考えています」と古川さんは話す。アイデアは“自分たちが欲しいと思ったもの”が始まりとなり、試作を繰り返しながらデザインを研ぎ澄ませ、「製品＝プロダクト」へと完成させる。例えばミニサイズのカッティングボードは登山やキャンプで簡易的なテーブルとなり、ポケットやリュックに入れて持ち運ぶことができ、日常生活においてもフルーツなどを切ってそのままトレイとして食卓で使える。アウトドアが好きな古川さんが「欲しい」と思ったことで生まれたプロダクトの1つだ。「生活の中で気付き、面白いなと思ったものをまず作ってみる。いけそうだと思った場合にそれをブラッシュアップさせて形にしています」。</p>



<p>ブランドを立ち上げてからは9年目、北杜市に移住してからは11年となる二人。北杜市を活動の拠点として決めた理由は、東京からの程よい距離感と留学で向かったスウェーデンでの田舎暮らしが馴染み、「気候や雰囲気が似ている」と感じたからであったという。</p>



<h3 class="wp-block-heading">スウェーデンで得たもの</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export20.jpg" alt="" class="wp-image-50130" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export20.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export20-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export20-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>同じ美術大学の建築学科で学んでいた二人。卒業後、古川さんは伝統工法建築の工務店で大工を経て独立し、東京都墨田区の町工場を借りてオーダー家具の製作を始めたが、独学ゆえに限界も感じていた。その頃パートナーである佐藤さんも設計事務所から独立して数年が経ち、行き詰まりを覚えていた。新たな学びが必要だと感じた二人はスウェーデンへの留学を決心。ヨーテボリにあるHDK大学にて古川さんは家具デザインを、佐藤さんはテキスタイルを学ぶため約4年間滞在することとなった。スウェーデンの教育や社会福祉制度が充実しているという点は、留学と生まれて間もない息子の子育てをする上でも心強かったという。</p>



<p>北欧家具は世界各国でも注目を集めており、スウェーデンは昨今日本で人気を博している大手家具ブランド企業発祥の地でもある。スウェーデンの家具には白樺やオーク材などの天然素材が使用され、デザイン性がありながらも実用性に優れているのが特徴的。「使い勝手の面で合理性があり、デザイナーと製作側の距離がとても近いことで、デザインが製品にスムーズに落とし込まれていることの心地良さ。以前から思い描いていた理想を目の当たりにして、日本に帰ったらこの関係性を大切にしようと改めて思いました」と古川さんは当時を振り返る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">日本の伝統的な民家から得た発想</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export26.jpg" alt="" class="wp-image-50131" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export26.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export26-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export26-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>スウェーデン家具の優れたデザインプロセスに加え、改めて実感した“日本の良さ”もブランドコンセプトに影響を及ぼした。異国の建築や生活様式の中で、古川さんは改めて“日本の伝統的な民家”を掘り下げて考え直すようになったという。例えば日本の昔からの民家にみられる「田の字造り」では、普段は字のごとく襖や障子で間仕切がされているが、仕切を取り払うことで1つの大きな空間へと変えられる構造となっている。このように日本の古くからの民家は可変性に優れた造りで、「日本人は自然を柔軟に受け入れつつとても合理的な暮らし方をしていたことに気付きました」と古川さんは語る。</p>



<p>「日本の昔の家具はほとんどが運べるんです。ちゃぶ台を置けば食事を取る居間となり、布団を敷けば寝室となる。そこに着想を得て、アトリエヨクトのプロダクトは持ち運びができるという可動性がコンセプトのひとつになっています」</p>



<p>折り畳み式のテーブルは「ちゃぶ台」のように持ち運びが容易で、アウトドアでも活躍する。生活空間を柔軟に活かす日本の伝統民家の様式からヒントを得たことで、アトリエヨクトのプロダクトとは“北欧の合理性”と“日本の生活スタイル”を融合したものになっている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">新たに現代で提案する“オカモチ”</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export37.jpg" alt="" class="wp-image-50132" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export37.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export37-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export37-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「ブランドコンセプトを1番体現しています」と二人が紹介するプロダクトは「オカモチ」。古くは田植えなどの野外作業時に食事を運ぶ用途に始まり、後に出前で用いられるようになった伝統的な「岡持」を、生活道具を収納して運べるように現代風にリデザインしたものだ。ケータリングをはじめ旅館やホテルでの食事のサーブ、リモートワーク用のビジネスツール入れ、ヘアメイク道具や裁縫箱など、使う人によって用途は様々。スウェーデンに住んでいた頃に子どものミニカーが増えてしまい、片付けを学ばせるために作ったことがきっかけだったという。「世界各国でハンドルの付いた箱がいろいろある中で、“料理を運ぶため”に作っている日本の岡持がすごく印象に残っていました」と古川さんは開発当時を振り返る。</p>



<p>軽量化にこだわり、昔から軽い木材として箪笥（たんす）や収納箱で用いられてきた桐と、ハンドル部分はアルミ素材を使用。浅箱やトレーとしても使える蓋など、オプションを組み合わせることで好みにカスタマイズできる。また、このオカモチがアトリエヨクトの基本モジュールとなっており、他のプロダクトと連携して使用することができるようになっている。「小物を作る時にはこのオカモチに収まることを考慮してデザインします。組み合わせて使えると可能性が広がって楽しいんです」と話す古川さん。「思いもよらない組み合わせができるんです」と佐藤さんが加える。</p>



<h2 class="wp-block-heading">“ものづくり”で広がる新たな繋がり</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export31.jpg" alt="" class="wp-image-50133" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export31.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export31-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export31-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>最近は異業種とのコラボレーションが増えてきたという。そのひとつが、北杜市津金地区で、個性的なナチュラルワインを作る「BEAU PAYSAGE（ボーペイサージュ）」とのコラボレーションだ。自然農法のブドウ作りや野生酵母を用いた醸造など、手間ひまかけて作られるBEAU PAYSAGEのワインは限られた市場にしか流通しておらず、容易には手に入れることができない。品質のみならず、オーナー・岡本英史（おかもと えいし）氏の追求する、環境に配慮した「手を加えない」ワイン作りの哲学が共感をよび、国内外の愛好家たちからも高い評価を得ている。そういったBEAU PAYSAGEの取り組みの一環として、ワインの空き樽を1年に1樽分、カトラリーなどへとアップサイクルさせるプロジェクトを実施しており、既に4回目を迎えた。「1人で製作をしていると発想も偏ってしまうので、様々な人との繋がりは大事ですね」。</p>



<p>また岡本氏から繋がりはさらに発展し、東京都西麻布にあるフレンチレストラン、「L’Effervescence（レフェルヴェソンス）」の10周年記念時に新たなコラボレーションが実現。フランスの伝統的な技術に日本の四季折々の自然と文化を取り入れ、独自の美学で料理を生み出すL’Effervescenceは、ミシュラン三ツ星を獲得するなど、美食家たちの間でも話題のレストランだ。料理長を務める生江史伸（なまえしのぶ）氏からのオーダーは、「BEAU PAYSAGEのワイン樽を使った、箸とナイフを両方置くことができるナイフレストを」というものだった。実際にデザインと製作を手がけた古川さんは、「異業種の方の話を聞きながらものを作るのは興味深いしとても勉強になる」と語った上で、「アトリエヨクトで提案したいものと、コラボレーションによって誰かと一緒にものづくりをするという“二方向”でのプロダクト制作が今の原動力のひとつになっている」と、新鮮なアイディアやニーズに応えることで得られる、作品への好影響を嬉しそうに話してくれた。</p>



<h3 class="wp-block-heading">デザインが好き</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export12.jpg" alt="" class="wp-image-50134" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export12.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export12-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export12-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>二人が北杜市へ移住した頃はブランドを立ち上げたばかりで知名度はなく、ゼロベースからのスタートとなり、販路はもとより製作における外注先や資材調達においても苦労は絶えなかった。一見木材の資源が豊富に思える山梨だが、県内の製材所では建築材に用いる杉や檜といった針葉樹を扱ってはいるものの、家具作りに適した広葉樹の材木はあまりみられないという。そのため日本各地の国産材や輸入材を使用しているが、ここ2、3年は工房のある北杜市の林業会社が今までチップや薪になっていた伐採木で、周辺の木工家に向けた原木市場を開いてくれるようになり、丸太を入手できるようにもなった。けれども水分を含んだ生木のままでは製作工程には移れないため、入手後市内の製材所で板にし、乾燥させるため長野県までトラックをレンタルして往復する必要がある。木材の調達から製材までのサイクルの効率化やコスト面での課題は多く、地元の同業者や木材を扱う業者との協力体制を整えていく必要を古川さんは感じているという。この動きは友人の木工家が中心となっていて、現在も課題に取り組みつつ更なる広がりをみせている。</p>



<p>また、製作工程においても一部の部品は外注に出しているものの、生産量に関しては課題を感じているとのこと。</p>



<p>「もう少し外注先を増やすことができれば、商品開発に時間を割くことができる。やっぱりデザインが好きなんです」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">アトリエヨクトが考える“ものづくり”</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export23.jpg" alt="" class="wp-image-50135" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export23.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export23-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export23-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「あまりスタイルやビジョンを決めつけたくなくて。これから生み出していく商品群から意図を感じていただけたらと思います」</p>



<p>生活の中でふと思い浮かんだアイデアや、柔軟なものづくりを軸とする古川さんらしい考えだ。例えば、壁面にフック付きの鉄バーを設置し、そこに様々なサイズの箱や棚をフックに引っ掛けて組み合わせることで自由に収納スペースを作ることができる壁面収納家具は、4年前に佐藤さんが設計した自邸に実際に取り入れたもの。「実際に使ってみることでまた新たな発想が生まれています」と語る古川さんは、自宅の空間を家具で自在にアレンジするという新たなアイデアに“楽しさ”を感じているという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">使うことで活きるプロダクトを</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export19.jpg" alt="" class="wp-image-50136" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export19.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export19-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export19-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「既にあるものを作っても自分が面白くないので、まだ見出されていないものの中で作る意味があると感じたものに限り形にしていこうと思っています」</p>



<p>自身の生活をベースにして自由自在な発想で新たなプロダクトを繰り広げていく古川さんからは、”ものづくり”の未来の可能性が垣間見えた。</p>



<p>組み合わせ可能なモジュールやカスタマイズといった可変性を持つアトリエヨクトのプロダクトについて、二人は“使う人の参加型家具”と称している。「使う人のアイデアや発想が自由に浮かんでくるようなものづくりがしたい」。商品開発に関して“形”ではなく、使い方の可能性を妨げないような“仕掛け”の要素を考えてデザインを行っているそうだ。お客さんの元に渡ったプロダクトが、二人の意図しないような使い方をされた時に、「ものを介して使い手とのコミュニケーションが取れた」と嬉しく感じるという。“もの”を所有することが目的ではなく、“使うことで生活がより豊かになる”デザインを目指すアトリエヨクト。思いもよらないヒントが潜んだプロダクトに今後も驚かされることだろう。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export5.jpg" alt="" class="wp-image-50137" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export5.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export5-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/11/export5-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/50128/">“使う楽しさ”をデザインするものづくり「アトリエヨクト」／山梨県北杜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>薪を割り、火をくべる。“変わり続ける土の表情”「陶房窯八」／山梨県北杜市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 29 Oct 2024 03:58:43 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸]]></category>
		<category><![CDATA[山梨県]]></category>
		<category><![CDATA[陶芸家]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export11.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>南アルプスの北端となる甲斐駒ヶ岳（かいこまがたけ）の麓の山林に佇む「陶房窯八（とうぼうかまはち）。陶芸家の大橋睦（おおはしむつみ）さんは、土をこね薪を割り、伝統的な「薪窯（まきがま）」に火をくべて作品を作り上げる。“焼く [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export11.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>南アルプスの北端となる甲斐駒ヶ岳（かいこまがたけ）の麓の山林に佇む「陶房窯八（とうぼうかまはち）。陶芸家の大橋睦（おおはしむつみ）さんは、土をこね薪を割り、伝統的な「薪窯（まきがま）」に火をくべて作品を作り上げる。“焼く”ことで姿や風合いを変える焼き物の魅力とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">古くから伝わる「穴窯」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export2.jpg" alt="" class="wp-image-50029" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>南アルプスを望む大自然に囲まれた山梨県北杜市武川町は、薪窯に使用される「赤松」が豊富に育つ。陶芸家の大橋さんが制作に用いるのは、薪窯の中でも「穴窯（あながま)」と呼ばれるもの。同じく伝統的な薪窯には「登り窯（のぼりがま）」が挙げられるが、陶器を焼き上げる焼成室（しょうせいしつ）が単室の穴窯に対し、登り窯は複数の部屋が少しずつ高くなるように連なる連房式（れんぼうしき）で構成されている。穴窯の方が歴史は古く、より効率的な大量生産が行えるようにと発展を遂げたものが登り窯だ。現代ではガス窯や電気窯といった、操作面、温度調整においても優れた窯が普及する中、大橋さんが穴窯に魅せられた理由は「薪」にあった。<br></p>



<h3 class="wp-block-heading">思いもよらなかった陶芸の世界</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export1.jpg" alt="" class="wp-image-50030" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>仙台から上京して大学に進学し、「焼き物陶芸研究会」というサークルに所属した大橋さん。「陶芸に興味が無かった」と言うが、大学近辺で活動をする陶芸家の元を訪れた際に、陶芸のイメージが覆されることになった。芸術活動とはいうものの、実際は木を切り、斧で薪を割るなどの肉体労働が大部分を占めていたのだ。自身も作業を手伝う中で、「その単純さが面白くなった」と当時を振り返る。作品を作りたいという気持ちよりも先に「薪を割り、火にくべる薪窯をやりたい」と思い立ち、本格的に陶芸を始めることとなった。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export3.jpg" alt="" class="wp-image-50031" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export3.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export3-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export3-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>大学卒業後は山梨県南巨摩郡富士川町（旧増穂町）の陶房で2年近く窯焚きを続けた。勤めていた陶房では登り窯を使用していたが、独立時に選んだのは穴窯。同じ薪窯と言っても、効率性を重視した登り窯は連なった各部屋の熱を巡らせながら焼成を行うため、くべる薪の量も少ない。対して穴窯は単室で直接的に炎を当てる形になり、薪をくべ続けることとなる。「とにかく土をこねて、薪をくべる。そうした穴窯の単純さに惹かれました」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">炎と向き合う穴窯の魅力</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export20.jpg" alt="" class="wp-image-50032" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export20.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export20-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export20-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>穴窯の窯焚きにかかる時間は約4日間。その間は大学の焼き物陶芸研究会で出会った妻と二人、窯に隣接する自宅で仮眠をとりながら付きっきりの作業となる。一般的な薪窯では1230度から1280度程度まで温度を上げるそうだが、大橋さんは約1180度までを目安にしている。大橋さんの使用する土ではそれ以上の高温に耐えられず、溶けたり壊れたりしてしまうからだそう。効率的に熱を利用する登り窯に比べると、穴窯の温度管理は難しいといわれるが、「土との相性がよりリアルにわかるんです」と大橋さん。穴窯の場合は灰が飛んで器に付着し、溶け合うことによって岩のようなゴツゴツとした風合いが現れる。こうした器一つひとつの個性も、薪の詰め方や並べ方によって変化が表れるのだ。</p>



<p>均一に温度や炎の調整できないからこそできる予測できない表現の面白さ。「焚く度に『次はどうしよう』と、新たな疑問やアイデアが生まれてくる」と、その魅力を語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">穴窯が生み出す焼き物の表情</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export29.jpg" alt="" class="wp-image-50033" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export29.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export29-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export29-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>大橋さんが穴窯で焼き上げる作品は食器や酒器、一輪挿しといった花器など様々。“芸術性の高いものより、日常使いしやすいもの”を前提とする大橋さんの作品は、北杜市内のレストランでも取り扱いが増えているそうで、シェフや来店客たちの口コミによって少しずつ認知度を高めている。一般に向けてはギャラリーやオンラインショップで販売しており、昨今はSNSからの問い合わせも増加しているのだそう。</p>



<p>陶芸作品の多くは表面をガラス質にして艶を施す「釉薬（ゆうやく）」が用いられるが、大橋さんの代表的な技法である「焼き締め」では、土本来の色味や質感を活かすために釉薬は使用しない。対してこの焼き締めの工程で出る灰で独自に精製した「灰釉薬」を用いる作品もあり、自然に生じた灰の状態によって褐色から灰色までの個性的な色合いの仕上がりとなる。「焼いていく過程で、土が石や岩のような風合いへと変化をみせてくれるのが楽しいところです」。</p>



<h3 class="wp-block-heading">灯油窯の導入</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export18.jpg" alt="" class="wp-image-50034" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export18.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export18-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export18-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>年に2、3回というサイクルで窯焚きを行う穴窯に加え、2022年頃からは新たに「灯油窯」を導入した。新型コロナの影響で展示会も思うようにいかなかった中、これまで経験したことのなかった灯油窯に取り組んでみようと思い立ったと言う。それまでは薪窯で土や焼き方を変えたりと創意工夫を繰り返していた大橋さんの探求心が、窯を変えることで新たなフェーズに移ったのだ。</p>



<p>ガス窯や電気窯に比べると灯油窯は焼成の均一性が劣るといわれる。その点を活かし、穴窯と同様に窯内の配置をばらつかせ、温度差や炎の流れ方によって仕上がりにムラが出るように工夫を凝らしている。炭が爆ぜることのない分、穴窯と違い灯油窯はマットな質感の仕上がりとなるそうだ。「それぞれに表れる違いが作品の個性になるんです」。手探りで灯油窯に挑んだ大橋さんだったが、窯を変えることで生じる焼き上がりの違いを改めて実感したと言う。</p>



<h2 class="wp-block-heading">新たな発見を続ける</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export9.jpg" alt="" class="wp-image-50035" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export9.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export9-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export9-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「制作に没頭しているとどうしても視野が狭くなり、土の配分や作品の輪郭が自分の好みに寄っていってしまうんです」。こうした際に参考にしているのは、顧客が作品を目にした時の反応だ。作り手とは異なる視点から来る反響は、励みになりつつ作品の幅を広げるきっかけになると言う。北杜市白州町で行われている「台ケ原宿市（だいがはらしゅくいち）」など、多くの人が訪れるクラフトフェアなどへ定期的に出品する中で、「売れるものと売れないもの」が見極められるようになってきたそうだ。陶芸家として20年以上経った今でも、「好みを限定しすぎないようにして、違う発見をするようにしています。お客様の声を聞き、それを活かす。そういった過程を繰り返すことがやりがいになっています」と大橋さんは語る。</p>



<h3 class="wp-block-heading">“自分の思う”器作りを</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export10.jpg" alt="" class="wp-image-50036" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export10.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export10-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export10-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>作り続けるほどにあらゆる視点で疑問が生まれてくるという大橋さん。現在は“土”と“焼き”に焦点を当てているのだそう。「同じ土を使ってもどのように焼くかで土が持つ本来の味や、焼き色に変化がある。それを追求していきたいんです」。山梨県は薪の資源が豊富な一方で粘土があまり採掘されない土地のため、県外から様々な土を取り寄せて独自のブレンドを研究している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">試行錯誤の連続、その先に</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export36.jpg" alt="" class="wp-image-50037" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export36.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export36-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/10/export36-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「次から次へと生まれる疑問に全て向き合っていたら、10年20年はかかるんだろうなと思っています」と、笑みを浮かべる大橋さん。穴窯に情熱を傾けながらも常に焼き物の表現の可能性に思考を巡らせている。<br>「粘土は焼き上がることで、硬く引き締まり別の姿に生まれ変わる。誰かにその過程を伝えたいというよりは、私自身が知りたいんです」</p>



<p>窯や焼き方ひとつで変わる焼き物の表情。飽くなき探求心によってもたらされる大橋さんの新たな作品に、今後も目が離せない。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/50028/">薪を割り、火をくべる。“変わり続ける土の表情”「陶房窯八」／山梨県北杜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>工芸とアートを融合した新しい継承の形。染色作家･古屋絵菜さん／山梨県甲州市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 24 Sep 2024 07:40:59 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[山梨県]]></category>
		<category><![CDATA[甲州市]]></category>
		<category><![CDATA[工芸家]]></category>
		<category><![CDATA[ろうけつ染め]]></category>
		<category><![CDATA[新島八重]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>布に描かれる、桜、芍薬（しゃくやく）、睡蓮などの美しい花々。繊細な線とグラデーションによって表現されるそれらはどこか妖しい魅力を放ち、見る人の心に何かを訴えかける。新たな可能性を追求する一人の染色作家が描き出す「ろうけつ [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export2.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>布に描かれる、桜、芍薬（しゃくやく）、睡蓮などの美しい花々。繊細な線とグラデーションによって表現されるそれらはどこか妖しい魅力を放ち、見る人の心に何かを訴えかける。新たな可能性を追求する一人の染色作家が描き出す「ろうけつ染め」の魅力と未来とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ろうけつ染めを今に伝える染色作家</h2>



<figure class="wp-block-image"><img decoding="async" src="https://lh7-rt.googleusercontent.com/docsz/AD_4nXdwInIYueODQU3v13JqROI_XC6A4z1W2E3K3Z1R6-6XZGi7KXR-UAsEv8rrGuSpeDerLuuGBPLgkdrTIGxsYQbVa2GNF7y3Vte1jXyksDi44Ljd5yEa7p9yekhQm5Cy8OTbzN3XHyyRzfiqUR2wT99jruwnBC_0KQAkYfEnog?key=IYnYkqLeKl4OHX1ZahTeQg" alt=""/></figure>



<p>山梨県甲州市、山々に囲まれた自然豊かな地にアトリエを構え、「ろうけつ染め」という技法で四季折々の花々を描き出す染色作家の古屋絵菜（ふるやえな）さん。2013年1月6日から12月15日まで放送された、福島県会津に生まれ同志社大学を創設した新島（にいじま じょう）の妻、新島八重（にいじまやえ）の生涯を描いたNHK大河ドラマ「八重の桜」のオープニングタイトルバックに作品が用いられたことで一躍脚光を浴び、近年では企業や店舗とのタイアップ企画や各地での個展を開催するなど精力的に活動を行っている。そんな古屋さんのルーツには、同じくろうけつ染め作家として活動していた母からの強い影響があった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">母のアートに触れて</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export3.jpg" alt="" class="wp-image-49752" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export3.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export3-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export3-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>小学校高学年頃までは「どの家でも親は絵を描いているもの」だと勘違いするほどに、絵を描くという行為がとても日常的だった。子育てと並行して毎年2回の展覧会への出品、染色作家として活動する母を見て育った古屋さんは、その後を追いかけるように美術大学への進学と作家の道へ憧れを抱くようになる。</p>



<p>高校卒業後は武蔵野美術大学工芸工業デザイン科に進学し、主にテキスタイルを学ぶ。卒業が迫った際には、会社組織で働くサラリーマンの道は一切頭になかったそうだ。「若さゆえの浅はかな考えだったと思います」。卒業後は大学院に進み、研究員として勤務しながら美術に対する理解を深め続けていった。こうした過程で様々な美術作品に触れるも、最後に選択したのは母と同じ染色作家だった。</p>



<p>「日本画に傾倒していた時期もありますし、作家として様々な道があることも学んだ期間でしたが、染色作家の道を目指すことに迷いはありませんでした」</p>



<p>しかし、その道は平坦なものではなく、活動を始めた当初は中々作品が陽の目を浴びず「自分が作品を作り続ける意味」に悩んだこともあったそうだ。そんな中、大きな転機となったのが2013年。大学院を卒業の際、大河ドラマ「八重の桜」のタイトルバックに使用する作品の制作依頼を受けることになる。全長8mと、これまでにない大作の制作に挑み、放送が始まると各所から大きな反響を呼んだ。</p>



<p>「自分の名前をクレジットの中に見つけた時、作品を作り続けてきて本当に良かったと心から思いました」</p>



<h2 class="wp-block-heading">ろうけつ染めという技法</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export11.jpg" alt="" class="wp-image-49754" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export11.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export11-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export11-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「ろうけつ染め」は、布に熱く溶かした蝋（ろう）を筆で塗り、乾いた段階で染料を筆、刷毛を使って染め、最後に蝋を洗い流すことで模様を表現する防染技法で、「塗る・染める」の工程を繰り返し、洗い定着させる。筆のかすれやひびによっても独特の風合いが表れ、繰り返し蝋を重ねていくことで繊細な色合いや奥行きが表現される。一度染めると染料が乾くまで待つ必要があり、小規模な作品であっても制作にかかる期間は数週間を要する。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export19.jpg" alt="" class="wp-image-49755" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export19.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export19-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export19-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>古屋さんは「染め」にこだわり、布を染料に浸すのではなく、筆と刷毛を用いて描くように色を付けている。白い布の色をそのまま生かす場合もあれば、色を染め、残しておきたい染めの上にろうを置き、薄い色から濃い色へとどんどん染め重ねていくことで、独特のグラデーションや陰影を表現する場合もある。ただでさえ時間のかかるろうけつ染めの工程において、「ここまで細かく手間をかけているろうけつ作家は少ないと思う」と笑う古屋さん。大変だと思う時もあるが、手間をかけるからこそ表現できる幅が広がるのだと、自身の技法へのこだわりを話す。</p>



<p>「幼い頃から絵を描くのが好きで、染色の中でもろうけつ染めはその作業にとても近い。自分にとってはそれが凄く魅力的なんです」</p>



<h3 class="wp-block-heading">蝋へのこだわり</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export25.jpg" alt="" class="wp-image-49756" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export25.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export25-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export25-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>古屋さんが制作に用いているのは、ロウソクやクレヨン等で身近に使用されているパラフィンワックスと、融点が高く強度と柔軟性を持ったマイクロワックス。ひびを入れたい場合はパラフィン単一で、また模様を描く場合は配合させるなど、生地との相性や気温・湿度等に合わせ、目的に応じて主に2種類のワックスを使い分けている。</p>



<p>日本におけるろうけつ染めの歴史は古く、奈良時代よりミツバチの巣からとれる「蜜蝋（みつろう）」が用いられていた。しかし894年に輸出入の要であった遣唐使が廃止されると、蜜蝋の入手は困難になり、石油原料が輸入されるようになる大正初期まで「高価な染色」としてその文化が途絶えてしまっていたそうだ。</p>



<p>「ろうけつ染めの業界も徐々に進歩しているんです」。ルーツにこだわり蜜蝋を使っていた時期もあったそうだが、より良い作品作りのため新たな化学原料も使用しながら、さらに自分らしい表現を模索している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">工芸とアートを行き来する</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export8.jpg" alt="" class="wp-image-49757" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export8.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export8-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export8-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>ろうけつ染めの発祥には諸説あるが、中国の北西部、新疆（しんきょう）ウイグル自治区のニヤ遺跡からろうけつ染めの綿布が発見されていることから、2～3世紀頃には既にその技法が存在していたとされている。大河ドラマの放送で大きな反響を受けていた頃、自分が作っている物の歴史背景に興味を持った古屋さんは1年間中国の上海に渡った。アート市場が大きい上海のリアルを目の当たりにしつつ、内陸の少数民族が昔から受け継いでいる太古のろうけつ染めを学びに行くなど、充実した1年間を過ごす。</p>



<p>「部族によって柄が違っていたりと民族性が顕著に表れている。それらの扱いはアートという感じではなく、“工芸品”や“お土産品”に近い存在に感じられました」。作り手が希少な日本と比べ、太古から脈々と技術が伝わる本場のろうけつ染めを肌で感じ、改めて文化としての厚みを強く実感したそうだ。</p>



<p>日本におけるろうけつ染めの歴史を発信・継承しながら、アートとしての新しい可能性を探っていく。「工芸とアート、その間の部分に私は居たいんです」、そう話す古屋さんの目はこれからのろうけつ染めを見据えていた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ろうけつ染めを繋ぐ「新しい継承の形」</h2>



<figure class="wp-block-image"><img decoding="async" src="https://lh7-rt.googleusercontent.com/docsz/AD_4nXc-vZNtRgsIeBlSEeJ50Qb7JfMARhHdoEvksvDSnIqdeehX8LH06a2qclozceCrPVc4u2v62S_rs9sZkQRXr-8TTE8IkH0Pd_4wAm-IatoWSbsw0_pTIk6z45_F0axLrBdpOE-ap_qDrWeNhYokXHbj0PerdpIQYuL8mP66qQ?key=IYnYkqLeKl4OHX1ZahTeQg" alt=""/></figure>



<p>ろうけつ染めのような染織技法は主に着物などの実用品に多く用いられていたもので、着物が日常的に着られなくなった現在、国内の作家は数える程にまで減ってしまっていると言う。古屋さんはそんな現状に歯止めをかけるべく、山梨の和菓子店「和乃菓（わのか）」の菓子箱デザインや、アイスブランド「ハーゲンダッツ」のアートパッケージ、トヨタ自動車が展開するブランド「LEXUS」主催のクラフトプロジェクト「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」への参画、海外での個展開催など、多岐に渡ったアプローチでその魅力を世界に発信している。こうした活動によって、若年層など今までろうけつ染めを知らなかった層にも日本の伝統技術を普及させている。</p>



<p>「これからも一生作品作りを続ける事が目標です。できるだけ長く続けられるような環境に身を置き、自分の作品を追求していきたいですね」</p>



<p>工芸としての歴史を重んじつつも、柔軟に新しいエッセンスを盛り込みながらアートへと昇華させる。ろうけつ染めに囚われず国内でも多くの伝統工芸や貴重な文化の存続に課題がある中、古屋さんの活動が「新しい継承の形」として未来への布石となるのかもしれない。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/49751/">工芸とアートを融合した新しい継承の形。染色作家･古屋絵菜さん／山梨県甲州市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>“日本的フランチャイズ”が生む、成長するお菓子づくり「株式会社シャトレーゼHD」／山梨県笛吹市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 24 Sep 2024 07:00:19 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[スイーツ]]></category>
		<category><![CDATA[山梨県]]></category>
		<category><![CDATA[笛吹市]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export13.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>山梨県に本社を置くシャトレーゼは、創業当初は農業を営む全くの素人が“手助け”から始めた小さな菓子店だった。時代に合わせて需要を読み、常に変化を重ねながら“日本的なフランチャイズ”の輪を広げるシャトレーゼはいかにして成長し [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/49730/">“日本的フランチャイズ”が生む、成長するお菓子づくり「株式会社シャトレーゼHD」／山梨県笛吹市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export13.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>山梨県に本社を置くシャトレーゼは、創業当初は農業を営む全くの素人が“手助け”から始めた小さな菓子店だった。時代に合わせて需要を読み、常に変化を重ねながら“日本的なフランチャイズ”の輪を広げるシャトレーゼはいかにして成長し、今後どうやって飛躍していくのか。</p>



<h2 class="wp-block-heading">全くの素人から始まった商売の道</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export1.jpg" alt="" class="wp-image-49731" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>富士山を一望できる笛吹川のほとり、山梨県笛吹市石和町に洋菓子店･カフェ･ホテルが隣接する「YATSUDOKI TERRACE 石和」がある。「雄大な景色が見られるいい場所です」と、話すのは齊藤貴子（さいとうたかこ）さん。菓子の製造･販売、フランチャイズビジネスを展開する「株式会社シャトレーゼHD」の社長だ。2018年に就任して以来、従来の事業に加え、現在は新たなホテル事業にも尽力している。</p>



<p>シャトレーゼは昭和29（1954）年、貴子さんの父、齊藤寛（さいとうひろし）さんの弟が今川焼き風のお菓子「甘太郎（あまたろう）」の販売店を山梨県甲府市（旧紅梅町）で開業したところから始まった。しかし、このお店は上手く軌道に乗らず、弟を手助けしてくれないかと父親に頼まれた寛さんが同年、経営に加わった。それまで専業農家であった寛さんにとって商売の世界は未知の領域。「全くの素人からの出発に不安もあった」と当時を振り返る。</p>



<p>寛さんが手助けをした結果、お店は少しずつ軌道に乗り始め、店舗数を増やしていった。しかし焼きたてを売りとしていた「甘太郎」は、寒い冬の売れ行きは良いが、暑い夏は売り上げが上がらないという問題を抱えていた。そこで寛さんは夏の対策としてアイスクリームの製造販売を開始することに。</p>



<p>しかしいざ工場を作り製造をスタートさせると、アイスクリームの市場は主に大手メーカーが押さえていることがわかる。どれだけ営業をしても良い売り場を用意してもらえず、結局アイスクリーム事業は赤字続きとなったという。そこで寛さんは大手メーカーと同じ土俵で勝負しているのでは上手くいかないと、戦略を模索。当時小売店などには生鮮食品用の冷蔵庫などがまだまだ未導入だった点に着目し、「日持ちのしないお菓子ならば大手は計画生産を設計できないのでは」と、「シュークリーム」の研究開発をスタートさせた。その後の昭和42年（1967）、「株式会社シャトレーゼ」に社名を変更し、本格的にシュークリームの生産を開始する。</p>



<p>「冷蔵庫が無いなら、陳列したらすぐに売れてしまう価格で売り切ってしまえばいいと考えたんです」</p>



<p>手に取りやすい安価な価格設定に舵を切り、他社が1つ50円で売っていた所を、10円と破格で販売をスタートさせる。するとこの戦略が功を奏し、1日50万個製造するシャトレーゼの主力商品へと成長した。</p>



<h3 class="wp-block-heading">自信が確信に変わった瞬間</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export17.jpg" alt="" class="wp-image-49733" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export17.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export17-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export17-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>小さな店舗から始まったシャトレーゼは、今や日本で有数のお菓子フランチャイズ店へと成長している。フランチャイズとは、個人や法人が事業者と契約し、対価（ロイヤリティ）を支払うことで、店名や商品、サービスを販売する権利を得るビジネスモデルのことだ。</p>



<p>ターニングポイントは、まだ県内の小売業者に製品を販売する“卸売り”を専門としていた時のこと。親交のあった関西の菓子店に好意で製法などをアドバイスした所、業績はみるみる向上。ついには上場まで果たしてしまったという寛さんの実体験があった。「自分たちの商品なら全国で通用する」という強い自信が、フランチャイズビジネスを考え始めるきっかけとなったそうだ。まずは足がかりとして工場で作った商品を直接ユーザー販売するための直営店をオープン。畑の中にポツンと立つ店舗で、齋藤さんの父・寛さんは直営店だからこそ提供できる、卸売り金額での販売を実験的にスタートさせる。「小売業界へのチャレンジだった」。そう語る寛さんの熱意は、他社商品に比べて34%も安価な値段となって消費者へ届くことになった。</p>



<p>続いて昭和61（1986）年に、子会社があった千葉県で県外初となる工場直営店をオープン。「安くて美味しい」シャトレーゼのお菓子は瞬く間に好評を呼び、直営店の施策は大成功を納める結果となった。これをきっかけに全国各地から工場直営店の出店申込が相次ぎ、フランチャイズビジネスによる全国展開が始まっていく。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「日本的」にこだわるフランチャイズの輪</h2>



<p>そもそもフランチャイズというビジネス形態の発祥はアメリカであり、当時の日本ではあまり馴染みのないものだった。その上でシャトレーゼがこだわってきたフランチャイズモデルについて「アメリカの真似をしている訳では無く、あくまで日本的なんです」と、齊藤さんは強調する。その真意は「ロイヤリティをとらない」という革新的な方針にあった。ロイヤリティとは、商品やノウハウの利権が付与される対価として伴う「利用料」のようなもので、多くの場合は売り上げ金額の数％が利用者から支払われる。しかし、シャトレーゼの展開するフランチャイズビジネスではそれを一切なくしているのだ。条件は資金の用意や、店舗選定などの開業準備を負担すること。そして「まずお客様に喜んでいただく、それから取引先様に喜んでいただく、そして社員に喜んでいただく」というシャトレーゼの「3喜経営」の理念に賛同してもらうこと。それ以上は何も求めないのだと言う。</p>



<p>「ビジネスライクな関係ではなく、仲間なんです。フランチャイズビジネスにおいて、店舗側のオーナーと良い関係性を築くというのはとても重要。お金ではなく理念を通じて企業価値を共有しあう『日本的』な繋がりを大切にしています」</p>



<h3 class="wp-block-heading">海を越えるシャトレーゼ</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export6.jpg" alt="" class="wp-image-49734" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export6.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export6-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export6-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在シャトレーゼの店舗は日本国内のみならず、インドネシア、シンガポール、マレーシア、香港、アラブ首長国連邦、タイ、ベトナムと、世界各地に点在している。そこでも、「ビジネスパートナーではなく仲間」という「日本的」なフランチャイズ形態や3喜経営の理念を伝え、経営方針の共有をはかっている。</p>



<p>その際、海外の方も「日本的」な理念を非常に良く理解し、共感しながらコミュニケーションをとってくれることに「とても驚いた」と齊藤さんは話す。商品や看板だけでなく、掲げる理念ごと共有することで築かれる「仲間」という関係性は、今もなお海を越えて広がり続けている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">一段上のシャトレーゼを味わう「YATSUDOKI」</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export12-1.jpg" alt="" class="wp-image-49735" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export12-1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export12-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export12-1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>令和元年（2019）、シャトレーゼの新たな展開として話題を呼んだのが、従来の商品ラインナップと一線を画す新ブランド「YATSUDOKI」の誕生だ。スポンジを作る材料の卵一つをとっても「山梨県内の契約農家から直接生みたての物を仕入れる」こだわりのプレミアムブランドで、土産品やお遣いの品として幅広いニーズを得ている。元々、誰もが気軽に購入できる比較的安価なお菓子を提供する方針をとってきたが、その反面「ギフト用としてのニーズが生まれないのではないか」という懸念があったと話す齊藤さん。そこで構想が立ち上がったのがこの「YATSUDOKI」ブランドだった。</p>



<p>名前の由来は「八つ刻（やつどき）＝午後3時」の「おやつ時」からきているそうで、「八」の字には山梨県北部にそびえる雄大な八ヶ岳のイメージも込められているそうだ。実際に「YATSUDOKI」の商品は八ヶ岳山麓の肥沃な大地で育まれた素材を使用しており、「美味しいお菓子を作りたい」という思いを共有する農場や牧場と共に畑や土、家畜の飼料などから徹底的に話し合いながら商品作りに取り組んでいる。「手作り感やフレッシュな味わいを感じていただけるようなものになっています」。現在は「一段上のシャトレーゼ」として宮城･埼玉･東京･神奈川･山梨･長野･京都･兵庫と各都府県に次々とショップを展開している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">シャトレーゼのこれから</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export20.jpg" alt="" class="wp-image-49736" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export20.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export20-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export20-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>原料費や輸送費の高騰などが騒がれる昨今、お菓子業界も苦境に立たされている。中でも厳しい状況となっているのが、お菓子の原料を作る生産者だ。</p>



<p>「山梨にいると生産者さんたちの窮状がよくわかります。恐らくそれは県内に限ったことではない。より良い製品を作っていくためにやらなければならないことがたくさんあると思っています。彼らを手助けするためにも、まずは拠点である山梨の地で新たな試みを実践し、そこで得たセオリーを各地に広げていきたいです」</p>



<p>齊藤さんは今後取り組んでいくべき課題として「無人化」に着目しているとのこと。工場生産における新システムの構築や、AIを使った自動発注の導入など、「根本的な仕組み作りにチャレンジしていく事で、原料費の削減に踏み切らずとも品質を維持していく方法を模索していきたい」と今後の展開を語る。シャトレーゼのチャレンジが、巡りめぐって生産者への助けとなっていく。まさに理念として掲げている「3喜経営」そのものだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export15.jpg" alt="" class="wp-image-49737" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export15.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export15-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/09/export15-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>製造ラインの機械化について「人の手で作るお菓子には敵わないのではないか」と心無い言葉をかけられることもあると言う。「勿論、人の手にどうしたって敵わない部分はあります」と前置きしながらも、「それでもトップレベルのパティシエに技術指導を仰ぎ、機械生産でいかにその技に近づけられるか、手作りと同じお菓子を作ることができるかを日々研鑽し、技術レベルを高めています」と、ネガティブな意見を真っすぐに否定した。</p>



<p>「それくらい大きな改革をしていかないと時代に乗っていけないですから」</p>



<p>時流の変化を敏感に察知し、洋菓子の製造、フランチャイズビジネス、そしてプレミアムブランドの確立と、常に業態をブラッシュアップさせながら大きな成長を遂げてきたシャトレーゼ。時代を乗りこなす柔軟な姿勢を留めることなく、逆境の中で更に大きな飛躍を狙っている。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/49730/">“日本的フランチャイズ”が生む、成長するお菓子づくり「株式会社シャトレーゼHD」／山梨県笛吹市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>「七賢」を生む名水と“穏やかで心地の良い”酒造り「山梨銘醸株式会社」／山梨県北杜市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/43006/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 27 May 2024 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[焼酎]]></category>
		<category><![CDATA[美食]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/8f51da703dcf86e79cf19750e6836cc6.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>南アルプス連峰の北端に位置する標高2,967mの名峰「甲斐駒ヶ岳（かいこまがたけ）」の麓。修験者による登山や、駒ケ岳講と呼ばれる山岳信仰の歴史が息づく甲斐駒ヶ岳神社を訪れると、約300年に渡って醸され続ける銘酒「七賢（し [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/8f51da703dcf86e79cf19750e6836cc6.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>南アルプス連峰の北端に位置する標高2,967mの名峰「甲斐駒ヶ岳（かいこまがたけ）」の麓。修験者による登山や、駒ケ岳講と呼ばれる山岳信仰の歴史が息づく甲斐駒ヶ岳神社を訪れると、約300年に渡って醸され続ける銘酒「<strong>七賢（しちけん）</strong>」の水源へと続く道が現れる。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>「白州の水」のように</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61.jpg" alt="" class="wp-image-43008" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「穏やかで心地の良い、白州の水を体現するような酒造りをしたいと思っているんです」山梨県北杜市白州町の西部、日本名水百選のひとつ<strong>尾白川渓谷（おじらがわけいこく）</strong>を歩きながら語るのは北原対馬（きたはらつしま）さん。旧甲州街道四十番目の宿場町である台ヶ原宿（だいがはらじゅく）で、銘酒「<strong>七賢（しちけん）</strong>」を醸造する「<strong><a href="https://www.sake-shichiken.co.jp/" title="">山梨銘醸株式会社</a></strong>」の代表取締役だ。創業から約300年が経ち十三代目となる現在、伝統の吟醸酒に加え、2015年に誕生した<strong>「七賢スパークリング</strong>」など、豊富な銘柄が造られている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-1.jpg" alt="" class="wp-image-43009" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「<strong>“水と向き合う酒造り”</strong>を象徴する場所」そう対馬さんが見つめる先には、エメラルドグリーンに輝く「千ヶ淵（せんがぶち）」が現れる。日本酒の主な原料は、米･米麹･水であるが、山梨銘醸では、なかでも約85％と最も比重を占める水にこだわり、南アルプス連峰のひとつ、<strong>甲斐駒ヶ岳の伏流水を使用</strong>。甲斐駒ヶ岳は、地下のマグマが冷えて固まってできる花崗岩（かこうがん）から成る山で、20年もの年月をかけて岩層に磨かれた雪解け水は、透明感があり、柔らかく少しとろみがある軟水だ。癖がなく飲み口の良い名水が、研ぎ澄まされた七賢の味わいを造り出している。</p>



<p>また、酒米も北杜市産にこだわっていると言う対馬さん。平成11（1999）年に農業法人「<strong>有限会社大中屋</strong>」を設立し、地元農家や生産者グループとともに「夢山水（ゆめさんすい）」や「ひとごこち」など質の高い原料米を栽培している。「<strong>水、そしてこれらが育む米と、七賢に用いられる全ての原料が地域の自然から受ける恩恵で成り立っています。</strong>」</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>300年の流線</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/0ae0071a4b86380a49d350bbfb305e7e.jpg" alt="" class="wp-image-43010" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/0ae0071a4b86380a49d350bbfb305e7e.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/0ae0071a4b86380a49d350bbfb305e7e-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/0ae0071a4b86380a49d350bbfb305e7e-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>山梨銘醸の酒造りが始まったのは寛延3年（1750）のこと。信州高遠（現長野県伊那市高遠町）で代々酒造業を営んでいた北原家の中屋伊兵衛（なかやいへえ）が、台ヶ原を訪れた際に白州の柔らかく透明感のある水に惚れ込み、分家として酒蔵を築造した。後の天保6年（1835）、五代目蔵元が母屋を新築した折に、兼ねてより仕えた高遠城主内藤駿河守（ないとうするがのもり）から竣工祝として、中国晋の時代において俗世間を避け竹林に暮らし、酒を飲みながら清談を楽しんだ七人の賢者、「阮籍（げんせき）」「嵆康（けいこう）」「山濤（さんとう）」「向秀（しょうしゅう）」「劉伶（りゅうれい）」「阮咸（げんかん）」「王戎（おうじゅう）」の様子が描かれた<strong>「竹林の七賢人」の欄間一対を与えられたことから、現在の酒名「七賢」が名付けられた</strong>。</p>



<p>明治13（1880）年には、明治天皇が山梨県･三重県･京都府へ赴く際、行在所（あんざいしょ）として母屋の奥座敷が使用され、その御礼に「白羽二重」「金五拾円」が下賜（かし）される。この行在所は後の昭和8（1933）年に文部省（現文部科学省）から山梨県指定有形文化財に指定されている。</p>



<p>大正14（1925）年に法人「山梨銘醸株式会社」が創立。昭和42（1967）年には新しい醸造蔵「誠和蔵」が、昭和55（1980）年には瓶詰工場と製品倉庫が新築され、山梨銘醸の現体制が確立されることとなる。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>「七賢らしさ」を汲み上げる</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/04e6ad665b799221b6723d61e5872dbe.jpg" alt="" class="wp-image-43011" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/04e6ad665b799221b6723d61e5872dbe.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/04e6ad665b799221b6723d61e5872dbe-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/04e6ad665b799221b6723d61e5872dbe-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>大学を卒業した平成15（2003）年からの3年間をアメリカの酒類輸入会社で過ごした対馬さん。平成19（2007）年に山梨銘醸へ入社して以降、次々と<strong>大胆な改革を打ち出していく。</strong></p>



<p>「平成24（2012）年から大幅なリブランディング戦略に乗り出したんです。弟とともに各地の酒蔵やワイナリーを視察しながら『<strong>七賢らしい</strong>』新たな酒造りを試みました」</p>



<p>それまで醸造工程を「<strong>杜氏（とうじ）</strong>」という専業の請負業者に委託する体制をとっていたが、杜氏の高齢化や顧客ニーズの多様化をきっかけに従来の方針を廃止。平成26（2014）年に<strong>弟の北原亮庫（きたはらりょうご）さん</strong>が醸造責任者に就任し、地域性やアイデンティティを象徴する「水」に焦点を絞った酒造りに乗り出していく。</p>



<p>「<strong>『香り華やかですっきりとフレッシュな味わい』『冷やしてワイングラスで飲む日本酒』</strong>など、自分達が目指す酒の姿を言語化･再定義していきました」。誠和蔵の醸造設備を最新機種へ更新し、安定的かつ高品質な酒造り環境を整備。良質な水の口当たりや性質を最大限に活かす「七賢らしい」味わいを再構築し、新たなターゲット層に向けた<strong>ラベルデザインのリニューアルにも試みた</strong>。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>届けるために「しぼる」</strong></h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/85b75dd497d39d28d1b8e6e19ef5d49e.jpg" alt="" class="wp-image-43012" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/85b75dd497d39d28d1b8e6e19ef5d49e.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/85b75dd497d39d28d1b8e6e19ef5d49e-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/85b75dd497d39d28d1b8e6e19ef5d49e-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「商品ラインナップが豊富でも売れるものは一部。卸業者も売れる商品しか売らなくなっていくのが実態です」。自身の卸売経験から、仲介業者に依存する販売体制への危惧を持つようになったという対馬さん。「<strong>生産者が責任を持って売り切れる環境</strong>」を整えるため、従来の取引先を精査しながら、七賢の想いやマーケティング方針を共有し合える“パートナー”との取引に照準を絞り、販売効率を向上させていった。</p>



<p>また山梨銘醸では古酒や生酒、季節商品など多くの銘柄を造っていたが、リブランディング以降ラインナップを大胆に厳選。醸造コストや余剰在庫を削減しながら、よりユーザーの需要に合わせた商品開発にリソースを割くことを実現した。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>「七賢スパークリング」の誕生</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/51e9b742fdaf40857b21a3b2ff49de36.jpg" alt="" class="wp-image-43013" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/51e9b742fdaf40857b21a3b2ff49de36.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/51e9b742fdaf40857b21a3b2ff49de36-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/51e9b742fdaf40857b21a3b2ff49de36-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>七賢が市場開拓を推し進めた背景には、約5年もの歳月をかけて開発された<strong>「七賢スパークリング」</strong>シリーズの存在がある。「日本で飲まれているアルコールの70%が炭酸を含む酒である一方で、日本酒のユーザーはわずか4.8%。これまで日本酒を飲まなかったユーザーにも七賢を届けるためには『泡』が必要でした」。</p>



<p>日本酒に発泡性を持たせるのには二次発酵が必要だが、酒造りにおける制約上酵母を用いることは難しかった。<strong>そこで粗ごした醪（もろみ）の滓（おり）を瓶に詰め、自然発酵で発泡性を持たせる「瓶内二次発酵タイプ」の製法を導入</strong>。火入れのタイミングや発酵温度、期間などを試行錯誤し、平成27年（2015年）「<strong>山ノ霞（やまのかすみ）</strong>」をリリース。麹の甘味とまろやかな酸味、炭酸とともに香るフルーティな吟醸香が好評を呼んだ。後に、米の旨味と芳純な香りが特徴の「<strong>星ノ輝（ほしのかがやき）</strong>」、ウイスキー樽で熟成させることで清涼感のある香りを纏った「<strong>杜ノ奏（もりのかなで）</strong>」を発表。新たなカテゴリとして「七賢スパークリング」を確立し、新規ユーザー獲得に向けて拍車をかけていった。</p>



<p>これらのリブランディングを経た平成30（2018年）年。対馬さんは代表取締役社長に、弟の亮庫さんは専務取締役に就任する。<strong>「性格は違えどやはり兄弟。『美味しい』と思う感覚が共有できるからこそ、信頼して酒造りを任せることができました」</strong>。醸造と商品開発は亮庫さんが一任し、対馬さんはマーケティングやブランディング戦略に専念。「造り手」と「届け手」、それぞれの役割を全うしながら、300年続く銘酒の伝統を現代に繋いできたのだ。</p>



<h3 class="wp-block-heading">フレンチの巨匠「アラン･デュカス氏」との共演</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/7b4719c7a81950628d0c05e354615c2f.jpg" alt="" class="wp-image-43014" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/7b4719c7a81950628d0c05e354615c2f.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/7b4719c7a81950628d0c05e354615c2f-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/7b4719c7a81950628d0c05e354615c2f-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>近年寿司屋や和食店などにもワインやシャンパンが並ぶようになり、「和食には日本酒」というペアリングの常識が薄れ始めていることに危機感を抱いたと言う対馬さん。そこで市場開拓と海外進出を見据え、未参入であったフレンチの世界に飛び込むことを決意する。そんな時に出会ったのが、パリ･モナコ･ロンドンの3ツ星をはじめ、世界中にレストランを展開する<strong>フレンチの巨匠アラン･デュカス</strong>氏だった。</p>



<p>「昨今日本酒を提供し始めているビストロやガストロノミーも増えてきていますが、デュカス氏自身は納得いくものに出会っていなかった。そこで七賢スパークリングをベースにオーダーを受けたのが<strong>『日本らしさを持ち、世界の美食家を頷くもの』</strong>と言うものでした」</p>



<p>対馬さんたちは、“<strong>日本らしさ</strong>”を体現するため、二次発酵前の清酒を桜の樽で熟成させる製法を試みた。これにより、繊細な泡立ちの中にさくらんぼのニュアンスを持つ香りが漂い、樽熟成ならではの淡い苦みをと甘みが余韻する心地よい味わいを実現。令和3年（2021年）4月、食前酒からデザートまで食卓をエレガントに彩る「<strong>アラン･デュカス スパークリング サケ</strong>」を完成させる。</p>



<p>デュカス氏からも高い評価を受けたこの新商品は、スパークリングへの親和性が高いシャンパンユーザーたちにも好評となり、アラン･デュカス系列のレストランをはじめ、海外の飲食店から一定数のオーダーを獲得している。「<strong>世界の人たちに日本酒を知ってもらうきっかけとなれば</strong>」と対馬さん。今後の市場開拓の突破口として大きな期待を寄せる。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>清流を繋ぐ七賢の「スピリッツ」</strong></h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/3f33f86a6e4e6100b07b2bd6ec1d0874.jpg" alt="" class="wp-image-43015" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/3f33f86a6e4e6100b07b2bd6ec1d0874.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/3f33f86a6e4e6100b07b2bd6ec1d0874-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/3f33f86a6e4e6100b07b2bd6ec1d0874-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>山梨銘醸では現在さらに持続可能な酒造りを目指し、工場で使用する電力全量を水力発電による再生可能エネルギーでまかなっている。また、2030年頃に建設予定の新工場では、LPG（液化石油ガス）を水素に置き換える計画もあるのだそうだ。こうした様々な施策を行う中、令和5（2023）年12月に<strong>蒸留酒「アラン･デュカス･サステナブル･スピリッツ」</strong>がリリースされることとなる。</p>



<p>「デュカス氏とディスカッションを重ねる中で、ハードリカーユーザー向けの商品需要を再認識しました。そこで私たちが提案したのが、<strong>酒粕を再利用した本格焼酎造り</strong>です」</p>



<p>日本酒の持つ華やかな香りを宿す焼酎（スピリッツ）を得るため、同じく白州の地でウイスキー造りを行うサントリー白州蒸溜所の樽で、酒粕から抽出されたアルコールを熟成。七賢ならではの吟醸香が清涼感のある爽やかさを強調し、樽熟成特有のまろやかさと、複層的で複雑性を帯びた味わいをつくり出すことに成功した。</p>



<p><strong>「後の世代に白州の清らかな水を残すためにも、自然環境へ配慮した精神性や行動を体現することは義務だと思っています」。</strong>蒸溜された後の栄養豊かな酒粕は山梨県を代表する和牛の飼料に再利用し、その堆肥をまた酒米の生育に活用しているのだそう。その味わいもさることながら、時代に相応しい循環的な醸造デザインとしてデュカス氏からも好評価を受け、SDG’sへ関心の高い欧州のユーザーからも注目されているのだと言う。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>「穏やかで心地の良い」酒造りを</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-2.jpg" alt="" class="wp-image-43016" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-2.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-2-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-2-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>最後に対馬さんは、今日まで無我夢中に走り抜けた約10年間を<strong>「激動期」</strong>と振り返る。リブランディング以前から約2倍にまで業績を伸ばした七賢のニーズは高まる一方だが、次に見据えるのは<strong>「安定期」</strong>。利益の追求も大切だが、次世代へ酒蔵を繋ぐため、安定的に高品質な酒を醸造できる基盤を造っていくことが重要なのだと、今後の展望を語る。</p>



<p><strong>「闇雲に成長スピードを上げれば、必ずどこかに歪みが生まれてしまう。これまでの知見を糧にしながら、まずは自信を持って『美味しい』と思える酒を提供するために、需要に振り回されすぎない自分たちのスタイルやペースを確立していきたいと思っています」</strong></p>



<p>これからは設備の拡張なども視野に入れつつも「穏やかで心地の良い成長を続けていきたい」と語る対馬さん。優しい笑みを浮かべながら、ゆったりと清々しい口調で言葉を締めくくった。酒造りの源流を重んじつつも、業界の縛りや常識に捕らわれず、柔軟な姿勢を貫き続ける七賢。「美味しい酒を届けたい」という純粋な想いと、時代の流れを見据える研ぎ澄まされた感性が、その味わいと技術に磨きをかけていく。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/009831e75f09d89389bb43fea066d290.jpg" alt="" class="wp-image-43017" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/009831e75f09d89389bb43fea066d290.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/009831e75f09d89389bb43fea066d290-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/009831e75f09d89389bb43fea066d290-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/43006/">「七賢」を生む名水と“穏やかで心地の良い”酒造り「山梨銘醸株式会社」／山梨県北杜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>“良い土”育み、暮らしを耕す「クレイジーファーム」/山梨県北杜市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 24 May 2024 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[七賢]]></category>
		<category><![CDATA[農業]]></category>
		<category><![CDATA[山梨県]]></category>
		<category><![CDATA[有機野菜]]></category>
		<category><![CDATA[北杜市]]></category>
		<category><![CDATA[西洋野菜]]></category>
		<category><![CDATA[土壌微生物]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/86cbdf3e744f3ed573bf77a05ba01ce4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>クレイジーファームの有機野菜は、地元レストランのシェフの間でもオーガニックならではの旨味、そしてその種類の多彩さに称賛の声が挙がる。日本百名山にも選ばれる八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳に囲まれた自然の中、環境にも健康にも良い野菜づく [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/86cbdf3e744f3ed573bf77a05ba01ce4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>クレイジーファームの有機野菜は、地元レストランのシェフの間でもオーガニックならではの旨味、そしてその種類の多彩さに称賛の声が挙がる。日本百名山にも選ばれる八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳に囲まれた自然の中、<strong>環境にも健康にも良い野菜づくりは「丁寧に土を育てる」ところから始まる</strong>。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>自然が育む”美味しいもの”を</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/2a0f631b168d99919b4c17d082e8dd1c.jpg" alt="" class="wp-image-42994" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/2a0f631b168d99919b4c17d082e8dd1c.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/2a0f631b168d99919b4c17d082e8dd1c-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/2a0f631b168d99919b4c17d082e8dd1c-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>北杜市小淵沢町の標高約800m、南アルプスや八ヶ岳といった名高い山々に囲まれた地にあるクレイジーファーム。高原特有の寒暖差によって風味が濃く美味しい有機野菜が作られており、<strong>他にもコシヒカリや、地域の銘酒「七賢」に使用される酒米なども生産されている。</strong>代表の石毛康高（いしげやすたか）さんは20代の時、「<strong>身体に良く美味しいものを作りたい</strong>」と農業の道へ歩み出したが、「その道のりは簡単なものではなかった」と語る。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>会社員から農家へ</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693.jpg" alt="" class="wp-image-42996" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>農場をまるで「<strong>研究ラボのような場所</strong>」と例える石毛さん。奥さんが営むレストラン「ristorante koen（リストランテ・コエン）」のピザ釜から出た炭を土に混ぜ、<strong>土壌微生物の主な餌となる炭素を多く含ませるカーボンファーミング</strong>を行うなど、新たな土壌づくりが話題を呼んでいる。石毛さんのアイデアの根源は、農業大学に通っていた際のバイオミメティックスの研究にある。<strong>バイオミメティックスとは、生き物の形や機能、行動や生産の仕組みを研究し、新たな技術開発やものづくりに活かす科学技術を意味する。</strong>環境に対する再生、持続可能性について抱いていた興味が、後に農業へと結び付くこととなったのだ。</p>



<p>横浜出身の石毛さんは農業大学を卒業後、農業関連の会社に就職。その時分には父親が北杜市に別荘を探しており、度々一緒にこの地を訪れていたことから「<strong>甲斐駒ヶ岳などの山々や自然に囲まれて仕事がしたい</strong>」という思いが芽生えたという。転機が訪れたのは17年前。たまたま縁があって北杜市に畑を借りられることとなり、いよいよ有機農業を始めることを決意する。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>西洋野菜栽培の始まり</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/7a610059eb6c8162c144892f8ab03730.jpg" alt="" class="wp-image-42997" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/7a610059eb6c8162c144892f8ab03730.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/7a610059eb6c8162c144892f8ab03730-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/7a610059eb6c8162c144892f8ab03730-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>移住を果たし有機農業を始めた当初はピーマンや大玉トマトなどを育てていたが、知り合いのイタリアンシェフが修行先から種を持ち帰ってきてくれたことをきっかけに、<strong>西洋野菜づくりに取り組むこととなる</strong>。現在約75種類もの野菜を育てているが、ビーツなどのフランス系野菜や、風味の濃さが特徴のイタリア系野菜など西洋野菜の割合は約半分を占めるそうだ。トマトだけでもサンマルツァーノリゼルバやナポリターナカナリア、原種に近く野性味のある甘みと酸味を持つマイクロトマトなど、<strong>あまりスーパーなどには流通しない珍しい野菜が豊富に作られているのがクレイジーファームの魅力</strong>。また、クレイジーファームで作るカーリーケールという品種は、ビタミン・ミネラル類が豊富に含まれ、美肌やアンチエイジングに効果的。ケールの特徴である苦みが少なく、サラダといった生食にも適しており、健康に良い野菜を美味しく食べることができる。<br>「<strong>同じ品種を作ることで起きる連作障害のリスクヘッジとしても、多品目栽培は有効です</strong>」と石毛さん。それまでは道の駅や直売所への卸販売がメインだったが、次第に珍しい西洋野菜を仕入れたいという飲食店が増えていき、<strong>現在はシェフの間でも石毛さんの作る有機野菜は高い評価を得ている</strong>。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>野菜づくりは”シェフとの対話”</strong></h3>



<p>「新しい種を取り寄せ、育て、シェフに試食してもらう」。そのようにトライアンドエラーを繰り返しながら作物を増やしてきた。北杜では地元産の新鮮野菜を持ち味としたレストランが多く、</p>



<p>野菜の旨味を活かした料理のレベルは高い。<strong>「シェフと対話することで、自分もレベルアップできる」</strong>と話す。シェフとの関係性を尊重し、野菜づくりにリクエストも取り入れているという石毛さんの人柄も、料理人たちを惹きつける理由なのだろう。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>微生物が土を、土が野菜を良くする</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/d703555e18444e9b97f4c1ab7ea29089.jpg" alt="" class="wp-image-42998" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/d703555e18444e9b97f4c1ab7ea29089.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/d703555e18444e9b97f4c1ab7ea29089-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/d703555e18444e9b97f4c1ab7ea29089-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><strong>昨今力を入れているのが緑肥栽培だそう</strong>。緑肥栽培とは植物そのものを肥料とする栽培方法で、クレイジーファームでは栽培したライ麦を穂がとれる前に土に混ぜ込んでいる。こうすることで土壌の中に植物生繊維質である炭素が豊富に貯留させることができ、<strong>微生物の活動が活発になることで土壌環境の改善を実現している</strong>。</p>



<p>また、石毛さんの畑には雑草が生い茂っているのも特徴で、高く背を伸ばす草がカーテンのように野菜を直射日光から守ってくれる上に、枯れて土に還っていく循環の中でライ麦と同様土壌への炭素を供給しているのだ。</p>



<p>こうした石毛さんの野菜づくりは海外の飲食業界からも注目されており<strong>、2023年にはサステナブルにこだわり続けるフランスのシャンパンブランド「TELMONT（テルモン）」が東京で開催したペアリンディナーに、クレイジーファームの有機野菜が使用され話題を呼んだ</strong>。イベントのために来日したシェフらは実際にクレイジーファームを訪れ、2019年「Asia&#8217;s 50 Best Restaurants（アジアのベストレストラン50）でアジア1位に輝いたシンガポール「Odette」のシェフ、<strong>ジュリアン・ロワイエ氏からも「エクセレント」という称賛の声が送られるなど、美味しさだけでなく栄養や環境にも配慮した石毛さんの野菜を絶賛したのだという</strong>。</p>



<p>現在は都内の飲食店に販路を拡大するなど着々と業績を伸ばしているクレイジーファームだが、一方で「<strong>地域産業として有機農業が持続可能になるまでにはまだまだ課題が多い</strong>」と石毛さんは語る。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>北杜市ブランドの有機野菜を</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/89fa0a721a5495d917cb8e40cea51305.jpg" alt="" class="wp-image-42999" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/89fa0a721a5495d917cb8e40cea51305.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/89fa0a721a5495d917cb8e40cea51305-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/89fa0a721a5495d917cb8e40cea51305-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>北杜市、韮崎市内には無農薬野菜などの栽培に取り組む20〜40代の農家14戸によって形成される「<strong>のらごころ</strong>」というグループがあり、クレイジーファームもこれに所属している。2013年の発足当時から主に共同出荷や宅配ボックスでの販売などを行いながら、まずはグループとして販路拡大や情報共有による栽培技術の向上を図り、有機野菜生産の持続と発展の形を模索してきたのだという。</p>



<p>また北杜市では、2023年に有機野菜の生産から流通・消費までの一貫した取組みを有機農業者や地域住民が連携しながら推し進める「<strong>オーガニックビレッジ宣言</strong>」を発表。国内生産率の向上や化石燃料使用の軽減に向けたミッションを掲げた「<strong>みどりの食料システム戦略（農林水産省策定）</strong>」に則り、様々な施策が検討されているのだそうだ。</p>



<p>「地域で見てもスーパーに並ぶ大量生産品の野菜を買う人が多いのは事実。有機野菜の価値とその価格をわかってもらうためにも、消費者へのPRや他県への流通強化など、行政のバックアップも不可欠になっていくと思います」</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>サステナブルなライフスタイルを目指して</strong></h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-1.jpg" alt="" class="wp-image-43000" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><strong>現在エネルギーや外国の燃料の価格が高騰している中で、石毛さんは刈り取りや耕しも燃料に頼らない自然農法の実践に取り組んでいる。</strong>コスト削減はもちろん、できるだけ環境に負荷をかけない農業の在り方を模索しながら、有機栽培を通して異常気象等を引き起こす原因である人間の活動を見直していくことが、今後の目標なのだそうだ。</p>



<p><strong>「北杜市で有機農業を始めてよかった。地域の農家や飲食店など、多くの人の助けや繋がりがあったからここまでやってこれたんです」</strong></p>



<p>高齢化や、原材料高騰など課題がある中で、みんなが「農業をやりたい」と思える環境づくりを考える。今後は自分自身が栽培技術やノウハウを若手農家へ伝えていくことに力を注ぎ、農業の未来を担う次世代を育てる役目を果たしていきたいと語る。土と野菜をつくることで人が繋がり、有機農業を通して自然環境や地域経済、人々の暮らしを循環させていく。<strong>農と暮らしが密接に関わり合うサステナブルなライフスタイルが、ここクレイジーファームから広がっていく。</strong></p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/cc57e58a258c2d9d1158e811630cb6b6.jpg" alt="" class="wp-image-43001" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/cc57e58a258c2d9d1158e811630cb6b6.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/cc57e58a258c2d9d1158e811630cb6b6-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/cc57e58a258c2d9d1158e811630cb6b6-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42990/">“良い土”育み、暮らしを耕す「クレイジーファーム」/山梨県北杜市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>山梨の固有品種「甲州」を大切に、伝統と革新のワイン造りを「ルミエールワイナリー」 ／山梨県笛吹市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/42724/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 07 May 2024 01:03:52 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[甲州]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fc19425fefc988b1697c92cd0b4c90d4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>西洋文化が日本に流入してきた明治時代、降矢醸造所の創設以降、山梨県生まれの品種「甲州」に重きを置きながら日本を代表する銘柄を世に送り出してきた株式会社ルミエール(以下ルミエールワイナリー)。日本ならではの甲州オレンジワイ [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42724/">山梨の固有品種「甲州」を大切に、伝統と革新のワイン造りを「ルミエールワイナリー」 ／山梨県笛吹市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/fc19425fefc988b1697c92cd0b4c90d4.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>西洋文化が日本に流入してきた明治時代、<strong>降矢醸造所</strong>の創設以降、<strong>山梨県生まれの品種「甲州」</strong>に重きを置きながら日本を代表する銘柄を世に送り出してきた<strong><a href="https://www.lumiere.jp/" title="">株式会社ルミエール</a></strong>(以下ルミエールワイナリー)。日本ならではの<strong>甲州オレンジワインやスパークリングワイン</strong>の開発に注力しながら、山梨の<strong>ワイン産業</strong>の発展に尽力してきた<strong>木田茂樹社長</strong>が考える今後のビジョンとは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">明治創業の宮内庁御用達ワイナリー</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/e206c2a8c44d64206c31dec5d74ee63d.jpg" alt="" class="wp-image-42726" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/e206c2a8c44d64206c31dec5d74ee63d.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/e206c2a8c44d64206c31dec5d74ee63d-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/e206c2a8c44d64206c31dec5d74ee63d-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本でワイン産業が始まったのは、幕末から明治期にかけての激動の時代。1859年の横浜港開港とともに多くの欧米人が渡来し、日本人は初めてワインを目にすることに。明治政府はワイン造りを重要な産業と位置付け、日本各地で一斉にワイナリーが造られた頃、<strong>日本ワイン発祥の地</strong>とされる<strong>山梨県甲府市</strong>では、1874（明治7）年に日本初の国産ワインが醸造されたと伝えられている。</p>



<p>急速な近代化とワインブームの大きな流れの中、ルミエールワイナリーは1885（明治18）年に降矢醸造所として創業1943年に<strong>株式会社甲州園</strong>に改名、1967年にモンドセレクション国際ワインコンクールで金賞を受賞したことで世界的に認知されるようになり、1992年にワインブランド「ルミエール」を社名にした。</p>



<p>大正時代には<strong>宮内庁御用達</strong>になり、歴史と伝統を誇る格調高いワイン造りが現代に脈々と受け継がれている。</p>



<h3 class="wp-block-heading">山梨県にとって特別な品種「甲州」のワイン</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280.jpg" alt="" class="wp-image-42727" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>2005年の創業120周年の節目に社長に就任したのが木田茂樹氏。2004年から<strong>山梨県ワイン酒造協同組合</strong>の理事を歴任し、2005年には<strong>スロベニア国際ワインコンペティション</strong>の審査員を務めている。「山梨の最大の強みは甲州の存在。日本初のワインの地理的表示『GI 山梨』が認定された2013年以降、甲州ワインが世界的に認知され、海外のワイン好きが甲州を求めて日本を訪れる」と語る。繊細な味わいでバランスが良い甲州は料理に合わせやすく、特に和食とのマリアージュは最高だと海外から称賛されているという。</p>



<p>「甲州園」と名付けられたほど甲州の生産量が多く、現在も甲州ワインに最も注力しており、柑橘系の香りが楽しめる「<strong>甲州シュールリー</strong>」、しっかりと樽熟成させた芳醇でボリューム感のある「光 甲州」、果実香とまろやかな酸が楽しめる豊かな味わいに仕上がったオレンジワイン「プレステージクラス オランジェ」と、個性的なラインアップが揃う。木田社長は「特に皮ごと仕込むオレンジワインに最適な品種」と甲州のポテンシャルの高さを絶賛する。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/aa28ff0bc1bbf4a69b2eff3981228d52.jpg" alt="" class="wp-image-42728" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/aa28ff0bc1bbf4a69b2eff3981228d52.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/aa28ff0bc1bbf4a69b2eff3981228d52-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/aa28ff0bc1bbf4a69b2eff3981228d52-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>瓶内2次発酵後に1年以上瓶熟成を行うスパークリングシリーズもバリエーションが豊富で、<strong>「スパークリング甲州」「バリック甲州＆シャルドネ」「トラディショナル スパークリング KAKITSUBATA」「スパークリング オランジェ」</strong>と、甲州だけでも3種類があり、すっきりとした辛口のスパークリングは、しっかりとした厚みがありながら和食に合わせやすい。甲州を使ったオレンジワインのスパークリングは珍しく、「甲州はもともと柑橘系の香りがあるから爽やかさが醸し出せる。欧州系品種に比べると糖度が2～3度低いが、樹上完熟させてから収穫するとしっかりと味わいののったスパークリングになる」と語る。　</p>



<p>甲州以外にも<strong>シャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン</strong>、スペインの品種・<strong>テンプラニーリョ</strong>など10品種以上を栽培しており、温暖化に合わせてスペインやイタリアなどのいろいろな品種の試験栽培に積極的に取り組む。その中でも<strong>ミルズ</strong>という希少品種は、甘口ながらライチのような香りが特長のアロマティックなワインに仕上がるという。</p>



<h2 class="wp-block-heading">オーガニックの精神でブドウを栽培</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c.jpg" alt="" class="wp-image-42729" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在4haの自社圃場をもち、<strong>不耕起</strong>かつ<strong>草生栽培</strong>、<strong>減農薬</strong>で<strong>自然農法</strong>に近い栽培方法を取り入れている。基本的にはなるべく肥料を与えずに栽培しており、<strong>ブドウの搾りかす</strong>を一年かけて堆肥にして土に戻す<strong>循環型農業</strong>に取り組む。「手を加えすぎたり余計なことはしない。むやみに糖度を上げようとしなくても、この自然環境でできあがったブドウで造られたワインこそ日本人の身体と食事に合うと考えている」。「栽培から醸造まで若いメンバーが中心で、みんなで造り上げているのがルミエールらしさ。スタッフの優しさがワインの味わいにしっかり表れていると思う」</p>



<h3 class="wp-block-heading">時代を超えて受け継がれる古来の設備と製法</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/df38ff9527f28131ca598b9bf8b37407.jpg" alt="" class="wp-image-42730" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/df38ff9527f28131ca598b9bf8b37407.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/df38ff9527f28131ca598b9bf8b37407-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/df38ff9527f28131ca598b9bf8b37407-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>明治時代から歴史を紡いできたルミエールワイナリーには、ワイン醸造で使われた貴重な歴史遺産が残る。<strong>国の登録有形文化財指定</strong>の「<strong>石蔵発酵槽</strong>」は、1901（明治34）年、扇状地の傾斜を利用して構築された石造りの発酵タンクだ。ステンレスタンクがない時代に大量にワインを醸造するのに欠かせない設備だった。2018年には<strong>日本遺産「葡萄畑が織りなす風景～山梨県峡東地域～</strong>」の構成文化財にも指定され、現在もこの伝統ある石蔵発酵槽を使ってマスカット・ベリーAを醸造し「<strong>石蔵和飲</strong>」として販売。ブドウの収穫作業から仕込みまで行う「<strong>石蔵和飲仕込み体験イベント</strong>」も開催している。</p>



<p>古樽が並ぶ石造りの<strong>地下セラー</strong>も長年使われているもので、季節を問わず平均19度と発酵に適した温度に保たれ、地熱の特性が生かされている。秋の醸造シーズンの樽からは絶えず発酵音が聴こえ、その息づかいからブドウの生命力が感じられる。</p>



<h3 class="wp-block-heading">県内ワイナリーのまとめ役として</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/58962da82424952fcb209dd1a4b81dde.jpg" alt="" class="wp-image-42731" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/58962da82424952fcb209dd1a4b81dde.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/58962da82424952fcb209dd1a4b81dde-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/58962da82424952fcb209dd1a4b81dde-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在、山梨県ワイン酒造組合の副会長としてマーケティングに力を入れている木田社長は「日本ワインが世界から脚光を浴びているのは間違いない。特に山梨は組合がしっかりと技術指導を行い、全体のレベルが底上げされている」と語る。県内には個性のある魅力的なワイナリーが90社以上存在し、その中でも大手企業が栽培や醸造において研究・分析したデータを相互に共有できているのも山梨の強みだという。「いろいろなワイナリーのデータが集積していると、それだけ経験値が何倍にもなる。ライバルでありながら技術的な情報共有ができるのは山梨のワイナリーの長所」と語る。</p>



<p>しかし、果樹の一大産地ならではの課題もある。甲州は奈良時代から存在する山梨生まれの品種で、気候の変動にも強いと言われているが、木田社長は生産農家の減少によって甲州がなくなってしまうことを危惧する。「販売価格が高いことから、甲州からシャインマスカットに改植してしまうブドウ生産者も多く、年々醸造用ブドウが減少していて、原料不足が問題になっている。だからこそ、ブドウ生産者が醸造用ブドウを栽培してしっかり収入を得られる仕組みづくりが必要」と言葉に熱がこもる。</p>



<p>経営者という立場からも「山梨のワイナリー全体がどうあるべきかを常に考えている」という。最新の醸造用の機器は海外から手に入りやすくなり、日本のワイナリーの醸造設備はトップレベルまで上がってきているので「あとは栽培における労働の負担をいかに下げて、どのように農業生産性を上げていくかが重要。山梨県ワイン酒造組合全体で気候変動に基づいた品種や栽培地域、そして対策技術などの研究に積極的に取り組んでいくことで、山梨県産ワインのさらなるレベルアップにつながる」と意気込む。</p>



<h2 class="wp-block-heading">山梨県産ワインのさらなる発展のために</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/c828ca074a521c727525881ce61cdca4.jpg" alt="" class="wp-image-42732" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/c828ca074a521c727525881ce61cdca4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/c828ca074a521c727525881ce61cdca4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/05/c828ca074a521c727525881ce61cdca4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>大消費地である東京に隣接していることも強みと捉え「『スパークリングオランジェ』のような新たな価値を創造し、さらにそのクオリティを上げていき、積極的に情報発信を行う。そして山梨のワイナリーに足を運んでもらえるような努力をしていきたい」と語る。特に山梨県内のワイナリー数の半分以上を占める峡東地域は醸造所同士の距離が近く、ワイナリー巡りがしやすいため「日本を代表するワイン観光地として『<strong>ワインツーリズム</strong>』をもっと定着させてPRしていきたい」。</p>



<p>そのためには交通面での仕組みづくりが課題。バスやタクシーはあるものの限られており、観光シーズン中は不便を強いられることも。日本はもちろん世界中から足を運んでもらえるようなインフラの整備が急務だ。</p>



<p>2009年に山梨県産ワインのブランド化と甲州ワインの市場拡大を目指してスタートした<strong>山梨ワイン海外輸出プロジェクト「Koshu Of Japan（KOJ）」</strong>の委員長も歴任する木田社長は、今後さらに海外への輸出に力を入れていくという。特に近年は東南アジアへの輸出も増えており「発酵調味料を使う国では現地の料理と日本のワインはよく合う」と微笑む。</p>



<p>130年以上の歴史を誇るブドウ畑と伝統製法を受け継ぎながら、革新的なワイン造りにチャレンジし、世界から高く評価される銘柄を生み出してきたルミエールワイナリー。「ルミエール」とはフランス語で「光」の意味。さらに明るくより強く確固たる「光」は日本ワインの未来を輝かせる。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42724/">山梨の固有品種「甲州」を大切に、伝統と革新のワイン造りを「ルミエールワイナリー」 ／山梨県笛吹市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>「フルーツ王国･山梨」一大産地の礎を築いた「山梨県果樹試験場」／山梨県山梨市</title>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 24 Apr 2024 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ブドウ]]></category>
		<category><![CDATA[国産フルーツ]]></category>
		<category><![CDATA[ワイン]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/fd39411e860cf92aa3eeb449f7c07c54.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本産の高品質な果物が世界から注目されている。優れた食味を持ちながら生産性と輸送性の高い国産フルーツは、海外でのニーズが高まり、今後も日本の果物輸出市場はますます拡大すると予測されている。そんな日本産果物の一大産地として [&#8230;]</p>
<p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42253/">「フルーツ王国･山梨」一大産地の礎を築いた「山梨県果樹試験場」／山梨県山梨市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/fd39411e860cf92aa3eeb449f7c07c54.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>日本産の高品質な果物が世界から注目されている。優れた食味を持ちながら生産性と輸送性の高い国産フルーツは、海外でのニーズが高まり、今後も日本の果物輸出市場はますます拡大すると予測されている。そんな日本産果物の一大産地として知られる山梨県。果樹栽培の発展を支えてきた「<a href="https://www.pref.yamanashi.jp/kajushiken/103_001.html" title="">山梨県果樹試験場</a>」ではどのような研究が行われているのか。その取り組みと期待の新品種とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">江戸時代から続く山梨県の果樹栽培</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280.jpg" alt="" class="wp-image-42255" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>海外から高く評価されている<strong>日本産フルーツ</strong>。国産果物の輸出額は増加傾向にあり、リンゴ、ブドウ、イチゴ、モモ、メロン、柑橘類の昨年の輸出額は前年比約15～30％増、ナシは40.1％、カキは50％も伸びている。日本の果樹栽培を支えてきたのは、全国にある果樹試験場だ。青森県や福島県、長野県、愛媛県、熊本県など、果樹栽培が盛んな県が運営する11の機関では、その地域の自然環境や気候に合った品種の開発や栽培技術の研究と普及に努めている。</p>



<p>　1938（昭和13）年、江戸時代から続く<strong>山梨県の果樹栽培</strong>の振興と発展を目指して、山梨県果樹試験場が設立された。甲府盆地を見下ろす山梨市の高台に位置し、春には周囲一面がピンク色の桃の花で染まり、まさに「<strong>桃源郷</strong>」と称されるにふさわしい景観が楽しめる。</p>



<p>　江戸時代の書物「<strong>甲斐叢記</strong>（かいそうき）」には、「<strong>甲州八珍果</strong>（こうしゅうはっちんか）」と呼ばれるモモ、ブドウ、ナシ、クリ、カキ、リンゴ、ザクロ、ギンナンまたはクルミの8品が甲州街道を経由して江戸に献上されていたことが記されており、この頃から山梨県では良質な果物が生産され、果樹栽培の歴史が始まっていたようだ。甲府にはすでに観光ブドウ園のようなものがあり、明治時代になると「<strong>観光遊覧ぶどう園</strong>」として有名になったという。明治時代以降、製糸産業の隆盛による養蚕業の衰退とともに、桑畑は次々に果樹園へと切り替わり、山梨で本格的な果樹栽培が始まった。</p>



<h3 class="wp-block-heading">4樹種に特化した研究と育種に取り組む</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/a788995fd4976480b4944231e106bb30.jpg" alt="" class="wp-image-42256" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/a788995fd4976480b4944231e106bb30.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/a788995fd4976480b4944231e106bb30-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/a788995fd4976480b4944231e106bb30-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>果樹はミカンやレモン、ユズなどの柑橘類をはじめとする<strong>常緑果樹</strong>と、ブドウやカキ、リンゴ、キウイ、ナシなどの落葉果樹に分類される。山梨県果樹試験場では<strong>落葉果樹</strong>の中でもモモ、ブドウ、スモモ、サクランボの4樹種に特化した研究と育種が進められている。</p>



<p>　低温に当たらないと花が咲かない性質の落葉果樹は、冬季の低温に遭遇することで安定栽培が可能になる。そのため季節による寒暖差が大きく、降水量も年間約1000mlと少ない山梨県は落葉果樹の露地栽培の適地とされてきた。今やブドウ、モモ、スモモの生産量が日本一で、サクランボは全国3位だ。高温下では育たないサクランボの産地としては、山梨県南アルプス市が南限とされている。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/d703555e18444e9b97f4c1ab7ea29089.jpg" alt="" class="wp-image-42257" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/d703555e18444e9b97f4c1ab7ea29089.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/d703555e18444e9b97f4c1ab7ea29089-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/d703555e18444e9b97f4c1ab7ea29089-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>小林和司場長は「栽培面積も生産量も日本一の大産地にある試験場なので、周りからの期待も大きく、レベルの高い品種や技術を求められている」と語る。スタッフは実験室にこもって研究するだけでなく、17haもの圃場を管理するため、フィールドに出て果樹を栽培しながら改善点や課題を見つけていく。「実際に山梨の生産農家と同じレベルで栽培しないと課題解決の糸口を見つけられない。新たな栽培技術や新品種の開発においてもしっかりとした栽培技術を体得した上で研究することが必須」と話す。特に専門の育種部を設けて品種開発に注力している試験場は全国的にみても珍しい。</p>



<p>　今では全国に広く普及しているブドウ栽培における重要な作業「<strong>ジベレリン処理</strong>」。1959年にブドウ「デラウェア」のジベレリン処理を行うことで種なし化に成功し、1960年にジベレリン処理技術を確立したのは山梨県果樹試験場だった。満開2～3週間前の花穂にジベレリンという植物ホルモンの薬液に房を浸け、開花2週間後に再度行うことで種なし化と果実肥大の促進を実証した。</p>



<p>　1976年には、ブドウ「甲州」の着色不良と糖度低下が生じる「味無果」がウイルス性の病害であることを発見し、その後「巨峰」や「ピオーネ」、「甲斐路」の症状においても同様の原因であることを突き止め、簡易診断ができる緑枝継ぎ検定法を開発。苗木のウイルスフリー化技術の確立により、ブドウの高品質化に貢献してきた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">長い年月のかかる育種に挑戦し続ける</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c.jpg" alt="" class="wp-image-42258" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/5dac0e0e860e6187a34b29fb6a6f884c-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>果樹育成のプロセスは長い年月がかかる。交雑から実がなるまで3年、接ぎ木をして育成し、数回の選抜を経て、優良な品種が見つかるまで10～15年はかかる。醸造用ブドウの場合は、選抜品種の育成後に試験醸造の工程が含まれるのでさらに長い年月がかかり、<strong>ワイン用品種は20年以上もかけて生まれる</strong>という。しかし最終的に有望品種が見つかる保証があるわけではなく、地道な作業を繰り返し行わなければならない。</p>



<h3 class="wp-block-heading">日本生まれの新たなワイン用品種</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0ae0071a4b86380a49d350bbfb305e7e.jpg" alt="" class="wp-image-42259" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0ae0071a4b86380a49d350bbfb305e7e.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0ae0071a4b86380a49d350bbfb305e7e-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0ae0071a4b86380a49d350bbfb305e7e-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>山梨県果樹試験場では、1950年から醸造用ブドウの品種開発に取り組んでいるが、国内には醸造用ブドウの品種開発を本格的に行っている試験場は他にはないという。小林場長は1992年から試験場に勤め、長年ブドウの栽培と育種に携わってきた。</p>



<p>　　「日本で安定して栽培できる醸造用品種」を求め、長年の研究の末、白ワイン用品種「モンドブリエ」（2016年品種登録）「コリーヌヴェルト」（2019年登録）、赤ワイン用の「アルモノワール」（2009年登録）「ソワノワール」（2022年10月出願公表）といったオリジナル品種が誕生。「ビジュノワール」（2008年登録）は商品化しているワイナリーも多い。　「シャルドネやカベルネ、メルローなどの伝統的な品種が存在していて、その品種を超えるまではいかなくても同等のレベルの品種を作るのはとてもハードルが高い」という小林場長だが、ピノ・ノワールとメルローを交雑した「ソワノワール」には大きな期待を寄せている。その滑らかで絹のような味わいから名付けられた新品種で、成熟期は8月下旬と早く、果実のアントシアニン含量がメルローの2倍以上のため着色が良く、ワインの色も濃く仕上がる。適度な渋みとバランスの良いまろやかな味わいのワインは専門家からの評価も高い。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/c828ca074a521c727525881ce61cdca4.jpg" alt="" class="wp-image-42260" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/c828ca074a521c727525881ce61cdca4.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/c828ca074a521c727525881ce61cdca4-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/c828ca074a521c727525881ce61cdca4-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>試験醸造も担当する新谷勝広さんは「近年有機栽培や持続可能な農業の実践が推進されている中で、高品質を維持しながら病気や気候変動に強い品種が求められる」と話す。日本の土壌や気候に適合し、風土を大切にしながら、さらに農薬の使用を極力減らしていけるような品種の開発を目指している。</p>



<p>　「ヨーロッパには多種多様な品種と長い歴史によって生まれた文化がある。これまで育成している品種もヨーロッパの品種がベースになっているものが多いが、今開発している品種が100年、200年後の日本の在来品種になれば。将来日本も多様な品種のあるワイン産地になってほしい」そう願いながら、ヨーロッパに劣らない高品質の品種の開発や日本の風土に合う品種のバリエーションを増やすべく、日々研究に没頭する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">異常気象に耐えられる次世代の品種育成を</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61.jpg" alt="" class="wp-image-42261" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>黒系ブドウの代表格「巨峰」と「ピオーネ」は高温だと着色しにくくなる。黒い色素のアントシアニンを合成する酵素が働く適温は25度以下とされており、熱帯夜で25度以下にならない日が続くと着色が悪くなるという。「もはや栽培面での技術では対応できないところまできている。品種で解決するしかない」と、高温でも着色しやすく山梨の夏に耐えられるような次世代の品種を選抜しており、地球温暖化に対応した品種や異常気象に対応できるような品種の開発に注力している。</p>



<p>　遺伝子解析技術の発達により効率的に品種開発を進められるようになったものの、やはり果樹の育種にはまだまだ手間と時間がかかる。「時代によってニーズは変わるが、育種には10年以上かかるので、高品質や省力化を目指しながら、幅広く対応していかないといけない」と小林場長は語る。</p>



<p>　それでも根本にある「食味の向上と生産性の高さを両立させる品種の開発」は不変だ。果樹は栽培性が悪いと生産量が増えず、品種が普及しない。普及しなければブランド化しないのが果物なのだ。「<strong>シャインマスカット</strong>」のように優れた食味と生産性の良さを併せ持つ品種こそブランドになりうる。山梨県果樹試験場が開発し、今年デビューした「サンシャインレッド」はマスカット特有の香りと味わいを持った赤系品種。「栽培時に着色の点に留意する必要があるが、優れた食味と鮮やかな色彩が魅力」と小林場長も納得の新品種だ。</p>



<p>　長年ブドウの研究に携わってきた小林場長は「目の前の課題を一つひとつ解決することに全力で取り組んできただけ。自分が研究したいことに取り組むのではなく、現場からの要請に応えていく中で経験を積んできた」とこれまでを振り返る。生産現場の悩みに対していち早く原因を究明し、問題を解決して情報提供していく。「農家の期待や要請に即座に応えられる試験場でありたい」そこには、フルーツ王国・山梨という一大産地を背負っている果樹試験場としての誇りが垣間見えた。</p>



<p>　近年「シャインマスカット」の栽培現場では「<strong>未開花症</strong>」という症状が頻発している。栽培を継続していく中で、品種開発の時には出てこなかった病気や障害が出てくることがあるため、早期に解決できるように対応していかなければならない。「今後も常に現場に目を向け、異常気象への対策を検討したり、農家が儲かるような技術を開発していく」と小林場長は語る。</p>



<p>　山梨県果樹試験場の職員の努力と研究の積み重ねがあってこその「フルーツ王国・山梨」。日本をリードする一大産地を守り支えていくため、職員たちは日々圃場に立ち、果物に向き合いながら研究を続けていく。今目の前にあるブドウが、100年後、200年後の未来の日本で愛されているような土着品種になっていることを願いながら。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42253/">「フルーツ王国･山梨」一大産地の礎を築いた「山梨県果樹試験場」／山梨県山梨市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>オープンなファミリーワイナリーを実現した「白百合醸造株式会社」／山梨県甲州市</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/42111/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 11 Apr 2024 01:10:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[ぶどう]]></category>
		<category><![CDATA[山梨県]]></category>
		<category><![CDATA[テロワール]]></category>
		<category><![CDATA[甲州ワイン]]></category>
		<category><![CDATA[甲州市]]></category>
		<category><![CDATA[国産ワイン]]></category>
		<category><![CDATA[甲州]]></category>
		<category><![CDATA[ワイナリー]]></category>
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		<category><![CDATA[ワイン]]></category>
		<category><![CDATA[日本ワイン]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/37fd1f92f625ca056c2cedf184b36ce0.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>古くから葡萄酒文化が浸透し、日常生活にワインが根付いていた甲州市勝沼地区で、ブドウ農家が集まり共同醸造からスタートした白百合醸造株式会社。開かれたファミリーワイナリーを築きながら、磨き上げてきたブランド「ロリアンワイン」 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/37fd1f92f625ca056c2cedf184b36ce0.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>古くから<strong>葡萄酒文化</strong>が浸透し、日常生活にワインが根付いていた<strong>甲州市勝沼地区</strong>で、ブドウ農家が集まり共同醸造からスタートした<a href="https://shirayuriwine.com/" title="">白百合醸造株式会社</a>。開かれたファミリーワイナリーを築きながら、磨き上げてきたブランド「ロリアンワイン」の魅力とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">勝沼に根付く昔ながらの葡萄酒文化</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0a7c1d077115155988f5d291d2e01472.jpg" alt="" class="wp-image-42113" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0a7c1d077115155988f5d291d2e01472.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0a7c1d077115155988f5d291d2e01472-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/0a7c1d077115155988f5d291d2e01472-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>明治時代からブドウ農家が多く存在していた山梨県。1876（明治9）年に甲府城跡に<strong>県立勧業試験場</strong>が建設され、翌年には<strong>県立葡萄酒醸造場</strong>が完成、それ以降山梨県は日本のワイン<strong>醸造発祥</strong>の地として国内有数の一大産地へと発展を遂げる。</p>



<p>ほぼ同時期、山梨県東部に位置する<strong>甲州市</strong>では、<strong>大日本山梨葡萄酒会社</strong>の設立をきっかけにワイン造りの機運が高まっていた。特に<strong>勝沼地区</strong>ではブドウの生産農家が集まって次々に組合を設立し、自家用ワインを造るための共同醸造に乗り出す。できあがったワインは「葡萄酒」と呼ばれ、一升瓶で保存し、湯呑みで飲む独特のスタイルが生まれた。冠婚葬祭はもちろん、日常生活の中でも葡萄酒を愛飲し、農家にとって身近な嗜好品として定着したという。自ら葡萄酒を造って楽しむ習慣が本格的なワイン醸造につながり、今では勝沼エリアは30以上の醸造所がひしめくワイナリー集積地になっている。</p>



<p>1938（昭和13）年創業の<strong>白百合醸造株式会社</strong>（以下：白百合醸造）も共同醸造組合が前身のワイナリーだ。初代が近所の栽培農家と<strong>白百合葡萄酒共同醸造組合</strong>を設立し、1952（昭和27）年に法人化され、時を経て1995（平成7）年に3代目の<strong>内田多加夫</strong>さんが社長に就任した。東京農業大学醸造科から大学院へと進学し農芸化学応用微生物学を専攻していた内田さんだが、卒業後2年間は酒類問屋に勤務して流通業に従事し、その後<strong>南フランス・プロヴァンス</strong>のワイン研究所で実践的なワイン造りを学んだ。その時にフランスで目にしたファミリーワイナリーの姿が内田さんの礎となり、家族経営ならではの温かさとおもてなしを大切にしたファミリーワイナリーを日本で実現しようと情熱を注いできた。</p>



<h2 class="wp-block-heading">東洋の片隅から世界を目指して</h2>



<p>白百合醸造の銘柄「<strong>L’Orient（ロリアン）</strong>」はフランス語で「<strong>東洋</strong>」を意味する。「この日本からヨーロッパ水準の高品質なワインを」という想いから名付けられた。「勝沼のローカルな風土を大切にしながら世界を目指すワイン造り」それがロリアンワインのスピリットだ。</p>



<p>「ここに来て実際にブドウ畑を見てもらい、この風土を肌で感じてもらえたら、きっと私たちのワイン造りを理解してもらえる」ブドウの垣根が一面に広がる畑に立ち、内田さんは穏やかに語る。大切にしているのは「病気がなく健全に育ったブドウ」であること。畝の間隔を広くゆったりと空けることで風通しが良くなり、地面からの湿気や病害虫対策として、ブドウが実る位置を高めに設定している。</p>



<p>手入れが行き届いた畑には、陽が傾き始めると風が出てくるという。甲州市の東側、笹子峠から局地的に吹きつける「<strong>笹子おろし</strong>」という強い風のおかげで空気の流れが良くなり、ブドウが健やかに保たれる。「まさに果樹栽培に最適な場所。私たちのワインにはこの景色や空気感全てがギュッとボトリングされている」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本生まれの土着品種への想い</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b.jpg" alt="" class="wp-image-42114" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p><strong>甲州</strong>と<strong>マスカット・ベリーA</strong>をはじめ、<strong>デラウェア、アジロンダック、メルロー、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド</strong>など、欧州系品種の自社栽培にも取り組むが、日本の土着品種である甲州とマスカット・ベリーAに対する内田さんの想い入れは強い。</p>



<p>「畑では一番元気な品種だけど、ワインになると日本人と同様におとなしくて謙虚。奥ゆかしさと品がある大和撫子のよう」と甲州を表現する内田さん。マスカット・ベリーAについても「欧州系品種と違って、まさに健康第一。畑で元気にこぴっと（甲州弁で「しっかりと」の意）成長してくれる」と微笑む。シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンのような華やかさのある品種ではないかもしれないが「品種の良し悪しではなく、それがブドウの個性。その違いが明確にワインに現れるから面白い」と語る。「日本の品種である甲州とマスカット・ベリーAで造ったワインが業界一良いお酒だねと言われるのが今の目標だし、日本で生まれた改良品種が100年後にこの産地に存在し、より華やかで重厚なワインが生まれたらいい」。</p>



<h3 class="wp-block-heading">愛すべき産地を次世代へつないでいく</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693.jpg" alt="" class="wp-image-42115" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/65881ffbb97bbf0c08c491a316512693-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>白百合醸造では自社栽培のブドウだけでは生産量が足りないため、原料の約7割を契約農家から仕入れている。「ワイン造りは農家ありき」という内田さんは契約農家と密にコミュニケーションをとり、顔の見える良好な関係を築いている。「周辺の栽培農家を信頼しているからこそワイン造りができる。それが小さなファミリーワイナリーの良さ」。しかし、生産者の高齢化や生食用品種への改植により醸造用ブドウの生産量は減少しており、自社畑を増やして対応しているが「畑の半分でも3分の1でも片隅でもいい、例えブドウの樹1本でもいい、ワイン用品種を失うことのないように栽培を続けてほしい。これまで受け継がれてきた日本の品種をこの地域で守り、後世に残していかなければならない」と切実に訴える。伝統を守り、自分たちの産地を愛し、ブドウを取り巻くこの環境全てを後世へとつないでいくことーフランスで学んできた<strong>テロワール</strong>の精神は、内田さんの中に息づいている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本のワインは大切な日本の文化</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/63911977daa06be05c98a16359b25f6a.jpg" alt="" class="wp-image-42116" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/63911977daa06be05c98a16359b25f6a.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/63911977daa06be05c98a16359b25f6a-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/63911977daa06be05c98a16359b25f6a-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>醸造においては「ブドウのクオリティが高いので、あとは清潔に丁寧に熟成させるだけ」と説明する内田さん。これまで国内外のコンクールで数々の受賞歴があるが、笛吹市一宮町の<strong>中川君春</strong>さんが育てた甲州で醸造した「<strong>L&#8217;Orient 甲州Vigne de Nakagawa 2021</strong>」が2023年5月の<strong>先進7ヵ国会議（G7広島サミット）</strong>で各国の首脳に提供されたことは大きな喜びだった。山梨固有の甲州種を使った銘柄が日本を代表するワインとして紹介されたことは、毎年丹精込めてブドウを栽培している生産者にとって大きな励みになっている。また、和食に合うワインとして提供されたことで、甲州ワインの認知度や注目度が高まっており、「日本ワインは日本の文化として海外に届けていきたい」と内田さんは力強く語る。</p>



<p>ワイン造りに力を入れる傍ら、2004（平成16）年にはイタリアから<strong>蒸留機</strong>を仕入れ、イタリア伝統の<strong>蒸留酒「グラッパ」</strong>の生産・販売を開始。甲州やマスカット・ベリーAの果皮を原料に、<strong>減圧蒸留方式</strong>で製造するため、雑味がなくクリーンでマイルドな口当たりとやわらかな香りが楽しめる。希少な国産グラッパは「<strong>内田葡萄焼酒</strong>」と名付けられ、今ではロリアンワインに並ぶ看板商品となっている。</p>



<h2 class="wp-block-heading">地域に根ざしたオープンなワイナリー</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/962f3c9ea0588bf71928f7d760c59200.jpg" alt="" class="wp-image-42117" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/962f3c9ea0588bf71928f7d760c59200.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/962f3c9ea0588bf71928f7d760c59200-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/04/962f3c9ea0588bf71928f7d760c59200-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>多くの人にワイナリーに足を運んでもらい、圃場や醸造所を実際に見て、五感で楽しんでもらうことが重要だと考える内田さんは、山梨県内でいち早く畑や醸造所の見学を可能にし、<strong>農作業体験</strong>を受け入れたり、<strong>スペシャルワインツアー</strong>を開催。<strong>ワインのボトル詰め</strong>や<strong>オリジナルラベル作り</strong>体験も実施し、家族やグループでワインに親しみ、ワイワイ楽しい時間を過ごせるようなオープンなワイナリーとして歴史を刻んできた。</p>



<p>幅広い世代に門戸を広げるのも、国民がもっと日本ワインを愛し、積極的に飲んでほしいと願っているから。そして、ワインが地域文化を築き上げた重要な伝統産業であることを常々実感している内田さんだからこそ、「この郷土に誇りをもつこと。『地産地消』の言葉の通り、日本人にはもっと日本ワインを飲んでほしい」と、その言葉に力がこもる。</p>



<p>高品質なワインを造りながら、地域に愛され育まれてきた葡萄酒文化を受け継いできた白百合醸造。これからもその情熱を絶やすことなく、勝沼という産地を守りながらワインの魅力を伝えるファミリーワイナリーとして挑戦し続ける。</p><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/42111/">オープンなファミリーワイナリーを実現した「白百合醸造株式会社」／山梨県甲州市</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>富士山の北麓から見据えるクラフトビールの“未来”「富士桜高原麦酒」／山梨県富士河口湖町</title>
		<link>https://nihonmono.jp/article/40768/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[devnakata]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 27 Feb 2024 01:00:45 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[「にほん」の「ほんもの」を巡る旅]]></category>
		<category><![CDATA[富士河口湖]]></category>
		<category><![CDATA[クラフトビール]]></category>
		<category><![CDATA[ドイツビール]]></category>
		<category><![CDATA[ヴァイツェン]]></category>
		<category><![CDATA[富士山]]></category>
		<category><![CDATA[山梨県]]></category>
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					<description><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9340468b1bddad70e08519bee357c95c.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>富士山の湧水はミネラルが豊富で、ビール酵母が発酵するのに適している。その湧水を“富士山からのおくりもの”と考え、ビールに変える職人がいる。研修で訪れたドイツで飲んだビールの美味しさに感銘を受けてから20年以上、富士山の北 [&#8230;]</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p><img src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9340468b1bddad70e08519bee357c95c.jpg" class="webfeedsFeaturedVisual" /></p><p>富士山の湧水はミネラルが豊富で、ビール酵母が発酵するのに適している。その湧水を“富士山からのおくりもの”と考え、ビールに変える職人がいる。研修で訪れたドイツで飲んだビールの美味しさに感銘を受けてから20年以上、富士山の北麓で<strong>ドイツビール</strong>を造り続けてきた職人が見据える<strong>クラフトビール</strong>の未来とは。</p>



<h2 class="wp-block-heading">富士桜高原麦酒のはじまり</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9340468b1bddad70e08519bee357c95c.jpg" alt="" class="wp-image-40770" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9340468b1bddad70e08519bee357c95c.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9340468b1bddad70e08519bee357c95c-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9340468b1bddad70e08519bee357c95c-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>日本におけるクラフトビール文化の始まりは、1994年、日本の酒税法が改正された時に遡る。ビール製造免許の条件として最低製造量が2000キロリットルから60キロリットルまで引き下げられ、小規模な醸造所でもビールを生産することが可能となったことがきっかけだ。後に“地域に根差したビール”として<strong>「地ビール」が誕生したが、まだクオリティも洗練されておらず、大手ビールブランドに慣れ親しんでいた国内の消費者には受け入れられぬまま、その文化は次第に薄れてしまう。 </strong></p>



<p>しかし、一部の醸造所は美味しくするための試行錯誤や研究を止めなかった。2000年代に入るとアメリカでクラフトビールの人気に火が付き、日本でも地ビールが改めて見直されるように。今までのイメージを払拭するため、地ビールから「クラフトビール」へと呼称を改めたところ消費者にも広く浸透し、2010年代に入ると各地でクラフトビールブルワリーが立ち上がっていくこととなった。富士山麓に醸造所を構え、今年で25周年を迎える<strong>「富士桜高原麦酒」もそんなクラフトビールブルワリーのひとつ</strong>。醸造長を務める宮下天通さんに話を伺った。</p>



<p>「元々この施設はドライブインだったんです。施設の老朽化に伴い新たな展開を検討していた中で、<strong>自社（富士観光開発）で所有していた水源（湧水）を活かした事業に乗り出すことになりました</strong>」<br><br>湧水をどう活かしていくかと考えた時に富士観光開発が着目したのは、当時国内で流行し始めていた地ビールだった。そこから国内のブルワリーやドイツなど、各地に研修に赴き、本格的なビールの造り方を学ぶところからスタート。「ドイツ・ミュンヘンで初めてドイツビールを飲んだ時の、震えるような旨さを今でもはっきりと覚えている」と言う宮下さん。<strong>富士桜高原麦酒のこだわり</strong>はここから始まった。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ドイツビールの原料と四要素</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b.jpg" alt="" class="wp-image-40771" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/9ba13a1aca95883235d1b2a5d2275e4b-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>富士桜高原麦酒の定番は、小麦の種子を発芽させた小麦麦芽と呼ばれる原料を50％以上使用した<strong>ヴァイツェン</strong>という伝統的な<strong>ドイツビール</strong>。フルーティーで甘くまろやかな味わいで、宮下さん曰く「バランスが良くごくごく飲めるビール」とのこと。1516年、ドイツで発布された世界で最初の食品に関する法律は「<strong>ビールは、モルト・ホップ・水・酵母のみを原料とする</strong>」という内容だった。この<strong>“ビール純粋令”</strong>に27年前、ドイツでビール造りを学んでいた宮下さんは魅せられたという。</p>



<p><strong>モルト</strong>の芽と根を取ってから乾燥させたもので、世界各地で生産されている。その中でも同所ではドイツにある<strong>「ワイヤマン社」のモルトを輸入して使用している。</strong>芳醇な香りとほんのり甘みがあるのが特徴で、多湿な日本の気候で水分を吸収して柔らかくなってしまう事を防ぐ為に、倉庫では徹底した温度や空調の管理がなされている。<strong>モルトの配分でビールの風味や色、味は全く変わってくる</strong>ため、狙った見た目や味わいを引き出す配分を決めるのが職人の経験と腕の見せ所だ。</p>



<p>モルトと並んでビール造りで重要な原料が<strong>ホップ</strong>だ。アサ科の植物でビールに「苦み」と「香り」を与える役割を担っている。造り手がどんな苦みと風味を出したいか、その考えが反映される原料と言える。</p>



<p>ビール酵母は発酵の工程で糖分を取り込み、アルコールと炭酸ガスを生成。アミノ酸を取り込んで香りや味の成分を生成するという二つの役割を担っている。宮下さんは無数にあるビール酵母の中から厳選した2種類の酵母を採用した。</p>



<p><strong>富士山麓地域でビール造りを行う富士桜高原麦酒の強みと言えるのが水だ。</strong>富士山の水は溶岩でろ過されることでビール酵母が発酵するのに適したミネラル量が含まれている。成分の調整などを行う事もできるが、<strong>“水は富士山からのおくりもの”</strong>として捉える富士桜高原麦酒では、水自体に調整を加えるのではなく、その性質に合わせたモルトやホップを配分し、<strong>水のポテンシャルを最大限に生かしたビール造り</strong>を心がけている。</p>



<p>モルト・ホップ・酵母・水の組み合わせによりビールの出来は大きく異なるため、造り手によって決して同じ仕上がりになることはない。この配合の複雑さこそが「醍醐味であり楽しみ」だと宮下さんはいう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">「ここにしかない」ビール造りを</h3>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61.jpg" alt="" class="wp-image-40772" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/de050f5c15c4a97f622c9a561a1e9c61-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>醸造工程の一つに、モルト内のデンプンを酵素の働きによって糖に変える<strong>「糖化」</strong>というものがある。具体的には、粉砕したモルトを糖化釜でお湯と混ぜ合わせた麦汁を作り、温度を上げながら酵素を活性化させていく作業だ。富士桜高原麦酒では麦汁の一部を取り出して沸騰させた後、元の糖化釜に戻して全体の温度を上げる、ドイツ発祥のデコクションと呼ばれる糖化方法を採用している。まず37℃から44℃に温度を上げ、10分間温度を上げず休ませることで、モルトのタンパク質をアミノ酸に分解する酵素を活性化させる。次に58℃に上げてまた10分の休みを挟む。62℃、72℃も重要で5ステップから6ステップを挟む。このように間に時間を置きながら小刻みに温度を上げていく。（なお、ビールの種類により適切な温度帯は異なる。）</p>



<p>小刻みな温度管理をせず、一気に温度を上げきってしまう事も不可能ではない。しかし小刻みにステップを踏んで温度を上げることで安定したビール造りを実現している。</p>



<p><strong>「国内でここまでのステップが可能な設備をもったブルワリーは数少ない」</strong>と宮下さん。実際にブルワリーへ見学に訪れたアメリカのビール醸造家も、この設備を見て感心した程なのだとか。「少しでもお客様に美味しい物を届けたいという気持ちです」。富士桜高原麦酒ならではの設備と経験に裏打ちされたこだわりが、飲む人の心を掴むドイツビールを生み出している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">多彩なラインナップと味わい</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/ab465a1c8015dc00d6694504101e109c.jpg" alt="" class="wp-image-40773" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/ab465a1c8015dc00d6694504101e109c.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/ab465a1c8015dc00d6694504101e109c-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/ab465a1c8015dc00d6694504101e109c-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>現在インターネットでの通販のほか、全国のビアバーや酒販店にもクラフトビールを出荷している。ジャーマンスタイルラガーの<strong>「ピルス」</strong>はクリアなキレと苦みのある味わいが特徴。富士桜高原麦酒の集大成ともいえる<strong>「ヴァイツェン」</strong>は、喉ごしとともにフルーティでまろやかな甘みが口に広がる。2012年にWorld Beer CupとWorld Beer Awardsを受賞した名作<strong>「ラオホ」</strong>はスモーキーで甘みのある味わい。黒ビール<strong>「シュヴァルツヴァイツェン」</strong>にはキレと“甘芳ばしさ”が共存している。</p>



<p><strong>定番クラフトビール4種</strong>の他にも、地産地消にこだわり山梨県富士川町産のゆずを使用したビールなど、<strong>期間限定のクラフトビールが年間約10種類ほど</strong>揃う。ビール好きな人だけでなく幅広い方々がドイツビールの美味しさを存分に楽しむことができるラインナップだ。</p>



<p>どのビールにも炭酸ガスを後から注入するのではなく、ビール酵母の活動で自然発生する炭酸ガスを溶け込ませる「ナチュラルカーボネーション」という方法を採用することで、炭酸を飲んだ時特有の胃が膨らむような感覚の無い、柔らかく滑らかな炭酸の味わいを実現している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「富士桜高原麦酒」が見据える未来</h2>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/63911977daa06be05c98a16359b25f6a.jpg" alt="" class="wp-image-40774" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/63911977daa06be05c98a16359b25f6a.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/63911977daa06be05c98a16359b25f6a-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/63911977daa06be05c98a16359b25f6a-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure>



<p>「これからもドイツビールの素晴らしさを日本中に伝えていくためには、基盤となる“売れるビール”を造らなければいけない」と語る宮下さん。研修先のドイツでビールの醸造と出会ってから20年以上ドイツビールにこだわり続けてきた富士桜高原麦酒だが、近年のクラフトビールブームで注目されているのはIPA（India Pale Ale）と呼ばれるアメリカ生まれのビールだ。ホップを大量に使った苦みの強さが特徴で、ホップをあまり使わない「ヴァイツェン」とは味わいがかなり異なる。</p>



<p>「昨今のIPAビールのブームに負けたくない」自分のこだわってきたドイツビールを残しながらも新しい事にチャレンジしていく必要性も感じているという。そんな思いからドイツビールとIPAを融合した新しいビール<strong>、“ニューイングランドヴァイツェン”</strong>の開発にも力を入れている。ホップの苦味でガツンとしたインパクトを表現しつつ、ドイツビールならではの甘くまろやかな後味を残す、「富士桜高原麦酒」の未来を担う新たなラインナップだ。</p>



<p>「現在日本国内にも様々なブルワリーができています。それぞれの個性を切磋琢磨させながら、日本独自のトレンドを発信して行けるよう、僕たちも富士桜高原麦酒ならではのビール造りに向き合っていきたいです」 「プレッシャーはあるが、そのプレッシャーが楽しい」と最後に笑顔を見せる宮下さん。長年愛される富士桜高原麦酒のブランドを守りつつ、ニーズに寄り添った新たなビール造りを極め続ける職人の想いが、世界を驚かせるニュースタンダードを生み出していくのかもしれない。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="825" height="550" src="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-1.jpg" alt="" class="wp-image-40775" srcset="https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-1.jpg 825w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-1-300x200.jpg 300w, https://nihonmono.jp/wp-content/uploads/2024/02/f642ce3836eb5bb26c0e5dbf2fbfd280-1-768x512.jpg 768w" sizes="(max-width: 825px) 100vw, 825px" /></figure><p>The post <a href="https://nihonmono.jp/article/40768/">富士山の北麓から見据えるクラフトビールの“未来”「富士桜高原麦酒」／山梨県富士河口湖町</a> first appeared on <a href="https://nihonmono.jp">NIHONMONO</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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